はじめてのマンドリン

ある日突然、マンドリンの音色に恋をした
初めて手にした時から、ささかやかな感動を綴っています

本「パラドックス13」

2009-09-20 19:49:37 | 本・映画・ドラマ
東野圭吾さんの「パラドックス13」を読みました。

「世界が変われば善悪も変わる。
人殺しが善になることもある。
これはそういうお話です」

って書かれてた。
13時13分になったら、特別な出来事が起きる。
ということで、気付けば、自分以外に、誰も居なくなっていた。
そんな世界で、他の生存者と出会い、生きるために話し合い、行動を起こす。

その世界では、今のルールなど通じない。まさに、死と向かい合わせの世界だから。
そういう極限の中では、人は何を思い、どう行動するのだろうか?
などと考えつつ読んでいた。

別世界に行くメカニズムは、なんとなく曖昧で、納得できなかったけれど、
小説だし、まぁいいか^^;と、それは置いといて、
追い詰められていく心理が、よく書けてたなぁと思った。

特に印象深かったのは、食べ物が残り少なくなってきたときに、
空腹に耐えられず、食料の入った棚は鍵がかかっていて、壊そうとしても
壊れないからと、赤ちゃんのミルクに手をつけた男が居た後の、みんなの会話だった。

何が善で、何が悪かはわからない。それは、人によって基準が違うこと。
謝っても、何もならない。そんなことでは信用は回復しない。
今後の彼の行動を見て、どうつきあっていくかは、各自が判断するしかない。

みたいな台詞があり、妙に納得してしまったからかもしれない。
それが、死と向かい合わせみたいな状況下におかれると、顕著に出てくる
ものなのだろうと感じた。

幸い、明日食べるものに困る生活はしていないけれど、
もし、そういう状況になったら・・・と考えると、今はとても幸せなのだろうと思う。
コメント
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