マサ君のレッスンは、順調に進みました。
ただ、順調だからといって、先を急がないように心がけました。
たどたどしく弾ける程度では、決して合格にはせず、
1曲を3週間位かけて、じっくり進めたのです。
その成果があり、マサ君は、指の形や脱力も、完璧になりました。
学校で、鍵盤ハーモニカを弾く時の指の形も綺麗になり、
マサ君は、学校の先生に
「マサ君、ピアノ習っているでしょう? 上手に弾けていますね。」
と、褒められたそうです。
音楽の時間は、普通学級で授業を受けるので、マサ君もお母様も、嬉しかったようです。
マサ君は、バイエルを順調に進みました。
そして、最大の難関 【分散和音】の伴奏へと進んだのです。
【分散和音】とは、和音を分散して弾くことです。
例えば~
3拍子の曲ならば、ドミソ ドファラ シレソ 等
4拍子の曲ならば、ドソミソ ドラファラ シソレソ 等です。
さすがのマサ君も、これには非常に難航しました。
右手でメロディーを弾きつつ、左手で分散和音を弾くのは、
初心者には相当難しいものです。
かなり集中して、根気よく練習しないと、
弾きこなすのは 大人でも容易ではありません。