今やアカデミー俳優と呼ばれるようになったマコ様こと、
マシュー・マコノヒー✖︎日本を代表する国際派俳優、渡辺謙✖︎ガス・ヴァン・サント監督作品。
(「グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち」「エレファント」「ミルク」「誘う女」など)
「The Black List 2013」(製作前の優秀脚本)に選出された脚本を映画化。
マコ✖︎ガスヴァンサントってことで割とすぐに観てきた。
けど、、、、、。
「驚きと感動に満ちた泣けるミステリー」と宣伝文句にはあるけど、
はじめに言っておくと、これで泣いたり感動するのはよほどピュアな方か、愛する連れを亡くした方かだと思うよ。
脚本はクリス・スパークリング。
後で調べたら、土の中に閉じ込められる映画「リミット」の脚本家。と聞いて納得。
こりゃダメだわ。(他に、「ATM」というマイナーホラー。)
つまんなかったのでツッコミどころメインで書くので、既に観て感動した方はスルーしてね 笑
自殺しようと、わざわざ日本の観光地であり自殺名所でもある富士の樹海にやってきた
アーサー・ブレナン演じるマシュー・マコノヒー。妻がいるが過去に浮気をしたせいでうまくいっていない。
森の中で突然現れた血だらけの男は、ナカムラ・タクミと名乗る。
マコ様の妻ジョーンにナオミ・ワッツ。夫婦仲はあまり良くない。腫瘍があり入院する。
本作でのナオミ、ほぼ回想シーンでしか出てこないけど、すごく綺麗
富士山の麓に広がる青木ヶ原樹海。ここに死に場所を求めてアメリカからやって来たアーサー・ブレナン。森の奥深くに分け入り、睡眠薬で自殺を図ろうと薬を飲んでいた彼の前に、憔悴した日本人男性が現われる。助けを求める彼を放っておけず、一緒に出口を探すアーサー。しかし一向に出口を見つけられず、森の中を彷徨い歩く2人に次々と試練が襲いかかる。互いに助け合う中で、次第に心を開いていく2人。やがてこの男性に、自分がここへやって来た理由を語り始めるアーサーだったが…。
ネタバレ全開なのでこれから観たい人で結末知りたくない人も見ないでね
あ、原題の「THE SEA OF TREES」は青木が原樹海の意味。
本作、かなりのファンタジーなので現実的なドラマとしてみるとどうしようもなくなっちゃう。
ある童話がキーワードにもなってるくらいなので。
そこを踏まえてみても、わたしは
4/40点
いろいろとツッコミどころが多くて、共感もできない。
そもそもマコが自殺する感じのキャラ(雰囲気含め)じゃないのは置いといて、笑
いくら奥さんとうまくいかなくて、病気になり入院、手術が成功し、うまくやっていこうと思った矢先
搬送中の車が目の前で事故で亡くなる。
それで妻の存在の価値を知り、ということで逆にそれがきっかけで死のうとするなんて。
あと会社でもどうでもいい部署になったとか言ってたけど
そんな理由で、妻が言ってた美しい場所で死ぬ。というのに感化され死ぬ場所をネット検索して
わざわざ日本の富士の樹海で死を選ぶとか、、、、
いざ、薬を飲んでその途端に現れた男に手を貸してるが、普通なら死のうとしてる人間(しかも直前)だったら
人のことまで考えたり、助けようとする余裕ないだろう。
樹海の中では、「親にもらった命は大事だから考え直しましょう」的な文章の看板がある。
立ち止まってここまで来て思いとどまる人はどれだけいるのかな。
その看板は本当にあるんだろうけど、いくらなんでも死体がミイラとして一般人がすぐに目にできる場所に転がってたり
しないだろうし、それにあまり驚いてもいなくて、演出が大袈裟&不自然すぎ。
実際、後でレスキュー隊が出てくるけど、実際あそこで死ぬ人は多いにしても絶えず死体などは目につく限りでは片付けてるでしょう。
ま、この辺りの事は後でかなりのファンタジーだということがわかるので
対してツッコむことではないのかもだけど。
とにかく淡々として森をさまようオッサン二人、レヴェナントのレオほどにはサバイバルではないけど
困難な目に遭う。なぜか森を一向に抜け出せない。
一緒にいるうちに打ち解けてきてそれぞれのことを話し出す。
自殺しようと思った背景が回想シーンで現れる。
渡辺謙演じる、タクミの妻子の名前がフユとキイロ(変な名前だなぁくらいに最初は思って見てたんだけど)
そして、妻の好きな季節も色も知らないままだった。
と言うアーサー。
ハイ、ここでわかります。(が、映画の中では無事、助かって仕事に戻った後で日本語がわかる生徒が、偶然
アーサーの書いたメモを見て、言う。
「フユ」と「キイロ」。日本の季節と色ですね。と。
ハッとするアーサー。
展開としては、二人でさまよう中、負傷し、トランシーバーを見つけてなんとかレスキュー隊を呼んで
アーサーは助かる。動けないタクミに、必ず戻ってくると言い残して。
退院した後、調べてもらうも手がかりはタクミの名前と妻子の名前のみ。
調べたがそんな男などいなかったと言われる。
アーサーが後日、また富士の樹海のその場所に戻ってみると、タクミが横たわっていたその場所に、
花が一輪咲いていた。
日本では死ぬと花になる、、、みたいなことをどこかで言ってたけど
タクミの存在はスピリチュアルなもので、マコノヒーの精神状態が生み出したのか、
愛してた妻が導いたものだったのか。(←まあ、こっちでしょう)
他にもヘンゼルとグレーテルの童話がキーワードで出てきたりもするので
かなりなファンタジーストーリー。
ベタすぎて感動どころじゃないな。まさかと思ったけど、
その展開には、エーーーー。っとしか言えない。
良かったのは、
お互い心が離れてしまった夫婦(アーサーとジョーン)が、
「ありがとう」と感謝されないように、お互いにやってあげたことをこっそりとゲームのようにしていたとアーサーが語るところ。
(洗濯物をこっそりたたんでおいたりして、それをありがとうと言われないように
時間をずらして顔を合わせないようにやっていたり。)
わたしは未婚だからわからないけど、母とか見てるとそういうのなんかわかる。
今更照れくさいからとかね。
一応これもちろん、自殺推奨映画ではないしこれを観て、死ぬのをやめよう!と思うとは全く思わないけど
大切な人に、大切だと伝えることと、大事にすること。
それが一番大事。
と言いたいのでしょうね。
それはいいとしても、感情移入できないと話がつまらないのにダラダラと長く感じるし
動機が弱いし、なんでわざわざ追い詰められた人間が行ったことない国までわざわざ行くのか
理解できない(特に海外の人には伝わらない)だろうね。
美しい死に場所に憧れて、この場所に決める人が多いのだろうけど、この場合その動機も弱すぎる。
ファンタジーにするならなんで、オッさん二人にするの?なんで渡辺謙なの?とも思うけど
フユ、キイロに引っ掛けるのなら男の妻と子にした方がいいし、
女の子だったら二人で彷徨っても違った意味でやばい方向に行っちゃいそうだしね。笑
渡辺謙の存在がアレでした。ってそれにしてもなんだかなぁ。
ずいぶん、ちっちゃい劇場での公開なんだなーと思ったらこの内容ではね、、、
ということで今回のガスヴァンサント作品、がっかりでした~。
マシュー・マコノヒー×渡辺謙×ガス・ヴァン・サント 映画『追憶の森』予告編
THE SEA OF TREES 2015年 アメリカ 111min
4月29日より、公開中~
去年のカンヌ映画祭にて。
マコ様、そのヒゲどしたっ💦
謙さんいないね
そういえばガスヴァンサント作品好きな弟、
翔の過去の短編でも偶然、舞台は樹海の中で死をテーマに撮ったものがありました。
タイトルは「Following」(2009年 片岡翔監督昨品 4分30秒) ひめじ国際短編映画祭2009 入選昨品。
機会があれば是非。