列車は札内川を越えて2~3分後に札内駅に停車しました。
帯広駅から5分程ですので、西帯広駅-帯広駅間より近いのですが、私はこの駅の名を知るばかりです。
札内駅を出た列車は畑の中を走ります。
左手奥に平坦な丘陵地が見えますが、あの丘の下に十勝川が流れ、その川の畔に十勝川温泉が湯けむりを上げます。
そして列車は猿別川(さるべつがわ)を渡りました。
ところで、北海道には登別、芦別、士別、紋別など、「別」の字が付く地名が沢山ありますが、これらはアイヌ語の「ペッ pet(川)」に「別」の漢字を当てたものです。
なので上記地名は全て、アイヌ語の川に関わる地名が由来なのです。
そして猿別は、アイヌ語で「サルペッ(ヨシ原の川)」を語源とする地名です。
猿別川を渡った列車は幕別駅に停車しました。
幕別の地名も、アイヌ語の「マクンペッ(奥の方・にある・川)」に由来します。
幕別町で特筆すべきは、1983(昭和58)年にパークゴルフを考案した町です。
パークゴルフはゴルフに似たスポーツで、専用のクラブ、ボール、ティーを用い、9ホール合計でパー33が設定されます。
パークゴルフは公園を用いて競技が考案され、幕別町のパークゴルフ場は無料で公開されています。
以前紹介した長万部あやめ公園のパークゴルフ場も、使用料は一日僅か300円で、パークゴルフは貧富の差もなく、誰もが余暇を楽しめるスポーツです。
幕別駅を出た列車は2~3分後に十勝川を渡りました。
十勝川は十勝連峰の十勝岳と上ホロカメトック山を結ぶ稜線の北側を源流とする一級河川です。
以前紹介した空知川は上ホロカメトック山と下ホロカメトック山を結ぶ稜線の南側を源流としますので、上と下のホロカメトック山を結ぶ稜線が石狩川と十勝川の分水嶺です。
下の写真で、一番奥の尖がったピークが下ホロカメトック山で、左手の谷が十勝川の源流部です。
雨が、この稜線上の左右どちらに降ったかによって、僅か10㎝の差であっても、その水が太平洋へ下るか、日本海に注ぐかの運命が決まります。
人間の人生もそんなものかもしれません。結果が全てではない気もします。
列車は十勝川の幅広い河原の上を越えて行きます。
河原の奥に濃い緑の丘陵地が見えました。
十勝平野は台地性の平野で、東は白糠丘陵に接しています。
この辺りは標高100~200mの洪積台地が広がり、河川沿いに狭い沖積地がみられます。
前回の「青春18きっぷ」 「青春18きっぷ」花の旅 北海道
「花の旅」の全て 「花の旅」 総合目次
筆者のホームページ 「PAPYRUS」