今年もお世話になりました。

　（前回のあらすじ）
虎の穴のようなところに籠り、連日鼻の穴までまっ黒にして勤務に励んでいると、解放されたのはクリスマスも目前、明ければ門松というような時候です。

そんなところへも訪ねる人があって、顔は見知っていても、一緒に飲むことがあろうとは思わない方でした。
折角だから置いてあった白をあけて........赤あけないで、白あけない...じゃなかった、その白をあけておもてなし、つぎの赤もそろそろ空こうかという頃、

「じつはお願いがあって.....」と、ようやく打ち解け、それまで盛り上がっていたのとは違うトーンで仰います。
「じぇじぇじぇ、何ざんしょ？」

一通りお話を伺って、
「で、そのお話はいつ返事すればようがすか？」
尋ねてみると、
「そりゃ、もちろん早いほうがありがたいですが.....出来れば.....今でしょ！」
「今？そりゃちょっと無理だ、私にもハヤシ先生もあるでよぉ。じゃなかった、都合もあるから」
「何ですか、そのハヤシって。あの先生？」
「いぇ、単なるおやじギャグの倍返し.....っていうか、急なこと言うから」
年の瀬と凍結した路面はスベリやすいのでした。



最近エレベーターの中など仕切られた空間で、女性から帽子をほめられたことが数回ありました。
去年はなかったことです。
でも、あくまで帽子だけなんですけど。

そんなこんなで、また一年が終わろうとしています。
年末、楽屋裏ではゆとりがなくて滞ってしまいましたが、皆様にはたいへんお世話になりました。
近くの方も遠い方も、しょっちゅう会える方もなかなか会えない方も、どうぞ良い年をお迎えくださいますようお祈り申し上げます。

Let it snow.

　たいへんご無沙汰しております。いかがお過ごしでしょうか。
「フナッシーの中に入っていたの？」
「いぇいぇ、あんなキレはないっス」とか、
「終電の頃、横浜駅で見かけましたよ」
「よく似たアジア人でしょ」などとからかわれておりますが、地上よりはマグマに近い地下で、機関車トーマスに石炭をくべるみたいなことをしておりました。

地上に出てくると、太平洋でマグマが噴き出しているところがあると聞き、ちょっと頑張って燃やし過ぎちゃったかなと心配になります。





ところで根菜類が美味しい季節です。
同じ地下にいたせいでしょうか、大根だのごぼうだのが何でこんなにと思うくらい美味しいときがあります。
先日、木戸君からも「昔からどこ行くにもよくスーパーの袋さげてたよ」と言われてますが、長いままの大根やごぼうをはみ出したまま歩くと、フナッシーじゃなかった、ドレッシーなカッコには合わないようで、お勧めは致しません。

でも、キャメルのコートにゴボウ......と同系色でまとめてみたり、
紺のチェスターフィールド×ダイコン.......のように、くっきり濃淡をつけて浮かび上がらせてみたり、
もちろん私は気にしませんが。

久し振りに地上に出てきますと、駅で年賀状を販売する時期どころか、クリスマス一色です。
何だかどこから聴こえてくる歌も、「ダイ・ハード」のエンディングに流れるみたいなオーソドックスなクリスマス・ソングが多いように感じます。
モータウンやアトランティックのクリスマス・ソングでさえあまり流れて来ないので、キース・リチャーズのうたう乱暴な「ラン・ラン・ルドルフ」なんかどこからも聴こえてきません。

その橇をひくトナカイには、ルドルフ以外にも名前があって、ダッシャー、ダンサー、プランサー、ヴィクセン、コメット、キューピッド、ドンダー、ブリッツェンというそうです。あとよかったら、ヤンボー、マーボーも。
久しぶりに作ってみたら、何だかまだ社会復帰できてないようなヘンな話になってしまいました。