shuの花日記

山や近所で見かけたお花をエピソードを添えて掲載しています。お花の説明は主にウィキペディア、花図鑑を参考にしています。

シジュウカラの子育て日記③ - 6月25日孵化した模様

2024-06-25 13:54:36 | 
前報ではシジュウカラが産卵し、♀が卵を温めていることをお知らせした。
6月10日頃に産卵し、孵化するまで2週間とすると、雛は6月24日に誕生すると予想していた。
居間のカーテンを20cmほど開けて観察を続けた。

予定日の6月24日には、♀が何度か巣箱から出て行くのを観たものの、巣箱に餌を運ぶ姿は観られなかった。
(写真は窓越しに撮影。以下説明がない限り同じ。)


変わったことと言えば、夕刻に巣箱の近くに♂・♀が一緒にいるのが観られた。


翌6月25日の朝、♂・♀の区別は不明だが(後に♂と分かった)1羽が巣箱に入り、1分ほどして出て行くのが見えた。
孵化した可能性が高いと思い、さらに観察を続けた。すると2cmほどの黒い虫を咥えて巣箱に入っていくのが確認できた。♂だけでなく♀も餌を運ぶのが確認できた。
運んでいるのは黒色、緑色のチョウの幼虫のように見えた。

これまで締め切っていた窓を少し開けて写真を撮った。






順調にいけば、巣立ちは7月14日頃になると思われる。残念ながらその日は北海道に行くことになっており、観られない。
無事に巣立つことを祈るのみである。
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蔵王山ハイキング

2024-06-24 05:30:18 | 山行・旅行


40数年ぶりに蔵王山を歩いて来た。古い写真が残っているが、自分でどこをどう歩いたか記憶がない。そこでもう一度歩いておこうというのが動機だった。
出かけたのは6月22日で、この日は関東や北陸が梅雨入りしたものの、東北は晴れていて絶好の登山日和となった。

初めに蔵王山について簡単におさらいしておこう。蔵王山(蔵王連峰)は東北地方の中央部を南北に連ねる奥羽山脈の中にあり、深田久弥氏が選んだ日本百名山の一つである。主峰の熊野岳は標高1841mの活火山だが、山容はなだらかで威厳は感じられない(写真上)。むしろエメラルドグリーンの水をたたえた火山湖の御釜が、蔵王連峰のシンボルとなっている。40数年前に御釜の脇を歩いた写真が残っている。しかし今は危険なため立入りできないようだ。


一方蔵王山自体へのアクセスは容易だ。宮城・山形の両県をまたぐ県道12号(蔵王エコーライン)と有料道路の蔵王ハイラインを使えば、標高1720mにあるレストハウスまで車で行くことができる。レストハウスから刈田岳(標高1758m)は目と鼻の先だ。刈田岳から熊野岳へは緩やかな登山道を1時間ほど歩けばよい。恐らく日本百名山の中で、もっとも登りやすい山の一つではなかろうか。

今回は蔵王エコーラインの刈田峠(標高1598m)駐車場から歩き出した。登りは早朝で運転開始前の登山リフトに沿って歩き、下山はほぼ平行して敷かれている登山道を歩いた。


本記事ではshuの花日記らしく、見かけた花を中心に記事をまとめてみた。
1.刈田峠駐車場で観た花(標高1590m付近)
名前が分からないキク科の植物。花径が4~5cmの大型の花をつけていた。蔵王エコーライン沿道にたくさん観られた。


ハクサンチドリ(白山千鳥、Dactylorhiza aristata、ラン科ハクサンチドリ属の多年草)。駐車場付近にたくさん観られた。




ノビネチドリ(延根千鳥、Neolindleya camtschatica、ラン科ノビネチドリ属の多年草)。ハクサンチドリに比べて数は少なかった。


アブラナ科の植物だが、名前が分からなかった。(山歩きさんからヤマガラシを示唆いただきました。)


ナナカマド(七竈、Sorbus commixta、バラ科の落葉小高木または高木)。


2.刈田峠駐車場~刈田岳で観た花(標高1600~1700m)
ツマトリソウ(褄取草、Trientalis europaea 、サクラソウ科ツマトリソウ属の多年草)。


マイヅルソウ(舞鶴草、Maianthemum dilatatum、キジカクシ科スズラン亜科マイヅルソウ属の多年草)。


ミヤマオダマキ(深山苧環、Aquilegia flabellata var. pumila、キンポウゲ科オダマキ属の多年草)。


ハクサンチドリ(白山千鳥、Dactylorhiza aristata、ラン科ハクサンチドリ属の多年草)。


ウラジロヨウラク(裏白瓔珞、Rhododendron multiflorum、ツツジ科ツツジ属の落葉低木)。


タニウツギ(谷空木、Weigela hortensis、スイカズラ科タニウツギ属の落葉低木)。


ナナカマド(七竈、Sorbus commixta、バラ科の落葉小高木または高木)。


イワカガミ(岩鏡、Schizocodon soldanelloides、イワウメ科イワカガミ属の常緑の多年草)。


(左)刈田岳から御釜と熊野岳を眺める。(右)刈田岳山頂付近で観た鳥。
 

3.馬の背~熊野岳周辺で観た花
マルバシモツケ(丸葉下野、Spiraea betulifolia、バラ科シモツケ属の落葉低木)。


ウラジロヨウラク(裏白瓔珞、Rhododendron multiflorum、ツツジ科ツツジ属の落葉低木)。


イワオトギリ(岩弟切、Hypericum kamtschaticum var. hondoense、オトギリソウ科オトギリソウ属の多年草)。


オノエラン(尾上蘭、Galearis fauriei 、ラン科カモメラン属の多年草)。




イワカガミ(岩鏡、Schizocodon soldanelloides、イワウメ科イワカガミ属の常緑の多年草)。


アオノツガザクラ(青の栂桜、Phyllodoce aleutica、ツツジ科ツガザクラ属の常緑小低木)。


ミネズオウ(峰蘇芳、、ツツジ科ミネズオウ属の常緑小低木)。


コマクサ(駒草、Dicentra peregrina、ケシ科ケマンソウ亜科コマクサ属の多年草)。
ロバの耳コースの熊野岳避難小屋から馬の背にかけて、多く観られた。




(左)幅広い馬の背。(右)熊野岳山頂。
 

4.蔵王エコーライン沿線(標高1000~1500m)で観た花
タニウツギ(谷空木、Weigela hortensis、スイカズラ科タニウツギ属の落葉低木)。


アズマギク(東菊、Erigeron thunbergii 、キク科ムカシヨモギ属の多年草)。
本州の中部以北の山地の草原に分布する。茎の高さは20〜30cm程度で、群生する。花期は4〜6月。


オニアザミ(鬼薊、Cirsium borealinipponense、キク科アザミ属の多年草)。
北陸から東北にかけての日本海側の山地の草原に見られる。茎の高さは1m程であり、葉は深く裂け、縁にあるとげは鋭い。花期は6-9月で、下向きに数個の花をつける。花(頭状花序)は筒状花のみで構成されており、花の色は紫色である。




ハナニガナ(花苦菜、Ixeris dentata var. albiflora f. amplifolia、キク科ニガナ属の多年草)。ニガナの品種。
日本全国に分布する。茎の高さは40~70cmほどになり、茎葉は茎を抱く。茎の上部で枝分かれし、多数の頭花をつける。花期は5〜7月。


サルナシ(猿梨、Actinidia arguta、マタタビ科マタタビ属のつる性落葉樹)かもしれない。
サルナシは日本では北海道、本州、四国、九州に分布するが、北海道や東北地方に多い。


撮影:2024/06/22
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2024年シジュウカラの子育て記②

2024-06-17 10:04:00 | 
4月22日に『シジュウカラの子育て日記①』を書いてから2ヶ月近くが経った。
その記事では、庭のヤマボウシに架けた巣箱で、シジュウカラが巣作りを始めたことを書いた。4月18日に綿毛のようなものを運んでいたので、この時期に巣作りがほぼ完了したように思えた。
次は産卵、そして抱卵、子育てと順調に進むことが期待された。
(4月18日撮影)
 

(4月23日撮影)


ところが4月末~5月初めにかけて家を留守にした間に、様子が変わってしまった。シジュウカラを見なくなってしまったのだ。
次に進展があったのが6月10日頃だ。シジュウカラの♂の声が近くで聞こえたので居間の窓からそっと覗くと、ヤマボウシの樹に♂・♀が止まっていた。
そして♀が巣箱の中に入っていった。巣箱からの♀の出入りは毎日続き、今朝もその様子が確認された。どうやら抱卵に入っているようである。
生長したヤマボウシの葉が被って邪魔だが、致し方ない。
(6月15日撮影)
 

撮影は控えめにして、居間の窓に架けているレースのカーテンは極力閉じている。当面このまま静かに見守りたい。

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グラジオラス、キキョウ、キキョウソウ、ネジバナ etc.

2024-06-16 17:37:26 | みんなの花図鑑
久しぶりに我が家の庭の花です。
グラジオラス(アヤメ科グラジオラス属)が咲き出しました。3年前に球根を植えました。これまでで一番大きな花が咲きました。


毎年6月から咲く早咲きのキキョウ(キキョウ科キキョウ属)です。今年は梅雨入り前に咲き出しました


キキョウソウ(キキョウ科キキョウソウ属)はキキョウより早くから咲いていて、もうそろそろ終盤です。我が家に定植した際は白花だったのですが、今は青い花しか咲いていません。一年草なので、いつの年かに白花が咲くのを楽しみにしています。


ネジバナ(ラン科ネジバナ属)はもう何年も前から毎年咲いています。6月になると咲き出して、まだ咲いています。


アジサイ(アジサイ科アジサイ属)も6月に入って咲き出しました。




サルビア・ガラニチカ(別名メドーセージ、シソ科アキギリ属)も6月に入って咲き出しました。


最後はクイズです。ヒイラギを剪定していて見つけたものです。さてこれは何でしょう?


これはコガタスズメバチの巣のようです。幸い中は空洞でした。巣を作り始めて何らかの理由で諦めたのかもしれません。
危険なハチなので、近くにいて欲しくないですね。
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花いっぱいの平標山・仙ノ倉山ハイキング(その③ 仙ノ倉山~平標山~平標山の家~登山口)

2024-06-15 05:30:00 | 山行・旅行
6月8日に群馬・新潟県境にある平標山(たいらっぴょうやま、標高1984m)・仙ノ倉山(せんのくらやま、同2026m)を歩いてきた。
その③では帰路に観た花を中心にご覧いただきたいと思う。

(地図はクリックすると大きくなります。)


ではその②からの続きで、仙ノ倉山の山頂からスタートしよう。
仙ノ倉山(標高2026m)は谷川連峰の最高峰で、山頂から360°の眺めが楽しめる。広い山頂はハイマツ等の低木に囲まれていて、人々が低木に向き合ったり、あるいは低木を背にしたりして、輪を描くように座っていた。
ちょうど一人が立ち上がったので、空いたスペースに腰を下ろした。低木越しに谷川岳(標高1977m)が見えていた。谷川岳と重なって手前に見える山は万太郎山(同1954m)で、いずれも昨年の今ごろに縦走してきた峰々だ。


山頂でパンを一つ食べて10分ほど休み、次のハイカーのために場所を空けた。
仙ノ倉山の山頂から前仙ノ倉山を見る景色も、雄大で素晴しかった。帰路は平標山までは同じ道を通るので、再びお花畑が楽しめる。


前仙ノ倉山に向かう途中にタカネザクラ(別名ミネザクラ;高嶺桜、Cerasus nipponica、バラ科サクラ属の落葉小高木または低木)がまだ咲き残っていた。


前仙ノ倉山に向かう稜線はなだらかで、好きなところだ。一方風が吹くと避けようがないので、怖い気もする。勿論この日はそんな心配は皆無だった。


前仙ノ倉山の標識は、先ほどは団体さんがつかえていて撮れなかったが、帰路は誰もいなかったのでゆっくり撮れた。この標識がないとここが山頂だと気づかないかもしれない。


前仙ノ倉山を過ぎ、右カーブにかかるところから平標山がよく見えた。山頂は広いが、山全体を見るとかなりの傾斜があり、均衡の取れたきれいな山容だ。


赤い標識はマツダランプと呼ばれている。谷川岳の肩ノ小屋から1kmごとに設置されていて、ここまでの距離は10kmとなっていた。付近にアズマシャクナゲやタカネザクラが咲いていた。


ムシカリ(別名オオカメノキ;虫刈、Viburnum furcatum、ガマズミ科ガマズミ属の落葉低木または落葉小高木)も近くで観られた。この山にはそれほど多くないように思う。


登山道脇にミツバオウレンが群生していた。登りでも気づいていたが、団体さんの後に続いていたので撮らなかった花だ。




開き初めで紅色が濃いアズマシャクナゲ。


チングルマ。




ミツバオウレンの群落。


ハクサンイチゲの群落。


ハクサンイチゲ、ハクサンコザクラ、エチゴキジムシロの群落。


エチゴキジムシロ。




ハクサンイチゲ。


ハクサンコザクラ。


ミネズオウ(峰蘇芳、Loiseleuria procumbens、ツツジ科ミネズオウ属の常緑小低木)。




ハクサンイチゲの蕾。




この花は名前が分からなかった。帰って調べたらクロミノウグイスカグラ(別名ハスカップ;黒実鶯神楽、 Lonicera caerulea var. emphyllocalyx、スイカズラ科スイカズラ属の落葉低木)のようだった。
クロミノウグイスカグラは、日本では北海道を中心に、本州でも中部以北の高山に自生し、北海道では檜山・留萌を除く各地に自生する。本州以南では岩手県の早池峰山、栃木県の戦場ヶ原など、標高の高い地域に自生する。


お花畑でたくさん写真を撮り、最後は木段をゆっくり登って平標山の山頂に戻ってきた。時間は11時30分になっていて、山頂は先ほど来た時以上に混雑していた。
山頂を通り過ぎ、左へ折れて平標山の家の方へ向かった。

数百メートル歩くと左に10人ほどが座れるベンチ群がある。これまでもここで休んでいた。奥に空きがあったので座り、ミックスナッツとドライフルーツを食べた。休んでいる間は靴を脱ぎ乾かすようにしている。そうすることで足指先への負担が軽くなる。15分ほど休んで出発した。

平標山の山頂から平標山の家までは、一直線の下りだ。大半が木段なので歩きやすい。
 

その木段の脇に小さな青い花を見つけた。通りかかった人がハルリンドウだと教えてくれた。
ハルリンドウの茎葉は少し横に開いているが、タテヤマリンドウの茎葉は開かず茎を抱く。上から観たらよく分からなかった。
帰ってからネットで検索したら、平標山で観られるのはタテヤマリンドウ(立山竜胆、Gentiana thunbergii var. minor 、リンドウ科リンドウ属の越年草)のようだった。




少し進んだところにイワイチョウ(岩銀杏、Nephrophyllidium crista-galli 、ミツガシワ科イワイチョウ属の多年草)も観られた。


イワカガミはたくさん観られたが、この花がきれいだったので撮った。


こちらはワタスゲ(綿菅、Eriophorum vaginatum、カヤツリグサ科ワタスゲ属の多年草)だろうか。




ぽつんとムラサキヤシオツツジ(紫八汐躑躅、 Rhododendron albrechtii、ツツジ科ツツジ属の落葉低木)が咲いていた。


こちらは標高が高いところで観たものとやや違うように見えるが、やはりエチゴキジムシロのようだ。


12時22分に平標山の家のテント場に着いた。山の家で水筒に水を補給した。


山の家の分岐を南進すると三国峠に達する。いずれ歩いてみたい道だが、クマの心配があるので一人で行く気にはなれない。
分岐を右折して登山口に向かった。

標高が1500m過ぎまで下ると樹林帯となり、エゾハルゼミの大合唱の中に入った。3年前にショウキランに出会ったので慎重に観ながら歩いたものの、成果はなかった。


樹林帯で観た花を最後に上げておこう。
ミヤマニガイチゴ(深山苦苺、 Rubus subcrataegifolius、バラ科キイチゴ属の落葉低木)。


ズダヤクシュ(喘息薬種、Tiarella polyphylla 、ユキノシタ科ズダヤクシュ属の多年草)。


ツクバネソウ(衝羽根草、Paris tetraphylla A.Gray 、シュロソウ科ツクバネソウ属の多年草)。




13時16分に林道に面した登山口に到着した。


最後はひたすら林道を歩いて駐車場まで戻った。今日も無事に山を歩けたことに感謝したい。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。

花いっぱいの平標山・仙ノ倉山ハイキング (完)
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花いっぱいの平標山・仙ノ倉山ハイキング(その② 松手山~平標山~仙ノ倉山)

2024-06-14 05:30:00 | 山行・旅行
6月8日に群馬・新潟県境にある平標山(たいらっぴょうやま、標高1984m)・仙ノ倉山(せんのくらやま、同2026m)を歩いてきた。
その②では、平標山から前仙ノ倉山にかけての鞍部に広がるお花畑に咲いている花々を中心に、花いっぱいの様子をご覧いただきたい。

(地図はクリックすると大きくなります。)


では、その①の続きから始めることとしよう。
松手山の山頂を示す標柱のすぐ後に、その花は咲いていた。


シャクナゲ、それも驚いたことにハクサンシャクナゲ(白山石楠花、Rhododendron brachycarpum、ツツジ科ツツジ属シャクナゲ亜属の常緑低木)だった。


平標山を含めて谷川連峰ではシャクナゲが有名だが、そのシャクナゲはアズマシャクナゲだ。アズマシャクナゲについては、この記事の後半にいくつか写真でご覧いただくつもりだ。昨年谷川主脈を縦走した際には、峰々でアズマシャクナゲを観てきた。
しかしここで咲いていたのは、明らかにハクサンシャクナゲだ。

アズマシャクナゲとハクサンシャクナゲを比較して観ておこう。
アズマシャクナゲは、本州東北地方の岩手県・宮城県・山形県以南、関東地方、中部地方の長野県・静岡県までの範囲に分布し、亜高山帯の林内、稜線上などに自生する。一方ハクサンシャクナゲは、北海道・本州(中部地方以北)・四国(石鎚山)、および朝鮮半島北部の亜高山帯から一部はハイマツ帯まで分布する。高山の針葉樹林に生える。
アズマシャクナゲの花期は5~6月で、、花冠は直径4~5cmの漏斗形で5裂する。花色は紅紫色で、蕾のうちは色が濃いが、開花するにつれ薄くなる。一方ハクサンシャクナゲの花期は6~8月で、花冠は直径3~4cmの漏斗形で5裂する。 花色は白色から淡紅色で、内側に薄い緑色の斑点がある。
この個体では花冠の内側に緑色の斑点がよく目立っていた。


アカモノもたくさん咲いていて、イワカガミやマイヅルソウも多く観られた。ツマトリソウも咲いていた(写真はイワカガミ)。


標高1680m付近の稜線上に休めそうなところがあったので、そこでザックを下ろし、早めの昼食を摂った。サンドウィッチが美味しかった。
振り返ると歩いてきた道が見え、遠くに苗場山(標高2145m)や佐武流山(同2192m)が見えた。


休憩後は標高1880m付近までいっきに登った。途中黄色いスミレを観た。ナエバキスミレ(苗場黄菫、Viola brevistipulata var. kishidae)のように思えた。


陽当りのよいところにヨツバシオガマ(四葉塩釜、Pedicularis japonica、ハマウツボ科シオガマギク属の多年草)も観られた。ハクサンチドリらしい葉をつけた植物も観られたが、花はまだ咲いていなかった。


標高1880m付近から、お待ちかねのハクサンイチゲ(白山一華、Anemone narcissiflora、キンポウゲ科イチリンソウ属の多年草)が出てきた。


今年は霜害も無く、たくさん咲いていて見事だった。


多くのハイカーが足を止めて撮影していた。


標高が1700m付近で花が終わっていたエチゴキジムシロ(越後雉子筵、Potentilla togasii、バラ科キジムシロ属の多年草)が、ここではきれいに咲いていた。


アズマシャクナゲ(東石楠花、Rhododendron degronianum、ツツジ科ツツジ属シャクナゲ亜属の常緑低木)も観られるようになってきた。


そして山頂のすぐ手前で、ミツバオウレン(三葉黄蓮、Coptis trifolia、キンポウゲ科オウレン属の多年草)が群生していた。


9時30陣に平標山の山頂に到着した。広い山頂に輪を描くようにして大勢のハイカーが休んでいたが、写真の方向だけは人がいなかった。
標柱の写真だけを撮って、すぐに仙ノ倉山に向かった。


さてここからがお花畑の始まりだ。仙ノ倉山までのコースタイムは、標柱に記された時間だと55分だが、撮影に時間がかさむので、さてどのくらいかかるだろうか?
先ずはエチゴキジムシロ。




続いてハクサンコザクラ(白山小桜、Primula cuneifolia Ledeb. var. hakusanensis、サクラソウ科サクラソウ属の多年草)とハクサンイチゲのツーショット。背景にエチゴキジムシロ。


エチゴキジムシロ。


チングルマ(稚児車、Sieversia pentapetala、バラ科チングルマ属またはダイコンソウ属の落葉小低木)。




ハクサンイチゲの群落。蕾が多くあり、まだこれから花数が増えそうだ。


お花畑がずっと続いている。


ハクサンコザクラ。


ハクサンイチゲ。


ハクサンコザクラ。




アズマシャクナゲ。




数百メートル続いた鞍部を抜けて、前仙ノ倉山(標高2021m)に向けて登っていく。先を行く団体さんに追いついてその末尾をずっと歩いた。


足元にもハクサンイチゲ。


前仙ノ倉山付近の稜線から観た南方向の眺め。




10時23分、仙ノ倉山(標高2026m)に到着した。平標山からは53分で、ほぼコースタイム通りだった。
 

『花いっぱいの平標山・仙ノ倉山ハイキング(その③ 仙ノ倉山~平標山~平標山の家~平標登山口)』に続く。
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花いっぱいの平標山・仙ノ倉山ハイキング(その① 登山口~松手山)

2024-06-13 05:30:00 | 山行・旅行
6月8日に群馬・新潟県境にある平標山(たいらっぴょうやま、標高1984m)・仙ノ倉山(せんのくらやま、同2026m)を歩いてきた。
二つの山は花の名山として知られており、女性ハイカーに特に人気が高い。この時期はハクサンイチゲ、ハクサンコザクラ、アズマシャクナゲの群生が見事だ。
この山の登山口は国道17号沿いにあり、新幹線が停まる越後湯沢駅から乗り換えなしのバスの便もあるし、車の場合は関越道の月夜野インターから45分ほどで到着する。そんなことから首都圏からのハイカー(かく言うshuもそうだが)も多いようだ。






この日は平標登山口→松手山→平標山→仙ノ倉山→平標山→平標山の家→平標登山口の順に歩いた。YAMAPのログで、タイム8時間12分(うち休憩1時間23分)、距離13.8km、累計標高差1316mであった。


それでは歩いた順にご覧いただこう。
平標登山口(新潟県湯沢町、標高980m)に着いたのは5時40分で、その時点で国道沿いにある駐車場(200台収容可能)は9割方埋まっていた。係員に誘導されて一番奥のスペースに駐めることができた。6時ちょうどに駐車場を出発した時点では、山際にある臨時駐車場に車が誘導されていた(結局この日は500~600台が駐車していたようだ)。

平標山松手山コースの標柱が出ているところから森の中に入ると、いきなりの急登が続く。このコースはここから標高1410mのところにある鉄塔までの間が一番の急坂だ。何人ものハイカーに追い越されたが気にせずゆっくり登った。
 

道沿いの花は、初めは低山に咲く山野草が観られ、徐々にヤマツツジ、アカモノなどが観られるようになっていった。いくつかをご覧いただこう。

クルマムグラ(車葎、Galium japonicum、アカネ科アカネ亜科ヤエムグラ属の多年草)。


チゴユリ(稚児百合、Disporum smilacinum、イヌサフラン科 チゴユリ属の多年草)。


ヤマツツジ(山躑躅、Rhododendron kaempferi var. kaempferi、ツツジ科ツツジ属の半落葉低木)。


アカモノ(別名イワハゼ;赤物、Gaultheria adenothrix、ツツジ科シラタマノキ属の常緑小低木)。


タニウツギ(谷空木、Weigela hortensis、スイカズラ科タニウツギ属の落葉低木)。


長い毛に包まれたこの果実は見慣れないもので、帰ってから調べたらミヤマヤナギ(別名ミネヤナギ;深山柳、Salix reinii、ヤナギ科ヤナギ属の落葉高木)のようだった。


ミヤマヤナギは北海道と本州中部以北に分布し、亜高山帯から高山帯に生える。今回見かけたのはこの個体のみだった。


花期は5~6月、葉の展開と同時に開花する。雌雄別株。果実はさく果、6~7月に成熟、綿毛で包まれた微小な種子をだす。
この個体は雌株なので、近くに雄株もあるのだろう。


1時間10分かけて鉄塔までたどり着いた。ザックからミックスナッツを取り出してお茶とした。ここで10分ほど休んだ。


再びザックを担ぎ歩き出すと足元にカキドオシ(垣通、Glechoma hederacea subsp. grandis、シソ科カキドオシ属の多年草)のような花が咲いていた。
既に標高は1400mを越えていて、亜高山帯に差し掛かろうとしていた。こんな高地にカキドオシが咲くのだろうかと疑問に思った。
 

さらに進むとマイヅルソウ(舞鶴草、Maianthemum dilatatum、 キジカクシ科スズラン亜科マイヅルソウ属の多年草)の群落が現れた。


続いてイワカガミ(岩鏡、Schizocodon soldanelloides、イワウメ科イワカガミ属の多年草)が現れた。イワカガミはこの先たくさん観られた。


稜線に出ると景色が広がり、植生は高山帯となった。この辺りではツツジ科の樹木が多いが、花の時期にはまだ2週間ほど早いようだった。
開き始めたばかりのウラジロヨウラク(裏白瓔珞、 Rhododendron multiflorum、ツツジ科ツツジ属の落葉低木)を見つけた。


7時55分に松手山(標高)の頂に到着した。頂は稜線上にあり、標柱が無いと分からないほどだ。ここで二居方面へ下る道と分岐する。
松手山の山頂では4~5人が休んでいて、人が入らないよう標柱のみを撮影した。


その標柱のすぐ側に、意外な花が咲いていた。
続きは『花いっぱいの平標山・仙ノ倉山ハイキング(その② 松手山~平標山~仙ノ倉山)』でご覧願いたい。
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植物クロスワード(48)『6月に咲く山の花』の答え

2024-06-12 05:30:00 | クロスワードパズル


タテのカギ
1 リンドウ科リンドウ属の越年草。
 
2 ユリ科ユリ属の多年草。
 
3 オフの対義語。
4 寄席・相撲などの興行で、途中でしばらく休憩すること。
5 英語のアルファベットの8番目。
6 シュロソウ科――属の多年草。
 
9 ボツリヌス菌が生成する毒物の――は、フグ毒の約3万分の一で、青酸カリの約3千万分の一である。
12 ラン科――属の多年草。
 
13 運転者が自ら単独で起こした事故のこと。
14 ラン科キンラン属の多年草。
 
15 家の裏にある木戸。
16 全長約1.5メートルにもなる海水魚。白身なのでムニエルやフライがお薦め。
18 英語のアルファベットの9番目。
19 ドラえもんのひみつ道具の一つで、扉を開くとその先が目的地になるのは、どこでも――。
21 プリンターのインクのマゼンタ(赤)、シアン(青)、イエロー(黄)を同じ濃さで混ぜてできる色。

ヨコのカギ
1 スイカズラ科オミナエシ属 の多年草。
 
7 英語でウィッグと言った方がおしゃれな感じがする。
8 日本に現存するのは、桂――と修学院――の二つ。
9 ♪――ぱっぱ ちいぱっぱ 雀の学校の先生は むちを振り振り ちいぱっぱ・・。
10 石川県能登地方特産の魚醤。イカの内臓またはイワシ・サバなどを塩漬けにし発酵させて造る。いしるとも言う。
11 日本では縄文――、弥生――、 土師器などがある。
13 罪を犯した者が自分から名のり出ること。自首。
14 ツツジ科――属の多年草。
 
16 無数に並び連なること。「万象」(形あるすべてのもの)と合わせて使われることが多い。
17 元素記号が U の元素。
18 「島」を英語で。
20 外務大臣の答弁によく出てくるフレーズ。「日米同盟は日本外交の――です」。
22 正式名称は「―― イスラム共和国」。首都はテヘラン。
23 キジカクシ科――属の多年草。
 

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植物クロスワード(48)『6月に咲く山の花』

2024-06-10 05:30:00 | クロスワードパズル
植物クロスワードは、初投稿から丸4年となりました。ご覧いただいている皆さまに心より感謝申し上げます。
さて、今月の植物クロスワードは『6月に咲く山の花』です。
これまでのshuの花日記に登場した記事から、6月に咲く山の花を選び、クロスの中に埋め込みました。
答えは6月12日にアップします。どうぞお楽しみくださいませ。


タテのカギ
1 リンドウ科リンドウ属の越年草。
 
2 ユリ科ユリ属の多年草。
 
3 オフの対義語。
4 寄席・相撲などの興行で、途中でしばらく休憩すること。
5 英語のアルファベットの8番目。
6 シュロソウ科――属の多年草。
 
9 ボツリヌス菌が生成する毒物の――は、フグ毒の約3万分の一で、青酸カリの約3千万分の一である。
12 ラン科――属の多年草。
 
13 運転者が自ら単独で起こした事故のこと。
14 ラン科キンラン属の多年草。
 
15 家の裏にある木戸。
16 全長約1.5メートルにもなる海水魚。白身なのでムニエルやフライがお薦め。
18 英語のアルファベットの9番目。
19 ドラえもんのひみつ道具の一つで、扉を開くとその先が目的地になるのは、どこでも――。
21 プリンターのインクのマゼンタ(赤)、シアン(青)、イエロー(黄)を同じ濃さで混ぜてできる色。

ヨコのカギ
1 スイカズラ科オミナエシ属 の多年草。
 
7 英語でウィッグと言った方がおしゃれな感じがする。
8 日本に現存するのは、桂――と修学院――の二つ。
9 ♪――ぱっぱ ちいぱっぱ 雀の学校の先生は むちを振り振り ちいぱっぱ・・。
10 石川県能登地方特産の魚醤。イカの内臓またはイワシ・サバなどを塩漬けにし発酵させて造る。いしるとも言う。
11 日本では縄文――、弥生――、 土師器などがある。
13 罪を犯した者が自分から名のり出ること。自首。
14 ツツジ科――属の多年草。
 
16 無数に並び連なること。「万象」(形あるすべてのもの)と合わせて使われることが多い。
17 元素記号が U の元素。
18 「島」を英語で。
20 外務大臣の答弁によく出てくるフレーズ。「日米同盟は日本外交の――です」。
22 正式名称は「―― イスラム共和国」。首都はテヘラン。
23 キジカクシ科――属の多年草。
 
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