宗恒の茶庭

「茶道 思いつくまま」や「和の美術」など

三島喜美代氏を悼む

2024-06-27 06:13:51 | 美術



先日展覧会を見に行ったばかりの三島喜美代氏がお亡くなりになったという記事を今朝の朝刊で見てびっくりしました。

ビデオでのお話がとても親しみがあり、内容も分かりやすく、絵画を描くということに興味を持たれた経緯や、今回の展覧会に出品されたような作品を作るようになった経緯などゆっくりお話されて芸術家というよりどこにでもいるおばあちゃんと感じました。
「私のアトリエはゴミばかりなんですよ」と笑っていらしたお顔が印象的でした。

展覧会で見た作品のあの発想力は素晴らしく、今まで誰も作られなかった独創的な作品を世に出されたことは敬意を感じます。
展覧会に行けてよかったです。

心からご冥福をお祈りいたします。
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三島喜美代 未来への記憶展  @練馬区立美術館

2024-06-23 16:14:20 | 美術
 
NHK日美アートシーンで紹介された展覧会。新聞紙や缶を陶土で作るというユニークな作品展です。1932年生まれの女性芸術家です。
インタビューもとても好感が持てる方でした。
とても興味を持ちましたので雨の日にも拘らず、早速出かけました。

初期の作品は抽象画やコラージュ油彩画の作品が多かったです。

60歳ころにシルクスクリーンで印刷物の文字を陶に転写して焼成する立体作品を作られるようになりました。全く新しい発想です。

陶土による新聞や空き缶、広告チラシ、段ボール箱などが並べられています。ゴミ箱内の空き缶は圧巻です。リアルなのですがよく見ると陶製なのです。つまりこれらはすべて割れる作品。

実際に空き缶作品に触ってみられる所もありましたが、ちゃんと陶土の重みがありました。飲み口を覗くと空っぽです。正に空き缶。
新聞紙も折り曲げられていますが陶製・・・そして段ボール箱にもびっくりしました。
これ等の作品は海外でも評判になったそうです。


そして最後にはこれまたすごいインスタレーション作品があります。「20世紀の記憶」と題して、部屋いっぱいに耐火煉瓦ブロックがぎっしり並べられていてそのレンガ一つ一つに100年間のおもだった新聞記事が転写されています。


このような作品群を今まで見たことがありませんでした。どうやって作るのか想像もできません。
三島氏は美術学校を出た方でもなく、発想力で次々に素晴らしい作品が出来上がったのです。
とにかく初めて見るびっくりするものばかりで、実物を見られて本当によかったです。
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宇野亜喜良展 @東京オペラシティアートギャラリー

2024-05-26 16:48:52 | 美術


今日のNHK日曜美術館で「宇野亜喜良 華麗なるイラストレーション」を見ました。
90歳で現役イラストレーター・グラフィックデザイナーです。宇野氏の分かりやすいお話がとても良かったので早速見に行きました。
笑わない少女・物憂げな表情の少女のイラストが有名です。
会社や演劇・映画の広告ポスター、本の表紙、小説の挿絵、俳句からイメージした絵など幅広くてがけられています。いわゆる画家というより商業美術家で,イラストレーターという職業の草分けの方です。
今回200点以上もの作品が展示されていました。
そのようなイラストも宇野氏が発想豊かに自身の考えを可視化したものです。細かく画面には人物のみならず 動物や魚鳥等もびっしり描きこまれてるものもます。上のイラストは「恋する魔女」のもの。とにかく発想力・想像力が見事です。
イラストの女性は皆物憂げでスレンダーでした。

番組では友人の横尾忠則との対談もありました。
横尾氏いわく「90歳の人がメルヘンチックな絵を描くなんて世界でも珍しいと思う」と。私もそう思いました。

TVで放映された日だったためか会場は非常に混んでいました。
最近 私は現代の作家の絵に興味があります。
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ライトアップ木島櫻谷展 @泉屋博古館

2024-04-14 15:32:15 | 美術

雲一つない快晴であったので六本木まで出かけました。気温も高く、Tシャツにブラウスを羽織ってちょうどよいくらいでした。

この画家は「寒月」を以前に見てから注目していました。

今回は「四季らんまん」と称して「雪中梅花」「柳桜図」「燕子花図」「菊花図」の四季の大きな屏風がズラッと展示されていて圧巻です。
「燕子花図」屏風と言えば 根津美術館にある尾形光琳の屏風が有名です。
櫻谷の「燕子花図」屏風も金地に流れるように描かれている構成は似ています。青と草色の色も似ていますがガクの白が目立ってます。しかも胡粉が盛り上がった感じの白。

後、得意の動物画が何点かあり、鹿やタヌキ、リス、イノシシ、ライオンの絵などもありました。何かのにおいを嗅いでいる鹿の表情はかわいく、毛並みは一本一本細く細かく描かれています。ライオンは昔見た竹内栖鳳の絵に似ていました。


帰り、スウェーデン大使館脇の緑の素敵な道があるのを発見。だらだらと下り坂の道で神谷町まで続いているようです。
両側には結構高い大きな木が連なっていて気分よく途中まで下りまた上って、きた道に戻り下りエスカレータに乗って六本木1丁目駅からメトロで帰りました。
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朝倉彫塑館 @谷中

2024-03-17 16:27:38 | 美術

NHK日美で朝倉彫塑館を取り上げていましたので早速出かけました。

明治から昭和にかけての彫刻家”朝倉文夫”が、アトリエ兼住居としていた場所が会場になっています。
兄”渡辺長男”がすでに彫刻家になっていて その兄を頼って文夫も芸大で彫刻を学びました。

中に入ると天井が高く明るく広いアトリエに びっくりするほど大きな小村寿太郎の像が鎮座しています。大熊重信像や、松井須磨子像のほか女性像等が静かに配置されています。アトリエから廊下伝いに行くと中庭には大きな池があり鯉が泳いでいました。 この池、「仁」「義」「礼」「智」「信」の五典石が配置されているこだわりのある池です。
そして書斎や居住されていたお部屋がいくつも池を囲むようにあり、二階に上がるとまたそこにはいくつかの部屋があり、窓からは大きな池が見下せます。そして猫の彫刻がある部屋に。
屋上にも上がりました。そこではかつて菜園をされていたそうです。そしてここにも外を見ている男の後姿像やW博士の胸像がありました。


素晴らしい彫刻を数々見せていただき、昔の家を思い出す趣のある素敵な住居も拝見できました。
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