Men's wear      plat du jour

今日の気分と予定に、何を合わせますか。 時間があれば何か聴きましょう。

モテキ

2014-11-14 | Others
 年に一度は読みたくなる洲之内徹著「絵のなかの散歩」を読んでいると、

絵は絵だというのが、いうならば私の絵画論の全部である。絵が自分で語りかけてくるもの以外は、ほんとうは、私はあまり信用しない。いろいろとむつかしいことを言わなければ承知しないという人たちがあるが、なんとでも理屈はつくというのが絵である。四年ほど前、私の画廊で靉光の素描展をひらいたとき、その後で、ある美術雑誌が靉光についての座談会を載せたが、靉光の権威者が集まっていろいろ論じている中で、画家の吉井忠氏が、

「靉光ってのはちがうんだなあ、要するに、あいつは絵の虫みたいな奴だったんだ、それだけだ」
 という意味のことを言っている。それを読んで、それでこそと私は思った。それでこそ靉光なのか、それでこそ吉井さんなのか、とのかくその吉井さんの一語は私の心に残った。

という箇所があって、「絵」を「服」に置き換えてもそのまま通用するような内容だな、と一人で納得していました。
といいますのも、昨年あたりから20代の人と商品の話になると「でも、○○のなんですよ」とか、「○○ブランドのだから良いはず」みたいなことを言われることが続いたからです。
目の前の実物より刷り込まれた情報が優先されるのはどうしたものか、その齟齬を本人がはっきり認知しようとしないのは更にどうしたものかといぶかるわけです。



子供のころに習った、水金地火木土天冥海が後ろの方の順序が入れ変わったりしても、中生代が三・ジュラ・白亜だったのに追加で次にモテがついたりというのは聞いたことがありませんが.........
 本日のタイトルは、脳科学者とかコックさんの話ではございません。
私にも、ついにモテ期がやって来たかという話です。

春先に突然「あのー、いつもどこの着てんですか?」と声をかけてくれた人がいました。
「エロエロなんですよ」
またしばらくすると、
「いつも見るたびに○○○だと思ってたんです」なんて言ってきた30代くらいの人もいました。
また、いつも何となく会釈しあうだけだった方が突然話しかけてくれたこともあります。

みんな男性ですが、「ありゃ、これがモテ期なのか?」なんて思っていると、
ある晩一緒にテーブルを囲んでいたX氏が、
「仲良くなりたいと思ってたんですよ」と仰います。
「何言ってんですか。一緒にご飯たべて、もう十分仲良いじゃありませんか」
それ以上仲良くっていうと、あとは一緒に風呂入って背中流しっことかになっちゃいます。

また別の日、Z氏が言うには、
「いつも誘おうと思うけど、10回のうち2回くらいしか連絡してない」と、これまた異性だったら胸がキュンとしてしまいそうなことを仰います。

よく分かんないけど、これが話題の「モテ期」か~と自らを納得させていたある日、
行った先の神社に池がありました。
そばまで寄ると、突然池の鯉がわれもわれもと前列の背中にのって押し寄せて来ます。
吉原に関する江戸の川柳に、「コイはコイでも金もってコイ」というのがありますが、
私の場合は「コイはコイでも錦鯉」でした。モテ期恐るべし。

紅葉ではありません、隙間に黒っぽく見えるのもみんな鯉です。



余程腹がへっていたのか、鯉に効くフェロモンを私が発していたのか。

先月のこと、仕事で会う松平さんが「同性にも好かれますよね」と言ってくれました。
ってことは何かい、鯉や男でなく異性にもという含みがあるのでしょうか。
男ばっかりの日常から、少し景色が変わったように見える今日この頃です。

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