Men's wear      plat du jour

今日の気分と予定に、何を合わせますか。 時間があれば何か聴きましょう。

芭蕉さん

2018-04-01 |  その他
3月25日の世界フィギュアでは、宇野選手のあとの選手も次々と転んで終わってみたら結果は2位、優勝はネーサン・チェン選手でした。
チェン選手の方が少し年下ですが、表彰式では宇野選手の方が弟みたいに見えます。
やはり相手がネーサンだけに.....



話はネーサンでなくて芭蕉さんで、
俳句に点をつけるのは江戸で花盛りだったようで、俳諧宗匠を志して伊賀上野辺りから江戸に出てきた芭蕉さんは、そうして知名度を上げていきました。
そんな華やかな人気稼業に次第に疑問をもちはじめ、ついには面白おかしい暮らしを捨てて世俗的なものに背を向け、文学としての俳諧を目指します。
それを理解する門人も集まりましたが、一定の人気を築いていただけに世間が放っておいてくれません。
SNSもない時代ですがその反俗的な姿勢がいいみたいな扱いを受け、ともすれば縁を切ったはずの俗世間に取り込まれそうになり、ますます悩ましいわけです。
日々哲学する習慣がついたことでしょう。

芭蕉さんは数ヶ月にわたる旅をいくつかしています。
その一つ教科書でもお世話になる「奥の細道」は、弟子の書き留めた記録と所々違うと言われますが、実際の旅から3~4年、推敲を重ねた芭蕉さんは思い描く風流世界をスタイリッシュなかたちにしたのでした。

荒海や佐渡に横たふ天の川

いいですねぇ、よく分からないけどモニカ・ベルッチくらいいい、という人もいます。



しかし芭蕉さんは、この旅の最中からすでに次の段階へ思索を深めていて、帰ってから「作風が一変した」とは門人の語るところです。
不易流行論を説き、作風に新しみ、軽みを工夫するよう門人たちに説きました。

菊の香や奈良には古き仏達

亡くなる少し前、重陽の節句に詠んだ句はこんな調子です。



そういう訳で芭蕉さんは今朝も、「今日のジャケットに先週は紺のグレナディンを合わせていたけど、今日はどうするんダイ?」とまるで北見のカーリング女子のように軽い調子でコーディネートに新しみを求めてくるのでした。
余談ですが、今まで普通に使っていた「そーだね」が最近ちょっと使いづらいです。
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