明治初期の画家、木島櫻谷(このしま おうこく)の動物画は見事です。
チラシに載っている六曲一双《寒月》↑は夜、竹林の雪道を歩く一匹のキツネ。雪道に足跡を残し 止まって一瞬振り返った姿…その眼力が凄いです。野生の厳しさを感じる絵です。竹の根元の雪がとけている描写・下弦の月も寒々と感じられます。
このキツネ、夏目漱石には不評であったらしいです。キツネの目玉が夜は丸いはずなのにこれは昼間の目玉だと。
後、イノシシ・鹿・馬・ライオン・虎・熊・狸・鷲 等、皆リアルで写生力・描写力に感銘を受けます。
写生帖にもいろいろ描かれていてその中のかわいい《子猫の寝姿》には思わず顔がほころび絵葉書を買いました。↓
《角を研いでいる鹿》も良かったです。樹の幹に角を押し付けて研いでいて気持ちよさそうな目をしています。
他に、うずくまった《老狸》も哀愁を帯びていて、私自身と重なるよう…