ネットで検索すると、クモをペットのように飼っている人がいる。
ペットとまでは言えなくても、身近にいるクモに愛着を感じ、観察している人はかなり多い。
我が家では、毎年大きなクモがコニファーの間に巣を懸ける。
大きさは、脚を伸ばすと5cmほどになる。
庭に飛び回る蚊などを捕ってくれるので、益虫だと思っている。
家の前を通る小学生も「大きなクモだ」と言って、嬉しそうだった。
巣は、クモ同様大きくて、直径が1メートルほどある。
この時期飛び始めた子スズメのせいか、時々巣が壊されて、朝早くから巣を懸けなおしていた。
クモが巣を懸ける際は、最初に枠糸を張る。
これは、風上から糸を流し、風下の樹に懸ける。その上を何度か往復して、枠糸を太くしていく。
次に、その内側に縦糸を張る。縦糸には粘着性がなく、クモはその上を通って移動する。
私が見たときはすでに縦糸が張られていて、同心円状の横糸を円の外側から内側に向かって、渦巻き状に張っている最中だった。
糸はクモのお腹にある出糸突起という器官から出ている。出糸突起は、通常糸いぼと呼ばれるところだ。
近くへ寄って観ると、糸いぼは、電動ドリルのチャックのような形だ(良いたとえではないかもしれないが・・)。
出した糸を、長い脚にひっかけて、縦糸と絡めていく。目にも止まらぬ速さだ。
クモ自身の動きも、とても素早い。1周するのに数十秒しかかからない。
ということで、30分ほどでクモの巣の懸けなおしが無事に完了した。クモさん、ご苦労様でした。
※ クモの種類について
当初、ジョロウグモと書きましたが、コガネグモ(クモ目コガネグモ科)のようです。背側からの写真を追加します(2020/07/29)。
Wikipediaによると、コガネグモの形態、特徴、さらにジョロウグモとの区別は以下の通りです。
■ 形態
体長は、メスで20~30mm、クモとしては大型の部類である。初夏に成熟し、メスの腹部には幅広い黄色と黒の横縞模様があるのが特徴である。オスのサイズはメスの1/5程度とはるかに小型であり、体色は茶色一色である。
■ 特徴
造網性のクモで、ほぼ円形に近いきれいな円網(えんもう)を作る。クモは常に網の中心におり、頭を下に向けて止まる。この時、前2対と後ろ2対の足をそれぞれそろえて真っすぐに伸ばし、その配置はX字状になる。コガネグモは、この足の配置に合わせるように、網の上に糸の帯でできた白いジグザグの模様(白帯)をつける。
■ ジョロウグモとの区別
コガネグモ:
腹部は幅広く、黄色と黒の横しまで、足は比較的太く、直線的。網はほぼ円形の円網で、直径50cm位で、普通は白帯をつける。初夏に成熟する。
ジョロウグモ:
腹部は楕円形で、黄色と水色の横しまで、足は細長く、曲がっている。網は縦長の特殊な円網の変形で、前後に補助的な網をつけ、さしわたし1m近くになる。白帯はつけない。秋に成熟する。
以上より、このクモはコガネグモだと思われました。
だんだん見慣れてくると、愛着が出てきました(笑)