今年の観梅

「奥様、神様、仏様、お願いしまーす」朝から夫がニヤついている。
「一体何よ？きける話ならいいけど…」一瞬身構えてしまった。

「梅を観に行こうよ。遠いけど砥部町まで連れてって」だって。
「そんな事ならOK。蝋梅が咲いているかもね」私もその気になる。

車で９０分、砥部焼きで有名な「七折れの里」までドライブしてきた。
山全体が梅林になっている七折れの里、見物客はまだ少ない。

蝋梅がそろそろ終わりかけ、紅梅は咲き誇り、白梅はチラホラの状態。
２月末が梅祭り、それに備えて枝切りしていたのでもらってきた。

入場料も不要、梅の枝も手に入り、観梅も堪能。天候も上々で満足。

　

　　　蝋梅と菜の花がマッチして春らしい感じ
　


　　　紅梅が見事に咲いていた。白梅はまだまばら。

　

　　　高所から眺めた満開の樹、バックも間もなく咲くだろう。

髪型にこだわる

　風呂上りの私に夫が「やっぱりおかしいよ」と言う。
　パーマをかけた頭の事を「似合わない」と言うのだ。

　「田舎の婆さんみたいだよ。老けて見えるね」とも言う。
　「どうせ田舎の婆さんですよ」私は投げやりに応える。

　「今までみたいなスポーティな頭がいいのに…」まだ続く。
　「イメチェンしたかっただけよ。その内落ち着いてくるわよ」

　「奥様風を目指したつもり？まるで家政婦、がっかりだ！」
　しつこく文句言うのは珍しい。よほど気に入らないみたい。

　お金も時間もかけているのに、反撃したいが自信なし。
　

　

奥様より外様

　１月は過ぎ去るのが他の月に比べると遅いのか早いのか？
　新年会やその他、何かと行事が多い月で外出気味だった。

　今日で大体のスケジュールは終了したことになる。
　人間に酔ったという感じで少し疲れも感じている。

　「まいった、まいった、少し休ませてね」と横になった。
　「参るのはお伊勢さん！」皮肉っぽい事を言う夫。
　
　「遊んで疲れりゃ、世話ないね。くだらない事辞めれば？」勘に障る。
　家に閉じこもってたら息が詰まる、外に空気を吸いに行かなくちゃぁ。
　
　うかうか疲れたとも言えない？敵は身近にいるんだ。
　

　

　

　

　

別世界の人

　昔からの知人でもゆっくり個人的にお話する機会がなかった。
　それで「食事でもしましょうよ」と言う話になりおしゃべりしてきた。

　２０年以上もの付き合いでもプライベイトな事はほとんど知らない。
　大人しい人とは思っていたが、お話していると忍耐強い人だと分った。

　大家族の中での嫁姑の問題も並み人間では出来ない技で乗り切っている。
　家庭円満のコツは“聞き流す、グチを誰にもこぼさない”事と心得たとか。

　そんな忍耐力があるなんて、我儘一杯に暮らしている私には所詮無理な話。
　「ストレス溜まらなかったの？」と聞いたら口を濁していた。大変さが分る。

　私なら理不尽さにはわめき立て大喧嘩も辞さない？感服するのみ！　

　
　
　
　
　

まさかのドジ

　朝、洗顔している時、思わぬドジをしてしまった。
　チューブの歯磨きと洗顔料を間違えた。

　歯ブラシを口に、ブラッシングした途端に違和感でグェー。
　何度も口をゆすいだが、しつこい後味で気分が悪かった。

　歯磨きチューブのブルーと洗顔料は良く似ている色。
　これでは夫が間違いかねない、いや絶対間違うだろう。

　そう思ったので洗顔料を段違いの所に隔離しておいた。
　それなのに私がミスるなんて何って事だ、信じられない！

　考え事をしていて無意識の行動、自分で驚いている。
　
　

笑えぬ勘違い

　友達と電話中「シルバーに見学に行きましょうよ」と誘われた。
　老人施設に入所するにはまだ早すぎる。それに家族もいるのに？　
　
　急な話だけど見学だけなら将来、参考になると思って承諾した。
　「いつでも見学出来るけど、早い方がいいわね」と友はせかす。
　
　「入るとなれば毎月のお金も結構いるのよね」肝心な事を聞いた。
　「千円だけよ、安いものでしょう」彼女は明るく答えた。
　
　「千円って、老人ホームの見学料？」私は思わず聞き返した。
　「何言ってんのよ。コーラスよ、シルバーコーラス！」と大笑い。

　てっきり施設と思い込んだ私、間違えてもおかしくない勘違い。

一触即発 （Ⅱ）

　気分転換にパーマでもかけてみようかと思った。
　いつもはカットだけだから、1時間もかからない。
　
　行く先は夫に言ったが、パーマーかけるとは言っていない。
　まあ、昼食時間までには余裕で間に合うと考えていた。

　「パーマのかかりが悪いから、しばらく待ってくださいね」と、
　美容院の先生は悠長な事を言う。時計を見ると正午に近い。

　夫が待ちくたびれている。「少し遅くなりそう」と電話を入れた。
　急いで帰宅したが夫はご機嫌斜め。空腹が1番の敵なのは分る。

　いつもなら「オッ、いいよ！」の反応が今回は「何じゃその頭！」
　


　
　
　
　

一触即発の危機

　友だちとランチする日「昼は何が食べたい?」と夫に聞いた。
　「寒いから五目ラーメン作っとけ！」夫が偉そうに言った。
　
　「作れとは何よ！作って下さいでしょうが…」思わず言い返した。
　「あんたの女中じゃない！」私がよく使うセリフも口から出た。
　
　いつもならそれで少しは態度を軟化させる夫が今回は無言。
　ここで喧嘩になれば折角の外出も不快になるので我慢した。
　
　放っておこうかとも思ったが作って「出来たよ」とも言わず外出。
　伸びたラーメン食べたかも？猫舌だから構わないか？知った事か！

　帰宅したら食器だけは洗っていたから、私も矛を収める事にした。

　

　

　


　

野菜の山

　昨日からの暖かさに誘われて畑に行ってみた。
　自分の畑でもないが、勝手な出入りを許されている。

　白菜とか大根の1～２本をもらうつもりだった。
　ところが地主さんも来ていて畑仕事をやっていた。

　「もう次の野菜を植えるから、全部持って帰って」と言う。
　夫は大喜びで楽しそうにどんどん大根など100本余り抜いた。

　「もういいわよ！」悲鳴をあげているのに「誰かにあげれば？」
　今回のは人様にあげるような立派な物でない。始末するのは私。

　大半は漬物に、残りは遠慮しながら友人宅へ。お調子者め！


　

お節介だった？

　温泉で脱衣所に入った途端、ギョっとした。
　中年の人が長椅子にタオル１枚の姿で倒れている？

　大の字になって目をつむっている。ピクともしない。
　着を脱ぎながら様子を見ていたがどうも気になる。

　「もしもし、気分でも悪いのですか？」と声をかけた。
　「大丈夫、休んでいるだけだから」その人は薄目をあけた。

　「フロントに連絡しようかと思ったのですが…」と私。
　老人が湯船の近くで寝そべっているのはみた事があるが…？

　お節介だったかな、それにしてもお行儀が悪いのでは？

　




　

調子良い男

　早起きの夫は毎朝、お腹が空くと私を起こしに来る。
　寝起きの悪い嫁を機嫌良く起こす戦術も心得ている？

　「奥さん、愛してるよ。恋してるよ。朝だよ～」の声。
　まあ、よくもぬけぬけと芝居がかったセリフが出るもんだ！

　「ありがとうね。まあ嘘でもいいわ。調子いいわねぇ」
　一応はお礼を述べるが、可笑しくて吹きだしてしまう。

　「愛してるも、恋してるも同じじゃないの？」と聞いてみた。
　「違うよ、字が違う！一目瞭然だろう」と得意顔でのたまう。

　してやられたの感もあるが、起きねばなるまい。

　

　
　　

卵を買いに

　時計を見ると９時５分前、ありゃしまった！
　ニチイの卵の特売日、毎週のように買いに行く。

　まだ化粧もしていない、洗濯物も干しかけ途中。
　「ええい！誰にも会わないだろう。行こう」と駆け出した。

　普通ならば１５分ぐらいかかるところを１０分で到着、
　ダダッと売り場まで走る。あと３個で終了だったがセーフ！

　夏場なら開店９時前の行列であっという間に売り切れる。
　今日は７分超過していたが大丈夫、客足が少なかった？

　砂糖などの特売品もゲットした。何だか朝から得した気持ち。

　

　

　

寝る子は育つ

　こう寒い日が続くとコタツに篭もりがちになる。
　食べた後、暖かいとウトウト眠くなってしまう？

　主婦はコタツに入っていてもなんやかと用はある。
　私がゴソゴソやっている側で夫は昼寝に興じる。
　
　1日のほとんどを寝そべってテレビを見ている。
　テレビは見るより子守唄、イビキすらかいている。

　「よくもまあ、そんなに眠れるわねぇ」とあきれるばかり。
　「寝る子は育つ、いや寝る子は太るんだった」と笑っている。

　分かっているじゃないの！それでも誘惑には勝てないらしい

おじやさん

　このところの寒波で鍋料理をする家庭が多いと思う。
　我が家も例にもれず連日連夜、鍋物が続いている。

　鍋なら材料さえ準備すれば0K、時間にせかされる事もない。
　体も温まるし、後始末などの手間も楽チンこの上もない。

　私は鍋の後の「おじやさん」が好きだ。雑炊の事。
　残りのお汁にご飯など入れて煮込む料理。

　料理と言うにはおこがましいが、味は主役に劣らない。
　見た目が美しくないとか柔らかいのは苦手の人もいる。

　卵を割りいれて葱など散らせば美味しいと思うけど？
　
　

　　

しめ飾りの行方

　玄関戸にぶら下げていたしめ飾りが無くなっている。
　毎年飾りつけをするのも、降ろすのも夫の役目。

　「忘れずに下げてくれたのね。それ何処に置いてる？」
　前はドント焼きで燃やしたが、ここ数年気になっていた事。

　相手は無言で聞こえない振りをしている。
　「あっ、川へ流したのでしょ、駄目じゃないの！」と怒った。

　「環境保全の為、七夕飾りも川に流す風習はやめているのよ！」
　私の剣幕に悪びれた様子も示さない。川は神聖と思い込んでいる？

　「来年からは神社に持参して燃やしてもらいましょ」これで決着。