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エゾカンゾウの群落が湿原を染める

2023-11-12 00:36:24 | 「青春18きっぷ」花の旅 北海道 Ⅱ

 湿原地帯を抜け出た列車は厚岸町から浜中町に入り茶内駅に停車しました。
 

 茶内の名は、アイヌ語の「イチャンナイ(サケの産卵場のある・川)」に由来するそうです。

 

 
 茶内駅の、駅舎にルパン三世の顔ハメ看板が設けられていました。
 

 場違いな気がして、なんじゃこりゃ? と思いましたが、浜中町は「ルパン三世」の作者、モンキー・パンチさんの故郷だそうです。

 


 現在の浜中町役場は霧多布に置かれ、町の歴史は霧多布に漁民を定住させたことに始まります。


 浜中町は1963(昭和38)年に町政が施行されましたが、町役場付近が、アイヌ語で「オタノシケ(砂浜・の中央)」と呼ばれたのが名の由来です。

 

 霧多布湿原はラムサール条約に登録された道立自然公園で、保護すべき水鳥の生息地です。

 

 更に、霧多布岬の海蝕崖の下には、2016年の秋から野生のラッコが定着し、繁殖しています。


 しかし、観光客が海面低く飛ばすドローンの影響で、ラッコが姿を現す頻度が減少したそうです。


 私は過去数回、この辺りを車で通りましたが、残念ながら霧多布を訪れたことがありません。

 

 霧多布湿原や霧多布岬を訪ねるには、茶内駅から列車の発着に合わせて運行される町営バスを利用しますが、土日祝はデマンド運行なので、予約が必要です

 

 

 車で行く場合は、釧路から国道44号を走り、茶内駅方向への交差点を曲がって約15分、10km程で湿原に至ります。


 しかし私が行くとすれば、厚岸から厚岸大橋を渡り、道道123号経由で霧多布に入るルートが面白そうです。


 このルートの概要は、国土地理院の画像を拝借すれば、以下の赤線の如きになる筈です。

 

 北の太平洋と湖と森が連なるルートには、スコットランド北西部のような景色が待っているだろうと想像します。

 

出典:国土地理院ウェブサイト


 霧多布湿原は、夏になるとエゾカンゾウの群落が湿原を黄橙色に染め広がります。


 私のホームページのニッコウキスゲ(等)の名所「霧多布湿原」の項がありますので、北海道の湿原にエゾカンゾウが咲き揃う季節、目の黒い内に訪ねたいものです。


 列車は茶内駅に4分間停車しました。

 


 暫くすると、根室方面から釧路行きの列車が肩を左右に揺らしながらやってきました。


 私はすぐに、この辺りが釧路・根室の中間点かと思い、確認すると、釧路・根室間の半分は67.7kmで、標茶は釧路から68.6kmでした。

 

 やっぱりですよね。

 


 茶内駅では、釧路発根室行きの都市間バス「特急ねむろ号」が列車に接続します。

 

 花咲線は根室半島の南縁、バスが走る国道44号は根室半島の北縁海岸線の集落を繋ぎます。

 

 そしてバスは釧路市内で日赤病院や労災病院など、主要な医療機関にバス停を構えます。

 

 この地に生きる人々の医療環境が見えてきます。


 ラッコが繁殖し、エゾカンゾウが咲き揃う、美しくも厳しい自然の中に身を置くには、畑正憲(ムツゴロウ)さんみたいなエネルギーと才能が必要かもしれません。

 

 

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