宗恒の茶庭

「茶道 思いつくまま」や「和の美術」など

塩田千春つながる私 I   to EYE @中之島美術館

2024-10-30 20:12:46 | 美術

この展覧会10月初めのNHK日美で取り上げられた時、大坂なので見に行くのをなかば諦めていたところ、昨日の新聞に大きく取り上げられていたので思い切って新幹線に乗り今日見てきました。


入るとまず赤い糸が無数に高い所からぶら下がっています。その中に赤いロングドレスが下がっています。赤い無数の糸でドレスに血を通わせている?作品。

次の部屋には「巡る記憶」という題で、白い糸が蜘蛛の巣さながらに編み込まれてトンネルになっている大きな作品。糸がどれだけ使われたか、また編み込みに何時間否 何日間かかったかとかかったのか気の遠くなるような作業の作品です!下には水が張られていています。

次の部屋には高い所から赤い糸が無数に下がっている約5メートル立方体の作品。その中に何枚もの人々のメッセージ書いた紙が円を描くようにホチキスで止められています。「つながる輪」という題です。

作者が今までに作った数々のインスタレーションの説明のビデオも見ました。

今回はコロナで人とつながりが出来なくなった反動で、【つながり】をテーマとしたものです。
糸でつながりを表すというインスタレーション
それで副題として【つながる私・I to EYE 】が付いていること分かりました。

現代美術、特にインスタレーションは分かり難いものが多いですが、塩田千春氏の今回のものは少し理解が出来ました。作品が美しく緻密で気の遠くなる作業には敬意を払いました。
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みたてのくみたて展  @高島屋

2024-08-22 19:33:36 | 美術


「いろいろ面白いことを考える方がいらっしゃるなー」と、大変興味深く見てきました。作家の名前は田中達也氏。
とにかく大評判、70人近くの行列に並んで入場券を買いました。
ミニチュアの視点で日常にある物を別の物に見立てたアートです。

サンドイッチを山に見立ててサイクリング、人のミニチュアも細かく生き生きと実際にサイクリングを楽しんでいる一団です。
パンとウエハスを医療機器に見立てて、横たわっている人も医師もいて、臨場感が。
波乗りしている波はプラスチックのハンガーを重ねたもの、サーフィンしているミニチュアの女性も上手にバランスとっていて髪もなびいているリアルさ。
このほか、ホチキスの玉やクリップ、洗濯ばさみなど利用した作品も多くあり、作品の写真も数え切れないほどありました。
アイデアが豊かで、細かい人物を器用にリアルに上手に作られていて、会場は女性たちの「すごーい」という歓声があちこちで上がっていました。

2017年のNHK朝ドラ「ひよっこ」のタイトルバックは、今回の作家、田中達也氏の作だったと聞いて思い出しました。
めずらしい作品をたくさん見て、とても楽しい展覧会でした。


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涼 夏を楽しむ展 @郷さくら美術館

2024-08-03 15:45:49 | 美術

ネットでこの美術館のこと知りました。「さとさくら」と読むそうです。目黒川沿い近くにあります。
現代の日本画専門の美術館で、昭和以降に生まれた日本画家の作品を収集・展示します。
開館すぐに入ったので混んでなく、展示室は広々して真ん中に長椅子もありゆっくり作品を鑑賞できます。

まず千住博「滝」があり、朝顔・睡蓮・海のうねり・中島千波「マッターホルンの雪山」・金魚・ニッコウキスゲの群生・阿波踊り・白樺林等【夏】のテーマの絵が並んでいます。
どれも大きいサイズの絵で、迫力があります。眺めていると穏やかな気持ちになり、クーラーも効いているせいもありますがまさに【涼】を感じる絵です。
そしてよかった事はその絵に対する画家の言葉もキャプションに添えられていたことです。読むことで何か親しみを感じることが出来ます。



絵葉書もあり、何枚か買い、暑中・残暑見舞いに出そうと思います。
現代の日本画家はあまり知りませんでしたが、季節ごとに展示が変わるようですのでまた来たいと思います。
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アートアクアリウム @銀座三越

2024-08-02 16:29:27 | 美術



アートアクアリウムとはどんなものかと興味津々で出かけました。久しぶりの銀座です。
入場料は高いです。外国の旅行者の方が多く見えていました。

中は暗く目が慣れてから廻りました。まずランタンが両側にかかっている日本的な通りを進むと、沢山の長ーい円筒ガラス鉢が何本もあり、中には金魚が沢山泳いでいます。いろいろな色のライトが当たっていて幻想的!
石灯籠の中にも金魚が。いろいろな形の水槽が幾重にも並んで、上から滝のように水が流れて金魚が気持ちよさそうに泳いでます。
いろいろな種類の金魚が水族館のように展示されて説明も。ブルドッグの顔をした金魚もいましたし、すごい出目の金魚もいました。
上から風鈴がぶら下がっている通りにも各種の金魚がそれぞれの丸い水槽に収まって泳いでいます。最後は大きな大きな金魚鉢の中に華やかに金魚が…赤いライトに照らされ正に「花魁花舞」。

江戸時代には金魚を愛でる文化がありました。初めて見た金魚アートを堪能しました。夢のような幻想的で別世界に誘われた感じでした。
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尾張徳川の至宝展 @サントリー美術館

2024-07-22 19:38:44 | 美術

「さすが徳川家!」と、うならせる展覧会でした。

入り口には甲冑が鎮座しています。紐で身を守る小金属片をつなぎ、その紐の細かさと結び方の美しさに驚きます。17世紀のすごい芸術品!

藤原公任・藤原定家の書が、そして宮本武蔵の「蘆葉達磨」の絵。

続いて茶道具です。大名物の小ぶりの唐物茶入の名品がいくつか、織部茶碗は白い地色には黒で、黒の地色には白で織部独特の模様が描かれていて逸品です。

能のコーナーでは衣装が大変素晴らしかったです。デザイン、刺繍の素晴らしさにびっくりです。打掛も見事でした。

香木と香道で使う道具・・・香を切ったり削ったりする小刀の柄にも蒔絵が施されています。
あとは姫様の嫁入り道具の数々。貝合わせの貝には繊細に色彩豊かに宮中の景色や人物が描かれています。雅です!
硯箱や文箱には細かく蒔絵がびっしり描かれていました。そして琴や三味線・琵琶など楽器にも。

そして最後に今回の展覧会の花!国宝「源氏物語絵巻」です。
幅15cm程の巻物に優雅な仮名と絵が書かれています。仮名も細い筆で美しく書かれていてうっとりします。今回は「横笛」のお話の絵でした。お話と挿絵の巻物。これが平安時代に作られた事にも驚くとともによく現代まで受け継がれてきたかと有難い気持ちでいっぱいです。
オリジナルはこの様な小さな巻物であったとは思いませんでしたが今回鑑賞出来て一生の記憶になります。

徳川時代が300年弱もの間、戦さもなく続いたことで、いろいろな文化が守られ、素晴らしい技術が継承され発達したこと、そして素晴らしい品々がちゃんと現代まで伝わっていること、感慨深いです。
チラシにあるように【絢爛豪華 ここに極まれり】です。



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