ゆみねこ日記

日常日記です。

8月の読書記録

2015-09-01 09:47:03 | ブックレビュー
8月はとても印象に残る本を何冊も読むことが出来ました。

中脇初枝さんの「世界の果ての子供たち」
戦争によって翻弄された3人の少女の人生。

藤岡陽子さんの「晴れたらいいね!」
戦後生まれの看護師が、戦争真っただ中のマニラの野戦病院
にタイムスリップして…


他にも面白い本と沢山出会えました。





2015年8月の読書メーター
読んだ本の数:39冊
読んだページ数:11804ページ
ナイス数:4269ナイス

八幡炎炎記八幡炎炎記感想
製鉄所の町八幡を舞台に、少女ヒナ子の成長を描く。村田さんご自身と同い歳の彼女がこれからどんな物語を紡いで行くのでしょうか?女たらしの仕立屋克美の生き様ももっと見てみたいですね。第一部了とあるので、続編がとても楽しみです。
読了日:8月1日 著者:村田喜代子
たとえ、世界に背いてもたとえ、世界に背いても感想
ノーベル医学・生理学賞を受賞した浅井由希子博士が、その受賞を祝う晩さん会で驚愕の告白を行う。息子が自ら命を絶ったのは、難病を苦にしてのことではなく、高校の同級生たちのイジメが原因であったと。その同級生たち全員に息子を死に至らしめた原因を語らせるために、世界中に病原体をばら撒き、ワクチンの製造方法を知っているのは彼女だけ。スピーディーな展開に一気に読了しました。ただ、最後の章は残念。奥村くんの正義感は素晴らしかったのに。。
読了日:8月2日 著者:神谷一心
ヒア・カムズ・ザ・サン 東京バンドワゴンヒア・カムズ・ザ・サン 東京バンドワゴン感想
おなじみの朝ごはんのにぎやかな様子をみると、何だか安心してしまいますね。大家族とそれを取り巻く人々の物語、サチさんの語りに癒されます。研人も高校生に、花陽は亡き秋実さんの路線引き継ぎ決定(笑)かんなちゃんには見えているのね~。また続きを楽しみに待ちたい1冊です。
読了日:8月3日 著者:小路幸也
スロウハイツの神様(上) (講談社ノベルス)スロウハイツの神様(上) (講談社ノベルス)感想
「ハケンアニメ!」からこちらへ。話がどうつながって行くのか?下巻が楽しみです。感想は下巻で。
読了日:8月4日 著者:辻村深月
スロウハイツの神様(下) (講談社ノベルス)スロウハイツの神様(下) (講談社ノベルス)感想
最終章で泣かされました!コウちゃん、あなたって人は…。上巻で環に全く共感出来なかったのに、一気に覆させる辻村さんの筆力。あぁ、良い本を読ませてもらいました。「マディ」の意味、2007年にこの作品を書かれていたなんて、素晴らしい。
読了日:8月5日 著者:辻村深月
天空の救命室: 航空自衛隊航空機動衛生隊 (文芸書)天空の救命室: 航空自衛隊航空機動衛生隊 (文芸書)感想
自衛隊に航空機動衛生隊なる部署があることを、本書で初めて知りました。内容的には、患者を搬送する緊迫した物語を期待していたのに、やや肩透かし。エピソードを色々詰め込み過ぎたのかな?でも、頼りない内村彰吾が、医師として成長して行くお仕事ものとしても中々面白かったです。鰐淵さんが格好良いな!
読了日:8月5日 著者:福田和代
ラビットヒーローラビットヒーロー感想
引っ込み思案で特撮DVDとフィギュア収集が趣味の、地味なオタク男子「宇佐清春」が、ひょんなことからローカルヒーローに!桐卯という町のうさぎのヒーローをめぐる青春もの。面白かったです!キリバロンGとM、二人の競演も楽しみですね。
読了日:8月7日 著者:如月かずさ
象の墓場象の墓場感想
デジタルカメラの登場で一気に衰退した世界最大手のフィルムメーカーの終焉。わずか12年ほどの期間で世界の写真という概念が大きく覆ったのですね。とても興味深く読了出来ました。
読了日:8月8日 著者:楡周平
魔女か天女か (ゴールデン・エレファント賞シリーズ)魔女か天女か (ゴールデン・エレファント賞シリーズ)感想
裏閻魔シリーズでとても魅力を感じた中村さん。本書も期待に違わず面白く読了しました。赤い髪の千寿と陸奥の小藩の姫君、そして隻眼の少女お紋。登場する娘たちが魅力的!関ヶ原の5年前という時代設定、東北から京都を舞台にした時代小説ですが、歴史は苦手と言う人にもすんなりと読めると思うので、これはお勧めです。
読了日:8月9日 著者:中村ふみ
ミツハの一族ミツハの一族感想
この世に未練を残して死んだ者は鬼となる…。井戸の水を赤く濁らせやがては水源を涸れさせ村は滅ぶ。代々この一族には夜に目の見えなくなる「烏目」と、闇の中にしか生きられない「むくろ目」が現れ、その役割を引き継いで来た。大正12年、長野から札幌郊外に移住した「ミツハの一族」をめぐるミステリーファンタジー。不思議な世界感ですが、とても引き込まれて一気に読了。水守、色んな事を知ることが出来て幸せだったのかしら。幸せだったと思いたいですね。
読了日:8月10日 著者:乾ルカ
警察回りの夏警察回りの夏感想
犯人探しと言うよりも、警察や政治家と新聞社との情報戦のようなストーリー。本筋の事件の結末はあまりにも残念…。でも一気に読ませる筆力はさすが堂場さんですね。
読了日:8月11日 著者:堂場瞬一
三人屋三人屋感想
父が自分たちを育てるため、大好きなフルートのプロ奏者の道を断念して喫茶店を開業した。その父が遺した喫茶店を朝日・まひる・夜月の三人娘が、モーニングセット限定の喫茶店・ランチタイムのみのうどん店・ご飯の美味しいスナックとして営業している。変わった業態の飲食店の物語ではなく、一風変わった家族の物語でした。それにしても夜月の行動は意味不明、母親ウェスタンで感じた違和感ありまくりのヒロインでした。
読了日:8月12日 著者:原田ひ香
ラジ&ピースラジ&ピース感想
北関東のローカルFM局でパーソナリティをつとめる野枝は、自分の容姿に自信を持てない。他人や家族とも容易に打ち解けることの出来ない彼女が、居酒屋で知り合った女医の沢音や、リスナーの「恐妻センター前橋」との交流で少しずつ変わってゆく。野枝の声をラジオで聞いてみたくなりました。
読了日:8月12日 著者:絲山秋子
未来の息子未来の息子感想
表題作を含め5つの短編小説。好きな作品と嫌いなものにハッキリ分かれました。「月島さんちのフミちゃん」と表題作の「未来の息子」がとても良かったです。残りは微妙・・・。
読了日:8月13日 著者:椰月美智子
幽霊なんて怖くない BISビブリオバトル部幽霊なんて怖くない BISビブリオバトル部感想
夏休みのビブリオバトル部の合宿、図書館で行われるバトル。どちらも部員たちの個性が現れて面白かったです。「怖い話」も「戦争」も読みたい本が増えていく1冊ですね。
読了日:8月15日 著者:山本弘
夏の光夏の光感想
高校のボクシング部の友人同士の数十年ぶりの邂逅。高校3年生の夏休みに恋人を亡くし、親友と決別した。一人は経済アナリストに一人は新聞記者に。あの夏に起きたことの真相は。経済の話は難しいので飛ばし読み。夏の事件はある程度予想通りでした。
読了日:8月16日 著者:田村優之
雪の鉄樹雪の鉄樹感想
曽我造園の三代目「雅雪」は、両親を亡くした1人の少年の面倒を12年もの間献身的に続けて来た。何故、血縁でもない彼が遼平少年に関わるのか、14年前に起こった事件とは?少年の祖母の振る舞いや、施主の孫の理不尽な暴力など、読んで来て胸が痛くなるシーンもありましたが、最後はメデタシメデタシ。遠田さん、まだ2作目ですが、中々面白いのでハマりそうな予感が。
読了日:8月17日 著者:遠田潤子
ボーイズ・ビーボーイズ・ビー感想
母を亡くした小学校6年生の隼人は、消防士の父と小1の弟を気遣い、自分の悲しみを表に出すことが出来ない。弟の絵画教室を待つ間に腕は良いが偏屈で頑固な靴職人栄造と知り合い、二人の交流が奇蹟を起こす。とても素敵な物語でした。隼人の健気さに泣きそうになってしまいました。お勧め本です!
読了日:8月17日 著者:桂望実
ウツボカズラの甘い息ウツボカズラの甘い息感想
自分の欲望を満たすため、他人になり済ましターゲットに巧みに近づきお金を奪い取る女。文絵はこのまま犯人にされてしまうのか?と一気に読み進めました。ウツボカズラのような女の正体が明かされる後半は畳みかけるように話が進み、少しあっけない気も。秦刑事の家庭の事情…、刑事のまなざしのあの人と似ている。これは必要なのでしょうか?秦と中川のコンビは良い感じで、シリーズになったら嬉しいかも。
読了日:8月18日 著者:柚月裕子
君だけの物語君だけの物語感想
山本甲士さんが、別名義で書かれた小説家入門指南書。作中作の「君だけの物語」も中々良かったです。私は書きたいと言う気持ちはあっても、恐らく書けないだろうなぁ。読むだけで充分楽しくて満足(笑)
読了日:8月19日 著者:山本ひろし
世界の果てのこどもたち世界の果てのこどもたち感想
戦争に翻弄された3人の少女たちの人生。満州の開拓団村で出会った、珠子・美子・茉莉の戦後。戦争の過酷さと差別、珠子が日本語を忘れて行く姿、帰国して言葉が通じないもどかしさが切なかった。日本人として、こういう本は読んだ方が良いと思いました。特に若い方に読んで欲しいですね。
読了日:8月20日 著者:中脇初枝
敗者たちの季節敗者たちの季節感想
この本は夏の甲子園の時期に読みたかったので、とてもタイムリー。ある県の代表決定をする一戦は、好投手を擁した学校の戦い。甲子園を目指し、甲子園で頂点を極める学校があることと引き換えに、多数の学校は敗者となる。あさのさんの描く高校球児たちと、それを取り巻く周囲の人物。これも一読の価値ありです。
読了日:8月21日 著者:あさのあつこ
ふたり姉妹ふたり姉妹感想
自分が長女なので、つい聡美に肩入れして読んでしまいました。愛美の甘ったれさが苦手で少しイライラ。姉妹と言うのは他人から見たらやはりよく似ているのでしょうね。ルビーとサファイアの例えで納得です。
読了日:8月21日 著者:瀧羽麻子
閉店屋五郎閉店屋五郎感想
閉店する物件の中古品を買い取り、販売することから「閉店屋五郎」と呼ばれる、バツイチの巨漢五郎。女に弱く人情味あふれる主人公は、閉店するお店のトラブルに関わらざるを得なくなる。サラリと読める作品なので、重い作品の合間に読むにはピッタリの本ですね。ドラマ化したら面白いかも?
読了日:8月22日 著者:原宏一
出張料理・おりおり堂 - 卯月~長月出張料理・おりおり堂 - 卯月~長月感想
一流の腕を持つ料理人の仁は、出張料理人として依頼人の家の台所で料理をする。助手として働く澄香の視点で卯月から長月までを描く。澄香の恋の行方と、仁の料理が楽しみなので続編も読みます!
読了日:8月22日 著者:安田依央
ラスト・ワルツラスト・ワルツ感想
やっぱり面白いですね、このシリーズ!アジア・エクスプレス、舞踏会の夜、ワルキューレの3編、どれもみな好きです。さて、D機関、この先どういう働きをするのかしら?
読了日:8月23日 著者:柳広司
人魚ノ肉人魚ノ肉感想
土佐の浜辺で少年時代の坂本竜馬・中岡慎太郎・岡田以蔵が「人魚の肉」を口にする…。やがて時を経て岡田以蔵が京都に持ち込んだ「人魚の肉」は新撰組の隊士の口に。。土佐の須崎に伝わる八百比丘尼伝説をベースにした伝奇小説。木下さん、2作目ですが、こちらもすごく印象的な作品。
読了日:8月24日 著者:木下昌輝
赤の他人だったら、どんなによかったか。赤の他人だったら、どんなによかったか。感想
隣町で起こった連続通り魔事件の犯人は、遠い親せきだった!中2の八条風雅は、祖父からその事実を聞き、クラスメイトに知られたらどうしようと悩む。犯人の娘は同じ中学2年生、その子が夏休み明けに同じクラスに転校して来る。苛められる彼女とどう関わっていったら良いのか?いとこ同士の風雅とききの活躍は痛快。ロックスターの話はちょっと飛躍しすぎかとも思いましたが、少年少女向けの作品なので、それも有りかと。中高生のみなさんとその親御さんにお勧め。
読了日:8月24日 著者:吉野万理子
スマイルメイカースマイルメイカー感想
3台の黄色いプリウスのタクシードライバーが、それぞれ訳ありのお客を乗せて走る。様々なことに巻き込まれながら、思わぬ方向に転がって行くタクシーと乗客たち。中々面白かったです。
読了日:8月25日 著者:横関大
女の子は、明日も。女の子は、明日も。感想
30代になった高校の同級生が東京で再会し、月に一度の食事会をするようになる。4人の立場はそれぞれに異なり、全員既婚だけど子供はいない。不妊、子宮内膜症、子宮筋腫に伴う重症の貧血、中々重い展開だけど、飛鳥井さんの描く女性はリアルに想像できてしまう。女同士ならではの面倒くさい心の動きとか、やはり上手いです!
読了日:8月25日 著者:飛鳥井千砂
雨のち晴れ、ところにより虹雨のち晴れ、ところにより虹感想
湘南を舞台にした6つの短編集。登場人物は、どこか無器用で、思いを上手く伝えられなかったり。「なぎさ通りで待ち合わせ」「こころ三分咲き」が好きです。
読了日:8月26日 著者:吉野万理子
アノニマス・コールアノニマス・コール感想
スピーディーな展開でドキドキしながらページをめくりました。久々に一気読みする面白さ。娘を誘拐したのは誰なのか?アノニマス(匿名)の電話は誰から?警察が市民の味方ではないのなら、いったい何を信じたら良いのでしょう…。正義とは何だろう、考えさせられました。
読了日:8月26日 著者:薬丸岳
アノニマス・コールアノニマス・コール
読了日:8月26日 著者:薬丸岳
ふしぎ駄菓子屋 銭天堂4ふしぎ駄菓子屋 銭天堂4感想
いつか私の歩いて行く先に、不思議な路地の奥の銭天堂が出現しないかしら?本日のお宝の硬貨を手に、紅子さんお勧めの駄菓子を買ってみたい。たたりめ堂のよどみは悪意を集め、紅子さんは人の生き方をみる。この対照的な二つのお店はこの先どうなる?「ゴブリンチョコエッグ」の結末が好きですね。
読了日:8月27日 著者:廣嶋玲子
新装改訂版 小説土佐堀川   ――女性実業家・広岡浅子の生涯新装改訂版 小説土佐堀川 ――女性実業家・広岡浅子の生涯感想
江戸末期に京都で生まれ、大阪の両替商加島屋に嫁いだ広岡浅子。近代日本初の女性実業家として、更には女子教育に力を注いだ人生。「九転び十起き」の前向きなその生き方は清々しい。この秋からの朝ドラ「あさが来た」の原作本です。どんなドラマに仕上がって行くか、テレビでも楽しめそうです。
読了日:8月27日 著者:古川智映子
晴れたらいいね晴れたらいいね感想
看護師の高橋紗穂が、2015年の東京の病院から1944年のマニラの日赤救護班にタイムスリップしてしまう。戦争を知らない紗穂の目を通した、南方の最前線の過酷な状況。紗穂が最後まで現代っ子の言葉を使い続ける状況にやや違和感がありましたが、そんなことは些末なこと。最後は落涙、これも多くの方に読んでほしい作品です。お勧め本。
読了日:8月28日 著者:藤岡陽子
独走独走感想
オリンピックの柔道の金メダリストが、スポーツ省の職員として陸上の天才長距離ランナーを担当する。ランナー仲島は走る才能は問題ないがメンタルに課題があると。国に管理されたスポーツマンが感じる違和感、お金の問題やサポート体制など万全を期されていても、自由なスポーツの楽しみはない。オリンピック至上主義、国の面子をかけてもメダルを取りに行くことなのか?オリンピックに対抗するような競技会が実際にあったら見る方も楽しいのかも?色々考えさせられる内容でしたが面白かったです。
読了日:8月30日 著者:堂場瞬一
逃亡医逃亡医感想
仙川さんの作品なので、医療サスペンスかと思いきや…。佐藤基樹と言う医師は、何故に逃亡するのか?何だか残念なストーリーでした。ヒロインの元刑事の方は、探偵としてスタート出来そうなので、そっちでシリーズにするつもりかしら?
読了日:8月30日 著者:仙川環
想い出あずかります想い出あずかります感想
海辺の崖下に魔法使いの住む家がある。想い出を預かってくれる質屋を営む魔法使いの家や姿は、子供たちにしか見えない。大人になったら見えなくなる魔法使いと預かってもらった想い出の数々。いじめや分かりあえない母と息子、彼の心変わりなど重い内容もあるけれど、読み終わってじんわりと余韻を楽しめる1冊です。
読了日:8月31日 著者:吉野万理子

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