このブログは15年以上も書いているので(途中で1回引っ越していますが)
書いている内容も少しずつ変わって来ていますが、変わらずにお伝えしたいこともあります。
犬の食事にハーブを取り入れることは以前から何度か(いや何十回か😁 )記事にしていますが、今回また久しぶりに。
ドッグフード原材料シリーズでは、原材料にハーブが使われているフードについて
「○○というハーブは続けて摂らない方が良いもの」と書いたり
ハーブが入っていないフードを「シンプルで使いやすそう」と書いているので
「ハーブって難しそう」と思っている方も多いかもしれません。
確かにハーブの世界は奥が深くて、気軽に使わない方が良いものもあるのですが
日常使いできる基本的な種類と、それがなぜ良いのかを知っておくと
手作りの食事も、フードにひと手間かけるのも世界がグンと広がります。
ハーブを使った療法は『ホリスティックケア』の一部です。
これは「全体をトータルにケアする」という意味で、身体だけでなく
心や精神も含めて全体のバランスを整えることで癒していくものです。
東洋医学の漢方薬の考え方と共通するところがあります。
ですからハーブは「頭が痛いから〇〇」「咳が出るから△△」という症状にフォーカスして選ぶのではなく全体のバランスを取ることを考えて選びます。
「選びます」ってそんな簡単に言われましても......って思いますよね😆
例を挙げて説明していきますね。
私がニコとニヤの食事に長期に渡って使っていたのはネトル、クリーバーズ、バードックの3種でした。
私はこれらを基本の3種と呼んでいたのですが、他にダンデライオン、ワイルドストロベリーを置き換える場合もあります。
ネトルは日本語ではイラクサと言います。
「白鳥の王子」という童話で白鳥にされた兄たちの呪いを解くために、妹である姫君がイラクサのベストを編むというシーンがありますよね。あれがネトルです。
ネトルは各種ビタミンやミネラル(鉄分など)を豊富に含みます。
血液のヘモグロビンと似た構造のクロロフィルを多く含むため増血作用に優れ、血流を良くします。
クリーバーズはリンパ系に働きかけるハーブです。
リンパ系とは全身に張り巡らされたリンパ管、リンパ節といったリンパ器官が作る複雑な体内ネットワークで、体内に入った細菌など異物の除去や免疫に関与する物質を全身に送る役割を持っています。
クリーバーズはこのリンパ系を刺激してリンパ液の流れを良くする働きがあります。
バードックはゴボウの一種です。
ま、ゴボウなんですが(笑)日本のゴボウはしっかり食用なので太くてアクも少なめ。
西欧諸国で乾燥ハーブとして売られているバードックはもうちょっと野生に近い感じ。
ゴボウですから水溶性食物繊維のイヌリンを豊富に含み、腸内環境を整えます。
利尿作用もあるので、体内の老廃物を緩やかに流してくれます。
ダンデライオン(タンポポ)の葉はビタミンやミネラルを豊富に含みます。
葉も根もハーブとして使いますが、どちらも利尿作用が強くバードック同様に老廃物を流してくれます。
ワイルドストロベリーの葉もビタミンやミネラルが豊富で、利尿作用と抗炎症作用を持ちます。
「いつもニコのごはんに入ってたヤツ?入れると何がいいの?」
上にあげた基本のハーブはどれも効果がマイルドで毎日使っても安全なものです。
また赤字で書いた部分、ネトルは血液の流れを良くすることで各臓器の血流が良くなりそれぞれの機能を向上させます。
特に腎臓はびっしりと細かい血管で構成されていますから腎臓の機能を良くするには血流の改善は不可欠です。
クリーバーズがリンパ液の流れを良くすることで細菌などと戦う細胞が全身にスムーズに送られ免疫系統をバックアップします。
そしてバードック、ダンデライオン、ワイルドストロベリーが持つ利尿作用で体に溜まったものを流し出すことで臓器の中でも解毒器官である肝臓や腎臓をマイルドにサポートします。
つまり基本のハーブをプラスすることで、体全体の機能を整えて臓器の本来の働きにブースターをかけるというイメージです。
ハーブの色々については私はこの本で勉強をしました。
そしてオーガニックハーブを扱っているネット専門店で、ネトル、クリーバーズ、バードック(たまにダンデライオン)を買ってブレンドして使っていました。
でも専門店で買うと一袋が大きくて、小分けにして冷凍しても新鮮なうちに使い切れないんですね。
まして人にお勧めするとなると、面倒だしハードルも高くなってしまう。
だから最近はハーブをお薦めする時には常にこちら↓
元々はブログを通じての犬友さんだったオーナーさんが始められたハーブショップです。
オーガニックのハーブをブレンドして販売しているので気軽に始められます。
ペットのためのブレンドハーブと言えばヒルトンハーブが有名ですが
お値段を比べるとピーティープーさんの価格のお求めやすさが良く分かります。
まずはご自身がハーブの効果を実感してみたいという方は、スーパーなどで手に入るカモミールやミントティーを試してみるのをお勧めします。
食事の後、ちょっと胃がもたれると感じる時にカモミールティーを飲むと胃がスッと軽くなります。
「ハーブは体全体を整えるもの」と書きましたが、実はこんな即効性もあるんですね。
カモミールもミントティーも犬が飲んでも大丈夫なので、我が家でも常備しています。
犬がお腹を下したときには重湯かお粥に塩ひとつまみとカモミールの茶葉をパラパラが我が家の大定番でした。
ティーバッグを選ぶ時は、上の写真の両端と真ん中のようなタイプのちょっとお洒落で高級っぽいのは避けてくださいね。
これらは微小なマイクロプラスチックが体に入ってしまうからです。
体内にマイクロプラスチックが入るとどのような影響があるのかは分かっていませんが、あまり嬉しくはないですしね。
ハーブを使う時は5日摂ったら2日休むのが基本です。
体が慣れすぎてしまうのを防ぐためです。
それから愛犬の食事にハーブをプラスするもう一つのメリットは、飼い主さんのメンタルケアです。
ブレンドハーブをひと匙カップやポットに入れて熱いお湯を注いでしばらく待って
それをフードや手作りごはんにかけてあげる時、良い香りが立ち昇って気持ちがホッとします。
犬の食事にハーブを取り入れようと思う時って、大抵は何らかの不調がきっかけですよね。
そんな時に一手間をかけることが「この子のために何かをしている」という気持ちの安らぎになるんですね。
愛犬の不調って自分の不調よりも辛いですから、こういう小さな安らぎって実は大きなことです。
もちろん朝の忙しい時間はドライのままでパラパラ振りかけるだけでOKですよ。
長々と書いて来ましたが、私が何かというと「ハーブ試してみる?」と言うのはこういう理由です。
でもハーブはあくまでもサポート役です。体の不調は病院で診察してもらうことが大前提で鉄則です。