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御年91歳の日本画家、那波多目功一氏の展覧会です。副題に「花と生命のまなざし」とありました。
一階には大きいサイズの絵が展示されています。
チラシにある【さざ波】,光に照らされている湖に優しいさざ波が、色のグラデーションが美しいです。
【月輪】漆黒の空に煌々たる月が、その周りには光の環、月輪が描かれています。見ているとまぶしくなるような気がします。
下は木も草もない大地と濃い色の部分は海でしょうか。
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この作家は牡丹の絵が多くあります。中でも私が身につまされたのは【惜春】の牡丹。二輪は立派に咲いていますが、三輪はもう花びらがほろほろと散っています。花の命が過ぎゆく時を惜しむ心。「人生も同じこと…」とキャプションに作者の言葉がありました。
さだめし私の今は この花の中ではトップにあるあの花かしら?などと考えながら鑑賞しました。
穏やかで背景も複雑な落ち着いた配色の絵が多く、心安らかになる展覧会でした。
寒い日で風も冷たい日でしたが、まだ桜の蕾も堅い目黒川沿いを美術館まで気持ちよく往復し、歩数は7418歩でした。