毎年、テント泊で尾瀬に行っています。
今年は孫の尾瀬デビューを計画しましたが、生憎天気予報は雨。そこで日程を短縮して、日帰りハイキングとしました。
先ずは、この時季の尾瀬の景色からご覧ください。いずれも山の鼻の「研究見本園」を散策した際に撮ったものです。
上の写真で、手前に咲いているのはミズバショウです。今年は残雪が6月までしっかり残り、ミズバショウの開花も遅れました。
例年、この時季はお化けのようなミズバショウの葉が生い茂っていますが、今年は仏炎苞(苞のうち、肉穂花序を包む大形のもの。ミズバショウ、ザゼンソウなどのサトイモ科植物にみられる)がまだ残っていました。
次は池塘を挟んで燧ケ岳(2356m、日本百名山)を撮りました。雨の予報でしたが午前中は降ることはなく、時々日も差して燧ケ岳の山頂も見えました。
池の周りにはタテヤマリンドウがたくさん咲いていましたが、背丈の低いお花なので、この写真では分かりません。タテヤマリンドウの開花も例年より遅いようです。
こちらは至仏山(2228m、日本百名山)。山頂は雲に隠れています。7月1日が無雪期の登山解禁日ですが、今年は雪がかなり残っているようです。
さて、それでは「研究見本園」で見かけたお花をご覧いただきますが、その前に「研究見本園」について少しご説明しましょう(説明は尾瀬保護財団のHPからの引用です)。山ノ鼻と隣接する研究見本園は、尾瀬ヶ原の最西部に位置しています。湿原の様々な姿を凝縮したような湿原であることからこの名前が付いていますが、実際には人の手の加わっていない尾瀬の自然の一部です。湿原を周回するように作られた木道を歩くと、湿原の起伏や池塘、また浮島もあり尾瀬の自然を十分に味わうことができます。周回する木道は大回りコースで30~40分、その内側を通る小回りコースは20分ほどで一周できます。ほとんど平坦なので散策にはもってこいの場所です。
では、先ずは初夏の尾瀬を代表するお花、ミズバショウ(水芭蕉、サトイモ科ミズバショウ属の多年草)からご覧いただきます。白く見えるのは先ほど説明した仏炎苞で、円柱状の花序を形成する花自体はとても地味です。
続いて、先ほどお話したタテヤマリンドウ(立山竜胆、リンドウ科リンドウ属の越年草)です。このお花を観ると越後駒ケ岳を思い出します。雪解け直後に氷漬けが解けたように咲くタテヤマリンドウ。とても可憐で素敵なお花です。
次は、ヒメシャクナゲ(姫石楠花、ツツジ科ヒメシャクナゲ属の常緑小低木)です。背丈が20~30cmにしか成長しない小さな木です。
私は初めて見ました。もっと丁寧に撮ればよかったです。
ワタスゲ(綿菅、カヤツリグサ科ワタスゲ属の多年草)はもう綿毛を付けていました。ロングヘアにブラシを当ててやりたくなります。
何だか季節が入り混じっているみたいで、ややこしいです。
実際に湿原にお花が咲いている様子は、こんな感じで、いろいろな植物が混じっています。写真を撮る際も、名前を調べる際もややこしいです。
木道から下りることはできませんので、しゃがんでコンデジを望遠にして撮りますが、お花と茎と葉が混み入ってよく分からなくなります。
普段は帰りがけにビジターセンターに立ち寄って、自然解説員の方にお花の名前を教えていただくのですが、今回は立ち寄らずに帰ってしまいました。
さて、木道から遠くに見えるのはズミ(酸実または桷、バラ科リンゴ属の落葉小高木)のようです。
木道脇でもズミが咲いていました。ズミは別名をヒメカイドウ、コナシなどと言います。後ろに写っているのはまだ蕾のようです。
この黄色いお花はリュウキンカ(立金花、キンポウゲ科リュウキンカ属の多年草)です。このお花も尾瀬を代表するものです。
一緒に写っているのはミズバショウです。
白いお花もたくさん咲いていました。このお花はチングルマ(珍車または稚児車、バラ科ダイコンソウ属の落葉小低木)のようです。
(山歩きさんから教えていただきました。この写真ではよく分かりませんが、別の写真でチングルマらしい葉が写っていました。チングルマは普通群生しますが、ここではぽつんと一つ咲いていました。)
白花といえば、別のところではニリンソウ(二輪草、キンポウゲ科イチリンソウ属の多年草)も咲いていました。
さて、こちらはどんなお花が咲くのでしょう? これから咲くお花を想像しても思いつきません。
(ギョウジャニンニクの蕾でした。お花に詳しい方に教えていただきました。毎年尾瀬に出かけていても、知らないお花がまだまだ多いですね、)
尾瀬には数種類のスミレが咲きますが、これはスミレサイシン(菫細辛、スミレ科スミレ属の多年草)のようです。スミレの仲間としては大きなお花でした。
アマドコロ(甘野老、キジカクシ科アマドコロ属の多年草)です。ナルコユリと同属ですが、花と花柄のつなぎ目が突起状にならない(ナルコユリは緑色の突起状になる)のが見分け方のようです。
咲き始めたばかりのコバイケイソウ(小梅蕙草、ユリ科シュロソウ属の多年草)です。このお花は毒があるので、シカの食害に遭うことはありません。
レンゲツツジ(蓮華躑躅、ツツジ科ツツジ属の落葉低木)の蕾です。このお花も今週咲き出したばかりのようです。やはり毒があるのでシカは食べません。
鳩待峠~山の鼻で観たお花も付け加えます。
ギンリョウソウ(銀竜草、ツツジ科ギンリョウソウ属の多年草)です。ツツジ科って不思議ですね。
カラマツソウ(落葉松草または唐松草、キンポウゲ科カラマツソウ属の多年草)です。数cmの花序を作っていますが、一つひとつのお花は1cmほどしかありません。
最後に、孫の様子ですが、6年生の長男はしっかりしていて私より早く歩きます。2年生の次男もしっかり歩きますが、湿原で大きなクモを見た途端泣き顔になって、早く家に帰りたいと言い出しました。雨が降り出す前に11時に山の鼻を出発し、12時過ぎに鳩待峠を後にしました。
実際に歩いた時間は3時間ほどで、2人の孫にとっては楽勝のハイキングだったようです。どれだけ自然に興味が持てたかは分かりませんが、何らかのよい思い出になってくれれば幸いです。
今年は孫の尾瀬デビューを計画しましたが、生憎天気予報は雨。そこで日程を短縮して、日帰りハイキングとしました。
先ずは、この時季の尾瀬の景色からご覧ください。いずれも山の鼻の「研究見本園」を散策した際に撮ったものです。
上の写真で、手前に咲いているのはミズバショウです。今年は残雪が6月までしっかり残り、ミズバショウの開花も遅れました。
例年、この時季はお化けのようなミズバショウの葉が生い茂っていますが、今年は仏炎苞(苞のうち、肉穂花序を包む大形のもの。ミズバショウ、ザゼンソウなどのサトイモ科植物にみられる)がまだ残っていました。
次は池塘を挟んで燧ケ岳(2356m、日本百名山)を撮りました。雨の予報でしたが午前中は降ることはなく、時々日も差して燧ケ岳の山頂も見えました。
池の周りにはタテヤマリンドウがたくさん咲いていましたが、背丈の低いお花なので、この写真では分かりません。タテヤマリンドウの開花も例年より遅いようです。
こちらは至仏山(2228m、日本百名山)。山頂は雲に隠れています。7月1日が無雪期の登山解禁日ですが、今年は雪がかなり残っているようです。
さて、それでは「研究見本園」で見かけたお花をご覧いただきますが、その前に「研究見本園」について少しご説明しましょう(説明は尾瀬保護財団のHPからの引用です)。山ノ鼻と隣接する研究見本園は、尾瀬ヶ原の最西部に位置しています。湿原の様々な姿を凝縮したような湿原であることからこの名前が付いていますが、実際には人の手の加わっていない尾瀬の自然の一部です。湿原を周回するように作られた木道を歩くと、湿原の起伏や池塘、また浮島もあり尾瀬の自然を十分に味わうことができます。周回する木道は大回りコースで30~40分、その内側を通る小回りコースは20分ほどで一周できます。ほとんど平坦なので散策にはもってこいの場所です。
では、先ずは初夏の尾瀬を代表するお花、ミズバショウ(水芭蕉、サトイモ科ミズバショウ属の多年草)からご覧いただきます。白く見えるのは先ほど説明した仏炎苞で、円柱状の花序を形成する花自体はとても地味です。
続いて、先ほどお話したタテヤマリンドウ(立山竜胆、リンドウ科リンドウ属の越年草)です。このお花を観ると越後駒ケ岳を思い出します。雪解け直後に氷漬けが解けたように咲くタテヤマリンドウ。とても可憐で素敵なお花です。
次は、ヒメシャクナゲ(姫石楠花、ツツジ科ヒメシャクナゲ属の常緑小低木)です。背丈が20~30cmにしか成長しない小さな木です。
私は初めて見ました。もっと丁寧に撮ればよかったです。
ワタスゲ(綿菅、カヤツリグサ科ワタスゲ属の多年草)はもう綿毛を付けていました。ロングヘアにブラシを当ててやりたくなります。
何だか季節が入り混じっているみたいで、ややこしいです。
実際に湿原にお花が咲いている様子は、こんな感じで、いろいろな植物が混じっています。写真を撮る際も、名前を調べる際もややこしいです。
木道から下りることはできませんので、しゃがんでコンデジを望遠にして撮りますが、お花と茎と葉が混み入ってよく分からなくなります。
普段は帰りがけにビジターセンターに立ち寄って、自然解説員の方にお花の名前を教えていただくのですが、今回は立ち寄らずに帰ってしまいました。
さて、木道から遠くに見えるのはズミ(酸実または桷、バラ科リンゴ属の落葉小高木)のようです。
木道脇でもズミが咲いていました。ズミは別名をヒメカイドウ、コナシなどと言います。後ろに写っているのはまだ蕾のようです。
この黄色いお花はリュウキンカ(立金花、キンポウゲ科リュウキンカ属の多年草)です。このお花も尾瀬を代表するものです。
一緒に写っているのはミズバショウです。
白いお花もたくさん咲いていました。このお花はチングルマ(珍車または稚児車、バラ科ダイコンソウ属の落葉小低木)のようです。
(山歩きさんから教えていただきました。この写真ではよく分かりませんが、別の写真でチングルマらしい葉が写っていました。チングルマは普通群生しますが、ここではぽつんと一つ咲いていました。)
白花といえば、別のところではニリンソウ(二輪草、キンポウゲ科イチリンソウ属の多年草)も咲いていました。
さて、こちらはどんなお花が咲くのでしょう? これから咲くお花を想像しても思いつきません。
(ギョウジャニンニクの蕾でした。お花に詳しい方に教えていただきました。毎年尾瀬に出かけていても、知らないお花がまだまだ多いですね、)
尾瀬には数種類のスミレが咲きますが、これはスミレサイシン(菫細辛、スミレ科スミレ属の多年草)のようです。スミレの仲間としては大きなお花でした。
アマドコロ(甘野老、キジカクシ科アマドコロ属の多年草)です。ナルコユリと同属ですが、花と花柄のつなぎ目が突起状にならない(ナルコユリは緑色の突起状になる)のが見分け方のようです。
咲き始めたばかりのコバイケイソウ(小梅蕙草、ユリ科シュロソウ属の多年草)です。このお花は毒があるので、シカの食害に遭うことはありません。
レンゲツツジ(蓮華躑躅、ツツジ科ツツジ属の落葉低木)の蕾です。このお花も今週咲き出したばかりのようです。やはり毒があるのでシカは食べません。
鳩待峠~山の鼻で観たお花も付け加えます。
ギンリョウソウ(銀竜草、ツツジ科ギンリョウソウ属の多年草)です。ツツジ科って不思議ですね。
カラマツソウ(落葉松草または唐松草、キンポウゲ科カラマツソウ属の多年草)です。数cmの花序を作っていますが、一つひとつのお花は1cmほどしかありません。
最後に、孫の様子ですが、6年生の長男はしっかりしていて私より早く歩きます。2年生の次男もしっかり歩きますが、湿原で大きなクモを見た途端泣き顔になって、早く家に帰りたいと言い出しました。雨が降り出す前に11時に山の鼻を出発し、12時過ぎに鳩待峠を後にしました。
実際に歩いた時間は3時間ほどで、2人の孫にとっては楽勝のハイキングだったようです。どれだけ自然に興味が持てたかは分かりませんが、何らかのよい思い出になってくれれば幸いです。