神足勝記を追って

「御料地の地籍を確定した神足勝記」を起点として「戦前の天皇・皇室・宮内省の財政について」のあれこれをとりあげる

No.402 初恋の・・・文書

2025-02-07 00:57:38 | 近況
(1)年明けから、また毎週、宮内公文書館へ閲覧にお邪魔しています。
 コロナ蔓延の前には5年くらい、情報公開法前から数えると優に10年は越えていたかもしれませんが、ほぼ毎週閲覧に通っていろいろなものを読み調べる機会を得ました。 

(2)「閲覧」といっても、情報公開法制定の前は筆写かフィルムの写真撮影が普通でした。
 筆写は、私の研究分野のように、古文書だけでなく各種の数字が多いような分野だと、1日に表を何枚も写せません。そこでカメラでの撮影となりますが、フィルムだと1日に何本も必要になります、撮影しても現像するまではうまく撮れたか結果がわかりません。また、当時は許可証が出る時代でしたから、いちいち許可をいただいて撮影するのでははかどりません。その場合は範囲を指定してプリント作成を申請することになりますが、基本料金のほかにA4判1枚が100円ちょっとかかったと思います。これは1枚でも基本料金+枚数分の料金の一方、ある時などは1000枚㌻くらい申請したところ15万円くらいかかったことがあります。

(3)それでも研究のために必要となればカネには変えられません。そこでまた1000枚くらい申請すると、あまりに高額だったからでしょうか、今度は係の人がそっと教えてくれました。
 「少し遅くなってもよいなら、待っていれば、自分のカメラで撮れるようになります。」
 しかし、これを聴いたとき、予想外のことにすぐには呑み込めないでいると、
 「受け付けたくないということではないです。急ぐならば受け付けますが・・・。」
 といいます。そのうちにようやく気がついて、
 「自分でカメラで勝手に撮れるんですか。」
 「ええ。」
 
(4)その後は、デジカメの普及もあり、閲覧=デジカメ撮影となりました。このおかげで、『戦前期皇室財政統計』(法政大学日本統計研究所、1995年6月)作成の時は、各種の年鑑や社史から数字を一つ一つ拾って作成するしかなかったものが、今度は内部資料による作成ですから、精緻に仕上げられました。いまこのデータはわが家の棚で眠っています。ほしいという大学や研究機関があればお知らせください。提供します。
 それから、『御料局測量課長 神足勝記日記』(J-FIC)の編纂でもその成果を盛り込むことができました。

(5)考えるに、デジカメの発明と情報公開法がなかったなら、御料地・御料林の研究はこの先もずいぶん難しい研究分野のままだったでしょう。
 というのは、ここのところ閲覧している文書にはたいがい次のようなラベルが貼られていますが、元は(元はというのは、私が研究を始めた1976~7年頃までのことですが)目黒の林野庁の資料館にあったものが多いからです。
    

(6)この資料館は、私が閲覧に伺った頃にはすでに解体作業に入っていて、文書類は林野庁の図書館・国立公文書館つくば分館・宮内公文書館と3分割されて移管作業中でした。
 職員の人は親切にしてくれ、「対応できないけど、自由に見てもいいよ。見たら必ず元に戻して」といってくれましたが、当時の自分には「猫に小判」でした。多すぎて、専門的すぎて、とても手に取ってすぐ意味が分かるものではありませんでした。今ようやく価値がわかるようになったところです。
 どんな文書があって、どれがどこに移管されるかもわからず、移管後は整理が終わるまで公開できない(見られない)・・・。資料があることはわかっていても、所在が分からず、閲覧できないという悔しさはありましたが、あれこれと模索して準備できたわけですから、これまでの歩みは徒労でなかったことになります。
 およそ半世紀を経て、このごろ「初恋の文書」のもとへ通っているわけです。コロナ蔓延のせいでだいぶ遅れました。でも、もうそう長くなくて済むように思います。
 思えば、遠くへ来たものです。それも、あと20年あれば終わらせられます。  
    
      北桔橋門の夕陽:今日16:40頃

【コレクション 161 日本化石集】
 去年、多摩川で人の頭くらいある大きさの木の化石2個とその破片を、投棄物と気付かずにかれこれ10箱も、大発見だと思って収集したことをこのブログでも書きました。「中生代のものだろう」とはある人の鑑定ですが、今でも我が家の机の近くに陣取っていて、私の居場所と肩身を狭くしています。いくつかの博物館・研究所に問い合わせましたが、「化石は地層がわからないと評価が難しい・・・」ということです。おまけに、「勝手に拾って来て値段を付けると法に触れる」とかいろいろ言われて、もうさんざん。
 でも、化石はロマンですね。

 パンフの大きさは、A4判6㌻、A4判3枚分の横長の用紙を、右から3分の1、次に左から3分の1を折り込むとできます。
 下には、1㌻と5㌻を載せました。
 2~4㌻ 内容紹介 A4判変形 各集6シート24㌻ 価格各2000円 
      装丁見本 特色
 6㌻ 第4期の刊行内容
       1㌻

         
         5㌻:放散虫化石

 以上です。
 今日も良い日でした。
 帰ると、尊敬する人からのお手紙が机の上に置かれてました。
 私のことを心配してくれている人がまだ居るとは。多謝!

    
     今日の帰宅時の月

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