2018年は、毎月どこかの山に出かけ、日本百名山に含まれる山は13座で、そのうち初めて登った山は6座でした。
すべての山にそれぞれの思い出がある中、とりわけ6月の初めに登ったくじゅう連山は、4日間にわたり晴天が続き、満開のミヤマキリシマ、法華院温泉の柔らかいお湯、坊がつるでのまったりとした時間など、すべてが良かったです。
■6月1日(金)快晴
<長者原~坊がつる>
レンタカーで長者原まで移動。ビジターセンターの駐車場に車を停め、館内をさっと見学。国際的な観光地にふさわしい設備でしたが、館内に観光客がいなかったのは残念でした。
ここから20kgのザックを背負って坊がつるまで歩荷開始。途中、雨ヶ池で昼食を摂り、坊がつるまで2時間かけて歩きました。
<坊がつる~大船山~北大船山~大戸越~坊がつる>
坊がつるに到着後、すぐにテントを設営し、大船山(1787m)に向かって出発。ザックは軽いので順調に高度を上げていきます。
大船山では3日に山開き神事が予定されていて、大勢の登山客で賑わいそう。空いているうちに歩きたいと思い、初日に登頂を計画しました。
この山は、先ず山容が素晴らしいです。どっしりとしていて存在感があります。山頂からの眺めも良く、特に由布岳方面がきれいでした。ずっと居たいところですが午後からの登山なので先を急ぎました。
大船山からは一旦登ってきた道を下り、北大船山(1706m)を目指します。
北大船山からの景色はこの日のハイライトでした。振り返って大船山を眺めてもよし、平治岳(1643m)を向いてもよし。とにかく一面がミヤマキリシマでした。
すっかり時間を忘れて写真を撮りまくり、大戸越へ下りた時には平治岳登頂を諦めるしかありませんでした(平治岳には2001年に登頂済)。
足早に坊がつるに戻り、法華院温泉のお湯をいただき、夕食を済ませて20時に眠りました。
■6月2日(土)快晴
<坊がつる~鉾立峠~白口岳~稲星山~久住山~中岳~天狗ヶ城~星生山~北千里浜~坊がつる>
2日目は、くじゅう連山最高峰の中岳を含む、1700m超6峰を回る4日間の中でのハイライトです。
朝食を済ませて、6時半に坊ガツルを出発し、先ずは鉾立峠を経て白口岳(1720m)を目指します。白口岳は坊がつるから見ると連山の左端に見えるピラミッド型の端正な山です。
鉾立峠からは急登ですが、ザックが軽いので快適です。高度を上げるに連れ対面する立中山(1464m)を見下ろし、大船山、北大船山と対峙します。昨日見たミヤマキリシマがここでもきれいでした。
白口岳からは一旦鞍部を経て稲星山(1774m)を目指します。真っ青な空に緑の山がくっきりと浮かびます。山頂では少し風が出てきて、岩陰で休んでお茶を飲みました。
次に目指すのは、くじゅう連山の盟主、久住山(1787m)で、私にとって16年ぶりの登頂になります。標高では中岳に及ばないものの、存在感はやはり一番です。
稲星山から久住山に至る道も、ミヤマキリシマがきれいでした。そしてここから眺める阿蘇山とその外輪山の山々が見事でした。
久住山山頂は多くの登山者で賑わっていて、長居はせずに、次の中岳(1791m)へ御池の周りを回って行くことにしました。
中岳は九州一の標高を誇り、ここからの絶景は見事でした。久住山から歩いてきた道を振り返り、次に向かう天狗ヶ城(1780m)への道をイメージしました。
天狗ヶ城へは一本道ですが、岩場で道を誤り岩登りを楽しむことになりました。その後の星生山(1762m)でも岩登りをして、新たな登山スタイルの魅力に嵌ってしまったかもしれません。
予定通り6峰を歩ききり、坊ガツルには15時半に帰着しました。早めの夕食の後、テントサイトでコーヒーを飲んでまったりと過ごし、20時に就寝しました。
■6月3日(日)快晴
<坊がつる~三俣山南峰~三俣山本峰~北千里浜~坊がつる>
3日目は、1700m超10座のうちの残り2座を目指します。三俣山はくじゅう連山の真ん中にあり、坊がつるからは毎日見上げてきた山です。
一般登山道は北千里浜から諏蛾守越を経ますが、地図には坊がつるからの破線ルートが示されていて、そこを登ることにしました。
登山道入口を示す標識がなく、探し出すのに時間がかかりました。道は滑りやすい黒土の急登が続きますが、3日間続いた快晴が幸いしてそれほど苦になりませんでした。雨の日は決してお勧めしません。
途中、ツクシドウダンがきれいでした。白花のドウダンツツジは時期が遅く、既に散りだしていました。
2時間ほどで三俣山南峰(1743m)と本峰(1745m)に登頂し、11時には法華院温泉で入浴を済ませ、午後はテントサイトで大分県産のサッポロ黒ラベルを飲みながらまったり過ごしました。
■6月4日(月)快晴
<坊がつる~長者原>
4日間過ごした坊がつるともお別れです。早朝テントを撤収し、坊がつるをゆっくり散策した後、長者原に向けて歩き出しました。
この日も梅雨時とは思えない晴天が広がっていました。
<天ケ瀬温泉>
くじゅう連山の周りには温泉がいっぱいです。天ケ瀬温泉を選んだのは、昔泊まった印象が良かったからです。
今回は、山荘天水さんの滝観庵なる離れの露天風呂を独り占めさせていただきました。
優しいお湯に浸かりながら、4日間のくじゅう連山の旅を振り返り、良き思い出と感謝をもって締めくくることができました。
ありがとうございました。