先週からスタートしました、ドッグフードの原材料チェックシリーズ第2弾です。
今回は『フィッシュ4ドッグ』を取り上げました。
【フィッシュ4ドッグ】サーモン小粒3kg | |
グッドスマイルインターナショナル |
これは正規輸入品です。アマゾンにも並行輸入品があるのでご注意。
「あたしもお魚好きよ!おさかな!」
前回取り上げたオリジンのフードに比べると原材料の種類がうんと少なくてシンプルなので
「サーディン・アダルト」と「オーシャンホワイトフィッシュ・アダルト」の2つを挙げました。
総輸入元の公式サイトで原材料の割合も書かれていましたので、今回はそれも書き添えています。
まずはサーディン・アダルト
サーディン(イワシ):26%
スウィートポテト:23%
サーモンミール:19%
エンドウ豆粉:19%
ビートファイバー:6%
サーモンオイル:3%
ビール酵母:2%
サンフラワーオイル:1.11%
ビタミン&ミネラル:0.81%
スウィートポテト:23%
サーモンミール:19%
エンドウ豆粉:19%
ビートファイバー:6%
サーモンオイル:3%
ビール酵母:2%
サンフラワーオイル:1.11%
ビタミン&ミネラル:0.81%
まず一番最初のサーディン(イワシ)お馴染みの魚ですね。
養殖のイワシというものは無いので天然魚です。小型で食物連鎖の下位の魚なので水銀の心配も大きくありません。
残念なことに「大きな骨・ウロコ・内臓・頭や尾は使わず魚の身と小骨だけを使用しております」と書かれておりまして
「いやいや、骨も頭も内臓も使おうよ。もったいない。」と思いましたよ。
「丸ごと」使うことで、栄養素のバランスが自然と取れるのにねえ。
2番目のスウィートポテトは炭水化物源ですが食物繊維が多いので血糖値の急激な上昇を防ぐには良い食材です。
このスウィートポテトというのは日本のサツマイモとは違うもので水分が多くオレンジ色で、βカロチンやビタミンBも豊富です。
3番目のサーモンミール。これはサーモンを加熱して油分を搾り乾燥処理して細かく挽いたものです。
1番目の原材料イワシは生の魚なので水分量が多く、重量では一番多く使われていますが
実際には19%含まれる乾燥させたサーモンミールがこの製品のメインタンパク質になります。
同メーカーのサーモンフードは養殖のサーモン使用と書かれていますので、このサーモンミールもまず間違いなく養殖サーモンです。
4番目のエンドウ豆粉、日本のサイトでは単にエンドウと書かれていますがイギリスのサイトではPea Flourと書かれていますので、乾燥して粉に挽いたものです。
ドライフードにエンドウ豆粉を使うのはツナギの意味もあります。
エンドウ豆は良質の植物性タンパク質と炭水化物を含みます。
5番目のビートファイバー。他メーカーではビートパルプと書かれていることが多いものです。
ビート(砂糖大根)から糖分を取った後の搾りカスです。
不溶性と水溶性両方の食物繊維を含みます。
ビートパルプはタウリンの吸収を阻害することがあるので注意が必要ですが
下痢の時など、便を固める効果があります。
また水溶性食物繊維は腸内環境を良好に保つために重要な役割を果たします。
6番目のサーモンオイル。言わずと知れたオメガ3脂肪酸の優良な供給限です。
↑2022年9月5日追記 これは必ずしも正しくないです。ごめんなさい😞
原材料のサーモンミールは油を搾って(つまり除去して)加工されているのでオイルはほとんど含まれません。
また生のイワシは実質量でサーモンミールより少ないですし、加工の段階で魚油の効果が低下することも考えられます。
↑フィッシュオイルの酸化については対策が取られているはずなので、配合してくれるならそれに越したことはありません。
7番目のビール酵母。ビールを作る時の酵母菌です。ビタミンB群やアミノ酸が豊富です。
8番目のサンフラワーオイル、ヒマワリ油ですね。オメガ6脂肪酸の供給源です。
最後のビタミン&ミネラルが全部一緒になっていますがイギリス版のサイトには全種類明記されています。
内訳は下記の通りですが、含有量の単位は1kgあたりです。
ビタミンA 22,500 IU、ビタミンD3 1,800 IU、ビタミンE 400 IU
亜鉛アミノ酸キレート 600mg、 銅アミノ酸キレート 30mg,、無水ヨウ化カルシウム2.5mg
酸化防止剤としてローズマリーとトコフェロール(ビタミンE)
もうひとつ、オーシャンホワイトフィッシュの原材料は以下の通り。
オーシャンホワイトフィッシュ・27.25%
ポテト:20.11%
エンドウ豆粉:19.9%
サーモンミール:16.26%
サーモンオイル:9.86%
ビール酵母:2.16%
ビートファイバー:2.16%
サンフラワーオイル:1.3%
ビタミン&ミネラル:1%
ポテト:20.11%
エンドウ豆粉:19.9%
サーモンミール:16.26%
サーモンオイル:9.86%
ビール酵母:2.16%
ビートファイバー:2.16%
サンフラワーオイル:1.3%
ビタミン&ミネラル:1%
1番目の材料、オーシャンホワイトフィッシュはタラ・スズキ・ニシンだそうです。
オーシャンと書かれているので養殖ではない天然物です。
これも残念なことに内臓や大きな骨や頭は使用されていないとのこと。もったいない。
スウィートポテトではなくジャガイモを使用しているので、サーディンよりもビタミン類が少ないと思われます。
一番最後のビタミン&ミネラルの割合がサーディンよりも若干高いのはそのせいかな。
サーモンミールが実質のメインタンパク質であるのもサーディンと同じです。
「それで、これは良いフードなの?」
うん。シンプルでバランスが良く、不安な材料の少ない良いフードだと思います。
野菜やハーブ類が入っていないので、トッピングなどアレンジし易いのも良いですね。
ただし注意しないといけないことがあります。
魚が原料のフードは肉由来の物よりもとてもデリケートで酸化し易い傾向があります。
フィッシュ4ドッグに限らず、魚が原料に多く含まれるものは1ヶ月で食べ切れる量で購入しましょう。
それから、もう一つペットフードの魚由来の原材料でとても大切なことを書きます。
このフードではサーモンミールが使われていますが、一般的なフードではフィッシュミールという名称をよく目にすると思います。
ミールと言うのは高温加熱処理した原材料を細かく挽いたものですので、丸ごとの魚よりも空気に触れる面が増える分、さらに酸化し易くなります。
そこでローズマリーやトコフェロールよりも強力な合成酸化防止剤エトキシキン等が使われます。
EU(欧州連合)の規定ではフィッシュミールにエトキシキンを使うことは禁止されています。
フィッシュ4ドッグはイギリス産なので、現在流通しているものはEU基準でエトキシキンは使用されていません。
(EU離脱後、どうなるのかはまた調べないといけません。)
余談ですが、別の魚ベースのフード「フォルツァ10」もイタリア産なので同じくEU基準です。
↑2022年9月5日追記
この点について、訂正記事を書いていますのでリンクを貼っておきます。
原材料の段階で使用されている添加物はフードの原材料一覧には出てこないし、表示の義務もないので
「本製品には合成保存料や合成酸化防止剤は使用していません」と書く事が出来ます。
エトキシキンと同程度の効果があり、もっと安全な酸化防止剤もあるのですが
アメリカでは、フィッシュミールを流通させるためにはエトキシキンが必須となっています。
↑2022年9月5日追記
「エトキシキンまたはBHTまたはトコフェロールベースの酸化防止剤が必須」が正しい。
効果やコストの面から考えて、最も多く使われているのはエトキシキンです。
愛犬にエトキシキンが含まれるものを与えたくないという方は、
アメリカ産フードでフィッシュミールが含まれるものは避けることをお勧めします。
日本で正規ルートで販売されているフィッシュ4ドッグはイギリスから輸入されているものです。
フィッシュ4ドッグにはアメリカ法人もあり、アメリカで製造されています。
原材料のレシピはイギリス産のものとは違っていて、淡水魚レシピとサーモンレシピがあります。
アメリカ産のものにもフィッシュミールが使われているので、エトキシキンが使用されています。
並行輸入のフィッシュ4ドッグを買うとアメリカ産の場合があるかもしれないのでお気をつけください。
フィッシュ4ドッグに限らず、輸入品のフードを購入する場合には正規ルートのものを強くお勧めします。
並行輸入品は輸送時のコンテナの状態や、輸送にかかる日数などが違うので、
日本に到着する前に製品が酸化している場合があるからです。
まとめますと、フィッシュ4ドッグはシンプルレシピで良い品質のフードです。
肉類が一切含まれないので、アレルギーのある犬や、魚の摂取が重要な和犬にはありがたいフードです。
魚製品は酸化し易いので、1ヶ月で食べ切れる量を目安に極力空気に触れないように保管してください。
「今夜のごはんはお魚でした」「鮭缶だったんだ〜」
こんなに詳しく調べてくださって、本当にありがたいです。
自分で調べればいいのに~って思うけど、頭が「ふぁ?」ってなるんです。理解が出来ないんです( ;∀;)
フィッシュ4ドッグは、ぽてとが秋になると体をかゆがったり目の周りの毛が薄くなったりするのでアレルギーかもと思って与えるようになりました。
匂いも悪くないし、毛並みも良くなった気がするので続けていましたが、あがさんが調べてくれたおかげで自信が持てました。
あ、早速調べましたよ、イギリス産でした。
EU離脱に注意しながら、これからも続けようと思います!!
フードによってずいぶん違うものなんですね。
これだけ詳しい解説はアガさんだけだと思っています。
和犬に魚が重要と書かれていますが、初めて聞いたことなので少し解説いただけると嬉しいです。うちの保護犬はきっと和犬の血が多い気がしており、気になっています。
ドッグフードの原材料を読むのは趣味なので楽しませてもらっています。
秋になると痒くなるというのは、もしかしたら秋の草に反応するタイプかもしれないですね。
このフードに加えて、週に2〜3回フィッシュオイル を摂るのも良いと思います。
ドライフードは最後に加熱しているために入っているものが全て摂取できているとは限らないので。
もし興味がお有りならハーブのネトルをプラスするのも良いと思います。
ネトルは天然の抗ヒスタミン剤とも呼ばれ、アレルギー症状の予防にも使われます。
・saabさん
ドライフードって出来上がった製品の見た目はみんな似ているんですが
中身は本当に千差万別で、だからこそ面白いですね。
フードの解説サイトもたくさんありますが、他ではあまり書いていないことを意識しています。
・クロマシロクララティダさん
柴犬や紀州犬などの和犬は、人間との暮らしの中で残飯をもらっていた頃は魚を多くもらっていたと考えられます。
川魚でも海魚でも脳機能を正常に保つために必要なDHAを多く含んでいます。
洋犬では摂取したDHAをある程度体内に貯めておくことができるのですが
長い間魚を食べてDHAをコンスタントに摂取していた和犬はこのDHA貯め込みができません。
ところがドッグフードのタンパク源はほとんどが肉由来で、和犬は慢性的にDHA不足になりがちです。
日本で認知症を患っている犬の大半が柴犬など和犬または和犬系雑種とも言われています。
これは洋犬よりも慢性的にDHAが不足しがちなせいではないかと考えられています。
また魚のもう一つの脂肪酸であるEPAは抗炎症作用や免疫調整機能を助ける役割がありますが
こちらも肉中心のフードでは和犬には不足しがちです。
皮膚疾患も現代の和犬には多いと言われているのは、関連があると思われます。
これらのことから当ブログの過去記事では和犬には魚系フードまたはフィッシュオイルを与えるのをお勧めしています。
アメリカでは使わないといけない、とかあるんですね。オリジンは工場がカナダからアメリカになって、より製造過程がよくなったとだけ思っていましたが、ルールが変わってしまうんですね。
オリジンの6フィッシュはわざわざ丸ごとと書いてありますね。そしてオイルはニシンオイル。サーモンは入手困難になりサバに変更になったようです。サバ缶が今日本でブームなんですよね。
そこは関係ないでしょうが。
カナダのフードというか、カナダのルールはどうなんでしょうか?カナダのペットカインドも食べてるんですが。
タンパク質があまり被らないようにローテーションしたいので、チキンが主のオリジンオリジナルと牛、イノシシ、ヤギ、ラムのオリジナルレジオナル、ラムトライプ、サーモンが主のペットカインドサーモン、ベニソントライプ、ビーフトライプ、鹿が主のペットカインドベニソン、
ビーフトライプ、ラムトライプ、ベニソントライプ、牛肉、ラム肉、ラムミール、ニシンミール、豚肉ミール、羊肉ミール、魚ミールが入ったペットカインドレッドミートあたりを出来るだけ被らないようにローテーションしています。6フィッシュはまだ食べたことないので、今度注文してみようかと悩み中です。
法律のことは検索も訳もなかなかチョチョイのチョイとは行かなくて(笑)
ローテーションのバリエーションがすごいですね!
いつも思うことながらエルソル君もアリスちゃんも幸せです。