https://news.yahoo.co.jp/articles/00e174781619a204de6445681ca07268d92c545b
AFPの取材に応じた専門家らは、ステロイド剤を用いた治療と抗凝血剤のより積極的な使用、そして合併症のリスクがある気管挿管を避けることが成功のカギだと述べる。
現在提供されている治療について、フランス集中治療学会(French Intensive Care Society)のエリック・モーリー(Eric Maury)会長は、「かなりの進歩を遂げている」と話し、また米ニューヨーク地区にある22の病院に所属する医師1000人で構成される組織「プロヘルス・ケア・アソシエイツ(ProHEALTH Care Associates)」で感染症部門を統括するダニエル・グリフィン(Daniel Griffin)氏も「米国では、生存率が著しく上昇している」と説明した。
治療が向上した点として最初に挙げられるのが「薬」だ。
新型コロナウイルスの重症患者にステロイド剤が効果があることは、6月以降に発表の複数の研究でも言及されている。
9月2日の米国医師会雑誌(JAMA)で発表された研究では、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の重症型の患者で、抗炎症薬ステロイドの投与開始から28日後の致死率が、投与していない患者に比べて21%低下することが記された。
死亡率の有意な低下を示した薬剤はステロイド以外にない。
また、抗凝血剤の投与が「これまでよりかなり早期に、はるかに積極的に」行われるようになったことも歓迎すべき変化であると、フランス麻酔・集中治療学会(SFAR)のマーク・レオーネ(Marc Leone)氏は指摘する。抗凝血剤の投与はCOVID-19の重篤な合併症の一つである血栓を防止する助けになる。
■さようなら、ヒドロキシクロロキン
「私たちは、患者に対して手当たり次第に治療を施しているわけではなく、より的を絞った薬剤と処置のリストを使って進めている」
そう説明するのは、プロヘルス・ケア・アソシエイツのグリフィン氏だ。これは、抗マラリア薬のヒドロキシクロロキンが、治療の候補として既に存在していないことからも見て取れる。かつてドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領が推奨し、議論を呼んだこの薬剤については、実際の治療効果が研究で証明されたことは一度もない。
薬以外でも、重症患者への治療において進展は見られる。
米メドスターモンゴメリー医療センター(MedStar Montgomery Medical Center)の看護師、キルステン・ヘンリー(Kiersten Henry)氏は「流行の初期には、早い段階で患者に挿管していた。それが今では、挿管を避けるためにできる限りのことをしている」と話す。
挿管が必要となるケースはもちろんある。ただ、これが感染症などの合併症リスクの残る侵襲的処置であることに変わりはない。
7月に英医学誌ランセット(The Lancet)で発表された論文によると、ドイツでは人工呼吸器を装着したCOVID-19患者の53%が死亡したとされ、また80歳を超える患者のグループでは、この数字が72%まで上昇したとされる。
そこで、鼻から大量の酸素を患者に供給する「高流量酸素療法」が代替処置として用いられるようになった。
これらの治療の向上については、最近の研究結果によって裏付けられている。しかし、医師らは以前から、医学的観察に基づき実践を続けてきた。グリフィン氏によると、挿管、ステロイド、抗凝血剤、ヒドロキシクロロキンなどについての考え方に「180度の転換が起こった」のは「3月上旬から4月上旬にかけて」だという。
しかし、このような医療現場での進展や改善にもかかわらず、専門家らは決して楽観視しないよう注意を促す。
SFARのレオーネ氏はAFPの取材で「今後も必ず死者は出る。この病気に対する治療法が見つかったなどと考えるべきではない」と強く念押しした。
■さようなら、ヒドロキシクロロキン
「私たちは、患者に対して手当たり次第に治療を施しているわけではなく、より的を絞った薬剤と処置のリストを使って進めている」
そう説明するのは、プロヘルス・ケア・アソシエイツのグリフィン氏だ。これは、抗マラリア薬のヒドロキシクロロキンが、治療の候補として既に存在していないことからも見て取れる。かつてドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領が推奨し、議論を呼んだこの薬剤については、実際の治療効果が研究で証明されたことは一度もない。
薬以外でも、重症患者への治療において進展は見られる。
米メドスターモンゴメリー医療センター(MedStar Montgomery Medical Center)の看護師、キルステン・ヘンリー(Kiersten Henry)氏は「流行の初期には、早い段階で患者に挿管していた。それが今では、挿管を避けるためにできる限りのことをしている」と話す。
挿管が必要となるケースはもちろんある。ただ、これが感染症などの合併症リスクの残る侵襲的処置であることに変わりはない。
7月に英医学誌ランセット(The Lancet)で発表された論文によると、ドイツでは人工呼吸器を装着したCOVID-19患者の53%が死亡したとされ、また80歳を超える患者のグループでは、この数字が72%まで上昇したとされる。
そこで、鼻から大量の酸素を患者に供給する「高流量酸素療法」が代替処置として用いられるようになった。
これらの治療の向上については、最近の研究結果によって裏付けられている。しかし、医師らは以前から、医学的観察に基づき実践を続けてきた。グリフィン氏によると、挿管、ステロイド、抗凝血剤、ヒドロキシクロロキンなどについての考え方に「180度の転換が起こった」のは「3月上旬から4月上旬にかけて」だという。
しかし、このような医療現場での進展や改善にもかかわらず、専門家らは決して楽観視しないよう注意を促す。
SFARのレオーネ氏はAFPの取材で「今後も必ず死者は出る。この病気に対する治療法が見つかったなどと考えるべきではない」と強く念押しした。