早とちり

　昨日の雨はひどく、落雷による停電が２回もあって不気味だった。
　夜中も豪雨で何度も目が覚め、布団の中で翌日の心配をしていた。

　回覧板が来たので中も読まずにゴミの掃除当番日と思い込んだ。
　生憎病院の予約と時間が重なるし、この雨では尚更困ると思った。

　朝、小雨を見計らって早すぎるかなと思ったが掃除に走った。
　収集車が来たのと同時だった。収集する横から掃除をし始めた。

　「雨で掃除しにくいね」と言いながら係の人も手伝ってくれた。
　お礼を述べ、慌ててその足で病院に走る。間に合って無事帰宅！

　回覧を次に回そうとして当番でない事に気づいた。早とちりした。

無い物ねだり

　時々寄る和菓子屋の女店員さんの手は実に綺麗で美しい！
　出ている腕も同じで白くてシミひとつなくプリプリしている。

　まるで汚れを知らない赤ちゃんのようで触らせて欲しい位。
　「毎回、思っていたけど貴女の手って綺麗ねぇ、羨ましいわ」
　

　思わず余計な事を言ってしまった。彼女は驚き照れていた。
　私の手は今ではシミやシワだらけで張りも失っている老婆の手。

　
　機能的に不自由ないから構わない様なものなのに恥ずかしい。
　釣り銭を受け取る手を出しそびれそうだった。

　無い物ねだりしてはいけない。分かっているけど羨ましい！