池田駅を出た列車は沖積地に広がる畑を見ながら、十勝川の流れに沿って南下します。
根室本線の下り列車は池田駅の次に、十弗(とおふつ)という駅に停まりました。
それにしても北海道の駅名は、多彩で本当に面白い。
残念ながら、駅名の表示物を撮影することは出来ませんでしたが、これを地名と知らない人に、いきなり「十弗」の字を見せれば、多くの人が10ドルと読むはずです。
私は確認できませんでしたが、10ドルメモリアルボードが2000年にホームに建立されたそうですが、今もあるのでしょうか。
地名は、アイヌ語で「トプッ(沼の・口)を意味するそうです。
そういえば、網走と小清水町の間に濤沸湖(とうふつこ)という汽水湖がありますが、同じ意味だと思います。
列車は更に南下を続け、豊頃(とよころ)駅に停車しました。
豊頃町は十勝川の河口を擁します。
十勝地方の開拓は、十勝川を遡って行われた経緯から、河口の大津地区には十勝地方発祥の地の碑が設けられているそうです。
そして、豊頃町のシンボルがハルニレの木です。
日立グループのテレビCMに映された「日立の木」に似ていることで人気を集め、1991にドリカムがリリースした「Eyes to me」の歌詞中の「ハルニレをバックに空に手を広げて」はこの木を指すとされます。
そして、ドリカムのボーカル吉田美和は隣町の池田町の出身なのだとか。
豊頃駅を出た列車は緑果てない風景を見ながら進み、町境を越えて浦幌町に入りました。
浦幌町に入ってすぐ新吉野駅に停車しました。
新吉野駅は、当初下頃辺、アイヌ語の「シタコロベ(犬を産んだ所)と名付けられましたが、語義が悪いので、駅前の吉野桜をヒントに新吉野に改名されたと説明されます。
新吉野駅を出た列車は進行方向を北東に変え、十勝川流域を離れました。
列車は白糠丘陵の西縁部の丘の中へ進み、浦幌川を渡ります。
橋を渡ると民家が現れ、周囲を丘に囲まれた平地の中の浦幌駅に停車しました。
浦幌の地名は、アイヌ語の「ウララポロ(霧・多い)」に由来するそうです。
駅の周囲に貯木場が見えます。
十勝郡浦幌町は大部分が丘陵と台地で、町の面積の約70%を林野が占め、豊富な資源を活用した林業が営まれます。
浦幌を出た列車は丘陵地の中を進みました。
そして今、根室本線は全線が単線の筈なのに、景色を写した画像の中に線路が写っていることに気付きました。
撮影時間を確認すると、浦幌駅を出てから5分後のことです。
ネットで検索すると、「常豊信号所」の、根室本線が右に緩くカーブする様子や、線路の右に保線詰所らしき建物が見えることから、「常豊信号所」かなと思います。
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