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無人駅の花壇に咲く赤いサルビア

2023-11-10 01:13:53 | 「青春18きっぷ」花の旅 北海道 Ⅱ

 上尾幌駅を出た列車はなだらかな曲線を描く丘陵地を進みます。


 森に囲まれた牧草地が陽の光を浴びていました。

 


 列車は尾幌と表示された駅に停車しました。


 尾幌の地名は、アイヌ語の「オポロテッ(川尻の・大なる・かわ)」に由来します。


 駅前広場に一台の乗用車が停まっています。


 この駅に車を置いて、列車で釧路か札幌に出かけたのでしょう。


 この駅は無人駅ですが、駅の花壇を赤いサルビアの花が飾ります。


 厚岸町の関係者か、近隣住民のボランティアでしょうか。


 朝と夕に、この駅へ女子高生を送迎する、ばあちゃんの姿が見えた気がしました。

 


 列車が駅を離れる時、駅名表示板に隠れていた駅舎が見えました。


 この駅舎は貨物列車の車掌車(ヨ3500形車掌車)で、1986(昭和61)年に設置されたそうです。

 

 

 尾幌駅を出た列車の窓から、牧草地に草を食む馬の姿が見えます。


 その背後に丘陵地が連なり、その後ろは太平洋です。

 


 列車が走る場所は尾幌川が作る沖積低地(尾幌原野)の泥炭地です。


 明治40年頃、尾幌駅の辺りから海への分水路を開削しました。


 尾幌原野の排水を促し、尾幌川の氾濫原を農地に変えたのです。


 列車は尾幌原野を国道44号と並走しながら根室を目指します。

 


 列車が次の門静駅に停車する直前、車窓右手に砂利を敷き詰めた広場を目にしました。

 

 皆さんはこれを何だと思いますか?


 これは昆布の乾燥場です


 ということは、海はすぐそこです。

 


 そして門静駅に停車しました。


 門静は、アイヌ語の「モイスッ(入江・の根本)」に由来するそうです。

 


 門静駅は無人駅で、洒落な雰囲気の駅舎に小さな待合所が付属します。


 地図で確認すると、門静駅の北側を国道44号線が走り、300m程南側の場所に厚岸湾が浪を寄せます。


 海辺に20~30軒程の集落が軒を並べ、湾に付き出す小さな漁港を認めました。

 


 門静駅を出ると直ぐに、車窓に海が広がりました。


 厚岸湾の先に、湾に接する厚岸湖を囲む丘陵地の一部が見えます。

 


 振り返えれば、太平洋に突き出た尻羽岬(しれぱみさき)と仙鳳趾村の台地が望めます。

 

 仙鳳趾村は、尾幌分水を町境として厚岸町に接する釧路町の村です。

 


 つい最近、そんな仙鳳趾村の放牧地で、OSO18の名で怖れられてきたヒグマが駆除されました。

 

 OSO18は2019年から標茶町や厚岸町で牛66頭を襲い、北海道庁が特別対策班を設置するほどの凶悪なヒグマでした。


 そんなヒグマの住む牧草地の道を辿り、農道終点の駐車場から10分程歩いた岬の下にラッコやアザラシが暮らしています。


 そんな仙鳳趾の海は夏でも海水温が低く、太平洋の潮の流れの影響を受けてプリプリの牡蠣が育ち、年間を通して、美味しい牡蠣を食べることができます。

 

 

 

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