10月の声が聞こえ始めた頃から心は少しずつ重くなっていた。
予想していた通り、重たくなった心が体の中でズキズキと疼いている。
1年前の今日、ニヤは自力で立つことが出来なくなった。
今日からニヤを見送った22日まで、毎日きっと嫌でもあの日々の記憶が蘇る。
そして11月になれば、サンクスギビングの後に調子を崩したニコのあの日々の記憶がやって来る。
ニコとニヤのことを考えない日は1日たりともないけれど、秋のこの時期はあの子たちを見送った日々とつながり過ぎていて余りに重い。
ハロウィンから始まってサンクスギビングにクリスマスと続く1年で1番華やかなこの季節が嫌いになってしまった。
痛みがなくなることはきっとない。だから痛みにも重みにも慣れなくてはいけない。
多分大丈夫、愛していなければ痛くも重くもならなかったんだから、これは良いことだ。
だから大丈夫、ちゃんと慣れることができる。