昭和から平成に変わる直前、1週間しかなかった昭和64年に起きた、戦後唯一の未解決誘拐事件。
実際の事件が基になった、ということで凄く興味あった1本。
「半落ち」などの原作者・横山秀夫の小説を、豪華キャストで映画化。
横山さんは、元群馬県の地方新聞、上毛新聞の記者だったということで実際のこの事件は、
昭和62年(1987年)9月14日に群馬県高崎市筑縄町で発生。
当時5歳の男の子(功明ちゃん)が連れ去られ、身代金を要求後、悲惨な経過をたどったというもので
2002年に時効になっている。
大まかに言うと、実際の事件との共通点としては
身代金が2000万円だった。
当時の盗聴技術の未熟さなのか、逆探知できるだけの時間があったにも関わらず逆探知できずに
犯人からの電話を取り逃がした。
子供が事件に巻き込まれた殺人事件。
本作はその映画の前編。監督、瀬々敬久。脚本は久松真一。
横山秀夫ロクヨン「64」は、映画の前に4月から毎週土曜日連続5回「64」(NHK総合)で
ピエール瀧主演で放送されている。(役名は同じでキャストは映画とは全員変わった)
但し、今年の4月に放送された「刑事の勲章」という「64」の原点となったドラマ 版の方では一部同じ役名と配役だったみたい)
まずはキャスト。
佐藤浩市/綾野剛/榮倉奈々/夏川結衣/窪田正孝/金井勇太
筒井道隆/鶴田真由/赤井秀和/菅田俊/小澤征悦/菅原大吉
坂口健太郎/瑛太/椎名桔平/遠藤賢一/烏丸せつこ/奥田瑛二
仲村トオル/吉岡秀隆/永瀬正敏/三浦友和
たくさんいるので1枚1枚一人づつの写真で紹介してると日が暮れるのでまとめた相関図で。
8/10(85点)
たった1週間で終わった昭和64年に起きた少女誘拐殺人事件、ロクヨンの時効が近づく平成14年、
元敏腕刑事で、現在は警務部広報室広報官を務める三上義信が、
記者クラブやキャリア上司との攻防、刑事部と警務部の対立に巻き込まれながら、真実を追う。
事件の真相を追うだけのミステリーサスペンスものではなくて、
日本の警察という組織の実態、マスコミとの関わりなどリアルに見せるところが興味深い作品に仕上がってて
時間も忘れて引き込まれる。
警務部 刑事部
そして
広報室記者クラブ
県警と記者クラブの板挟みで窮地に陥る三上と、被害者の父親の心情、
実は当時のミスが隠蔽されていた経緯が暴かれていく様など
事件そのものの真相がまだわからない状態のままでも十分に見応えある前半
キャストも有名どころたちが絡み合い、それぞれ適任なので安心して見ていられる。
佐藤浩市さんの迫真の涙シーンはすごく良かったけど、「申し訳ございません、出直します!」と
お宅を出て、遺族の永瀬さんから引き止められた瞬間にあっさり泣き止んで涙なかったのが気にはなったけど(⇦細かい)
あとは佐藤浩市さんと対立する記者クラブのリーダー瑛太くん、
同じ広報室の部下、綾野剛さんも良かった。
このシーン、ジーンときたわ
でも誰が良かったって、わたしが年間観る邦画が少ないとは言っても
毎度この方がかなりの印象深い役で登場してて、毎度すごいなぁと思うのが滝藤憲一さん!
まためちゃくちゃヤなやつだったよ、サイコー 笑。
悦ちゃんのお人形が出てくる「バイロケーション」(2013年)ではこんな顔してたし
最近だと「予告犯」「残穢」など。ってすごい出てるのね、この方。
バイロケのレビューで、映画よりオマエの顔の方がこわい!何て書いてごめんなさい♪
とにかく素晴らしい俳優さんですな
※ここで余談だけど
そうそう。翔の短編映画『シロクマ/SiRoKuMa』(ショートショートフィルムフェスティバル、ストップ!温暖化部門で優秀賞)
にも主演してくれてる芹澤興人さんも記者クラブのメンバーの中で遠くに目立っていました
SSFF&ASIA2011 『シロクマ/SiRoKuMa』 GW-06 (最初の40秒だけ)
知らなかったけど、警察の事情を知っている上でのマスコミの窓口となる
広報室その職務もかなり大変なんだなぁとか(素人目線だからね)
実は自分の娘は父親に反発して家出し行方わからずなどもありの、、、、
そもそも昔から「時効なんて、犯罪には必要ない」と考えてたわたしなのだけど、
2010年になってやっと時効は廃止された。
警察が捜査の大変さを打ち切るためのもので、実際に被害者の家族のことを思えば
時効なんてあっていいわけない。時が来たらその罪は無効になるなんて、形式だけでもおかしい!
後編ではそのことにも触れるのかな。
外国映画ではよく警察の汚職だったり、FBIの汚い部分を暴いたり見せたりする映画、ドラマは多い。
でも日本では日本の警察が一体どうなっているのか、仕組みや構造など気にかけていることもなかったし
裏事情を見るという意味でも面白い。
当たり前だけど責任重大だよこりゃ。(そりゃそうです、人の生死に関わる重要なお仕事ばかり)
その苦労もなるほどね、、、。
ちょっとしたミス一つで捕まるかもしれない犯人を逃してしまい、しかも
助かるかもしれない一つの命が絶望に終わることだってある。
もしも最悪、ミスをおかしたなら。生涯悔やみきれない念を抱くことになる。
今でこそ、色々な機材?(よくわからないけど)などで逆探知の能力も上がってるだろうし
情報を得るツールも増えてるだろうから、捜査能力自体も上がってきていると思うけど
昭和の最後とはいえ当時もう約30年近くも前だと色々今とは事情が違うと思う。
などと、書いてたらきりがないのでこの辺にしておくけど
続きは来月公開の後編で
ということで、いいところで終わっているのですぐにでも観たい
気になる方は、後編が始まる前に、劇場で観るのをオススメ。
わずか7日間でその幕を閉じた昭和64年。その間に管内で発生した少女誘拐殺人事件。いまも未解決のその事件を県警内部では“ロクヨン”と呼んでいた。刑事部で長く活躍しロクヨンの捜査にも関わったベテラン刑事の三上義信。私生活では高校生の娘が家出失踪中という大きな問題に直面していた彼だったが、警務部の広報室に異動となり、戸惑いつつも広報室の改革に意欲を見せていた。折しも県警ではロクヨンの時効まで1年と迫る中、警察庁長官の視察が計画される。そこで、長官と被害者の父親、雨宮芳男との面会を調整するよう命じられた三上だったが、なかなか雨宮の了承を得られず困惑する。そんな中、ある交通事故での匿名発表が記者クラブの猛烈な反発を招き、長官の視察が実現できるかも不透明な状況に陥ってしまう。自らもなかなか捜査情報を得られず、県警と記者クラブの板挟みで窮地立たされた上、刑事部と警務部、あるいは本庁と県警それぞれの思惑が複雑に絡み合った対立の渦にも巻き込まれていく三上は、それでも懸命に事態の収拾に奔走するのだったが…。
『64-ロクヨン-前編/後編』映画オリジナル予告編
佐藤浩市さん、綾野剛さん、榮倉奈々ちゃんインタビューは こちら 後でじっくり読もう。
完成披露試写会にて。
ぐんまちゃんかわいい