1月はリクエストしていた本が次々に回って来てたくさんの
本を読めました!
イチオシは垣谷美雨さんの「避難所」。震災のそのあとで
女たちがどう思い、どう行動したか。お勧めします。
SFがお好きな方には上田早夕里さんの「華竜の宮」。
「魚舟・獣舟」を先に読んでから入るとすんなり世界観に
なじめます。
2015年1月の読書メーター読んだ本の数:58冊
読んだページ数:18217ページ
ナイス数:5131ナイス
リボン (一般書)の
感想とても素敵なストーリー、感想を上手く書けない自分がもどかしいです。オカメインコのリボンと人々をつなぐ心温まる物語でした。すみれちゃんの生きて来た人生を孫であるヒバリが理解し、ラストが明るいものでよかったです。新年幕開けの1冊目。
読了日:1月1日 著者:
小川糸檸檬のころ (幻冬舎文庫)の
感想東北のとある進学校に通う高校生たちの恋愛、友情、進路などを描いた連作短編集。豊島さん2作目ですが、これも素敵な本です。私には遠すぎる高校時代だけど、胸がきゅんとする懐かしい思いで読了しました。音楽好きな白田さんが主人公の「ラブソング」が好きです。あとは「雪の降る町、春に散る花」の駅のシーン、情景が目に浮かぶようです。
読了日:1月2日 著者:
豊島ミホ宇喜多の捨て嫁の
感想第152回直木賞候補作、初読みの作家さんです。戦国時代の中国地方・備前の国、宇喜多直家を中心とした謀略と暗殺の物語。時系列が飛ぶので少し戸惑いましたが初めて単行本になったとは思えないほどの力量を感じました。さて、この先どんな作品を発表してくれるか、楽しみです。この本の感想は、少し重く、戦国の世に生まれるということの悲哀を感じました。
読了日:1月3日 著者:
木下昌輝つめたいよるにの
感想初読みの作家さん。恋愛小説の名手と聞いていたので今まで手を出しませんでしたが、こちらは児童書なので読みやすかったです。9つの短編ですが、「デューク」が一番好きです。あとお祖父ちゃんと孫娘の交流を描いた「スィート・ラバーズ」も良かったです。
読了日:1月3日 著者:
江國香織沈黙の町での
感想一人の中学生の不審な死。部室棟の屋根からの転落による死亡だが、彼の背中には無数の内出血が。苛められていたことは事実である。加害者と目される少年たちの親の目線、教師たち学校の混乱、被害者の家族、警察やマスコミ、そして当事者の中学生たち。奥田さんの一気に読ませる力量はさすがです。中学生というのは、息苦しく未熟な存在なのですよね。
読了日:1月4日 著者:
奥田英朗乱反射の
感想幼い男の子の死のきっかけになったものは、市井の人々の何気ない身勝手な振る舞い、現代社会の病理を描いた1冊だと思いました。どの登場人物にも共感出来ずに困りましたね。唯一造園会社の社長石橋さんだけが常識人だったかな。自分の日頃の行動を見直すきっかけになりそうな本です。
読了日:1月5日 著者:
貫井徳郎月への梯子の
感想母が遺したアパートの管理をするボクさんは40歳、知能は中学生レベル。良い人に恵まれ運のいい人生を送ってきたと自負していたが…。アパートで起きた殺人事件を目撃してからの出来ごと、このままボクさんに幸せな人生がと思っていたら。。月への梯子を上って行くラストが切なくて何とも言えない読後感でした。
読了日:1月6日 著者:
樋口有介迷子の王様: 君たちに明日はない5の
感想シリーズ完結編になるのでしょうね。リストラ請負人村上真介、迷い悩み仕事に向き合ってきた彼にも人生の転機が。かれが10年間で関わり続けた人々の人生がこれからの彼の人生にまた大きく関わって来る。真摯に生きることの大切さがよくわかります。ラストの七里ガ浜駅のシーン、とても素敵でした。
読了日:1月6日 著者:
垣根涼介左京区七夕通東入ルの
感想文系のおしゃれな女の子花と、数学科の龍彦の恋。研究にのめり込むと周りが見えなくなるほどの龍彦がたまに発する胸に響くひと言!4年生の彼らはそれぞれの道を歩むけれど、これからも幸せになって欲しいって思いました。アンドウくんとヤマネくんのキャラクターが大好き、河原のデルタで花火、青春真っ盛りという情景が目に浮かびますね。
読了日:1月7日 著者:
瀧羽麻子左京区恋月橋渡ルの
感想シリーズ第2弾、理系男子山根君の初恋物語。4月1日の出会いで傘を貸してあげたお相手に一目ぼれ、しかもその女性は本物のお姫様。花にデートのコースの指南を受けるあたりは初々しくて何ともほっこりしました。切ない恋の行方は想像していた通りだったけれど、ラストはとても良かったです。
読了日:1月7日 著者:
瀧羽麻子つばさのおくりもの (一般書)の
感想オカメインコのリボンが語る物語。リボンが色んなことを知ることができたのは、ヨウムのヤエさんから。すみれちゃんとヒバリちゃんのことを覚えていなかったのは仕方ないけど、やっぱり切ないですね。。子守唄を覚えていてくれたのは嬉しかったなぁ。
読了日:1月7日 著者:
小川糸海うその
感想南九州の離島「遅島」を調査のために訪れた秋野、明治の初期に廃仏毀釈のために打ち壊された霊場や平家の落人伝説、小さな島には不思議な自然現象も見受けられる。50年の時を経て、島の開発に携わることになった次男と共にみつめた「海うそ」、優しい余韻の残る1冊です。
読了日:1月8日 著者:
梨木香歩母親ウエスタンの
感想広美が母のいない家庭に転々と移り住み、親身になって母親業をするのは何故なのか。育てられ、実の母のように慕い、また捨てられてしまう子供たちの気持ちは?読みやすいので短時間で読了しました。しかし、一時とは言え愛情を持って育てた子供のことをそんなに簡単に忘れられるのかしら?その辺が釈然としません。
読了日:1月8日 著者:
原田ひ香凍花の
感想三姉妹の長女が次女を殺害し、自首する。三女は美しく優秀な姉が何故犯行に及んだのかを探ってゆく。自分が見てきた姉の姿と、本当の姉の内面は?一気に引き込まれて読了。三姉妹の母親なので、つい母目線でのめり込みました。斉木さん、初読み。他の作品も読んでみたくなりました。
読了日:1月8日 著者:
斉木香津週末は家族の
感想小劇団を主宰する大輔と、そのパートナー瑞穂は、人材派遣の仕事のために、施設から週末里親として、天才的な演技の出来る「ひなた」を預かる。様々な家族の形を考えさせられる面白い1冊でした。
読了日:1月9日 著者:
桂望実あなたの本当の人生はの
感想第152回直木賞候補作。何とも感想を書きにくい・・・。森和木ホリーという 女性作家を中心に、人生を考えると言うが。面白くなかったわけでは無いのですが、これで受賞は違うかな?「ピエタ」とか今まで読んだ作品の方で皆さんに知って貰いたいです。コロッケは食べたくなりますね。
読了日:1月10日 著者:
大島真寿美魚舟・獣舟 (光文社文庫)の
感想タイトルの短編を含む5つの作品と、中編「小鳥の墓」の6つの作品からなる1冊。どの作品も近未来の日本が舞台。「くさびらの道」、怖くてぞっとして、でも読まずにいられないほどの衝撃を受けました。科学・医学の知識が豊富でないとこれだけの作品を生み出すことはできませんね。さすがです、上田さん!
読了日:1月11日 著者:
上田早夕里経済特区自由村 (文芸書)の
感想脱・限界集落を読む前に図書館で見つけて読了。地方の廃村に住居を無償で提供されて出来たFEEというコミュニティ。わけありなメンバーたちが集まり、自給自足を目指すようなところは、胡散臭いものが多いと感じましたね。格闘家洋子と農家のおばあちゃん「こなたさん」が格好良くて好きでした。
読了日:1月11日 著者:
黒野伸一原罪の
感想初読みの作家さん。長野県の酒造会社の雪室から柩に入った老人の遺体が見つかる。犯人を追う警察官・・・。何か抱えているこの人物、前作があったのですね。内容は25年前の切ない恋愛物語とどう繋がるのか?戦争、臓器移植も絡み複雑さを増してきて、美人大学教授は邪魔(笑) 前作も読んでみることにします。
読了日:1月12日 著者:
遠藤武文ガラスの煉獄―女刑務官あかねの
感想壇上さん、初読み。元刑務官というご本人のキャリアからか、女子刑務所内の細々した描写はリアルでした。出てくる男がずるくて、辟易。矯正展とか、デパートで刑務所の内部で製作された作品などは見たことがありますが、中々面白い1冊でした。
読了日:1月12日 著者:
壇上志保慟哭の海峡の
感想台湾とフィリピンの間に横たわる「バシー海峡」、第2次大戦末期、数多くの日本の艦船が米軍の攻撃により沈没した。この本の中では揚陸母船・玉津丸からの生還者・中島秀次氏と、駆逐艦呉竹の沈没で戦死したやなせたかし氏の弟柳瀬千尋氏、そしてやなせたかし氏を描いたノンフィクション。戦争がいかに無残で悲惨なものかをあらためて突きつけられました。終戦から70年、こういう本こそ数多くの若者に読んで欲しいと思いました。
読了日:1月13日 著者:
門田隆将ビブリア古書堂の事件手帖 (6) ~栞子さんと巡るさだめ~ (メディアワークス文庫)の
感想太宰治の稀覯本をめぐるお話。47年前に起きた盗難事件と、大輔と栞子の祖父母との関わり。何だかドロドロの展開になってきた感あり。でも面白くて一気に読了しました。あと1~2巻で完結とのこと、楽しみに待ちます!
読了日:1月13日 著者:
三上延シングルベルの
感想とあるお見合いパーティーで、30過ぎの息子・娘の親たちが我が子の結婚相手を探すという幕開け。いったい物語はどう進むのかと一気に読了。絵画の修復を職業にする陽一に、花嫁候補は3人。それぞれに良いキャラクターでラストは中々感動的。一族の存亡を第一に考える強烈な3人の伯母さまたちと、ちょっと小生意気な美和子が良かった。中央線沿線、八王子周辺は山本さんのホームグラウンドかな?いつもながら面白かったです。
読了日:1月14日 著者:
山本幸久異邦の仔の
感想文句なしに面白かったです。電車内の爆発事故を間一髪で免れた放送作家立花には、秘密にしていた過去があった。1980年のイランイラク戦争に遡り明らかになる事実。ODAと言うのは、純粋な途上国援助ではないと言うことをあらためて実感しました。お勧めします。
読了日:1月14日 著者:
西川司災厄の
感想四国の一寒村から始まった謎の住民大量死事件。官邸は官房長官を中心に対策室を立ち上げる。。副官房長官と警察庁長官はテロを疑い、厚生労働省は未知の病原体によるパンデミックを疑う。大量死の原因が不明のまま東京であれやこれやと会議を行う?そのうちに原因物質が判明して、テロの疑い濃くなってくる。これは官僚と政治家を皮肉った作品なのでしょうね。感想としてはあまり言うこともなし。周木さん初読みでした。
読了日:1月15日 著者:
周木律極卵の
感想食の安全は、毎日の食事を手掛ける主婦には最も関心のあることです。しかし、あまりに安全にこだわり過ぎたり神経質になりすぎて生き難くなる場合もあったり。この作品では自然食品の店で販売された4個で千円という高級な卵「極卵」を生で食べた人がボツリヌス菌による中毒にかかり、その原因を探るフリーライターの視点で進みます。真剣に取り組む生産者の苦労と、何かことが起きた時に「正義の鉄槌」を降りおろすマスコミ。色んな事を考えさせられる作品でした。
読了日:1月16日 著者:
仙川環華竜の宮 (ハヤカワSFシリーズ Jコレクション)の
感想魚舟・獣舟を読んで、どうしてもこれを読まなくてはと思い読破。世界観をつかむのにやや苦戦をしましたが、つきそめを追いかける展開あたりから一気に入りこめました。地球は生きている、自然の脅威に人類はどこまで立ち向かえるのでしょうか。
読了日:1月18日 著者:
上田早夕里町工場の娘の
感想大田区の従業員30人ほどの町工場「ダイヤ精機」、急逝した父の後を継ぎ社長に就任した諏訪貴子さんの体験記。女性ならではの細やかな心づかいとチャレンジ精神、ウーマン・オブ・イヤーを受賞されたということも、この本を読めば納得。シェークスピアの言葉『世の中には幸も不幸もない。考え方次第だ』を座右の銘として努力した10年間、何とも魅力的な方だと思いました。
読了日:1月18日 著者:
諏訪貴子脱・限界集落株式会社の
感想前作を読んでだいぶ時間が経っていたけれど、テンポの良い文章なのでサラリと読めました。駅前のシャッター通り商店街が地元の努力でにぎわいを取り戻しつつある中、再開発の話が飛び込んで来る。やる気のなかった都会育ちの若者と地元のお年寄りたちの交流や、役場の人間の本音などなど、見どころもいっぱい。面白かったです。
読了日:1月18日 著者:
黒野伸一旅者の歌 中途の王の
感想旅の仲間がどんどん増える、中途の王というタイトルから次で終わるのかと思いきや…。壮大なファンタジーはまだまだ続きそうですね。指輪物語の世界をちょっと連想してしまいました。
読了日:1月19日 著者:
小路幸也無花果の森の
感想DV夫から逃げてきた女と、犯罪に巻き込まれた男が惹かれあう。ここ数カ月で妻が逃避行をすると言う作品を何作か読みましたが、私の中では小池さんのこの作品がベストでした。登場人物が少ないのですが、主人公の夫以外は皆魅力的でした。表紙の無花果が何とも良い味わいです。
読了日:1月19日 著者:
小池真理子春、戻るの
感想小さな和菓子屋の長男の山田さんに嫁ぐことになった「さくら」のもとに、12歳年下の見知らぬ青年が兄を名乗って現れる。彼が何者なのか分からないまま、嫁ぐその前に明らかになった彼の正体、とてもほっこりとして素敵な物語でした。
読了日:1月19日 著者:
瀬尾まいこジバクの
感想以前読んだと記録あり。でも詳細はほぼ記憶に残っていなかったのに驚く。年収2千万を超えていた麻生貴志の転落の物語。女に騙され、妻にも捨てられラストは何ともモヤモヤ・・・。
読了日:1月20日 著者:
山田宗樹天命の扉の
感想シリーズ第2弾の「原罪」を読んでからこちらへ。県会議場での狙撃事件と美ヶ原でのイベントの爆発事件、善光寺の秘仏を公開せよと言う犯人の脅迫は何故なのか?冤罪事件との関係は?とストーリーとしては悪くなかったのですが、宗教的なことや歴史的な記述は、ちょっと説明がくどい感じがして斜め読みになってしまいました。犯人の動機も共犯者も、「え?そんなことで人を殺せるの?」というくらい納得がいきませんでした。
読了日:1月20日 著者:
遠藤武文インデックスの
感想待っていた姫川シリーズ!池袋署からいよいよ本庁への復帰、新しい部下たちとは何だかやり難そうな。井岡の相変わらずのべた惚れトークは面白くて何度も吹き出すほど。ラストに待っていたあの人の登場、次は長編で姫川玲子の活躍を読みたいです。面白かった!
読了日:1月21日 著者:
誉田哲也ユダの柩の
感想アフリカの小国の開発に関わる物語と、その利権をめぐる政変。日本に入国しているマムリア人の連続した死。追う公安警察官とその秘められた恋。まあまあの印象でした。海水から真水を作り、発電もする。本当に必要な事業が、アフリカの未来につながれば良いけれど、簡単にいかないのですね…。
読了日:1月22日 著者:
福田和代私のなかの彼女の
感想母の言葉の呪縛、祖母が遺した古い本、出版界で一歩先を行く仙太郎。小説を書くことの壮絶さをまざまざと見せつけられたかのような気がしました。一気に読ませる筆力はさすが角田さん。読み応えがありました。
読了日:1月22日 著者:
角田光代ファイト! 木津西高校生徒会の
感想爽やかな青春もの。不本意ながら入学した高校で、ポンちゃんが成長してゆく物語。サラリと読めます。
読了日:1月22日 著者:
本田有明現調の
感想損保会社の査定員「滋野隆幸」が、警察捜査で見逃された自動車事故の真相を暴く。幸いにして大きな事故の経験はなく、調査員のお世話になることはなかったけれど、加害者にも被害者にもなりたくないものだと思いました。短編なので、ちょっと物足りない感じも。
読了日:1月23日 著者:
遠藤武文神の子 上の
感想面白くて一気に読了。感想は下巻で。
読了日:1月23日 著者:
薬丸岳神の子 下の
感想町田の生き方はどうなるのか?と勢い込んで下巻に。人は知能が高ければ幸せになれるわけではない。心の通った人付き合いが出来るようになることで、彼は幸せをつかめたのだと思います。物語の最後は、ややあっけない感じもしましたが、上下巻一気読みをして正解、面白かったです。
読了日:1月24日 著者:
薬丸岳リリエンタールの末裔 (ハヤカワ文庫JA)の
感想表題作は「華竜の宮」のスピンオフ。中編の「幻のクロノメーター」が好きでした。黒い石の正体は何だったのでしょうか…?
読了日:1月25日 著者:
上田早夕里オール・ユー・ニード・イズ・ラブ 東京バンドワゴンの
感想下町大家族物語も、はや9弾。家族と仲間たちをどんどん巻き込んで膨らみゆく世界(笑)さらっと読んでしまいました。次をまた楽しみに待ちましょうか。
読了日:1月25日 著者:
小路幸也あの日にかえりたい (実業之日本社文庫)の
感想6編の短編集。どのお話も物悲しくて切ないけれども、読後感は悪くなかったです。 「夜、あるく」が特に好きでした。「真夜中の動物園」も良かったです。
読了日:1月26日 著者:
乾ルカ