Men's wear      plat du jour

今日の気分と予定に、何を合わせますか。 時間があれば何か聴きましょう。

Cordialita milanese

2016-09-10 |  その他
かなり好調に見えた錦織選手ですが、残念ながら全米オープン準決勝で敗退しました。
卓球の愛ちゃんもそうですけど子供の頃から見ているので、本当はたいして知らないのに何だか感情移入して応援してしまいます。
しかし、ずっと見られているとしたら選手の方も楽じゃないです。

自分では普通に暮らしてると思っていた青年が、実は書き割りやセットのような造られた環境の中で成長し、その過程を多くの人がドラマを見るように視聴していたことにある日気づくという映画がありました。
規模こそ違え俯瞰でとらえて切り取ると、多くの人の日常はそんなふうに見えるかも知れません。

私も旅で見たと思っていた景色が書き割り、海外へ行ったと思っていたのもセットだったなんて事があるでしょうか。いゃ、こればかりは登場人物が多くなり過ぎるし、セットじゃお金がかかり過ぎるから、あれは単なる普通の旅だったんダナ.....

そんな事を思ってから数日、約束の時間より少し早く先方へ着いてしまったのでそこにあった雑誌を見せてもらうと、懐かしいような久しぶりの感覚を思い出しました。
それはイタリアのコート専業メーカー社長の話で、
「イタリアに対する派手な印象はナポリのような南のスタイルだと思います。対してミラノはビジネスマンの街。私たちもそんなミラノを代表するクラシックスタイルなのです。ブランド哲学はあくまでもソフィスティケートされたミラノ的でシックであることなんです」

最初の頃、初めて会ったミラノの人々から熱っぽい調子でほぼ同じ言葉を聞かされました。
ナポリのメーカーの製品を多数扱っていながら南に対する偏見を隠そうともしないところも以前と変わらないみたいですし、そう言っていながら南へはほとんど行ったことがないってのもきっと変わらないでしょう。
でも、言葉の後半にある感覚は各々の店の品揃えや製品からその頃確かによく伝わって来ました。
また、その感覚を持っている人といない人、ある店とない店というのは間違いなく存在しました。

当初、良い品をさがしていったらイタリアだったという流れだったと思いますが、しだいにイタリア製だったら何でも可みたいに放っておくとしだいにモーダに傾いていく日本人には、なるほどミラノ人の言葉は、未だ強く語られるだけの意味がありそうです。

もしかしたら件のコートメーカー社長は、自社製品とブランドはクラシックっぽいが中身はモーダと言っていい品々が一緒に並んでいるのを都内でリサーチしたことがあるのかも知れません。
そう言えばやはり最初の頃、「日本人はモーダが好きって聞いてるけど」と、逆に何度も尋ねられた事も思い出しました。

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