ゆみねこ日記

日常日記です。

7月の読書記録

2015-08-01 09:30:34 | ブックレビュー
7月は忙しい一カ月でしたが、合間を縫うように読書♪

大好きな宮本輝さんの新作「田園発港行き自転車」上下巻を
読めて幸せ!
待ちに待った伊坂幸太郎さんの「アイネクライネナハトムジーク」
も期待通り。
その他にも印象深い本と沢山出会えました。


2015年7月の読書メーター
読んだ本の数:39冊
読んだページ数:12692ページ
ナイス数:4170ナイス

田園発 港行き自転車 (上)田園発 港行き自転車 (上)感想
富山の美しい田園風景が目に浮かびます。十五年前に突然死した父の足跡を追う娘真帆と、秘密を抱えながら暮らす海歩子と息子佑樹。ゴッホの星月夜と黒部川の愛本橋、下巻が楽しみです。
読了日:7月1日 著者:宮本輝
田園発 港行き自転車 (下)田園発 港行き自転車 (下)感想
東京に合わずに故郷富山の入善町に帰った千春が少しずつ自分を取り戻して行く姿が眩く見えました。千春の東京の勤め先の上司や同僚の物語も良かった!ラストはどういう風になるのかと読み進めました。さわやかな物語の終焉、じんわりと余韻が残ります。平岩さんの格好良さにしびれました!あぁ、早く文庫になって欲しい!
読了日:7月1日 著者:宮本輝
ウィメンズマラソンウィメンズマラソン感想
オリンピック代表に選出された直後に妊娠が発覚して代表辞退と言う、前代未聞の不祥事を引き起こした岸峰子。日本中を敵に回したその後も、どうしても走ることを諦めきれない彼女の葛藤と努力。ヒロインの設定は架空だけど、登場してくる他のランナーはリアルに想像をかきたてられる面々。坂井さんのスポーツものはヒーローインタビューに続いて2作目だけど、こういう路線も中々良いですね。面白かったです。
読了日:7月2日 著者:坂井希久子
森は知っている森は知っている感想
「太陽は動かない」の鷹野一彦の前日譚。南の島でのんびりと高校生活を送っているかに見えて、秘密の任務を与えられ忠実にこなしていく。18歳になった時には人生の選択をしなければならない。一日だけ生きる、何と重い言葉だろうか。鷹野の物語をもっと読んでみたいですね。面白かった。
読了日:7月2日 著者:吉田修一
魔術師の視線魔術師の視線感想
超能力でいちやく有名になり、その後インチキが見破られてマスコミの餌食になった少女礼を匿ったビデオジャーナリストの薫。周辺に不審者や不審死が相次ぎ、殺人者を追う薫の目の前に明かされた真実とは?最後は何だかモヤモヤ、薫の判断はスッキリ納得とは行きません…。猫が…。
読了日:7月4日 著者:本多孝好
深紅の断片 警防課救命チーム深紅の断片 警防課救命チーム感想
舞川市中央消防局の警防課救命チームの活躍を描いたもの。廃工場の冷蔵庫に少女が閉じ込められ、犯人と思しき人物から匿名の通報が。背中にはトリアージタッグを模したシールが。休む間もないほどの救急要請、受け入れる病院の事情、命を扱う仕事にはミスは許されない。深紅の断片、タイトルの意味は読了後に心に残ります。麻見さんの作品中、一番面白いと思いました。
読了日:7月4日 著者:麻見和史
桃色東京塔桃色東京塔感想
東京で警視庁の刑事として働く黒田岳彦と、Ⅰ県警上野山署の刑事小倉日菜子はとある捜査がきっかけで知り合う。失敗からのし上がろうとする黒田と、新婚の夫を亡くしたばかりの日菜子のもどかしいばかりの想い。警察ものでもあり、恋愛小説でもあり。日菜子にかかわる人が事件の関係者になり過ぎかと感じましたが中々読み心地は良かったです。東京に憧れながら地方を捨てられない思い、この二人なら上手く折り合いがつけられそうかな?
読了日:7月5日 著者:柴田よしき
お葬式お葬式感想
遠田さん、初読み。モデルのように格好良く、穏やかな父が交通事故で急死した。父片瀬和彦の遺言は、葬式不要。「ある程の 百合投げ入れよ 棺の中」、父の書斎には百合が欠かさずにある。一人息子存(ある)が、父の秘密を探す。重いテーマでしたが、先が気になり一気に読了。悲しい2つの家族の物語。
読了日:7月5日 著者:遠田潤子
よるのふくらみよるのふくらみ感想
同じ商店街で育ったみひろと幼なじみの圭祐と弟裕太。濃い人間関係の中での3人の関係、ワケあり子持ちの理沙。結末は想像通りでしたが、読ませる筆力に感服。一気に読了です。窪さん、巧いわ~。
読了日:7月6日 著者:窪美澄
ハルカの空: 南アルプス山岳救助隊K-9 (文芸書)ハルカの空: 南アルプス山岳救助隊K-9 (文芸書)感想
南アルプス北岳の麓を舞台にした山岳救助隊と救助犬の物語。夏実とメイにまた逢えて嬉しかった。タイトルの「ハルカの空」だけが救助隊員目線ではなく、山小屋で夏季アルバイトをしているハルカの物語。5つの短編集ですが、武闘派神埼静奈の活躍を描いたランナーズハイが好み。夏実の成長ぶりも頼もしくて、続編を期待したいですね。
読了日:7月7日 著者:樋口明雄
帰らずの海 (文芸書)帰らずの海 (文芸書)感想
馳さん、初読み。函館を舞台にした警察もの。20年ぶりに戻ってきた函館、そこで起こったのはかつての恋人水野恵美の殺人事件。事件を追う刑事田原は自ら捨てた故郷と向き合わざるを得ない。20年前に起きていたことは予想通り、ストーリー展開も。まずまず面白く読めました。
読了日:7月8日 著者:馳星周
アパリションアパリション感想
予備校講師とミステリー作家の2足のわらじを履く主人公矢崎を語り手に、彼の作家志望で無職の兄の失踪と二組の夫婦の失踪事件、人気予備校講師の死を絡めた物語。真犯人は気持ちが悪すぎる。。こんなのに狙われたら恐ろしい。
読了日:7月9日 著者:前川裕
凸凹サバンナ凸凹サバンナ感想
開業はしたものの、全く依頼人に恵まれない貧乏弁護士事務所のお話。何かわけがありそうな主人公だと思いきや…。こういう人物が弁護士ならば、困りごとを抱えた人には頼りがいがありそうですね。玖村まゆみさん、デビュー作以来久しぶりに読みました。
読了日:7月9日 著者:玖村まゆみ
ごんたくれごんたくれ感想
才能ある二人の絵師吉村胡雪と深山箏白。互いの才能を認め合いながらも逢えばケンカをするという間柄。芸術を生み出す労苦、感性のすごさを感じさせてもらいました。本物の絵をじっくり見たいと思いますね。
読了日:7月10日 著者:西條奈加
辞めない理由 (実業之日本社文庫)辞めない理由 (実業之日本社文庫)感想
あ~面白かったです!人気女性誌の副編集長の七瀬和美は、小1の娘を持つワーキングマザー。突然理不尽な降格と異動を命じられ、窓際部署に飛ばされ、娘もイジメから不安定に。和美の突っ張りぶりがやや鼻につく感もありましたが、働くママへの応援歌としても、良い物語だったと思います。これがデビュー作とのこと、まさに碧野さんの原点なのですね。
読了日:7月11日 著者:碧野圭
孤独の歌声孤独の歌声感想
天童さんのデビュー作。一人暮らしの女性たちが監禁され、遺体はレジャーシートで覆われた状態で発見される。犯人の狂気、追う女性刑事の心に秘めた事情、コンビニ店員のミュージシャンのタマゴ。それぞれ孤独を抱えた男と女、先が気になり一気に引き込まれました。ここから、「永遠の仔」や「家族狩り」につながったのかと思うと感慨深いものがありました。読み応えあり。
読了日:7月12日 著者:天童荒太
流感想
東山さん、初読み。直木賞候補作と言うことで手にしました。台湾の歴史、本土や日本との関係。今までよく知らずにいた台湾を垣間見ることが出来ました。1975年の蒋介石の死去から始まる葉秋生の青春物語、なかなかの力作。お勧めです。
読了日:7月13日 著者:東山彰良
ハケンアニメ!ハケンアニメ!感想
アニメ業界を舞台にしたお仕事小説。3人のヒロインそれぞれが自分の仕事を愛し、ホコリを持っているのが素敵でした。「覇権」と言う言葉は初めて、業界ならではの様々な労苦もこうやって本の世界で知ることが出来、アニメを敬愛する辻村さんならではの1冊だと思いました。面白かったです!
読了日:7月14日 著者:辻村深月
オーディンの鴉オーディンの鴉感想
ネットからの情報流出。世間に無防備に自分の情報を晒されたとしたら?とても恐ろしい・・・。福田さんの筆力でグイグイ読ませます。黒幕は内部だろうと言うのはお約束?面白かったです。
読了日:7月14日 著者:福田和代
夢をまことに夢をまことに感想
山本さんの遺作。江戸末期の鉄砲鍛冶「国友一貫斎」の生涯を描いたもの。優れた鍛冶職人でもあり、様々なものに興味を持ち「夢をまことに」を貫き通した人物。人の役に立つものを作りたいという、熱い思いが伝わってくる良書でした。現存している一貫斎のテレスコッフをぜひ見てみたいと思いました。
読了日:7月16日 著者:山本兼一
たったひとりたったひとり感想
帝都大学廃墟探索サークルの5人の男女が、27年前に土砂崩れのために廃墟になったラブホテルを探索する。5人のうち1人が死ぬことになると言う、ロシアンルーレットのようなタイムループもの。どの人物も好きになれなくて、何だかモヤモヤとした読後感でした。
読了日:7月16日 著者:乾ルカ
家族往来家族往来感想
家族をテーマにした短編集第6弾。8つの素敵な物語。どのお話も素晴らしくて涙がジワリと。「雛の手」「コロッケ泣いた」が特に心に残りました。
読了日:7月17日 著者:森浩美
LIFELIFE感想
本城さん、初読み。幼なじみで高校サッカー部で共に活躍した3人の男たちの人生。全く別々な道を歩んでも、それぞれの個性は変わらない。中々面白かったです。
読了日:7月18日 著者:本城雅人
グリーン・グリーン (文芸書)グリーン・グリーン (文芸書)感想
翠川真緑、グリーン・グリーンとニックネームをつけられた新米高校教師と農業高校の生徒たち。失恋のショックを美味しい棚田米のおにぎりで救われ、その地の農業高校に赴任したちょっと頼りない女の子の成長物語でした。豚の二〇一号が良い味出してます!(笑)
読了日:7月19日 著者:あさのあつこ
恋愛検定恋愛検定感想
この検定は自ら望んで受験するわけにはいかない。神様に選ばれた人間だけが受けることが出来るが、断ることは出来ない。4級からマイスターまで6人の男女の恋愛事情、すっかり遠くなった若き日をちょこっと思い出せたような気が(笑)桂さん、相変わらず面白い視点で物語を作ってくれますね。
読了日:7月20日 著者:桂望実
([と]1-1)多摩川物語 (ポプラ文庫)([と]1-1)多摩川物語 (ポプラ文庫)感想
多摩川の岸辺に住む人々の人生のドラマ、8つの連作短編集。農家の奥さん・古書店の店員・小学生たち・撮影所の小道具さん・絵を描く中学生・寂れかけた食堂の店主・父子家庭と母子家庭の親子たち・母を偲ぶ娘。どのお話も心にしみます。「花丼」「越冬」「月明かりの夜に」が好きです。
読了日:7月20日 著者:ドリアン助川
ジョン・マン 5 立志編ジョン・マン 5 立志編感想
航海術を学ぶため名門バートレットアカデミーに入学したジョン・マン。ホイットフィールド船長が新たな捕鯨船で船出をした後に、偏屈だが腕の良い樽職人の元に住みこんで働き始めるまでの物語。この巻ではやや話の展開が遅め、早く大海原で活躍するジョン・マンの話が読みたいですね。次はいつ頃になるのでしょうか?楽しみに待ちたいです。
読了日:7月21日 著者:山本一力
天使はここに天使はここに感想
ファミレスチェーン「エンジェルズ・ダイニング」の契約社員真由子は、毎日誠実に自分の仕事に取り組んでいる。身勝手なバイトたちを回し、イヤみな店長にも怯まず。「人間の価値は、インテグリティの大きさ」「やってることと、その報いが、ちゃんと比例した世の中じゃないと」、心に残る言葉でした。世の中の頑張っているすべての人が報われると良いなって思いました。
読了日:7月21日 著者:朝比奈あすか
レイジレイジ感想
才能はあるのに上手く人と関われないレイジと、そこそこの腕前ながら音楽に携わるワタル。同学年の彼らの生き方を通した青春音楽小説。武士道シリーズの音楽版のような感じでした。面白かったです。
読了日:7月22日 著者:誉田哲也
すべてわたしがやりましたすべてわたしがやりました感想
南さん、初読み。うーん、残念。最後まで読みましたが、後味が悪くてスッキリしません。この本の中に登場する女性たち、近くにいたら恐ろしいですね。
読了日:7月23日 著者:南綾子
冥の水底冥の水底感想
東北の山深き地にひっそりと生きて来た「マガチ」と言われる人々。その純朴な青年「シズク」の初恋の少女麻弥子への一途な想い。彼の手紙が哀しい。時代を追い、折々の流行歌や事件を踏まえて分厚い二段組みの物語でしたが、面白さに一気読みでした。
読了日:7月24日 著者:朱川湊人
象牙色の眠り (文春文庫)象牙色の眠り (文春文庫)感想
夫の借金返済の手助けに、大富豪の家に通いで家政婦として働く瑞恵の語りで物語が始まる。派遣先の原家には、亡き夫の遺した遺産で何不自由なく暮らす若く美しい後妻とその連れ子、前妻が産んだ長女と長男。このバラバラな家族に次々と起こる事故や事件。眠りが重要なキーワードになるけれど、結末は読者に任せると言うものなのでしょうね。面白かったです。
読了日:7月25日 著者:柴田よしき
ひとりぼっちのあいつひとりぼっちのあいつ感想
最終章でまさかの・・・!アパレル業界で働く、やる気のない宮本楓太が歯がゆくて読みながらイライラ。そして散々苛めていたあの男まで救われる?悪にはキッチリと落とし前をつけてもらいたかったなぁ。大里春輝、良い人過ぎる…。
読了日:7月25日 著者:伊岡瞬
虹猫喫茶店虹猫喫茶店感想
不本意ながら獣医学部に進学した「カケル」は、人付き合いが苦手。そのカケルが虹猫と言う猫のいる喫茶店のオーナー、サヨリさんの依頼で猫屋敷の猫たちのお世話をするアルバイトを。猫も人も幸せになれたら良いですね。面白かったです。
読了日:7月27日 著者:坂井希久子
かりんとう侍かりんとう侍感想
中島要さん、初読み。旗本の次男坊の雄征は、かりんとう好きの真っ直ぐな男。自らの生き方に迷いながらも最後に選んだ道は納得。まずまず面白かったです。
読了日:7月28日 著者:中島要
エルニーニョ (100周年書き下ろし)エルニーニョ (100周年書き下ろし)感想
DV男から逃れて、見知らぬ南の町にやってきた瑛(てる)。そこで出会ったフィリピン人との混血の男の子ニノ。ニノは灰色の男から、てるはニシムラから逃げる。二人の行く末が気になって、一気に読めました。こういう結末なら納得、とてもいい本でした。
読了日:7月29日 著者:中島京子
群青のタンデム群青のタンデム感想
教場で垣間見た熾烈な警察学校の姿。その学校の同期で同点1位だった男女が出世を争うライバルに、って言うような単純明快なストーリーではありません…。うーん、嫌いではないけれど、今一つ乗れないこの読後感。
読了日:7月30日 著者:長岡弘樹
ランチのアッコちゃんランチのアッコちゃん感想
派遣社員の三智子は、一週間有能な上司黒川敦子(アッコ女史)と手作りの弁当とアッコ女史のランチを取り替えることに。ランチと夜食のお話はこの二人が主人公で面白かったのですが、後半の2編はちらりと登場するだけ。ちょっと物足りなさが残りました。出来れば全編この二人がしっかり登場するお話が読みたかったですね。
読了日:7月30日 著者:柚木麻子
アイネクライネナハトムジークアイネクライネナハトムジーク感想
ボクシングと斉藤和義と迷惑男の撃退法、中々楽しめました。待ちに待ってようやく手元に届いたのに、一気に読了(笑)伊坂さんのこのテイスト、何となく好きですね~。
読了日:7月31日 著者:伊坂幸太郎

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