神足勝記を追って

「御料地の地籍を確定した神足勝記」を起点として「戦前の天皇・皇室・宮内省の財政について」のあれこれをとりあげる

No.424 坊主憎けりゃ袈裟まで憎い 

2025-03-04 00:57:57 | 時評
(1)今日、東京は午前雨、午後から雪に変わり、庭がうっすらと白くなるまで降ったところでやみました。予報では、明日の方がもっと降るそうです。
 あまりたくさん降るとカミさんから除雪の発令があり、心身ともに疲労してしまいますが、適度な降雪ならば、積年の夢がかなって銀世界を見に出かけるという予定を実行に移すことができます。
 「自慢話し」ができるかどうかは「時の運」です。ともかく今日は早く寝る練習をします。

(2)その前に、昨日の続きを一言です。
 トランプ・ゼレンスキー会談決裂の結果、アメリカ国内はもちろん、各国で動きが始まりましたね。これについては動向を注目しましょう。

(3)ゼレンスキー氏の服装について:
 これまで、国連を初め、どこでも問題視されませんでした。むしろ、プーチン氏のロシアからの不当な侵略に抗して屈しないウクライナの先頭に立っているゼレンスキー氏への共感をもって迎えられていました。今日のチャールズ国王の対応もそう見えました。
 にもかかわらず、あれほどまでに服装を言い立てたのは、
  「坊主憎けりゃ袈裟まで憎い」
 というアレを地で行ったというしかありません。
 しかも、自国の利益を優先して侵略者の肩を持ち、これに抗する人の服装を言っていじめるとは、トランプ政権下のアメリカがいかに貧相な国かがわかるというものです。

(4)少し勘ぐって言えば(そして、これは多分まちがっていないと思いますが)、ゼレンスキー大統領を迎えた会談の席にいたトランプ大統領を初めとするアメリカの面々からすれば、プーチン氏がウクライナを支配してもいいのです。むしろその方がいいと思っているかもしれません。なぜなら、
 1.まずウクライナ支援の必要がありません。
 これには、アメリカの経済力が総体的に(相対的にも中国に遅れてきて)低下したということがあります。アメリカの力を軽んじてはいけませんが、すでに、かつてのような世界戦略を展開する力がなくなってきている(息切れしてきている)ことは確かです。
 ですから、ちょうちん持ちの日本などは、憲法9条に反して、どんどん負担をさせられています。戦闘機の爆買いや、思いやり予算の増大などは顕著です。

 2.プーチン氏のロシアは、すでに少なくとも9万人の兵士を失い、ほかに自国の民間人も652人(うち子供23人)の死者と2982人の負傷者を出しています。私がロシアのマーマ(お母さん)に「早く目覚めよ」と呼びかけるのはこういう事実があるからですが、これは公式数字です。実際はもっとひどいかもしれないのです。
 にもかかわらず、モスクワはいかにも痛くもかゆくもないかのような素振りでいますが、かつての日本を考えればそんなことがありないことははっきりしています。
 すでにロシアはボデイー・ブローを受けていて、このままなら、今後は中国に資源を買ってもらって、そのカネでしのぐことを強いられるわけです。「中国の従属国化」を強いられます。
 そのプーチン氏に近づくわけですから、アメリカにとってはうまい汁を吸いやすいわけです。 
 同時に、プーチン氏からすれば、中国とは別の収入源を確保できることになりますから、対中国関係で「従属化」を免れるわけです。

(5)オット、遅くなりました。もうリミットです。
    
      昭島市郷土資料

【コレクション 181 復古記】
 これは、値段が効果といえば高価なものですが、それよりも、起き場所に困って買うのをあきらめたものの一つです。
 このパンフレットの大きさはB5判で、B4判の用紙8枚を重ねて二つ折りしてできていてます。表紙も入れて32㌻の小冊子です。これを読むだけでも1日はかかりますから、下には、1・2・31㌻を載せました。その他について主なページのみを紹介しておきます。
  3~6㌻ 宮地正人 東京大学名誉教授 『復刻』復刊によせて
  7~9㌻ 中村彰彦 作家 『復刻』は読者を待っている
 10~13㌻ 桐野作人 歴史作家 『復古記』との出会い
 13㌻ 箱石大 東京大学史料編纂所 復古記と三条実美
 14㌻ 一坂太郎 座右に起きたい「読む」年表
 15㌻ 紀田順一郎 『復古記』の今日的意義
 19~29㌻ 内容見本
 31ページに刊行案内とマツノ書店の復刊への説明があります。私の説明は略します。
 
       1㌻


        2㌻:全巻の内容紹介


        3㌻:


 以上です。マツノ書店は、毎回このような記事や説明を懇切におこなっていて、それを読むだけでも楽しいものでした。
 今日はここで。

     
     庭のロウバイも山茶花も今年はもう終わりです。

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No.423 あの国家の実態

2025-03-03 00:38:57 | 時評
(1)アメリカとウクライナの両大統領の会談決裂についての感想を書いて置きます。
1.ウクライナ側について:
 到着時の挨拶などを超える「公式の場」では必ず通訳を入れるべきでしょう。
 とくに、今回、トランプ大統領は、プーチン大統領でなく、ゼレンスキー大統領を「独裁者」といって真逆に表現していた「悪意の人」です。その「虎穴」に入って行くにあたって、ウクライナ側はゼレンスキイー大統領に対してアメリカ側の挑発に乗らないようにとクギをさしていたということですから、相手が一方的にまくしたてる機会を殺ぐためにも、間を置いて冷静に対応させる準備がぜひ必要でした。

2.アメリカ側について:
 バンス副大統領が「外交」での解決を説いたのに対して、ゼレンスキー大統領が「どんな外交か」と問い詰める場面がありましたが、現にトランプ大統領はプーチン大統領の戦争責任をいっていませんし、国際法や国連決議に基づいての解決を目指しているわけではありません。ウクライナの領土主権・回復を尊重する姿勢も示していません。
 むしろ、約束を破って戦争を開始したプーチン大統領の苦境につけ込んで、その戦争責任を免除しながら、ウクライナへの利権獲得を優先しているにすぎません。ゼレンスキー大統領に「独裁者」などレッテルを張るのは、アメリカ本意の戦争終結策にいい返事をしないからであり、言いなりにならないことに対するいらだちを表しているものです。
 ウクライナ戦争の早期終結を図るべきであることはもちろんですが、それにはこの先の持続的平和が保証されるものでなければなりません。それにはプーチン氏やロシアの戦争犯罪を免除するというウヤムヤな解決ではダメで、火種を残すことになります。ぶり返しにならない保証こそが解決策として考えられるべきです。  
 
(2)私ね、あの会談を興味深く考えています。
 それは、トランプ大統領が、どういうつもりで言ったかはわかりませんが、「これは素晴らしいテレビ番組になるだろう」と言ったことです。
1.というのは、あの場面は、「国家の本質」を茶の間に見せたと思うからです。
 国家というのは、一つの国民社会総体の代表の姿を取ります。ですから、ふつうは自らの正当性・平等性をアピールする(いかにももっともらしく言う)ものです。
 ところがあの場面は、アメリカという国が、アメリカ国民の全体を代表しないことをあらわにしてしまいました。いうまでもなく、アメリカ国民の多くはプーチン氏の戦争を批判し、ウクライナに連帯を表明しています。にもかかわらず、トランプ氏とバンス氏は自らが侵略者のプーチン氏に近いこと示し、ゼレンスキー氏が前政権に近いと迫り、露骨に見返り=「感謝」=利権を求めました。
 それだけではありません。すでにアメリカは、意にかなわないと、国際機関への出資金をケチるなど大国の威厳をかなぐり捨てて、単なるもうけ本位の国に転化してきています。国際協力・協調ではなく、自国本意の国に成り下がっています。それを、ウクライナ問題ではっきりと見せたということです。

2.しかし、その姿勢をアメリがどんどん強めたらどうなるでしょうか。トランプ政権はまだ始まったばかりです。あとまだ約4年は続きます。その間、トランプ氏が、ロシアのプーチン氏に対するのと同じ調子で、「世界のプーチン氏」と組んだら・・・。
 う~ん、怖いですねえ。でも、それが国家です。自国の利益を図るのが国家。しかも国民全部でなく、政権が代表する社会階層が求める政策がまず優先される。トランプ氏とかバンス氏などの政権担当者がよしとする政策が優先的に実行される。それが国家。
 
3.眠れなくなりますねえ。

     
       竹橋脇のお堀で

【コレクション 180 論語と孔子の事典】
 このパンフレットは、A3判1枚表だけのものです。
 刊行情報・内容特色・装丁見本・主要目次などすべて出ていますから、説明は略します。これでご覧ください。なお、刊行は1996年9月です。
 ちなみに、この表側の下4分の1は関連書籍の紹介・宣伝ですが、裏面は全面が大修館書店の新刊情報・事典類の宣伝情報です。
 

 以上です。
 今日はここで。

    
     昭島市郷土資料室で(再録?)
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No.422 レーニン

2025-03-02 00:27:42 | 文書・文献
(1)今日は、【コレクション】が長くなってしまいました。こちらは取り止めます。

    
      昭和30年代にありました:竹橋、毎日新聞社前で

【コレクション 179 レーニン全集】
 ソ連が崩壊してのち、レーニンの影も薄くなりました。しかし、レーニンについて私はいくつか思い出がありす。
1.一つは、1971年?にレーニン全集が売り出されているのを知って、なけなしの金5万円をはたいて全47巻を一括購入したことです。近頃の古書店の目録には、10分の1の5千円で出ているのを見ることがありますが、当時の学生の1ヶ月の生活費は約2万円で、2万5千円あれば本も買え、飲み会にも参加できましたから、この買い物は清水の舞台から飛び降りるほどの決断だったわけです。

2.二つ目は、レーニンの演説のソノシートを買ったことです。
 上京して、ロシア語は結局自分でやるしかないと思い始めていたころに古書店で見つけて、その足で古道具店に行ってコンパクトな「蓄音機」を求めて、何回も聴きました。
     Что такое Советская власть?
 シュトー タコーエ ソビエッツカヤ ブラスチ〔ソビエト権力とはなにか〕
 いきなりこの問いで始まるレーニンの声は意外とカン高く、しかし、扇動的ではなく、順々と語っていてわかりやすいものでした。

3.三つめは、モスクワでレーニンを見たことです。
 ベルリンから列車でモスクワに到着して、予定のシベリア鉄道に乗るまでの待ち合わせで3日間滞在した時のことです。
 レーニンを見ようと赤の広場に行きました。レーニン廟前に10時頃に着くと、すでに長い行列ができていて、最後尾はどこかと辿ると、広場から右方向に城壁に沿って行ってようやく見えました。全長400~500m? これでは入るのには大変だなと思いましたが、ともかく並びました。
 しばらくすると、今日は土曜日だから昼ごろまでしか入れないとの話しているのが聞こえましたから、それではここまではムリだなと思っていると、案の定、警衛の軍人が来て、私の50mくらい前で「今日はここまで」と宣告しました。
 ところが、軍人の近くにいた何人かのお母さんたちが小声で交渉していたと思ったら、だんだん増えてきて声が大きくなり、行列の後ろの方を指差して、今並んでいる人全部でもそんなに時間は変わらない、というふうに突っつき始めました。ロシアのマーマ(お母さん)の勢いは感動モノです。とうとうその軍人は最後尾を指差して、「今日はそこまで」と言い直しました。
 あきらめつつも定点観測のつもりで見ていた私は、ホッとしました。
 
 レーニン廟に入れました。
 入るとすぐに数段の階段があり、上がって左の入口から安置室に入ると、レーニンが少し斜めに横たえられていて、その左側を足元の方に降りていき、右側に移って階段を上がり、入り口と反対の右側にある出口から退室、外へ出ます。かつてはスターリンも並べて安置されていたそうですが、スターリン批判の後に外されました。
 ともかく、念願かなってレーニンを見ることができました。しかし、見てから言うのも後ろめたいことですが、防腐処理されてハクロウ化したレーニンの遺体をみて、陳列品にしてはいけないのではないかと思いました。やはり死者です。きちんと弔うべきです。
 レーニンの功績をいうなら、社会を良い方向に推し進める中で偲ぶのでよいのではないかと思いました。
 
 パンフレットの大きさは、B5判8㌻です。B5判大の4枚分の横長の用紙を、最初に左右から4分の1ずつを折り込み、できたものを二つ折りするとできます。
 全体の概要は、
 1㌻ 下に掲載
 2・7㌻ 「レーニンーその理論と実践の統一」と題した解題・解説 
 3~6㌻ 各巻の略内容とレーニンの肖像写真 
      *4㌻を下に載せました。
 8㌻ 刊行案内 B6判 各巻平均700㌻ 価格12万2千円 大月書店
    *パンフの収取日は1㌻右上に「1982年6月25日」とあります。
     70年に比べて価格も2倍以上に上がっています。  
         1㌻


        4㌻


 以上です。
 今日はここまで。
 トランプ・ゼレンスキー会談について書こうと思いましたが、手が回りませんでした。
 いま言いたいのは、
 ウクライナがんばれ! 
 そして、 
 アメリカよ、ああアメリカよ、なんという醜態か!

    
     今夕の西の空

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No.421 ボウボウの国

2025-03-01 00:41:40 | 時評
(1)山火事がボウボウですね。もう心配で心配で。
 夏には、猛暑・突風・河川氾濫
 冬には、大雪・乾燥・山林火災
 このほかに、地震・台風・雷・竜巻・・・

(2)異常気象をもっと真剣に考えることが喫緊の課題です。
 それには、ムダな軍事をやめて、必要な予算を国民の安全のために使う算段をする。
 世界の戦争や紛争を早期に集結させて、国際的にも対策に力を尽くす。トランプさんは24時間で戦争を終結・・・とか言いました。あれはホラかもしれませんが、その気になればできるということは確かです。そして、農林業をもっと大事にする。

(3)25年度予算は、軍事費を突出させて、医療費負担をひき上げ、国民に必要な年金や教育費や防災などが立ち遅れそうです。肝心なことを二の次にしておいて、103万円の壁を予算成立のダシにして国民の目を奪い、結局それも決裂で終わる公算が大です。
 そうではなく、埼玉の陥没事故、あれを予告と見なければいけません。60~70年代以降に景気対策として取られてきた公共事業、とくに公債を次々に発行して赤字を積み上げてきたゼネコンがらみの大規模公共事業、このメンテナンスの時期がどんどん迫ってきます。もっともっと姿勢を変える努力がないと、立ち行かなくなります。これは必至です。

(4)いま、山林火災があちこちに広がっています。この時に、大規模地震は勃発したらどうするか。それに伴う津波が襲来したら対処できるか。電気が止まって、流通網が途切れて・・・。こういうことが杞憂だと言えるか・・・。私は実にノンキな国だと思っています。あのタワマンばかりできていく様子を見ていると、ほんとうに生きていけると思っているのと・・・。
 農業を潰し、林業を放置し、比較優位の経済ばかり。車や工業製品はなければ困るが、車では胃の腑は膨らまないですから、食べられるうちに考えないと・・・。あ~あ! 

    
     大嘗祭会場:2019年12月19日の東御苑
         No.419の写真の後、もっと撮ったはずだと探したところ出てきました。またいずれ。

【コレクション 178 岩波現代中国事典】
 中国へは1980年代に香港・上海・蘇州・北京・瀋陽・長春・ハルビンにと3回行きました。行ったといっても、連れて行ってもらったまでで、苦労をしていませんから、肝心なところはそもそも記憶にありません。人任せだと、旅の一番良いところが抜け落ちてしまいます。
 もう中国へ行く機会はないかもしれませんが、できれば香港に行って、中央公園にあるという近藤貴蔵(1855~1881)の墓地に行って偲びたいと思っています。
 近藤貴蔵は、神足勝記と同じく熊本の人です。上京して鉱山学を学び、イギリスに留学しました。貴蔵の留学が決まった時、彼の父はすでに病の床にありましたから、出発は生別を意味しました。しかし、意を決した貴蔵は、「末期の父と生別するのは大不幸だが、男子学成らざるは孝にあらざるなり」、と言って旅だったそうです。
 ところが、そうして学に打ち込もうとした貴蔵でしたが、留学してまもなく結核を患い、学半ばで帰国の途に着きますが、その途次、ついに香港で力尽きてしまったそうです。

 このパンフは、B5判8㌻です。B5判4枚分の横長の用紙を、最初に左右から4分の1を折り込み、できたものを二つ折りするとできます。下には、1㌻と5~6㌻のところを載せました。全体の体裁は、
 1㌻ 下の掲載
 2・7㌻のみ開き 刊行のことば:岩波書店 
          編集委員のことば:編集委員会
          推薦のことば 
   河合良一(小松製作所相談役・日中経済協会名誉顧問)通り一遍でない理解のために
   竹内実(京都大学名誉教授) 叡知が結晶している
   陳舜臣(作家)「読める事典」の未読をすすめる
   船橋洋一(朝日新聞編集委員)中国認識のための生き字引
 3~5㌻ こんな方々にお勧めします
      内容見本
      項目見本
 5~6㌻ 下に掲載
 7㌻ 装丁見本
    刊行案内 四六判 1460㌻ 定価6600円 1999年5月刊 岩波書店
       
         1㌻

       5~6㌻


 以上です。
 今日はここで。

      
      竹橋の脇で:鳥が少しボケ気味です・・・。
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No.420 福富旅館

2025-02-27 23:40:43 | あの日
(1)大船渡の山火事、拡大するばかりで終息の見込みがまだ立たないようですね。
 大船渡というと、海岸べりの「福富旅館」のことが気掛かりです。一時の恩があるからです。
 
(2)3・11東日本大震災の後、私は、被災地を自分の眼で見て学生に話すのも支援と考えて、ミニサイクルを持参して出ました。
 この時は、一ノ関駅から大船渡線に乗って気仙沼に行きました。直ちに気仙沼の一帯を見て廻り、それから南下して陸前階上〔はしかみ〕駅や海洋高校があるあたりまで廻りました。
 本当は本吉町まで行くつもりでしたが、ミニサイクルでの長丁場はムリと諦めました。
 
(3)翌日、雨がしょぼつく中を、大型船が陸に置き去りになった気仙沼を出発し、唐桑トンネル(只越峠下)を潜って、やはり雨がしょぼしょぼと降る広田湾に沿って行くと、にわか作りの橋があり、渡って陸前高田市に入りました。
 しかし、市街の一角だったはずのところに近づいても何もなく、左の山の方の高台に家が見えるだけでした。右の方をみると、松林は流されてなくなって海が丸見え、その中に「奇跡の1本松」が霞んだ景色の中で立っているのが見えました。
 コンクリート製の建物(会社・集合住宅など)がありましたが、すべて中抜け状態でした。

(3)あえぎながら通岡峠を越えて、大船渡側に出ました。大船渡駅近くまでは高台だったので被害は見ませんでしたが、くだるにつれて被害が見えてきました。
 そのころになると雨も一層ひどく降り、着用していたポンチョのために汗で内側からも濡れて、ほとんどビショビショよれよれ状態でした。

(4)しかし、濡れついでに海岸沿いを見て廻りました。今日は、盛町の方へ行って泊まればいい考えていました。
 見て廻っていると、まわりは皆押し流されて廃墟になっている中に1軒だけきれいな「福富旅館」という看板の出た建物がありました。
 怪訝に思ったので入ってきくと、やはり被害を受けたがすぐに立て替えたのだと言いました。震災からまだ4~5ヶ月の時期だったので驚きましたが、常連客があるからとのことだったと記憶しています。
 それで、思い立って一泊お願いできるかと聞くと、やはりムリでした。そこで、着替えしたいので1~2時間だけ借りることはできないかときくと、それには応じてくれ、入り口脇の一部屋と、まだ湯がはってないが、シャワーだけでもと浴場を提供してくれました。
 料金をいうと、「縁ですから」といって受け取りませんでした。

(5)さっぱりして「福富旅館」を出て腹ごしらえのラーメンを食べていると、バス停が見えました。行って見ると、ちょうど仙台行きのバスがありました。
 情けないとは思いましたが、雨模様の中を峠を二つもこえたので、さっぱりして腹ごしらえができたとたんに気力の方が持たなくなり、仙台経由で帰ることにしました。
 しかし、そのバスは陸前高田の市街を通過しましたから、自分で辿った何倍もの被災状況を見ることになり、あらためてその全容を見ました。

(6)ニュースを見ながら、まだ恩になったままだと思うことしきりです。
 大船渡、頑張れ!

    
      うめ?もも? 今日の宮内公文書館前(No.416に20日のを載せました)

【コレクション 177 日本産魚類大図鑑】
 この本は1994年10月に東海大学出版会から出版されたものですが、もう30年前の出版ですから、あのにぎやかな「さかなクン」は関係してないでぎょざいましょうね?
 書名に「日本産」とありますが、この「日本」はどこまでかというと、パンフの内側に「主として琉球列島最南端および沖ノ鳥島からオホーツク海南部まで」と説明がついています。それから、海域を示す地図から、「オホーツク海南部」というのはエトロフ島のすぐ北側までとわかります。要するに、「日本近海で獲れる魚類大図鑑」ということです。
 lこのパンフレットの大きさはA4判タテで8㌻です。A4判タテの用紙4枚分の横長の用紙を左右の4分の1を折り込み、それをさらに二つ折りするとできます。下には、1・7㌻を載せました。
 全体は、
 1㌻ 下に載せました。
 2㌻ 下に載せた7㌻と同様の原寸見本で、サケ類8種が載せられています。
 3~6㌻ きららハゼの拡大見本を中央に、
      発刊に際して 上野輝弥 国立科学博物館研究室長・日本魚類学会会長
      日本周辺の略地図
      執筆陣31人の名称(略)
      内容紹介と内容見本
 7㌻ 下に掲載
 8㌻ 装丁紹介
    推薦文 
     渡辺文雄 前水産庁長官 魚類の保存と利用に果たす役割は極めて大きい
     宮原九一 全国魚業協同組合連合会長 漁業関係者の待望の魚類図鑑
     岩井 保 京都大学教授・日本魚類学会副会長 無謀な試みの成功に驚きを感ずる   
    刊行案内 A4判 ①図版編378㌻ ②和文解説編472㌻ ③3英文解説編460㌻
        定価①+② 40,000円、①+③ 40,000円 ①+②+③ 50,000円
        1994年10月 東海大学出版会
        1㌻ 

        7㌻:A~Fはタイ G~Lはゴイ


 以上です。
 今日はここで。

    
      今日、竹橋脇のお堀で
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