ららみ先生のピアノのおけいこ

自閉症でも、発達障がいでも、
両手でピアノが弾けるんです♪
ピアノが弾けるって、素晴らしい!

自閉症児 M君の不思議①

2016-05-25 | 自閉症児 M君の不思議

2年生の9月から習いに来ているマサ君は、自閉症の男の子です。 

5年生になりました。

マサ君は、かなり上手にお喋り出来ますし、
私の言うことも、きちんと理解してくれます。

事前のお母様との面談では、
多動症状が見られる~とのことでしたが、

私の前では 一切そんなことは無く、むしろ礼儀正しい感じがしました。

 

だいたい私の教室に習いに来る子達は「多動傾向」のお子さんが多いようです。

多動なので、ピアノを大人しく習えるか心配~とお母様たちはおっしゃいます。

でも、レッスンの最中に、多動症状が出て困った~と云うことは、今までにあまり経験がありません。

 

何でだろう?と、私なりに考えてみました。

その要因のひとつは、私の教室が、かなり遠い所にあるからかもしれません。

遠い子は1時間かけて来てくれますし、マサ君も、車で40分以上かかるそうです。

レッスンバックを持って車に乗り、長いドライブを経てピアノの教室へ行く。

もう、それだけで、日常とは違う【特別感】があるのではないでしょうか。

その【特別感】が、
良い子にしよう!きちんとしよう!と云う気持ちにつながるのかもしれませんね。

 

さて、マサ君ですが、レッスンは順調に進みました。

右手だけ、左手だけ、の準備期間は、半年くらいだったでしょうか。

じきに両手のレッスンに入りました。 

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レッスンの前にテニスのお話・2

2016-05-23 | 不登校

そこで私は、レッスンの前に、必ずテニスの話をすることにしました。

ミノ君は、中学の時からずっと、卓球部に所属していて、
県大会の常連になる程の腕前なのです。

「バックのスマッシュて、難しいよね。 
何度教えてもらっても、うまく出来ないの。 どうしたらよいと思う?」

「僕も最初は難しかったですよ。だんだん慣れてきますよ。」
と、嬉しそうに答えてくれます。

彼は、テニスが大好きなのです。

 

テニスの話をした後のレッスンは、とても充実したものになり、
ミノ君は、音楽や、レッスンの時間を楽しんでいるのがわかります。

そんなミノ君の様子を見るのが嬉しくて、私もまた、元気が湧いてくるのでした。

 

そんなレッスンを続けていたある日、お母様から連絡がありました。
「ピアノのレッスンから帰った日は、とても機嫌が良くなるので助かります。
そして、最近はまた、学校に通うようになりました。
ありがとうございます。」

私は、テニスをしていて良かったな~

ピアノを教えていて良かったな~

と、しみじみ思ったのでした。

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レッスンの前にテニスのお話・1

2016-05-22 | 不登校

私は、2年前からテニスを習っています。

息子がテニス部だったこと、そして、年齢を問わず気にせずに楽しめるスポーツ~
と云うことで習い始めました。

なんとかラリーが続くようになりましたし、
テニスを通じでお友達も出来たので、出来る限り続けていこうと思っています。

ず~っと続けて80歳になった時、
颯爽とスマッシュを決められたら、きっとかっこいいはず

なんて想像するのは、なんだか楽しいでしょ!?

 

私のピアノ教室に、かれこれ10年以上も通ってくれている、高校1年生の男の子がいます。

その男の子ミノ君は、小学校5年生の時に、不登校になりました。 

1年間くらい、ほとんど学校に行かなかったと思います。

でも、その間でも、ピアノには来てくれていました。

ミノ君は、ピアノや、クラシック音楽が大好きなのです。

 

何かをきっかけに、再び学校に行くようになり、
そして彼は、不登校のハンディを物ともせず、難関の中高一貫校に合格しました。

その後は、順調に登校していましたが、
中3になったあたりから、再び、行ったり行かなかったりを繰り返しているようです。

それでもピアノ教室には真面目に来るので、
私は、何とかしてミノ君の心をほぐしたい、と思いました。

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自閉症児 N君のこと⑤

2016-05-21 | 自閉症児 N君のこと

そんな感じのレッスンが続き、3ヶ月程経った頃のことです。

ノブ君は、チョキを作るのも上手になり、
それに伴い、ピアノを弾く指先も、だんだんとスムーズになってきました。


そんなある日、ノブ君が、楽譜と違う音を弾いたので、
私は「ノブ君、楽譜を見て」と声をかけました。

その時です。

ノブ君は、音符を見て、ドの音を弾き

次に、音符を見て、ミの音を弾き

そして、音符を見て、レの音を弾きました。

そして弾いた後、私の顔を見て、初めて笑ってくれました

ノブ君の頭の中で【音符】と【鍵盤】と【音】が、初めて一つになったのです

ノブ君自身も、とても感動している様子でした。

楽譜を見ながら何度も弾いては、得意そうなお顔で、私を見るのです。

勿論、私も、とても感動しました。

「ノブ君、すごいね意味が分かったんだねこれから益々上手になるね

ピアノを始めて4ヶ月と云う時間を経て、
ノブ君の頭の中で、バラバラに存在していた【音符と鍵盤と音】が1つになりました。

そしてその事は、ノブ君の大きな自信になったように思います。

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Y君の涙

2016-05-19 | アスペルガー児 Y君

ヨウ君は、先日のレッスンで【息止め競争!】をしたテツ君の、お兄ちゃんです。

注意欠陥症状を抑えるお薬を飲んでいる、と聞きましたが、
穏やかで落ち着いた性格の男の子です。

先週のレッスンの時、ヨウ君はピアノを弾きながら
ポロポロと涙を流しました。

「どうしたの?」と聞いてみました。

「アレルギーなので、涙が出るんです。」とヨウ君。

お母さんに、目で問いかけてみると、
「多分、練習が出来ていないからだと思います。
ちょっと事情があって、今週はピアノを弾くことが出来なかったので。」

ヨウ君は心の中で、色々な事を考えたのでしょう。

練習してこなかった~と云う反省の気持ち。

レッスン中に、うまく弾けない~と云う悔しさ。

もしかしたら、先生に対して申し訳ない~と云う気持ちもあったのかもしれません。

色々な気持ちを抱え、思わず出た涙。

そして、そんな気持ちを悟られまいと、
アレルギーだから~と私に伝えたヨウ君。

感受性が強く、繊細なヨウ君の気持ちを考えると、
私の方が切なくなりました。


私はヨウ君に
「練習が出来ない時があっても、大丈夫だよ。
出来ない時はしょうがないものね~

練習が出来なかった週は、最初に先生におしえてね。

そうしたら、ヨウ君も、気持ちがすっきりするでしょ?

その代わり、出来る時は、その分頑張ってね!」

と伝えました。

ヨウ君は、安心したような顔で頷いたのでした。

ヨウ君みたいなお子さんこそ、音楽が人生の糧になると思います。

音楽を通して、ヨウ君の感性が益々豊かになりますように。

私も、心をこめて指導したいと思った出来事でした。

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