Men's wear      plat du jour

今日の気分と予定に、何を合わせますか。 時間があれば何か聴きましょう。

八重桜とゲヴュルツトラミネール

2011-04-25 | Jazz
 今年も先週から、近所の雑木林でウグイスが鳴き始めました。
もちろんまだホーホケキョになっていませんが、日増しに近づきつつあります。
こちらも筍やホタルイカ、菜の花なんか食べているうちに、安定しない天気も忘れて、春だなぁなんて実感しています。
この春は、何故かゲヴュルツトラミネールをがぶがぶ飲みたくなるので、雨にうたれて若干色がくすんで見える八重桜を眺めながら、今春最後の花見を楽しみたいところです。



昨日はイースターだったそうです。
例に寄って、「イースター・パレード」でジュディ・ガーランドの芸、アステアのすっきりした姿とステップを楽しんで、明日からまたマンネリと取り組みたいと思います。





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鏡でも見えない

2011-04-23 | Others
 日本では大人が若い人のファッションをなぞるようになって久しく、おじさん達の中にも2シームで爪先の反り返った靴や、体型を無視してお尻が出たタイトな上着を着た人もいます。
若返った気分になったりモテ効果でもあるのでしょうか、一度その方向に踏み出した人は、エスカレートしてしまう傾向にあるようです。

TVでみるメドベージェフの肩幅が狭く頭部が大きく見える装いは、何だか日本人店員ぽくも見えるので、そうした傾向を勝手にメドベージェフ化と呼んでいます。



この話に関連して度々引き合いに出す、ケーリー・グラントの「北北西に進路を取れ」だったか「シャレード」だったか「めぐり逢い」で着用したスーツには、頭の幅に対する肩幅を確保するためでしょうか、腋の下から肩の位置が、例えば向かって右肩なら時計でいうと7分くらいを指す角度に付いたものがありました。
それくらい肩幅の比率に拘ったことが察せられます。

1960年にジョージ・フレイジャーがエスクァイア誌に寄せた記事(George Frazierで検索していただくと見つかるか)には、ケーリー・グラントが利用する仕立て屋はハリウッドや香港にあると紹介しています。('80年代アラン・フラッサーが最初の本を出した頃にも、やはり香港の仕立て屋は腕も良く格安と紹介されていましたが、気に入りの一着を持ち込むよう注意することも忘れていませんでした)

ある程度の年齢にも関わらず、冒頭のようなことになってしまうのは、やはり自分のことは誰しも客観視できにくいからでしょうか。
それについて、ルチャーノ・バルベーラは自分を理解してくれる仕立て屋さんと出会うことが、とても大事だと言います。
日本では環境的になかなか難しい選択肢なので、信頼のおける第三者の真摯な言葉に耳を傾けられるよう、常に心の準備をしている他はなさそうです。

ところで、「時代の流行に左右されない、優雅な装い」を提唱したはずのジョージ・フレイジャーという人も、後年の写真で、すっかり裾の拡がったパンツをはいている姿を見たような気がします。その記憶が確かなら、この道もなかなか油断なりませんね。


油断ならないの図 
(the Ultra-Loungeシリーズの The Crime Sceneより)
山田宏一さんの「美女と犯罪」を想い起こさせます。
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2011-04-21 | Others
 今年の初めくらいから夕食の時間が遅くなり始めると、どんどん延びて、十時半を過ぎる日も多くなりました。それと共に少しづつ太っていくように感じるのは、あながち勘違いでもなさそうです。

谷岡ヤスジさんではありませんが、夜があればアサなわけで........



知り合いのオジサンから突然、
「ヘンプって何だっけ」と問い合わせがありました。

「ヘンプ?.........時計部品じゃないし.....あぁ、片田舎の方のことじゃないですか」
「それはヘンピでしょ」
「あぁ、そうでした。じゃ麻の一種ですね、リネンとかラミーじゃないやつ。
三年くらい前までE.ZegnaのバンチにHemp60%,Linen40%というのがありましたよね」

この時期、グリーンやホワイトのアスパラガスを頻繁に食卓に上せますが、りっぱなサイズのをそのまま食すと、筋張って繊維質満点というのに遭遇します。
そんな時、口に残った筋を出すと麻の生産過程をイメージしてしまいます。
実際には、繊維を分離させるためにそれ以外の部分を腐らせて梳き出すので、具体的に連想するとちょっと不味くなりそうです。

下の画像はMasters of Linenのパンフレットから  きれいなフラックス(リネン)の花 
リネン好きだからでしょうか、この畑の画を見ていると満たされます。


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Dimples

2011-04-19 | Blues
 先週、数年振りで中村君にばったり会いました。
結婚前には、一時期毎週のように波平君と中村君と週に数回飲んでました。波平君はギターとジーンズ、中村君は腕時計好きで、私は何好きだったんでしょう。

お父さんになっても、童顔はそのままで、着こなしもぴったりきまっていました。



吉水君にも久しぶりに会って昼をとっていると、彼が以前一緒に仕事していたフランス人の話になりました。
ある日、相手のタイにディンプルが何時もないことを質すと、「あなたこそ、そんなサスペンダーして何ですか。あなたはあなた、私はわたしでしょう」と返された思い出を聞かせてくれました。

なるほど御尤もです。さすがフランチェーゼ、口では敵いません。
「でも時が経てば分かるだろう.......
君は君の、僕は僕の道を行くとき」なんて感じのボブ・ディランの歌を思い出しました。

それでもやはり、趣味は磨かれていかないとなりません。
一歩間違うと、ディンプル作るとネクタイ傷みそうで、なんて言う人と一緒になってしまいます。
拘りに貫かれて「死んでもディンプル作りません」とかいう場合なら、後年のウィンザー公みたいに厚い芯のタイを作らせて遊ぶ余裕でも欲しいところです。

でも一時期より、先のフランス人の言葉に気分が傾くのも事実です。
それは既に数十年前、伊丹十三さんが書いたように、個性的であろうとするつもりが画一的、というパラドックスから抜け出せない現実を見続けた所為かも知れません。

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レベル7

2011-04-14 | Others
 今週前半、読む物がきまらないので、池波さんの随筆を読み返していました。
「ブニュエル監督の遺作」という話の最後に、

“老境に入ったブニュエルは、政治も科学のちからも信用していなかった。
 科学の進歩とやらによって傲り高ぶった人間たちは、破滅の一途をたどりつつあると、ブニュエルはいっている。”

とありました。もちろん日本について語っているはずもありませんが、あまりに現況に合致しているように思えてぎくっとしました。そうでないことを祈るばかりです。



下は「ジョアン・カエターノ劇場のエリゼッチ・カルドーゾ」。
翌年に亡くなってしまうジャコー・ド・バンドリンや、ジンボ・トリオが共演している1968年のライブ。



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新緑

2011-04-11 | Others
 震災から一カ月、久々に会った周りの方々の話を聞いていると、分かる範囲の困っている人からどんどん支援したり、それぞれの方法で具体的に援助している話を聞いて力強さを感じました。



土曜日、そろそろ過度な自粛ムードを払拭しましょうという会を終わって帰ると、マスターズが放送されていました。
しみるようなグリーンと植栽、緑の洪水が目に飛びこんで来ます。

遠景で緑に映えて、色とりどりのサツキの植え込みのように見えたのは、花でなくギャラリーでした。カメラが寄ると、まるで申し合わせたように何れの人も白やオフホワイトを基調にきれいな色を組み合わせ、見事に同調して見えました。

そこへ期待の石川遼君が、黒ずくめのウェアで登場。
残念ながらその環境では、若い日本男子が好きな「黒」も、異質な印象が拭えません。
よく黒を着ていたはずのタイガーさえも、この日はオフホワイトとベージュだったでしょうか。
やはり、当日の光の強さに合わせたのかも知れません。

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桜咲く

2011-04-06 | Others
 桜が綻び始めました。来週花見をするというので、何時盛りを迎えるだろうと気になります。
昨年は横浜の大岡川沿いや根岸森林公園、三渓園などで桜を観ました。



見る前はさほどに感じませんでしたが、所々少しづつ開いてくると何だかそわそわします。
それもこれも、季節の行事を欠かさず職場で催してというと聞こえはいいですが、様々の名目で飲んでいた名残りかも知れません。

昨日現在、例えば横浜本牧通り沿いの桜は、所によってバラつきはありますが二三分咲きというところでした。でも今週は日に日に気温が上昇するという予報です。
どこまで開くか気を揉む幹事さんもいらっしゃることでしょう。

TVでは震災後の自粛路線から一転、花見の自粛などによる経済的損失を指摘する声も多く聞かれます。
一概に、白黒はっきりつけ難い部分もある問題ですが、TVブロスで岡田さんという人が紹介していたセルジオ越後さんの言葉がすっと胸に落ちてきました。

「自粛とは、休むことと同意だよ。元気な人が休んだところで、被災者にとって何の役にも立たない。残念ながら、君がいくら涙を流したところで被災者は救えない。社会活動に貢献することこそが、被災地を助けることになるのだと思う」「1人負傷者が出たからといって勝負を諦めるのか?10人でも勝利を目指して戦い続ける、倒れた人の分まで走るのが、サッカーだ」


Comments (2)
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古代茜染め

2011-04-05 | Soul
 古寺の修復が完成した際に執り行われる、東大寺落慶法要みたいな時に、普段と違って派手な垂れ幕みたいなものが飾られます。
例えば緑・黄・朱・白とか、遠目にも賑々しい晴れやかな色遣いで、ご覧になったこともあるかと思います。



下のCDジャケットに写る足元を見たら、久しぶりに読み返したばかりの芝木好子さんの随筆集にある、「東大寺落慶」の話とダブリました。

この話は1981年に発表されたもので、麻の布を用意するところから天然染料による古代染色について、製作者の労苦について解説されています。
今年二月に京都知恩院でも落慶法要があったはずですし、奈良興福寺には普段から鹿の絵を染め抜いた物が掛かっていたように記憶しています。

古代染色というと英国デイヴィッド・エヴァンズ社のリアル・エンシャント・マダーも思い出します。
'80年代には日本のネクタイ・メーカーでもまだ結構使っていました。
以前、白井さんに見せていただいた1960年代の「Menswear」にも、それっぽい小物が所々にあったように思います。

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「馬鹿」っていうと、「馬鹿」っていう。

2011-04-01 | Others
 「馬鹿」っていうと、

 っていう。

「アデュー、アディオス、グッバイ」など別れの言葉もいろいろあるそうですが、鸚鵡返しに同じこと言わないで、上掲「ボケ」以外にも「タコ」とか「すかたん」なんてのもお上品で趣が深いですね。
兄弟が多いので、子供の頃はそれなりにケンカしていたかも知れませんが、大人になると適度な距離で思いやりを感じることの方が多くなります。



エイプリル・フールも「四月馬鹿」っていうと別物みたいです。
下の画も、ある意味おバカさんみたいに見えます。

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