桑炭会 島根県伝統の炭焼き 

松江市八雲町で伝統的な八名窯を継承し炭焼き、販売をしています。
メインテーマは自然環境保全。

炭焼き2日目、点火

2022年03月20日 17時33分42秒 | 活動報告

暑さの寒さも彼岸までの諺はよく言い当てたものだと思う。彼岸の入りは

寒い雨、昨日も雨混じり、今日も少し寒い日は続いているが彼岸を境に

気候は変わっていくのは間違いないところ、最初に言い当てた人は何年

も経験したことを正確に覚えていてこの言葉に辿り着いたのだろう。

アンコールワットは有名な遺跡、春分の日、秋分の日には中央の塔から

太陽が出てくるように作られている、世界には似たような遺跡は多く単な

る季節の分け目の意味より宗教的な意味を持っているように思える。

昨日、火入れした窯は9時で56℃になっており前回の記録と比較すると、

早い点火は避けられないと判断し昼をめどに点火準備の煙突・通風孔

全開にする。

12時、76℃点火したとして通風孔を1/3閉、枝2本を乗せて上昇速度の

減速を図るとともに木酢液の採取を始める。

最終的に通風孔1/3強閉、枝4本煙突1/2閉の状態で一晩目を越すこと

になった。ここのところの傾向として2日目の後半からの急上昇があり、

これを押さるために閉め気味に進んでいる。

      


そぼろ雨、大雨の中窯出し、窯立て

2022年03月19日 21時00分20秒 | 活動報告

出がけは天気予報を裏切って雨は止むかも・・・・と思わせて午前中は何

とか乗り切ったが後半には大雨になった。少し春気分を味わっていた身

体は寒さを取り戻した天気に痛めつけられ『寒い』と言わされる。

しかし窯の中では温もりが残っているためアノラックに防塵マスク姿では暑

いとのたまわる。

窯から出ると冷えてストーブの傍に、寒暖を出たり入ったりの一日。急激な

温度上昇に見われた炭焼きの通信簿発表、焚口を取り外し中を覗く、内

壁の簡単修復、煙突のタール退治で何かそのいい影響は出ていないか

チェックする。しかし、見た目では然したる変化はなく、相変わらず右側の

方が焼失量は多い。全体的に白っぽく見える。

いざ、中に入り炭を取り出すと入り口付近の雑木は殆ど残らず、直ぐに樫炭

のお出ましとなる。すごく重くいかにも堅そうな素晴らしい炭に混じって折れ

たものがあり気分を複雑にさせる。素晴らしい炭の感触は産出量に現れ久

々の300kg越えを果たす。袋詰めする部隊でも鋸で裁断するのにその堅さ

について話していたと聞く。

窯出しを終え煙道の出口が低くなっているのが気になりチェックしてもらうと

修復した方が良いとのことで、盛り土を施す。

引き続き窯立てに入る。窯の中に居てあれが欲しい、これが欲しいとリクエス

トを出すが午後遅くに『枝木』の声に『大雨で取りに行けない』

そんな中、ネコ車が窯口に到着が見え『雨の中、ご苦労さん』

5時半過ぎに全ての作業を終え火入れを行う。今日の窯の温度からすると、明

日には点火してしまうのではなかろうか?。これは幸なのか否か。

            上のホースは集塵機の排気用

              17時30分火入れ


昔むかしの資料

2022年03月17日 18時40分02秒 | 活動報告

過日、昔からの記録を保存しておられる会員から保存ファイルを借り少しず

つ眺めている。桑炭会の設立のことや八雲村時代に八雲木・竹炭研究会と

称するグループに参加して活動していたことに関する資料とともに炭焼きの

データも保存されていた。

その一端を覗いてみると当時の参加者の数に会が発足して未だ々発展して

いく糊代が十分にあると思わせる。炭焼き自体の記録は旧窯の最初の頃だか

ら今と比較してもあまり意味のないことかもしれないが、火入れ当日を含めて

1週間かかった例もある。

筆跡は同一人物、となると殆ど全ての工程に関与していたことを窺わせる。

尤もこの頃は今より21年若いから60代主力となれば『これくらい何ともない』

と元気一杯で苦にならなかったのでは・・・

それにしてもその熱意には感服する。

今でも炭焼きの温度推移や管理状態は記録しているが、データの記録や活

動内容を残す習慣は当時から培われてきたものだと思う。

     


なんちゃって炭焼きの原価計算

2022年03月15日 18時48分17秒 | 活動報告

炭焼きで使う敷木集めの途中、ふと阿呆なことが頭をよぎった。昔々、現

役の会社員時代、いつもいつも考えさせられていた原価計算。利益を得て社

員の食い扶持、社会への貢献には不可欠なもの。

桑炭会が木炭製造・販売会社なら樫炭10KG一袋を幾らで販売すれば成立す

るのだろうか。本来ならば炭窯や施設などを含めるべきだが、現在の運用だけ

で・・・・・・・なんてことを。

最初に材料集めのための情報収集は販売と共に立派な営業活動。山に行き材

料の調達するのに各自持参の道具、軽トラ経費、チェーンソー・燃料・刃などの

消耗品、補修費など。持ち帰り材料の加工、薪割機、キャリアーなどの運用費。

休憩時の湯茶め菓子代など。窯立てから炭焼き作業、窯出し作業と袋詰めの大

半は人件費が占める。

会員との情報授受・活動の広報を担うブログなど情報・通信費、来客対応などな

ど項目を上げれば普通の会社と変わりなくなってくる。

木炭の燃料としての使命を終えた理由は製造原価とは別のところにあるが事業と

して成立しないのは労力の割に利益が薄いことも大きな要因であろう。ネットなど

でみる木炭単価が高いのは薄くても利益を出す必要から仕方なくそうせざるを得

ない。利用者はそんなに高いものなら木炭に拘る必要はないと考える。

負の連鎖を呼び益々、先細り感がする。

炭焼き過程の種々の項目を原価に組み入れると桑炭会は木炭会社として成り

たないのは明白なのに倒産せずにもうすぐ25周年を迎えようとしている。

幾らボランティア精神に溢れかえっているとしても過度な個人負担が続けばその

果は容易に推察できる。

桑並地域以外に住む者から観ると良いにつけ悪いにつけ強く結びつけられた人

との繋がりが『全ての原価を組み入れれば赤字会社』でもある桑炭会を継続して

きた、つまり原価計算を打ちかした原動力ではないかと思う。

色々と厳しい面はあろうが、おんぼらと・・・・・これが地域力ではなかろうか。

       


どんな炭になる?

2022年03月14日 18時36分34秒 | 活動報告

何度も記事にしてる今季の大物樫、炭木のサイズに裁断し半端が出た

場合は割り木にする。割り木にもならない半端ものでも大物の半端物は

本当に勿体ない。

掛矢の材料にしたりクサビ、形の珍しいものは炭の『芸術祭参加作品』など

にも使う。今回はその半端物を整形、つまり四角っぽい形にしカンナできれ

いに仕上げたものを炭にしてみることにした。

恐らく割れが入るであろうが炭焼きに一寸した遊び心を。