第131回(2013年2月4日(月)発行)
(次回は2月11日(月)に発行予定です)
◆5冊の本を読んでも、BSCについてはまだまだ浅学ですが、もっと浅学の方の役に立つことを願って、以下をまとめました。少しでもお役に立てばと思います。5冊の本を以下に再掲しておきます。
(1)バランス・スコアカードの知識(吉川武男 日経文庫 2006年)
(2)松原流 戦略マップ/BSC<バランス・スコアカード>実践教本(松原恭司郎 日刊工業新聞 2010年)
(3)会社がみるみる変わる戦略マップ(澤根哲郎 PHP研究所 2005年)
(4)小さな会社にも活用できる!「バランス・スコアカードの創り方」(伊藤一彦・上宮克己 同友館 2011年(新訂3版))
(5)会社を戦略通りに運用するバランススコアカードの使い方がわかる本(松山真之介 中経出版 2003年)
◆まず最初に、BSC関係の本5冊を読んでみてつくづく思うのは、内容が全くまちまちということです。本の内容が、書きたい部分や書けるページ数などでまちまちなのは当然なのですが、
①BSC自体が長い期間を経て進化をしてきた(松原先生によると4段階)、
②BSCの定義が決まっていない(商標登録されていないため、自由に定義が可能)、
③コンサルタントの先生は、経験から得られたものをフィードバックされている、
といった点から違いが出てきています。理解を深めるために読み込んでいくほど、個人的にはどうしてもその点に目が行ってしまいました。具体的には次のような点になります。
①バランスさせているものの説明が、ほぼ全ての本で異なる
②4つの視点の中で、「学習と成長」もしくは「人材と変革」が使用されている
③ビジョン・戦略と4つの視点の関係性の図で、矢印が両方向だったり片方だったりする
◆内容がまちまちでも、内容がすごく適切と思われたり、参考になる資料もあります。まず、その点を記載してみます。その中には、私が誤解していて、そうだったのかと感じた部分も入れています。
①会社へのBSC導入・活用の成功率は、10~30%である。(松山先生の本より。幅が広いですが、最低の10%の成功率は低すぎますね。)
②記載されている「戦略マップ」の詳細を検討すると疑問だらけ(各先生すいません。もしかして読者にわかりやすくされているためかもしれませんが。)
③BSCで大変なのは(重要なのは)実行の工程
④「バランス・スコアカード」と呼んでいるために、他に戦略マップやアクションプランが入り、重要な役割を果たしていることが、忘れがちになる(なりそう)。
◆5冊の本を、2次元の4つのマトリックスのどこにポジショニングすることで、本の狙いなり特徴を出せるかとトライしてみましたが、残念ながら狙いを達成できる良い案が出来ていません。ここでは著者の分類に従い分けてみました。
①研究者 吉川先生、松原先生※
②コンサルタント 伊藤先生、澤根先生
③社内実践者 松山先生
※松原先生は正確にはコンサルタントに分類されると考えますが、本の内容から研究者に分類しました。
◆BSCの全てについて記載した本は残念ながらありません。本を書店で立ち読みして、気に入った本を読まれるのも方法ですが、今回私はそれで少し失敗しましたので、お勧めの本を記載しておきます。
松原恭司郎先生の戦略マップ/BSC<バランス・スコアカード>実践教本 +
松山真之助先生のバランススコアカードの使い方がよくわかる本のPART2
です。
松原先生の本は高レベルですが、私が持っていた色々な疑問に答えてくれています。また、本のタイトルに戦略マップ/バランス・スコアカードが入っている点からも、網羅性が高いことを理解いただけると思います。
松山先生の本は、他の本には無い部分(企業がBSCを導入する場合のステップや注意点)などが記載されています。
◆最後に、BSCをわかりずらく思っていた者が、こう考えたらBSCはわかりやすいよねという体系図を書いておきます。ご参考になればと思います。
BSC----戦略マップ(プランPlanの第1ステージ)
| ↓
|--バランススコアカード+アクションプラン(プランの第2ステージ)
| ↓
|--(実行:ドゥーDoのステージ)
| ↓
|--実績記入されたバランススコアカード(チェックCheke・アクションActionのステージ)
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