はじめてのマンドリン

ある日突然、マンドリンの音色に恋をした
初めて手にした時から、ささかやかな感動を綴っています

本「月桃夜」

2010-03-30 22:55:48 | 本・映画・ドラマ
遠田潤子さんの「月桃夜」を読みました(^^)
なんて読むのかな?って思ったのだけれど、“げっとうや”と表紙にふりがながつけてあった。

おもしろかった~

第21回日本ファンタジーノベル大賞受賞作ということで、期待いっぱいで読んだ
のだけれど、期待を裏切られず、とてもおもしろく読みました。

ちょっぴり物悲しい空気は流れていたけれど。
でも、結末は決して暗くはないので。

ファンタジーではあるのだけれど、
奄美大島の、薩摩時代の歴史を想像させる物語は、とても深みがあっておもしろかったのかも。
もっと、歴史についてきちんと知りたくなった。

フィエクサとサネンは、もっと幸せになれる選択があったのではないか?とも
思えたのだけれど、人の我慢の上に、自分の幸せはあり得ないのだという強い信念が、
“幸せとは何だろう”と考えさせてくれたのかもしれない。
人から見て、幸せに見えなくても、その人自身が幸せならば、それでいいのだとも。

読んでいて、文中、ちょっと、どきっとする行があった。

『はるか高みを飛び続ける者を、自分の這う地まで引きずりおろして、わかったような
気になる。なんと恥知らずな行為だろう。』

という一文だ。
人のことを、知りたいと思い、話を重ねるにつれ、だんだんわかったような気になることは
ありがちなことのように思われる。
でも、自分の物差しで、その人のことをわかったような気になってしまうというのは、
傲慢なことなのだと、指摘されたような気がして、どっきりしてしまったのだと思う。

純粋に、ファンタジーとして、私には、とてもおもしろかった
コメント
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