SMILES@LA

シェルターからやってきたミックス犬のニコとデカピンのニヤ。どちらの名前もSMILEの犬姉妹の思い出を綴ります。

ドッグフード原材料を見てみよう 海外大手メーカー

2023-12-31 00:21:06 | ドッグフード原材料シリーズ
前回はホームセンターやドラッグストアで買える国内大手メーカーのフードを見て行きましたが、今回は手軽に買える海外大手メーカーのフードを取り上げます。


「毎度おまたせで申し訳ありません」


コーングルテンなど、普段ここではあまり出てこない原材料についての説明は前回の記事をご参照ください。

原材料のうち赤字で示したのは「これが入っているフードは避けたい」というもの。
紫字で示したものは「どちらかと言えば避けたい」「書き方が曖昧で不明」というものです。


まずは世界で2番目に大きいペットフードメーカー、ネスレピュリナの製品です。

ピュリナワン
 
チキン、米、コーングルテン、とうもろこし、牛脂、チキンミール、
小麦、脱脂大豆、たんぱく加水分解物、えんどう豆、にんじん、
ミネラル類(カルシウム、リン、カリウム、ナトリウム、クロライド、鉄、銅、マンガン、亜鉛、ヨウ素、セレン、硫黄)
グリセリン、カラメル色素、
ビタミン類(A、D、E、B1、B2、パントテン酸、ナイアシン、B6、葉酸、B12、コリン、K、ビオチン)
アミノ酸類(リジン)、酸化防止剤(ミックストコフェロール)

たんぱく質26%以上、脂質16%以上

価格帯は2kgで2,000円くらいです。

一番最初の原材料=重量ベースで最も多く含まれているのがチキンです。この価格帯の製品としては注目に値する点です。
ただし原材料の時点で生の鶏肉は水分が多いため、調理後に水分が飛んだ状態では実質量はかなり少なくなります。
チキンの後には米、コーングルテン(コーンのタンパク質)、とうもろこしと穀類が並んでいるので、総合するとこの製品も穀類の方が多く含まれます。

使われているチキンの内訳には、「ほぐし粒」と称されている乾燥鶏肉も含まれます。
この乾燥鶏肉、英語表記を見るとグリセリンで過乾燥対策が取られていますが、日本語表記ではグリセリンの表記がありません。
グリセリンには植物由来のものと、石油由来(より安価)がありますが、後者の場合はあまり与えたくはないものです。
表記されていないものに赤信号や黄信号をつけるのは難しいところですが、ちょっと覚えておいてください。

チキンミールは英語表記の原材料ではチキンバイプロダクトミール=チキン副産物のミールとなっていますので、日本で買えるものもチキン副産物ミールが使われている可能性が高いです。
アメリカでのチキン副産物の定義は「頭部、足、内臓、首」で羽根は含まれません。
副産物というと「粗悪な原材料!」と決めつけられることが多いですが、犬にとってはそれほど悪い理由はありません。
鶏の頭やモミジ(足)首肉をわざわざ買って与える人もいるくらいですから。
食資源を無駄にしないという点でも、目くじらを立てる必要はないかと思います。

タンパク源は鶏肉とチキン(副産物)ミールの他、コーングルテンや脱脂大豆などの植物性タンパク質も「タンパク質26%以上」と書かれているうちの結構大きい部分を占めていると考えられます。

コーンや小麦に不足している必須アミノ酸のリジンが添加されているのは良い点です。

価格と品質のバランスから言えば、悪くないと思います。
(私が個人的にネスレピュリナ社がどうしても好きになれないということは別にして😔


次は今やペットフード業界世界No.1のマースペットケア社の製品です。
療法食のロイヤルカナンもマースの製品ですね。

アイムス
 肉類(チキンミール、家禽ミール)、小麦、とうもろこし、大麦、チキンオイル、
植物性タンパク、家禽エキス、乾燥ビートパルプ、乾燥酵母、フィッシュオイル、STPP (トリポリリン酸塩)、フラクトオリゴ糖、
ビタミン類(A、B1、B2、B6、B12、D3、E、K3、コリン、ナイアシン、パントテン酸、ビオチン、葉酸)
ミネラル類(亜鉛、カリウム、カルシウム、クロライド、セレン、鉄、銅、ナトリウム、マンガン、ヨウ素)
アミノ酸類(メチオニン)、酸化防止剤(BHA、BHT、クエン酸)

タンパク質25.0%以上、脂質14.0%以上

価格は2.6kgで約2,000円なので、ピュリナワンよりも少し低価格ですね。

この製品には原材料の時点で生の肉は使われていません。
チキンミールと家禽ミールという書き方をしていますが、家禽ミールというのは多分チキン副産物のミールだと思います。
小麦、とうもろこし、大麦とやはり穀物が多く使われていますね。

紫字で示した「植物性タンパク」これでは正体が何なのかさっぱりわかりませんよね。推測ですが、多分大豆ミールなんじゃないかなあ。何にせよ曖昧で不誠実な書き方です。

STPP(トリポリリン酸塩)という名前が並んでいて「何の添加物だ?」という感じですが、これは安全な食品添加物です。
フードに添加されている目的は歯石の予防です。STPPが唾液中のカルシウムと結びついて歯垢の石灰化を防ぎ歯石になるのを予防します。

タンパク源であるミールは高温処理によってアミノ酸が吸収されにくくなっていることを考慮して、必須アミノ酸のメチオニンが添加されているのは良い点です。

最後の最後に赤字で示した添加物が出てきてしまっていますね。
BHAとBHTはどちらも合成酸化防止剤です。動物実験では肝臓組織の変異などが確認されているため使用量上限が決められています。
ペットフードに用いられるのはもちろん安全であると認められた基準値の範囲内なのでこのフードを食べると健康に悪いというわけではありません(そんなものは売れませんからね)
ただ、こういう使用上限のある食品添加物は、意識していないとトリーツなど他のものからも摂取して、知らず知らずに結構な量を摂ってしまう恐れがあります。
だから私はBHAやBHTが使われている製品は避けるようにしていました。

実はアイムスのフードはアメリカで売っているものとレシピが微妙に違います。
その一例はアメリカのアイムス製品にはBHAやBHTは使われておらず、ミックストコフェロールやローズマリーエキスなど天然由来の酸化防止剤が使われています。
マース社は以前はロイヤルカナンの療法食などにBHAやBHTを使用していたのですが、ロイカナが天然由来の酸化防止剤に変更した後、それまでBHAやBHTが使われていなかったアイムスでこれらの合成酸化防止剤が使われるようになりました。
なんだか引っかかる部分ですよね。

主となる原材料の内容自体はそれほど悪くはないのですが、合成酸化防止剤を使用しているという点で、「私だったら」と考えると選択肢から外します。

ちなみに、ここでは取り上げませんでしたがアイムスよりもさらに低価格帯のペディグリーは、使用原材料の表記の曖昧さ、合成酸化防止剤と合成着色料使用などもありお勧めしません。
(でもペディグリーって世界で一番売れてるドッグフードなんですってよ。なんか色々悲しいわ。)


次もマースペットケアの製品でニュートロ・シュプレモです。
同じニュートロでナチュラルチョイスは以前に記事にしているのでご参照ください。

2019年の記事ですが、その後原材料が変更になった部分は加筆訂正しています。

チキン(肉)、チキンミール、モロコシ、大麦、オーツ麦、玄米、鶏脂、
タンパク加水分解物、ラムミール、サーモンミール、ビートパルプ、
粗挽き米、亜麻仁、チアシード、ココナッツ、乾燥卵、
トマト、ケール、パンプキン、ホウレン草、ブルーベリー、リンゴ、ニンジン、
ビタミン類(A、B1、B2、B6、B12、C、D3、E、コリン、ナイアシン、パントテン酸、ビオチン、葉酸)
ミネラル類(カリウム、クロライド、セレン、ナトリウム、マンガン、ヨウ素、亜鉛、鉄、銅)
アミノ酸類(メチオニン)
酸化防止剤(ミックストコフェロール、ローズマリー抽出物、クエン酸)

タンパク質26.0%以上、 脂質17.0%以上

ニュートロはナチュラルチョイスもシュプレモも1kgで2,000〜2,500円くらいの価格帯で、ピュリナワンやアイムスの約2倍くらいです。

原材料の最初に挙げられているのが、チキンミールではなくチキンなのは良い点です。
ただし実質的には水分の多い生のチキンよりも乾燥したチキンミールの方がタンパク源のメインです。

トウモロコシなど穀類も使用されていますが、小麦ではなく大麦やオーツ麦が使われているのは栄養上うれしいですね。

プレミアムフードなどで見かける緑黄色野菜などが使われているのも良い点です。
(ただしトマトと書かれているのは、トマトジュースなどを搾った後の副産物です)

動物性タンパク質がチキンの他にラムミール、サーモンミールと複数の種類が使われているのはお腹の弱い犬には負担になる場合もあるかもしれません。
(元気な場合には何の問題もありません)

ニュートロはオメガ3脂肪酸の摂取源となるものが弱いです(犬は亜麻仁のオメガ3脂肪酸をうまく活用できない)
このフードを与える場合はフィッシュオイルなどのサプリメントか、週に1〜2回無塩サバ缶を汁ごと少量トッピングするなどをお勧めします。


最後はペットフード大手No.3のヒルズの製品です。

ヒルズ サイエンスダイエット 小型成犬用チキン
トリ肉(チキン、ターキー)、トウモロコシ、小麦、米、
動物性油脂、トリ肉エキス、植物性油脂、亜麻仁、ポークエキス、
トマト、柑橘類、ホウレンソウ、
ミネラル類(ナトリウム、カリウム、クロライド、銅、鉄、マンガン、セレン、亜鉛、ヨウ素)、
乳酸、
ビタミン類(A、B1、B2、B6、B12、C、D3、E、ベータカロテン、ナイアシン、パントテン酸、葉酸、ビオチン、コリン)、
アミノ酸類(タウリン)、
酸化防止剤(ミックストコフェロール、ローズマリー抽出物、緑茶抽出物)

タンパク質21.0%以上、脂質13.0%以上


3kgで約2,500円、ピュリナワンやアイムスとほぼ同じ価格帯です。

原材料の一番最初がトリ肉とターキーと表記されていますが、これは多分チキンとターキーのミールです。
全部がミールではないにしてもミールが含まれているはず。(でも多分全部ミール)
コーングルテンなどを使わずに生の肉だけを使ってタンパク質21%にするには、この価格では難しいでしょうから。

その後にトウモロコシ、小麦、米と穀類が続くので穀類の割合はやはり高めです。
この米というのは輸送や保存の際に割れたり欠けたりしたクズ米です。
(他社で粗挽き米と書かれている場合も同様のクズ米です。)

紫字で示した動物性脂肪と植物性脂肪、どちらも具体的に何の油なのかがわかりません。複数の種類の油脂を混合して使用している場合、こういう表記になります。

トマト、柑橘類と表記されているのはどちらもジュースなどを搾った後の繊維です。
トマトジュースやオレンジジュースの副産物ですね。

この価格帯としてはそれほど悪い内容ではないですが、わざと誤解させるような表記の仕方が多い印象です。

この製品もニュートロ同様にオメガ3脂肪酸の摂取源になるものが亜麻仁だけなので、フィッシュオイルや無塩サバ缶などのトッピングをお勧めします。
アミノ酸としてタウリンが添加されているのは良い点ですが、ゆで卵や茹でた鶏肉、ヨーグルトなどを少量トッピングすると良い形で必須アミノ酸が摂れます。



「あのね、おかーさんネスレピュリナが好きになれないって言ってるけど、マースもヒルズもアレなんだよ」

うん、ピュリナもマースもヒルズもアレだよね。
ピュリナもヒルズも過去に大規模な健康被害を伴うリコール騒動を複数回起こしていて、その時の対応が非常に悪印象だった。
マースは大規模な健康被害が出たリコールは記憶にないけれど、動物病院向けに療法食の無料サンプルを大量配布している。その分はもちろん製品価格に反映される。
療法食なんて気軽にサンプル配るものじゃないことはメーカー自身がわかっているはずなのにね。

療法食と言えば3社すべてが販売しているけれど、日本では療法食が通販などで普通のフードと同じように買える仕組みをメーカーが許しているのもおかしい。
(アメリカでは通販で療法食を買うにも獣医師の処方箋が必要)

他にも山のように言いたいことがあるのですが、要するに海外超大手メーカーの企業としての姿勢が好きじゃないんですよ。

そういう点で言えば、ホームセンターなどで手軽に買える大手メーカーのフードなら国内メーカーの方が良いかもしれません。


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ドッグフードの原材料を見てみよう 国内大手メーカー

2023-11-04 01:48:30 | ドッグフード原材料シリーズ
今回はかなり目先を変えて、近所のスーパーやホームセンターで買えるフードを見ていくことにしました。


「めっちゃ長いのでカクゴしてください」

継続的な円安、不安な世界情勢、輸送燃料や穀類の価格高騰といった問題から、ペットフードも値上げや日本での販売停止が相次いでいます。
このような状態ですから、手軽に入手できるフードがどのような内容なのかを知っておくのも大切ではないかと思ったのが理由のひとつ。

もうひとつの理由は、善意で迷い犬を保護したり、犬を迎えたばかりの人が色とりどりのカラフルなフードを与えているのをSNSなどで目にする機会があって、手軽なフードの中でも注意点を上げておく必要を感じたからです。

今回は数が多いので、いつものように原材料ひとつひとつの解説ではなく総評を中心に書いていきます。

まず最初に、今までこのシリーズでは登場したことのない原材料について簡単に説明しますね。

・コーングルテンミール
簡単に言えばコーンスターチを製造する際の副産物です。
粉砕したコーンを亜硫酸水に浸して、沈澱した部分からはコーンスターチ、タンパク質が溶け出した上澄み液からコーングルテンが精製されます。
つまりコーングルテンはコーンのタンパク質で、これを粒状に加工したのがコーングルテンミールです。

・コーングルテンフィード
これもコーンスターチ製造の際の副産物のひとつです。
コーンスターチを精製する際に取り除いた果皮などの繊維部分に、前述の上澄み液を浸み込ませたのがコーングルテンフィードです。

・コーンフラワー
乾燥したコーンを粉に挽いたものです。つまりデンプンもタンパク質も食物繊維も全部が含まれています。

・小麦ふすま(フスマ)
脱穀した小麦の果皮を粉末にしたものです。(米で言えば糠)
水溶性と不溶性両方の食物繊維、ビタミン類とミネラル類を含みます。

・小麦グルテン
小麦粉を水で練って、それをさらに水で晒した後に残ったのが小麦に含まれるタンパク質であるグルテンです。
プラントベースの挽肉タイプ製品などに多く使われるようになってきたので、ペットフードに使われるのは今後減っていくかもしれません。
小麦グルテンはまるで邪悪な食べ物のように言われることが多々ありますが、犬がセリアック病か小麦アレルギーでない限り、小麦グルテンは特に有害なものではありません。


・ビーフパウダー
牛脂などを搾った後に残った部分を加熱乾燥して粉状に挽いたものです。ビーフと聞いて連想する赤身の肉ではありません。

・ショ糖
砂糖の主成分です。上白糖なら97%グラニュー糖なら99%がショ糖なので、砂糖と同じように考えてOKです。(ペットフードの原料としての話)


では、ドッグフードを順番に見ていきます。
原材料一覧のうち赤字になっているものは、私が「これが入っているものは買わないなあ」と考える赤信号の原材料です。
紫字になっているものは「この表記の仕方には注意」の意味と「原材料として赤信号とまでは言わないが黄信号」というものです。


まずは国内で最も売れていると言われるこのブランド
愛犬元気

穀類(トウモロコシ、小麦粉、コーングルテンミール、フスマ、パン粉、コーングルテンフィード
肉類(チキンミール、チキンエキス、ビーフパウダー、ササミパウダー
豆類(脱脂大豆、大豆エキス)、動物性油脂
魚介類(フィッシュミール、フィッシュエキス、小魚パウダー)
野菜類(ビートパルプ、ニンジンパウダー、カボチャパウダー、ホウレンソウパウダー)
ビール酵母、
ミネラル類(カルシウム、塩素、コバルト、銅、鉄、ヨウ素、カリウム、マンガン、ナトリウム、リン、亜鉛)
ビタミン類(A、B1、B2、B6、B12、C、D、E、K、コリン、ナイアシン、パントテン酸、ビオチン、葉酸)
着色料(赤色102号、赤色106号、黄色4号、黄色5号、青色1号)
酸化防止剤(ミックストコフェロール、ハーブエキス)、ミルクカルシウム

タンパク質22.0%以上 脂質10.0%以上

原材料の表記は重量ベースで多く含まれるものから順に書かれていますので、この製品は穀類が最も多く含まれていることがわかります。
たくさんの種類が書かれていますが、要はトウモロコシと小麦ですね。
他のペットフード評価サイトなどでは小麦やトウモロコシはアレルギーの原因になりやすいとか、消化が良くないと書かれているのを見かけます。
しかし犬のアレルギーの原因は圧倒的に動物性タンパク質が多いので、それは必ずしも正しくありません。
またコーングルテンはたいへん消化しやすいし、小麦もグルテン不耐症でもない限り、それほど消化の悪いものではありません。
ただこれだけ多くの穀類が含まれていると製品全体の炭水化物の割合がかなり高くなります。
犬は本来は炭水化物を摂らなくても大丈夫なので、犬の食生活としてはバランスが悪いということになります。
またコーングルテンや小麦のタンパク質には犬に必要なアミノ酸のいくつかが不足しています。

穀類表記の最後に「等」という文字がありますが、これは他にも何かが入っているということですが、それが何だかわかりません。
もしもアレルギーのある材料だったら?と考えると「等」の表記のあるフードは避けたくなりますね。
肉類の最後の「等」も同じです。他に何の肉類が入っているの?という疑問を持ちますよね。

この製品に使われている動物性タンパク質はすべて『ミール』と呼ばれる肉や骨を高温加熱で乾燥させたものです。
その高温加熱の際にアミノ酸の一部が損なわれている可能性があるのですが、それを補うためのアミノ酸(メチオニン、リジンなど)が添加されていないのも気になる点です。
今まで取り上げて来たフードでもミールを使っているものは多いですが、ほとんどの場合にアミノ酸が添加されています。

チキンエキス、フィッシュエキス、大豆エキスという名称が見えますが、これらは全てタンパク加水分解物です。
鶏や魚や大豆の普通の食用に適さない部位を酸で処理して、タンパク質をアミノ酸のレベルにまで分解したもので、旨味の素になります。

紫字で示した動物性油脂、これのいけないところは何の油脂なのかがわからないことです。
牛なのか豚なのか鶏なのか?多分混合なのだと思いますが、油脂類の名前がたくさん並ぶと不健康なイメージになるのでまとめてあるのでしょう。

このフードで最も良くない点は赤字で示した着色料です。
製品名で野菜をアピールしており、ニンジン、カボチャ、ホウレン草が入っているため、それを表現するために着色しているのだと思います、
でもペットフードはアートではないのだから色で表現する必要はないし、着色料は消費者の目をくらますものとも言えます。
いくら安全基準値の範囲内でも、全く必要がない上に危険である可能性のあるものを与えるわけにはいきません。

というわけで、このフードはお勧めしないです。


次は日本で最初に発売されたドッグフード、老舗のビタワンです。

ビタワンオリジナル
 
穀類(トウモロコシ、小麦ふすま、脱脂米糠、コーングルテンフィード)
肉類(チキンミール、牛肉粉、豚肉粉、チキンレバーパウダー)
豆類(脱脂大豆、おから粉末)、油脂類(動物性油脂、植物性油脂(オメガ-6脂肪酸含む))
海藻粉末(DHA源)、ビール酵母(β-グルカン源)、セレン酵母
乾燥キャベツ、オリゴ糖、カゼインホスホペプチド
ミネラル類(カルシウム、リン、ナトリウム、クロライド、鉄、銅、マンガン、亜鉛、ヨウ素、コバルト)
アミノ酸類(アルギニン、トレオニン、メチオニン)
ビタミン類(A、B2、B6、B12、D、E、パントテン酸、コリン)
酸化防止剤(ミックストコフェロール、ローズマリー抽出物)
香料、バチルスサブチルス(活性菌)
たんぱく質20.3%以上、脂質8.0%以上、水分10.0%以下

穀類が最初に書かれていること、肉類が全てミール(肉粉はミールです)である点は愛犬元気と同じなのですが、穀類やミールで不足しがちなアミノ酸がこの製品には添加されています。
小麦ふすまや米糠、おからといった食物繊維が多いので便の量は増えると思います。

油脂類が動物性と植物性としか書かれていないのは気になる点です。
オメガ6脂肪酸について言及しているのは良い点ですが、もう一つの必須脂肪酸であるオメガ3脂肪酸については「海藻粉末(DHA源)」としか書かれていません。
海藻から抽出したオイルならDHA源になり得るのですが、海藻粉末では十分な量のオメガ3脂肪酸は摂取できません。
ですから、もしこの製品を与える場合には何らかの形でオメガ3脂肪酸をプラスする必要があります。(無塩サバ缶のトッピングやサプリメントなど)

紫字で示した香料も本来は不要なものですが、犬が喜んで食べるためには役に立つのかもしれません。

手軽に買えてお財布にも優しいフードという条件なら、愛犬元気よりはビタワンの方が良いと思います。
ただタンパク質が低めで炭水化物が多いフードなので、肉や魚類のトッピングをするとより良くなるかと思います。
量はフードの1割くらい、茹でた豚コマとか鶏胸肉、ゆで卵や上にも書いた無塩サバ缶などです。


同じビタワンブランドの違うタイプのフードも見てみましょう。
これはカリカリではなくて、ちょっとしっとりしたタイプのフードです。
原材料そのものについては愛犬元気やビタワンと変わらないので赤字と紫字の添加物を中心に書いていきます。

ビタワンもっちりふっくら
 
穀類(小麦粉、コーンフラワー、小麦グルテン)、大豆たんぱく、
肉類(国産チキン、国産鶏レバー、ビーフ)、糖類(ショ糖、オリゴ糖)
油脂類(動物性油脂、γ-リノレン酸)、野菜類(トマト、ニンジン、ホウレンソウ)
小魚粉末、チーズ、プロピレングリコール
ミネラル類(カルシウム、リン、ナトリウム、クロライド、銅、マンガン、亜鉛、ヨウ素、コバルト)
ソルビトール、保存料(ソルビン酸カリウム、デヒドロ酢酸ナトリウム
ポリリン酸ナトリウム、着色料(二酸化チタン、食用赤色106号、食用黄色4号、食用黄色5号、食用青色1号)
酸味料(クエン酸、リンゴ酸)
ビタミン類(A、B2、B12、D、E、コリン)、香料、グルコサミン、メチオニン

タンパク質14.0%以上 脂質4.0%以上 水分30.0%以下

赤色と紫色だらけですねえ😅 
ショ糖は最初に書いたように砂糖と同じと考えられる物質なので犬には不要ですね。
このフードは小麦粉やコーンなど糖質もしっかり含まれているので、ショ糖はなおさら不要です。
同じ糖類として表記されているオリゴ糖は、砂糖やショ糖とは違って腸内で吸収されず水溶性食物繊維のような働きをします。

油脂類にγリノレン酸と書かれていますが、ガンマリノレン酸って脂肪酸の種類で食品名ではありません。
多分ガンマリノレン酸を含む月見草オイルだと思います。月見草オイルはてんかんの持病がある場合は禁忌なのでご注意ください。
(てんかんが有って、このフードを与えたい場合はメーカーに問い合わせて月見草かどうか確認するなど。でもそこまでする価値は…。)

プロピレングリコールは保湿作用のある食品添加物で、この製品のようにしっとりしたタイプのフードやトリーツによく使われています。
猫がプロピレングリコールを摂取すると貧血を引き起こすのでキャットフードには使用が禁止されています。
犬には安全とされていますが、私はこの名前を見ると購入を避けています。

ソルビトールは甘味料ですが、腸で吸収されない糖アルコールです。同じ糖アルコールのキシリトールと違って犬に安全と言われていますが、犬には必要のないものです。
ソルビン酸カリウムとデヒドロ酢酸ナトリウム、人間用の食品にも使われる保存料で安全性は確認されていますが、ペットフードは毎日食べるものなので、できれば避けたいです。
これらの保存料はドライフードでは見かけることのない名前ですが、しっとりタイプは水分が多いのでこのような保存料が必要になります。

ずらりと並んだ赤字の人工着色料たちは言うまでもなく不要で、危険な可能性もある添加物です。

ビタワンブランドはオリジナル(またはオリジナルシニア)ならOKですが、このしっとりタイプも含めてその他の製品はお勧めしません。


続いて、ちゅ〜るでおなじみのいなばのフードです。

いなばコージーライフ
 
穀類(とうもろこし、小麦粉、コーングルテンフィード、米糠、コーングルテンミール)
肉類(ミートミール、チキンレバーパウダー、チキンエキスパウダー)
豆類(脱脂大豆、乾燥おから)、ビール酵母、動物性油脂、ミルクエキス
魚介類(フィッシュミール、フィッシュエキスパウダー)
殺菌乳酸菌、植物発酵抽出物、ミネラル類(カルシウム、リン、塩化ナトリウム、鉄、亜鉛、銅、ヨウ素)、キトサン、ビタミン類(A、D、E、B2、B12、パントテン酸、コリン)、緑茶エキス

たんぱく質25.0%以上、脂質10.0%以上、

肉類よりも穀類の方が多いという点は愛犬元気やビタワンと同じですね。
この価格帯の製品では仕方のないことかもしれません。
この製品は赤字の原材料や添加物が含まれないのは良い点です。

ミートミールを紫字で表示したのは、何の肉のミールなのかがわからないからです。
多分、複数種類の肉を混合してミールにしているのだと思いますが、これではアレルギーの管理などに支障がありますね。

動物性油脂も先に書いた他の製品と同じく、何の肉の油脂かわからないのが問題です。

豆類の脱脂大豆と乾燥おからの後に「等」と付いているのも、他に何が入っているのかわからないのが問題点です。

この製品も穀類の多さと動物性タンパク質がすべてミールであることから、アミノ酸の添加が欲しいところですが、残念ながら添加されていません。

それからちょっと目についたのは「殺菌乳酸菌」という原材料。殺菌された乳酸菌にも健康効果はあるのですが、こういう表記は初めて見たのでちょっと驚いた次第です。推測になるのですが、あらかじめ殺菌した乳酸菌は扱いが簡単な分、値段が安いのかもしれません。

この製品も、使うとしたらビタワンと同じく肉や魚を少量トッピングするのをお勧めします。


次は、大手食品メーカー森永乳業のペットフード部門の製品です。(ただしこの製品はアメリカ製)
森永は療法食もいくつか出していますね。

森永スーパーゴールド
 
鶏、コーン、米、オートミール、鶏脂肪、チキンダイジェスト、
コーングルテンミール、魚肉、トマトポマス、乾燥ビートパルプ、
亜麻仁、乾燥卵、乾燥イースト、チコリー、乾燥トマト粉末、
乳酸菌乾燥粉末(殺菌)、乳酸菌乾燥粉末
ビタミン類(A、D、E、K、B1、B2、B6、B12、C、パントテン酸、ナイアシン、葉酸、ビオチン、コリン)
ミネラル類(Ca、K、Na、Cu、Fe、Mn、Zn、Co、Se、I)
レシチン、グルコサミン、L-カルニチン、イノシトール
コンドロイチン硫酸、ラクトフェリン、ユッカ抽出物
酸化防止剤(トコフェロール、ローズマリーエキス)

タンパク質25.0%以上 脂質16.0%以上

このフードは先に挙げた3つとは違ってチキンミールやフィッシュミールが使われていません。
ただし、水分が多く実質量は目減りしてしまう鶏肉の後にコーン、米、オートミールと穀類が並んでいるので、鶏肉よりも穀類の方が多く含まれるという点は上の3つの製品と共通です。

チキンダイジェストというのは、鶏肉のタンパク加水分解物の別の呼び方です。

亜麻仁やビートパルプ、チコリーといった、普段このドッグフード原材料シリーズでよく登場するおなじみの原材料も使われていますね。

必須アミノ酸は添加されていませんが、鶏肉、魚肉、乾燥卵、乾燥イーストと必須アミノ酸をバランスよく含む原材料が複数使われているので大丈夫でしょう。

抗酸化作用のあるリン脂質であるレシチン、体内でのレシチン生成を促すビタミン様物質のイノシトール、脂肪燃焼を助けるアミノ酸であるL-カルニチン、免疫物質を増やす働きのあるタンパク質であるラクトフェリンなど、機能性の高いサプリメントが添加されています。

愛犬元気と比較すると価格は2倍くらいになりますが、いわゆるプレミアムフードと呼ばれるフードに比べるとお求めやすい価格で、比較的良質なフードだと言えそうです。



最後はマルカン・サンライズのフードです。
ゴン太のほねっこでおなじみのペットフードメーカーだったサンライズと、同じくペットフードメーカーのマルカンが合併して株式会社マルカンのサンライズ事業部となったそうですね。
私もこのブログのコメント欄で教えていただいて知ったんですけれどね😁 

ここではSNSで「ホームセンターで買える中では良いフード」と教えていただいた「ザ・パーフェクト・ワン」を取り上げます。
 
チキン、トウモロコシ、小麦粉、グルテンミール、ふすま、脱脂米ぬか
動物性油脂、植物性油脂、酵母、レナシアプラス(ケイ素食品剤)
グルコサミン、コンドロイチン硫酸、乳酸菌
アガリクス子実体滅菌末、セサミン
ミネラル類(Na、Cl、Ca、P、K、Zn、Fe、Cu、Co、Mn、I)
調味料
ビタミン類(A、B1、B2、B6、B12、C、D3、E、K3、コリン、ニコチン酸、パントテン酸、葉酸、ビオチン)
酸化防止剤(ミックストコフェロール、ハーブ抽出物).

たんぱく質30.0%以上、脂質10.0%以上、

この製品も森永スーパーゴールドと同じくミールは使われていませんが、チキンの後に5つの穀類関連原材料が並ぶので、鶏肉よりも穀類の方が多いフードです。

紫字で示した動物性油脂と植物性油脂、何の油脂を使っているのかを明記して欲しいところです。
オメガ3脂肪酸とオメガ6脂肪酸が摂取できるかどうかも油脂の種類が不明だとわからないですしね。

必須アミノ酸は添加されていません。チキンと酵母には必須アミノ酸がバランス良く含まれていますが、アミノ酸が添加されている方が安心かなという気がします。
この製品を利用する場合には、毎日ではなくても肉や魚など少量のトッピングをおすすめします。

この製品のコピーには「体内で水素を発生させる」とあって、ちょっと怪しくない?と思ってしまうのですが、この水素を発生させるのがレナシアプラスという添加物です。
鉱物であるケイ素由来のサプリメントで、大阪大学産業科学研究所で開発された製剤を利用しており、ちゃんと科学的なエビデンスがあるものだそうです。
腸内で水素を発生させ抗酸化作用を持続させるという作用は、科学誌のNatureに論文が掲載されたとのこと。

この価格帯のローテーションのひとつとしては良いフードではないかと思います。

なお、マルカン・サンライズ事業部の製品で『ナチュラハ』というフードがあり、こちらはリクエストをいただいているので次回独立して取り上げます。


今回5社の製品を取り上げましたが、1kgあたりの価格を比較すると
愛犬元気    600円
ビタワン    384円(安っ!)
いなばコージーライフ 1,221円
森永スーパーゴールド 1,284円
サンライズ ザ・パーフェクトワン 2,300円

いなばの製品は190gの小分けサイズ、サンライズも同じく600gの小分けサイズなので価格は割高になります。
小分け包装にすることで酸化を防ぎますので、大袋のまとめ買いよりも犬の体のためには良いと言えます。

なお今回は国内メーカーばかりを取り上げましたが、準備している続編では海外大手メーカーの手軽に買える製品を同じように見ていく予定です。

「え!まだやるの?」

うん、まだやる。すぐにアップするぞ!
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ドッグフードの原材料を見てみよう アディクション

2023-09-23 01:13:28 | ドッグフード原材料シリーズ
毎度お久しぶりのドッグフード原材料シリーズ。

50音順の過去記事のリンクはこちら

今回はニュージーランドのアディクションのフードを取り上げます。
アディクションにはとてもたくさんのリクエストをいただいていました。

「アディクションてなかなかすごい名前よね」

だよね、「依存症」だもんね😆 

アディクションのフードは
・一般的なドライフード(粗タンパク22%以上)
・高タンパク質のドライフード(粗タンパク40%以上)
・低温乾燥のフレークタイプフード
の3タイプがあります。

3タイプからそれぞれ1種類を取り上げて原材料を見て参ります。


ではまず、レギュラーのドライフードから。
ニュージーランド産のフードなのでラムを購入されている方も多いかと思い『ル・ラム』を取り上げました。

 
ラム生肉、ドライラム肉、オーシャンフィッシュミール、
グリーンピース、タピオカ、ポテト、イエローピース、
鶏脂肪、フラックスシード、醸造用酵母、天然フレーバー、
ビネガー、シーソルト、フィッシュオイル、ドライクランベリー、
ドライブルーベリー、ターメリック、カモミール、ペパーミント、
塩化カリウム、碗酸マグネシウム、塩化コリン、
タウリン、DL-メチオニン、炭酸カルシウム、
亜鉛アミノ酸複合体、鉄アミノ酸複合体、ビタミンE、
ナイアシン、銅アミノ酸複合体、d-パントテン酸カルシウム、
マンガンアミノ酸複合体、亜セレン酸ナトリウム、リボフラビン、
硝酸チアミン、ビタミンB12、ビタミンA、塩酸ピリドキシン、
硝酸コバルト、ヨウ素酸カルシウム、葉酸、ビタミンD3、
ローズマリーエキス、緑茶エキス、スペアミントエキス、
酸化防止剤(ミックストコフェロール)

ラム生肉
言うまでもなく良質のタンパク質源ですが、ラム肉の特徴はビタミンB群の多さです。
また人間の食材としては「脂肪燃焼を助けるカルニチンが多い」というのがよく知られていますが、カルニチンは心筋を保護する役割があります。
原材料の一番最初に記載されている材料は重量ベースで最も多く使用されているのですが、生肉には水分が多く含まれるので調理後に水分が飛んだ状態では実質量はかなり少なくなります。

ドライラム肉
ラム生肉のところで生肉は調理後に水分が飛んで実質量が少なくなると書いたように、このフードでは2番目のドライラム肉の方が実質的には生肉よりも多く含まれています。ドライですから水分が含まれていないのでね。
日本語ではドライラム肉と表記されていますが、英語表記を見るとラムミールと書かれています。
一般的にドライラム肉というと生肉を温風などで低温乾燥させたものをイメージしますがラムミールは全く別のものです。
ラムミールは人間用の食肉を切り分けた後の残りの部分を加熱して脂を搾り、細かく挽いてさらに乾燥させたものです。
水分や脂肪分がなくなった分、タンパク質がギュッと凝縮して含まれています。
ラムミールをドライラムと表記することは日本のペットフード安全法ではOKですが正確ではありません。

オーシャンフィッシュミール
オーシャンフィッシュは海洋で獲れた魚。
小さすぎて人間の食用にならない魚がフィッシュミールに加工されることが多いです。
魚を丸ごと加熱して脂を搾り、細かく挽いた後にさらに高温乾燥させたものです。
肉類のミールと同じく水分がない分タンパク質の含有量が多くなります。
重量ベースで2番目にラムミールと3番目にフィッシュミールですから、このフードのメインのタンパク質源はミールです。

グリーンピース
おなじみのグリーンピース(えんどう豆)です。
炭水化物、タンパク質、食物繊維を豊富に含む他、ビタミンB1、B2も含みます。
一般的にペットフードに使われるのは乾燥品が多いので、その場合原材料の中に占める割合が高くなります。

タピオカ
スイーツでおなじみのタピオカはキャッサバという芋の根茎から精製した炭水化物です。
ペットフードでは炭水化物源と全体のつなぎとして使用されます。

ポテト
ジャガイモですね。炭水化物源として使用されています。
ジャガイモの炭水化物は一部が難消化性で、水溶性食物繊維のように働きます。
ペットフードに使用されるのは、一般的には乾燥ポテトです。

イエローピース
黄色いえんどう豆です。栄養価はグリーンピースとほぼ同じです。

鶏脂肪
ドライラム肉の項目でミールの説明の際に「加熱して脂を搾り」と書きましたが、チキンミール製造時に同じように搾られた脂はペットフードに使用されます。
鶏脂肪に最も多く含まれる脂肪酸はオメガ9脂肪酸の一種であるオレイン酸です。
オリーブオイルにも多く含まれ、悪玉コレステロールを低下させる働きがある脂肪酸です。
必須脂肪酸であるオメガ6脂肪酸の一種リノール酸も含まれるので、ペットフードにはオメガ6脂肪酸の摂取源として使われます。

フラックスシード
日本語では亜麻仁と呼ばれる亜麻の種子です。
必須脂肪酸であるオメガ3脂肪酸の一種アルファリノレン酸を多く含みますが、犬はアルファリノレン酸を体内で活用しにくいため、オメガ3摂取源にはなりません。
水溶性と不溶性の両方の食物繊維が豊富で、抗酸化物質の一種であるリグナンを豊富に含みます。

醸造用酵母
ビール酵母とも呼ばれる、ビール醸造時に使用される酵母です。
ビタミンB群、食物繊維、各種アミノ酸を豊富に含み、プロバイオティクスとプレバイオティクス両方の働きをします。

天然フレーバー
何のフレーバーなのかわかりませんね😅 英語表記でもナチュラルフレーバーとしか書かれていません。
多分、旨味やコクを出すためのタンパク加水分解物のことだと思います。
タンパク質(食肉副産物または大豆など)を酸または酵素で分解して、アミノ酸の単位にまで小さくしたものです。

ビネガー
単にビネガーと表記されていますが、英語表記ではBuffered Vinegar=緩衝酢(かんしょうす)と書かれています。
緩衝酢とは、酢に緩衝材として水酸化ナトリウムおよび炭酸ナトリウムを加えたもので食品添加物という扱いになります。
酢酸ナトリウムと呼ばれることもあり、保存料とまでは言えませんが細菌類の生育を抑える効果があります。

シーソルト
天然塩です。必須ミネラルとして犬にも塩分(ナトリウム)が必要です。
天然塩はナトリウムの主な摂取源となります。

フィッシュオイル
必須脂肪酸であるオメガ3脂肪酸の摂取源となります。
フィッシュオイルの脂肪酸はDHAとEPAで、アルファリノレン酸と違って犬が活用しやすいタイプです。
抗炎症作用や免疫機構を整える働きがあります。

ドライクランベリー
鮮やかな赤い果実は酸味が強すぎて食用にはならないのですが、北米ではジュースやソースに多用されます。
赤い色は抗酸化物質のプロアントシアニジンで抗炎症作用を持っています。
尿路感染症の予防に良いと言われますが、フードに配合される量ではそこまでは期待できません。

ドライブルーベリー
ブルーベリーも抗酸化物質のアントシアニンを豊富に含みます。
目に良いと言われる成分ですが、フードに配合される量では眼病予防までは期待できません。

ターメリック
日本語ではウコン、カレーの黄色い色の素になるスパイスです。
肝臓をサポートする働きが有名ですが、強い抗炎症作用も持ちます。
効き目の強いものなので、毎日食べるフードには配合されていない方がいいんだけどなと思います。

カモミール
ハーブティーでよく知られるマイルドなハーブです。
穏やかな抗炎症作用があり、胃腸の粘膜を保護する働きがあります。

ペパーミント
これも胃腸をいたわるハーブです。消化促進と穏やかな殺菌作用があります。

塩化カリウムからビタミンD3までは食品添加物としてのビタミン、ミネラル、アミノ酸類です。
詳しく知りたい方はこちらをどうぞ。

ローズマリーエキス、緑茶エキス、スペアミントエキスは天然由来の酸化防止剤です。
ミックストコフェロール(ビタミンE)も酸化防止剤として使用されていますが、これらはみな効果がマイルドなので、組み合わせることで補い合う意味があります。

このフードのシリーズは他にカンガルー肉、鹿肉、サーモンがありますが、メインの肉以外はほぼ同じです。
どの種類も原材料の一番最初は生の動物性タンパク質ですが、実質は2番目以降のミールが主体です。
ドライカンガルー肉、ドライ鹿肉、ドライサーモンと表記されていますが、英語表記ではどれも皆ミールと書かれています。

タンパク質はカンガルーとサーモンが24%、鹿肉とラム肉が22%とやや低めです。
グレインフリーにこだわっていますが、ほぼ糖質のみのタピオカを使うなら穀類の方が良くないか?とは思います。

特に大きな欠点はないのでローテーションのひとつとして良いと思います。

次は、ワイルドアイランズという動物性タンパク質多めのシリーズ。
 
鹿生肉、鹿生ハート、鹿生トライプ、フィッシュミール、
そら豆、エンドウ豆タンパク、牛脂肪、全卵、グリーンピース、
醸造用酵母、タピオカ、イエローピース、フラックスシード、
緑イ貝、 マヌカハニー、キウイフルーツ、ドライビーフ肉、
天然フレーパー、ビネガー、
塩化コリン、タウリン、DL-メチオニン、亜鉛アミノ酸複合体、
鉄アミノ酸複合体、炭酸カルシウム、ナイアシン、ビタミンE、
銅アミノ酸複合体、マンガンアミノ酸複合体、硝酸チアミン、
d-パントテン酸カルシウム、亜セレン酸ナトリウム、
リボフラビン、塩酸ピリドキシン、ビタミンA、ビオチン、
ビタミンB12、硫酸コバルト、葉酸、ヨウ素酸カルシウム、
ビタミンD3、ローズマリーエキス、緑茶エキス、スペアミントエキス、
酸化防止剤(ミックストコフェロール)

鹿生肉
鹿肉は鉄分が豊富で低脂肪高タンパク質の肉です。
原材料の一番最初に書かれているというのは重量ベースで一番多く使用されているということです。
このフードの鹿肉は放牧で育てられた鹿の肉で、野生のジビエではありません。

鹿生ハート
鹿の心臓ですね。犬にとって必要な各種ビタミンミネラルを豊富に含んでいます。
抗炎症作用の強いコエンザイムQ10を多く含む部位でもあります。

鹿生トライプ
トライプとは鹿、羊、牛など反芻動物の胃とその内容物を指します。
反芻されているため、通常は犬には消化できない植物性の内容物も消化しやすくなっています。
各種微生物の宝庫で天然のプロバイオティクスとしてもよく知られています。
しかし加熱加工されるペットフードではトライプの特性の多くは失われます。
ペットフードに含まれるトライプは植物性の成分を含む良質のタンパク質という捉え方で良いと思います。

フィッシュミール
内容は上のル・ラムと同じです。

そら豆
栄養成分はえんどう豆とよく似ていますが、タンパク質はえんどう豆よりも若干多く含まれています。
炭水化物、タンパク質、ビタミンB群、食物繊維を多く含みます。

えんどう豆タンパク
えんどう豆(グリーンピース)からタンパク質のみを抽出して乾燥粉末にしたものです。
この製品の粗タンパクは40%以上と高めですが、フィッシュミールとえんどう豆タンパクが占める割合も少なくないと考えられます。

牛脂肪
牛の脂にはオメガ9脂肪酸であるオレイン酸、オメガ6脂肪酸であるリノール酸が含まれます。
また常温で白く固まる飽和脂肪酸であるステアリン酸やパルミチン酸を含み、フードの風味付けとエネルギー源となります。

全卵
犬にとって理想的なタンパク質源です。
ペットフードに使われる全卵は通常は卵液を乾燥させた粉末状のものです。

グリーンピース、醸造用酵母、タピオカ、イエローピース、フラックスシードは「ル・ラム」で書いたのと同じです。

緑イ貝
ムール貝という料理に使われる二枚貝がありますが、緑イ貝もムール貝と同じ種類で見た目もよく似ています。
関節の炎症を抑える成分が含まれるため、関節ケアのサプリメントなどもよく利用されます。
オメガ3脂肪酸、コンドロイチン、グルコサミンも含まれます。

マヌカハニー
ニュージーランドに原生するマヌカの木の花のはちみつです。
通常のはちみつよりも高い抗菌力が特徴です。
高い抗菌力はメチルグリオキサールという成分のためで、この成分の量は製品によって違います。
メチルグリオキサール(MG)が高いほど効果が高く価格も高くなるのですが、ペットフードに希少価値の高い高価なものが使われているとも考えにくく、使用にはちょっと疑問を感じます。

キウイフルーツ
ビタミンCが豊富なフルーツですが、加熱加工したペットフードでは失われます。
水溶性食物繊維やカリウム、ビタミンEも豊富に含みます。

ドライビーフ肉
こうして書くとビーフジャーキーみたいなものを想像しますが、これも英語表記を見るとビーフミールです。
製法はラムやフィッシュのミールと同じで、つまりは肉粉です。タンパク質含有量は高いです。

残りの原材料は添加物としてのビタミンミネラルやアミノ酸類、酸化防止剤です。
ペットフードのビタミンやミネラルはあらかじめミックスされたものをフードメーカーが仕入れて使うのが一般的なのですが、「ル・ラム」に使われているビタミンやミネラルとこの製品では違うミックスを使っているようですね。

ワイルドアイランズの他の種類も、鹿肉の部分が「牛肉&ラム」「ターキー&ダック」「サーモン、サバ、ホキ」である以外はほぼ同じです。
生の動物性タンパク質が使われているので、ミール主体のフードよりもアミノ酸の損失が少ないのは良い点です。
低糖質をうたっていますが、これはこのメーカーの通常タンパク質量のフードと比べてということです。
タピオカや豆類が使われていますし、そもそもドライフードの形状を保つためには炭水化物が不可欠ですから低糖質という表現は誤解を招きそうです。



最後は低温乾燥フードのシリーズです。
通常のドライフードではなく、フレーク状の製品です。
ここではカンガルーを取り上げます。
 
カンガルー生肉、ポテト、ニンジン、ココナッツオイル、タピオカ、
フラックスシード、パパイヤ、アップル、クランベリー、
ブルーベリー、マンゴー、バジル、ローズマリー、タイム、
ペパーミント、ほうれん草、天然フレーバー、醸造用酵母、
リン酸ニカルシウム、シーソルト、塩化コリン、硫酸マグネシウム、
ビタミンA、ビタミンD3、ビタミンE、硝酸チアミン、
リボフラビン、パントテン酸カルシウム、ナイアシン、
塩酸ピリドキシン、葉酸、ビタミンB12、硫酸第一鉄、硫酸銅、
硫酸マンガン、硫酸亜鉛、ヨウ素酸カルシウム、
亜セレン酸ナトリウム、硫酸コバルト、タウリン、緑茶エキス、
ローズマリーエキス、スペアミントエキス、
酸化防止剤(ミックストコフェロール)

カンガルー生肉
カンガルーの肉は高タンパク低脂肪が特徴で、牛肉などにアレルギーのある犬にはありがたい存在です。
この製品では唯一の動物性タンパク質源となるので、ミールが使われているドライフードよりも生の肉はずっと多く使われていると考えられます。
また低温でゆっくりと脱水する方法で加工されるのでアミノ酸の損失も抑えられます。
カンガルー肉はオーストラリア政府が許可した業者によってのみ狩猟が行われ、食肉として流通しています。
しかし狩猟方法や流通にグレーな部分も多く、個人的にはちょっと問題を感じる食材ではあります。

ポテトやニンジン、その他野菜や果物については省略しますね。
この製品では野菜や果物は全て生のものが使用されているそうです。
低温乾燥することで壊れずに保たれるビタミン類が多いと考えられます。

ココナッツオイル
ペットフードでココナッツオイルが使われているのは珍しいですね。
ココナッツオイルの脂肪酸はラウリン酸が主なもので抗菌作用と抗酸化作用を持っています。
しかしこの製品では他に油脂類は使われておらず、ココナッツオイルには必須脂肪酸が含まれていないため「なんでココナッツオイル?」という疑問は感じます。

このフードは一般的なドライフードのように押出成形方式ではなく低温乾燥で調理されているのでフレーク状になっています。
そのままでも食べられるようですが、基本的にはぬるま湯をかけて与えます。
手作り食や通常のドッグフードのトッピングにも使えます。

低温乾燥フードでは他に鹿肉、ブラッシュテイル、チキン、ビーフ、ラムがあります。
ブラッシュテイルというのはポッサムとも呼ばれる有袋類の小型動物です。
(北米、うちの近所でウロウロしているのはオポッサム、別の動物です)
ニュージーランドでは農作物を荒らす害獣としてポッサムの駆除が認められています。
駆除されたポッサムはペットフードの原材料として利用されています。
ポッサムって見た目が大型のリスっぽくて結構かわいらしいので、感情的にちょっと引っ掛かります。自分勝手な感情ですけれどね。
駆除して終わりよりも、食べ物として利用できるならその方が良いというのもわかるし。

鹿肉とチキンではタピオカは使われておらずオート麦が使われています。
オート麦は水溶性と不溶性の食物繊維が豊富でビタミンB群も含まれるので、より良いと思います。

低温乾燥シリーズのフードはタンパク質が22%と低めですが、この製品をトッピングに使ったり、他の食材を少量トッピングしたりと使い勝手が良さそうな印象です。
ただお値段は250gで2530円とかなり高めですね。
また上記で書いた通り、必須脂肪酸のオメガ6とオメガ3が十分ではないので何かしら補う必要があります。


「犬のごはんって色々むずかしいんだねえ」

昨今、原材料価格の高騰、輸送燃料の高騰、不安定な国際情勢、円安などの影響で輸入フードの価格は大きな打撃を受けています。
日本市場から撤退したメーカーも少なくありません。
アディクションに多くのリクエストを頂いたのも、そのような状況を反映しているのかと思います。

日本で手に入る輸入プレミアムフードとしては、アディクションのドライフードは特に目新しいところはないのですが、選択肢のひとつとして悪くないと思います。
低温乾燥のフードは他にはあまりないタイプで内容も良いものですが、必須脂肪酸が欠けているなどの点を考えると、価格面から見ても補助的な位置付けにしかならないかなという気がします。

次回のドッグフード原材料シリーズは国産フード、それも近所で買えるフードを中心に取り上げる予定です。
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ドッグフードの原材料を見てみよう ウィリアムドッグフード

2023-06-03 12:38:12 | ドッグフード原材料シリーズ
ドッグフード原材料シリーズ、今回はウィリアムを取り上げます。

「やっと書いたのね」

過去に取り上げたフードは50音順でこちらにまとめています。

ウィリアムのフード、アマゾンでは現在在庫切れで入荷予定未定だそうですが、↓これは参考画像として
 
公式サイトはこちらです。

キアオラ、ナチュラルハーベスト、ブラバンソンヌのように日本の会社が海外の工場に製造を委託している製品です。
ウィリアムのフードはオランダで製造されています。

ウィリアムのフードは今のところチキンの1種類のみです。
肉類(脱水鶏肉 24%、鶏生肉 20%、鶏脂 9%、鶏タンパク質 5%)
サツマイモ、グリンピース、チコリ、
ミネラル類(亜鉛、鉄、マンガン、銅、ヨウ素、セレン)、
サーモンオイル、亜麻仁、乾燥全卵、ビール酵母、
マンナンオリゴ糖&βグルカン、アミノ酸類(タウリン)、
ビタミン類(A、E、D3)、南極オキアミ、コンドロイチン硫酸、
グルコサミン(動物組織由来)、ビルベリー、カウベリー、
ペパーミント、リンゴ、ヒヨコ豆、ニンジン、トマト、シナモン、
ムラサキウマゴヤシ、ローズヒップ、カモミール、イラクサ、
アニス、フェヌグリーク、マリーゴールド、ユッカシジゲラ、
海藻、オレガノ、セージ、マジョラム、タイム、クランベリー、
スピルリナ、パセリ、ナシ、ブルーベリー、マルベリー、
タピオカ、オレンジ

肉類
使われているのは全て鶏肉です。
脱水鶏肉というのは低温乾燥して水分を取り除いた鶏肉。
生の肉の約70%は水分なので、水分を取り除いた肉はタンパク質がギュッと凝縮された形になります。
脱水鶏肉は一般的にフードによく使われるチキンミールと違って高温加熱されていないのでアミノ酸の損失が少ないのが良い点です。
この製品では24%が脱水鶏肉で生の鶏肉は20%とありますが、
乾燥して軽い脱水鶏肉が重量ベースで24%含まれるということは、実質はほとんどが脱水鶏肉ですね。
鶏生肉20%ももちろん良質なタンパク質源ですが、乾燥肉のつなぎの役割も果たしていると思います。
鶏脂はエネルギー源であると同時に、必須脂肪酸であるオメガ6脂肪酸のリノール酸と、オメガ9脂肪酸のオレイン酸を豊富に含みます。
これら脂肪酸はホルモンや細胞膜を作ったり免疫機構を正常に保つために不可欠です。
鶏タンパク質というのが何かよくわからないのですが、推測するに加水分解タンパク質かな?と思います。
タンパク質を含む食品(この場合は多分鶏肉の副産物)を酸または酵素でアミノ酸のレベルまで分解したもので、旨味を加えるため使われます。

サツマイモ
ヨーロッパで作られているフードなので正確にはサツマイモではなくスイートポテトという種類だと思います。
一見サツマイモに似ていますが切るとニンジンのようなオレンジ色。
炭水化物源でもありますが、βカロチン、食物繊維、各種ミネラルを豊富に含みます。

グリンピース
エンドウ豆ですね。炭水化物、タンパク質、食物繊維を豊富に含みます。
このフードは高GI食品を使っていないことをアピールしているので、炭水化物源は食物繊維を多く含むものが使われています。
GIとはグリセミック・インデックスの略で、それぞれの食品に含まれる炭水化物の燃焼時間のスピードを示した数値のことです。
GI値が高い食品は素早く、GI値が低いほどゆっくりとエネルギーになります。
高GI食品は血糖値の急激な上昇や低下を招き、体に負担がかかります。

チコリ
キク科の葉野菜でほんのりと苦味があります。
野菜としてサラダなどに使われますが、根はハーブとしてティーなどに使われます。
抗炎症作用やガスを排出する作用があり、ハーブとしてはドッグフードでも比較的よく使われている食材です。
水溶性食物繊維のイヌリンを多く含みます。

ミネラル類
亜鉛、鉄、マンガン、銅、ヨウ素、セレンとあり、それは良いのですが
吸収率を高めるためのキレート加工などをしているかどうかが書かれていないのはちょっと残念。
それとカルシウムの記載がないのですが、原材料を見てもカルシウム源らしきものは南極オキアミくらい。
AAFCOやFEDIAFの基準は満たしていると書かれているので心配はないと思いますが、ちょっと不思議です。
脱水鶏肉はもしかして骨つきなんだろうか?それなら納得なんですが。

サーモンオイル
必須脂肪酸であるオメガ3脂肪酸(DHAとEPA)の供給源として、ペットフードには魚油が配合されることが多いものです。
サーモンオイルは抗酸化物質のアスタキサンチンを多く含むため、酸化し易い魚油の中では理想的です。
アスタキサンチンは鮭の身の赤い色の素です。

亜麻仁
リネンの原料となる亜麻の種子で、フラックスシードとも呼ばれます。
植物性のオメガ3脂肪酸(アルファリノレン酸)を多く含むのですが、犬はアルファリノレン酸を体内でほとんど活用できません。
(ちなみに猫は全く活用できません)
そのためペットフードにおいては亜麻仁はオメガ3脂肪酸の供給源にはなりません。
しかし植物性タンパク質、食物繊維、抗酸化物質を豊富に含むため決して無駄というわけではありません。

乾燥全卵
液状の卵を噴霧乾燥させたもので、良質なタンパク質源です。
乾燥肉と同じく、水分がほとんどなくなっているのでタンパク質がギュッと凝縮された形になっています。
卵黄の脂肪分はオメガ6脂肪酸のひとつリノール酸です。

ビール酵母
ビールを醸造する時に使われる酵母なのでこの名で呼ばれています。
各種アミノ酸やビタミンB群、食物繊維を豊富に含みます。

マンナンオリゴ糖&βグルカン
どちらも水溶性食物繊維です。腸内細菌の餌となって腸内環境を整えるための下支えをします。
いわゆるプレバイオティクスと呼ばれるものです(プロバイオティクスはビフィズス菌などの菌類)

アミノ酸類(タウリン)
タウリンは体の中で必須アミノ酸であるメチオニンやシステインから合成されます。
体内で作り出すことができるため犬にとってタウリンは必須アミノ酸ではありません(猫では必須アミノ酸)
メチオニンやシステインは肉類に含まれているし、タウリン自体も肉類にも含まれているので何で添加しているのかな?とは思います。
最初の肉類のところで書いたように、チキンミールと違って高温加熱していないのでアミノ酸も損なわれていないわけですし。


ビタミン類
A、E、D3のみが添加されていてビタミンB群が一切ないのはビール酵母やスピルリナで供給できるからでしょう。

南極オキアミ
南極の海で魚や鳥類、海獣の食生活を支える存在のプランクトンです。
クリルオイルでお馴染みのクリルといった方が馴染みのあるかもいるかもしれません。
食物連鎖の一番下にいる生き物なので汚染物質や重金属の蓄積が少ない食材です。
タンパク質、ミネラル類の他オメガ3脂肪酸のDHAとEPAを豊富に含みます。
公式サイトで徹底した資源管理のもと捕獲されていると書かれている通り、厳しい漁獲管理で持続可能性に高評価を得ています。
でも個人的には、限定された地域でそこに住む全ての生物の食生活の土台に人間が手を出すことにちょっと抵抗があります。

コンドロイチン硫酸、グルコサミン
コンドロイチン硫酸は軟骨などに含まれる多糖類、グルコサミンは皮膚や軟骨に含まれるアミノ糖です。
動物由来とあるので、コンドロイチンはサメ軟骨、グルコサミンはエビやカニから採っているのだと思います。

↓ここから下の原材料はすべて乾燥品が使われていると思います。
ビルベリー
野生のブルーベリーの一種ですが、ブルーベリーよりも抗酸化物質のアントシアニンを多く含みます。
目の健康に良い食べ物としてもよく知られています。

カウベリー
日本語ではコケモモと呼ばれます。
抗酸化物質のアントシアニン、βカロチンなどビタミン類やミネラル類を豊富に含みます。

ペパーミント
お馴染みのハーブですね。健胃作用やマイルドな殺菌作用があります。

リンゴ、ナシ、オレンジ
乾燥品だと思われるのでビタミン類はあまり期待できませんが、食物繊維やカリウムを摂取することができます。

ヒヨコ豆
炭水化物の他に食物繊維やタンパク質も含まれるヒヨコ豆はドッグフードにもよく使われています。
でも原材料一覧のこんな後半(=重量が少ない)に記載されているのは珍しい。
ペパーミントよりも少ない量のヒヨコ豆って何の意味があるんだろう?というちょっとした疑問があります。

ニンジン、トマト
βカロチンその他の抗酸化物質や食物繊維を豊富に含みます。

シナモン
パイやドーナッツなどのスパイスとしてお馴染みですが、強力な抗酸化作用、抗菌作用を持っています。
また体を温めて血行を良くするという効能もあります。
ドッグフードメーカーが計算して配合しているので大丈夫だとは思うのですが、シナモンは過剰摂取に注意が必要な食材です。
過剰摂取で肝臓に負担がかかることもあるので、毎日食べるフードにはできれば入れて欲しくないなあと思います。

ムラサキウマゴヤシ
豆科の植物でアルファルファとも呼ばれます。
タンパク質やビタミン類など栄養豊富で、馬の飼料にもよく使われます。
そのため馬肥やしという名前がついています。

ローズヒップ
バラの実です。ビタミンCが非常に豊富です。

カモミール
カモミールティーなどでお馴染みのハーブですね。
マイルドな抗炎症作用や気持ちを落ち着かせる作用があります。

イラクサ
ネトルと呼ばれることもあるハーブです。
天然のマルチビタミンと呼ばれるほど栄養豊富です。

アニス
犬に与えるアニスと言えば別名ドッグニップ(キャットニップのもじり)とも呼ばれるアニスシードのことだと思うのですが
公式サイトに使われている写真はアニスシードではなくスターアニス(八角)です。
スターアニスは犬に与えるべきではないし、これはちょっと管理が甘いなと感じます。
アニスシードのことだとして説明すると、これは消化促進作用のあるハーブです。
匂いが強いのでノーズワーク競技の訓練用にも使われます。

フェヌグリーク
地中海原産のマメ科植物で、種子はハーブやスパイスとして使われます。
消化促進作用や抗炎症作用があります。

マリーゴールド
これは多分、花壇でおなじみのマリーゴールドではなくカレンデュラのことだと思います。
カレンデュラには強い抗炎症作用や抗菌作用があります。

ユッカシジゲラ
リュウゼツラン科の植物で、芋のような地下茎が食用や薬用に使われます。
抗炎症作用のほか、ペットフードには便のニオイを抑える目的で配合されます。

海藻
海藻の種類がわからないのですが、ミネラル類や食物繊維の補給で使われているのかと思います。

オレガノ
イタリア料理でおなじみのハーブです。
非常に強い抗酸化作用を持っています。

セージ
抗菌作用の強いハーブですが、長期間の使用は避けるべきものです。
犬への栄養というよりもフードのための天然の抗菌作用として配合されているのだと思いますが、あまり感心しません。

マジョラム
オレガノの仲間のハーブで、食欲増進や消化促進の作用を持ちます。
しかし「犬に与えてはいけない」というハーバリストもおり、フードには使わないで欲しいなあと思います。

タイム
肉料理などに使われるスパイスで、強い抗菌作用を持ちます。
これも長期間にわたって使うべきではないハーブで、フードに使うのは私は反対です。

クランベリー
ツルコケモモ科の真っ赤なベリーです。
抗酸化物質のアントシアニンやビタミンCを豊富に含みます。

スピルリナ
水中で育つ藻類の一種です。タンパク質の他ビタミンやミネラル類を豊富に含みます。

パセリ
料理の引き立て役パセリは、βカロチンを始めビタミン類やミネラル類を多く含んでいます。
消臭効果が高く、口臭予防にも役立ちます。

ブルーベリー
抗酸化物質のアントシアニンを豊富に含みます。
でもビルベリーが入ってるんだから、別になくても良いのでは?という気がします。

マルベリー
日本語では桑の実です。
抗酸化物質のアントシアニンを多く含む他に鉄分やビタミン類も多く含みます。

タピオカ
タピオカはキャッサバ芋のデンプンだけを精製抽出したもので、ほぼ100%炭水化物です。
公式サイトには食物繊維が含まれると書いてありますが、これは誤りです。
コーンスターチや馬鈴薯デンプンに食物繊維が含まれていないと同じですね。
ドライフードのつなぎやツルンとした食感のために使用されています。



「全体的には良いフードなの?」

うん、全体的には悪くないと思います。
タンパク質源にチキンミールを使っていない製品としては価格も抑えられていて購入しやすい感じ。

公式サイトもいくつかちょっと気になる点はあるものの、しっかりした構成で良心的です。
定期購入の勧めなどよりフードの栄養のことにフォーカスした情報を提供しているところも好感が持てます。

ただし配合されているハーブがいくつか気になる点があるので、他のフードとのローテーションをお勧めします。


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ドッグフードの原材料を見てみよう ワンダー・ブーとテラ・カニス(ドライ)

2023-04-06 19:43:59 | ドッグフード原材料シリーズ
今回取り上げるフードはどちらも日本未発売です。
でも原材料がなかなかユニークで面白く勉強になることが多いと感じました。
(テラ・カニスは日本ではウェットフードだけが発売されています。)

まずはワンダー・ブー、スウェーデンのフードです。

リクエストをいただいたノルディック・ビーフを取り上げます。
......が、リクエストをいただいてからかなり時間が経ってしまって
このレシピは近々変更されるそうです。すみません!
レシピが変更されたらこの記事に追記します。


「おかーさん仕事が遅いから」

そうね、そうね😓 

では原材料

牛肉40%、ルーメン40%、ポテトファイバー、ニンジン、
オックスブラッド、ブルーベリー、ブロッコリー 

分析成分 5330kCal/1000g、粗タンパク質36%、粗脂肪37%、粗繊維6.8%、
粗灰分2.2%、カルシウム1.2%、リン1.1%、水分3%、炭水化物14%。

栄養添加物/kg
ビタミン類、A 2400IE、D520IE、E 12.7IE、B1 0.5mg、B2 0.2mg、
B3 2.3mg、B6 0.8mg、B12 0,6mg、C 8mg、K3 0.8mg、
ナイアシン 6mg、B3 6.0mg. コリン32mg、葉酸0.16mg、ビオチン0.06mg
微量元素:0.4mg, Mg 0.14mg, Cu 1.4mg, Co 0.08mg, Zn 10mg, 
Se 0.06mg, IO 3mg

牛肉
原材料の時点で生の牛肉が、重量ベースで原材料全体の40%使われています。
言うまでもなく良質のタンパク源で、鉄分も豊富です。
製品の粗脂肪の多さから見て、脂肪の多い部分を使っているのかなと思います。
ルーメン
耳慣れない名前ですよね。これは牛の胃です。 
サイトの画像を見るとグリーントライプのようなものではなく洗浄された胃が使われているようです。
焼肉のミノ、ハチノス、センマイ、ギアラを思い浮かべてもらうとイメージが掴めるかと思います。
これも良質のタンパク質で、牛肉同様全体の40%使用されています。

牛肉とルーメンで全体の80%を占めるわけですが、このフードの粗タンパク質は36%です。
これは牛肉もルーメンも調理によって水分が飛ぶと原材料全体に対する割合が80%よりもずっと少なくなるからです。
しかしドライフードの中ではタンパク質36%は高い部類ですし、
このフードは高温調理ではなく低温エアドライ製法なのでアミノ酸の損失も少ないと考えられます。

粗脂肪36%というのはかなり高い数字でちょっと驚いています。
オリジンのドッグフードは粗タンパク38%でこの製品と近いですが粗脂肪は18%と半分です。
ジウィのドッグフードも粗タンパク38%で、粗脂肪は30%です。
低温エアドライ製法もジウィと共通するので、ジウィに近い感じなのかもしれないですね。

ポテトファイバー
これはポテトスターチ(馬鈴薯デンプン)を製造する時の副産物です。
ポテトスターチを摂る際、ジャガイモを粉砕して水に浸し沈殿したデンプンを精製します。
この時に残った部分がポテトファイバーです。
食物繊維は55%ほどでデンプンが約3割、タンパク質もわずかに含みます。
他の食物繊維同様に糖質の吸収スピードを遅くして、血糖値が急激に上がるのを緩和します。
また腸内細菌のエサとなり、腸内環境を整えるプレバイオティクスでもあります。

ニンジン
おなじみの根菜で、βカロチン、カリウムが豊富です。
糖質はやや高めですが食物繊維が豊富なので急激な血糖値の上昇を緩和します。

オックスブラッド
牛の血です。推測ですが、乾燥して粉末状になったものではないかと思います。
家畜の血は乾燥させて農作物の肥料などに使用されることが多いです。
血液ですから鉄分とタンパク質を豊富に含みます。
ペットフードの原材料として書かれているのは初めて見ました。

ブルーベリー
抗酸化物質であるアントシアニンを豊富に含みます。

ブロッコリー
食物繊維やβカロチン、ビタミンB群、ビタミンCを豊富に含むスーパー野菜です。
この製品は穀類の代わりにこれら野菜や果物を使っていると書いています。

原材料はこれだけですので、かなりシンプルです。
その他にビタミンやミネラル類が添加されています。
しかし原材料に骨が含まれるものは何もなさそうなのにカルシウムの添加がない。
粗灰分が2.2%とかなり低いのも原材料に骨が含まれないからだと思われます。
(粗灰分とは製品に含まれるミネラル類全般の大体の量のことです。
製品を灰になるまで燃やすと、その灰はミネラル類のみであるためこのように表記されます。)
灰分は通常4〜10%が理想とされているので、この低さは気になります。
しかしカルシウム1.2%というのは基準値をクリアしており、リン1.1%もカルシウムとのバランスは良い。
色々謎の多い製品とレシピだなあという感想を持ちました。


次はドイツのフード、テラ・カニス

「仕事が遅いから、今日は2つ行くのね」

テラ・カニスもビーフを取り上げます。

新鮮な牛の肉(筋肉)(64 %)、ポテトフレーク(15 %)、スイートルーピン豆、
りんご*(1.6 %)、ココナッツ粉(1.5 %)、にんじん*(1.4 %)、
ズッキーニ(1.4 %)、セロリ *(1.1 %)、牛新鮮レバー(1 %)、
亜麻仁(1 %)、カボチャ種子粉(1 %)、カボチャ* (0.8%) 、
パースニップ*(0.8%)、卵殻粉末(0 . 6 %)、ビール酵母* (0.5 %)、
桃* (0.5 %)、ルートパセリ* (0.4 %)、菜種粉 (0.4 %)、
フェヌグリーク (0.4 %)、セージ (0.4 %)、ミネラル粘土 (0. 3 %)、
ほうれん草* (0.2 %)、海藻 (0.1 %)、ローズヒップ* (0.1 %)、
ローズマリー (0.1 %)、タイム (0.1 %)、エルダーフラワー* (0.1 %)、
ダンデリオン*、アロエベラ (0.1 %)、ミネラル  *乾燥品

栄養添加物/kg:
ビタミンA:8000 IE、ビタミンD3: 1000 IE、
ビタミンE :150 IE、銅: 4mg、ヨウ素: 1.6mg、亜鉛: 40 mg

新鮮な牛肉
新鮮なというのは元々は「フレッシュ」と書かれています。
つまり冷凍や乾燥ではない生の肉という意味です。
筋肉とわざわざ書かれているのも、骨を含まないという意味です。
このメーカーの原材料はヒューマングレードだと書かれているので、肉も高品質だと思われます。

ポテトフレーク
ジャガイモを薄くスライスしてフレーク状にしたものです。
炭水化物源ですが、食物繊維を含み、デンプンの一部は難消化性で食物繊維のように働くので血糖値が急上昇しにくい低GIです。

スイートルピナス豆
ルーピン豆とかルパン豆と呼ばれることもあります。
日本ではあまり馴染みがない豆ですがヨーロッパでは広く使われているようです。
大豆のようにタンパク質が豊富で、他の豆類同様に食物繊維も豊富です。

りんご
これは乾燥品だと書かれています。
原材料のうち、生のものと乾燥品を明記してくれているのはありがたいですね。
表記のパーセンテージは重量ベースでの数字なので乾燥品ということは生よりも実質量が多いということです。
りんごはビタミンや食物繊維、カリウムなどを多く含みます。

ココナッツ粉
ココナッツを乾燥させて粉に挽いたものです。
食物繊維を豊富に含み、脂質も多く含みます。
ミネラル類も豊富で中でも銅やマンガンを多く含みます。

にんじん
これも乾燥品です。抗酸化物質であるβカロチンと食物繊維が豊富です。

ズッキーニ
こちらはニンジンと違って生で使われています。
にんじんもズッキーニも1.4%と書かれていますが、乾燥のにんじんの実質量は生のズッキーニよりもずっと多いというわけです。
ビタミンB群やβカロチンを多く含む野菜です。ドッグフードの原材料でズッキーニを見るのは初めてです。

セロリ
これも乾燥品です。ビタミンB群、βカロチン、食物繊維が豊富な野菜です。

牛新鮮レバー
この「新鮮」というのも元は「フレッシュ」つまり乾燥ではない生という意味です。
犬にとって必要なビタミン類やミネラル類をバランスよく含みます。

亜麻仁
亜麻の種子です。大型のゴマのような見た目ですがゴマとは違う種類です。
抗酸化物質のリグナンや食物繊維、ミネラル類、ビタミンEを豊富に含みます。
植物性のオメガ3脂肪酸であるアルファリノレン酸を多く含むのでオメガ3の摂取源として知られていますが
犬はアルファリノレン酸を体内で変換して活用する能力が低いため、オメガ3摂取源としては心許ないです。

カボチャ種子粉
カボチャの種を粉に挽いたものです。
多分、このカボチャというのは日本のグリーンのカボチャではなくオレンジ色のペポカボチャだと思います。
カボチャの種にはアミノ酸、アルファリノレン酸が含まれ、各種抗酸化物質も豊富です。
(ただし亜麻仁同様にアルファリノレン酸は犬には活用できません。)

カボチャ
これも種子と同じく、多分オレンジ色のペポカボチャです。
βカロチンと食物繊維が豊富です。日本の緑色のカボチャよりも糖質は少なめです。

パースニップ
白いニンジンという感じの見た目の根菜ですが、セロリやパセリの仲間です。
ビタミンE、ビタミンB類を含みます。

卵殻粉末
カルシウムの摂取源として使用されています。

ビール酵母
ビールを発酵させる際に使われる酵母です。
各種アミノ酸、ビタミンB群、食物繊維を豊富に含みます。

桃もドッグフードの原材料としては初めて見ました。
でも多分日本人がイメージする桃とはだいぶ違うカリッとしたタイプだと思う。
食物繊維とカリウムが豊富です。

ルートパセリ
パセリの根です。根と言っても、見た目は白いニンジンみたい。
パースニップはパセリの仲間と書きましたが、見た目もパースニップに似ています。
ビタミンK、ミネラル類を多く含みます。

菜種粉
菜種を粉に挽いたものだと思うのですが、キャノーラオイル用に品種改良された菜種だと思います。
菜種はオメガ3、6、9の3種の脂肪酸をバランスよく含みますが、亜麻仁同様にこのオメガ3脂肪酸は犬には活用できません。
ビタミンEも豊富に含みますが、亜麻仁だけで十分じゃないかなあという気がします。

フェヌグリーク
マメ科植物でスパイスやハーブとして使われます。
種子と葉、両方が食用とされますが、このフードに入っているのは多分種子だと思います。(多分ですみません)
消化促進、抗炎症作用などの働きがあります。

セージ
強力な抗菌作用のあるハーブですが、長期使用は控えた方が良いものです。
副作用のない範囲で使用されているとは思うのですが、個人的にはフードに入っていて欲しくないハーブです。

ミネラル粘土
ベントナイトなどの非常に細かい粒子の天然粘土です。(具体的な種類は分かりません)
消化管内で水分を吸収したり、化学物質を吸着したりするので、下痢の時に使用されたりデトックス効果が謳われたりします。
化学物質を吸着するということは処方薬などを飲んでいる場合には薬の効果を低下させる可能性もあります。
フードに使われている量は微量なので影響はないかもしれませんが、考えたり心配したりすることを思うと入っていて欲しくないなあと思います。

ほうれん草
緑黄色野菜の代表ですね。βカロチンや鉄分が豊富です。

海藻
海藻に豊富なヨウ素は栄養添加物として別に表記されているので、他の目的ですね。
この製品に使われている海藻の種類はわからないのですが、ある海藻は歯垢を軽減するとも言われています。
そのためかなあと思うのですが、はっきりとわからなくてすみません。

ローズヒップ
バラの実です。ビタミンCを非常に多く含みます。
この製品は栄養添加物にビタミンCの表記がないので、ローズヒップはビタミンC源として使用されています。

ローズマリー
抗酸化作用の強いハーブです。
この製品は酸化防止剤の表記が見当たらないので上記のセージもローズマリーも天然の防腐剤や酸化防止剤として配合しているのかもしれません。

タイム
これも抗菌作用の強いハーブです。長期使用は避けた方がよいものです。
セージやローズマリー同様に、天然の防腐剤として使用されているのかもしれません。

エルダーフラワー
発汗作用(犬には関係ないですが)や利尿作用があるので、風邪やインフルエンザの際に使われるハーブです。
抗炎症作用や体の熱を取る作用もあります。でもドッグフードに配合する理由はわかりません。

ダンデリオン
タンポポの葉です。利尿作用、消化促進作用のあるハーブです。

アロエベラ
人間には健康食品としてお馴染みのアロエベラですが、犬にはNGとされています。
害のないように調整されているのだろうとは思いますが、わざわざドッグフードにいれる意味はわかりません。
犬にアロエベラを与えても大丈夫という間違ったメッセージにもなるし、止めて欲しいなあと感じます。

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シンプルレシピのワンダー・ブーと、色々と目新しい原材料がたくさんのテラ・カニス、対照的ですね。

日本では発売されていませんが、国が変わるとフードの内容も様変わりするなあとしみじみ感じさせられました。








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