宗恒の茶庭

「茶道 思いつくまま」や「和の美術」など

新緑茶会へ

2017-04-29 18:10:20 | 茶道
新緑が美しい今日、O茶寮でのお茶会に行ってきました。
港区のビルに囲まれた中にこんな場所があるかと思われる程静かで緑豊かな場所です。最近文化財となったそうです。
淡々斎が昔ここで茶道を教えられていたという裏千家に由緒ある場所です。

濃茶席は如庵写しのうろこ板、暦張り壁の、2畳半台目の席。
今日のお茶会は参加者が多くなく、ゆったりとお濃茶を頂けました。

軸は清巌宗渭の円相、花入れは鳳凰耳付青磁で芍薬が入れられていました。4月29日は天長節なので香合は染付の冠型。

席主の方は89歳、若々しくお茶が本当にお好きで、一日中お茶室に坐って外の緑を楽しんだり、夜は突き上げ窓から月を眺めたり…なんとも優雅なお茶三昧の茶仙人のようなご生活をされていらっしゃるようで羨ましい限りです。若い時は美術館へ足しげく通われたそうです。お濃茶も美味しく、お道具も素晴らしかったのですが、それに勝る席主の方のお話が何よりの御馳走でした。お話を伺ってとても刺激になり、私もずっと元気にお茶を楽しめる生活ができるよう精進努力しなければと思い、何か良い道しるべを頂いたよう感じました。

薄茶席は茶友がもたれました。

花筏の茶桶、蒔絵の高坏、風炉先も春霞を思わせる淡いグラデーション、雅で華やかなお席。お客様それぞれ違った名碗でお薄を頂きました。
この茶友の方も落ち着いた語り口で、お嬢様もお孫さん(男)も茶道を好み、ちゃんと後継者を育てていらっしゃる尊敬している方です。

お茶会に参加することは、美味しいお濃茶・お薄を頂き、大切なお道具を拝見できる機会と思っていますが、今回は席主の方のお話しぶり、考え方などその方の人間味が伺え、とても印象に残るものになりました。お道具についてはいずれ多分忘れてしまうでしょうが、席主の方のお話はきっとずっと心に残ると思います。

今回は本当にゆったりとしたお茶会で、点心も素晴らしく非日常感たっぷりの大満足の一日でした。
コメント (2)
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