いや〜。こういうの、好きだよね デルトロさん
皆大好き「パンズ・ラビリンス」はわたしも良かったけど、別にデルトロ監督のファンではない。
独特のそのダークな世界観に、日本、いや世界中でファンを魅了するスペインのギレルモ・デル・トロ監督。
5日に発表される今年のアカデミー賞で、作品賞、監督賞他13部門でノミネート中で、
こちらか「スリー・ビルボード」が有力と言われる中、やっぱり気になるその中身は。
※追記 3/5発表 第90回アカデミー賞で、作品賞と監督賞他4部門受賞
デルトロ作品でおなじみ、「ヘルボーイ」のエイブ、「パンズラビリンス」のペイルマンやパン。
そして、本作では南米奥地の川から無理やり連れてこられた半魚人。”不思議な生き物”としてクレジットされている
これらぜーんぶダグ・ジョーンズ
幼い頃のトラウマから、声を失った女性、イライザと出会う。
こちら主演女優賞でもノミネート中のサリー・ホーキンス。
孤独な彼に親近感を覚え、助けたい気持ちが恋愛感情を抱くように、、、、!!
(って、初対面でS男の指ちぎられたのを見てるのにあなた
絵描きの同居人で親友、ジャイルズにリチャード・ジェンキンス。
同じ職場で清掃員として働くゼルダに、オクダヴィア・スペンサー。(オスカーノミニー作品に次々出演)
怖い男をやらせたら文句なし、サディスティック男。マイケル・シャノン。
近年かなり色んな作品に出没の、マイケル・スタールバーグはホフステトラー博士。
マイケル対決。
5/10(59点)
アカデミー賞会員の皆様たちにはウケがいいのはわかるし、作品の意図もわかるんだけど
好きになれるかの問題。
あえて60年代を舞台にして、差別や偏見に晒されて自分らしさを持って生きることが困難な時代背景の中
人間同士ではなくても心は通じ合い、何の偏見も持たずに愛情だけで繋がることができる価値観。
そして唯一、研究材料としてのモノ扱いで虐待する、虚栄心の塊で見せかけだけの男であるまさにモンスターを
わかりやすい構図で描く。
今まで恋などしてこなかったというように見て取れる、孤独で地味な女性と
人間ではない生き物、との恋愛ということで
「種族を超えた愛」を描くおとぎ話なり、ファンタジーはいくつかあれど
なかなか「共感できるか」という意味では わたしはかなり難しいな。
そういう偏見自体は全く持ってないけど、興味というよりは結構すぐの段階で
「男女」を意識する状況になってしまってて、お風呂に一緒に入っちゃうとか いやなんかな
ちょっと画的に受け入れられなかった
ビジュアル的には映像美しいんだけど、
「美人じゃない女だけど惹かれる」と言っていきなり喘ぎ声聞かせろと迫るマイケルシャノンもどうよ、と思ったけど
綺麗じゃない、普通の地味な40代独身女性との恋愛というのがこの作品ではリアル。
実在にはいない生き物を描くことで、ファンタジー要素も含むのでその段階でリアルにはどうしても思えないんだけど
もちろん、サリー・ホーキンスはこの作風に当てが記されただけあってぴったりだったし、徐々に綺麗に見えていくようになっている。
トイレ入って用足す前に手を洗うのが男らしいと思っていて
足した後は手も洗わずにお気に入りの緑のキャンディー手づかみで食べてるような
マイケル・シャノンのアクが強すぎて、映画の中で占める割合多すぎてそっち(恋愛とか彼を守る)って部分に
共感弱くなってしまってた。
最初、彼を引き止めたいから協力して、と頼むイライザに親友のジャイルズは行くところがあるし
忙しいから勘弁してくれと拒否するけど、その直後、お気に入りのパイの店の若い男に店でフラれてから
自分も君がいないと孤独だと言い出すのも唐突とか、博士が突然協力してくれたおかげで
「彼」をうまく逃がすことができたけど、犯人すぐバレバレでしょうとか
劇場の上のアパートに住んでてあんな風呂を水でいっぱいにしたら損害すごいでしょう 笑 とか
結構つっこみたくなったけど
予想通りの展開だったのと、主人公二人にそこまで入れなかったな〜。
「彼」が不思議な力を持ってて、撫でたハゲ頭からは毛が生え、怪我を負った腕は治り、
そして 愛し合った彼女には声が戻る(シーンはあったけど実際には、、、、)
だけど、猫ちゃんは食べられちゃったけど あれはちょっとかわいそう
清掃の仕事のスカートも緑とか、新車は緑(ではなくなんとかって色を主張してたけど)
他にもちょこちょこと、全体的に深いグリーンがポイントに使われてたのが印象的、
わたし的には今年のアカデミー賞作品賞は「スリー・ビルボード」にとっていただきたいな、、、。
追記。
結果的に、作品賞はこちら受賞したけど やっぱりどうにも
人間と、人間じゃないものとの本当の恋愛という部分が自分の中でダメみたい
(プラトニックなものとか、愛情表現ならいいんだけどモロにやった描写(セリフとお風呂シーン)あるところが)
完全なファンタジーの世界ならありだけど現実的に描かれてるので。
THE SHAPE OF WATER 2017年 アメリカ 124min
3月1日より、公開中〜
いや、マイケル・シャノンはいい俳優ですもちろん