ゆみねこ日記

日常日記です。

8月の読書記録

2019-09-01 06:29:41 | ブックレビュー
8月の読書メーター
読んだ本の数:31
読んだページ数:9358
ナイス数:3846

我らが少女A我らが少女A感想
久しぶりの高村さん、そして合田雄一郎。警察大学校の教官になった合田、57歳。現場を離れても刑事の魂は変わらず、ガツンと読み応えのある1冊でした。西武多摩川線・多磨駅を定点にした描き方が新鮮。みんなの記憶の中から鮮やかに立ち上がる少女A。
読了日:08月02日 著者:髙村 薫
夜汐夜汐感想
苦界に沈んだ幼馴染み・八穂を救いだしたことで、追われる身となった蓮八。身を隠すために新撰組の一員となるも八穂に会うために組を脱走する。殺し屋・夜汐と新撰組から追われる蓮八。幕末の混沌とした熱気と夜汐の存在感、読み応えのある1冊でした。
読了日:08月03日 著者:東山 彰良
慟哭は聴こえない (デフ・ヴォイス)慟哭は聴こえない (デフ・ヴォイス)感想
デフ・ヴォイスシリーズ、待望の第3弾。手話通訳士・荒井の視点から描く4つの物語。全聾の妊婦夫妻の悲劇、いきなり世間の脚光を浴びたモデルの男性、地域に伝わる手話でメッセージを伝えた男性、聾者であるがゆえに職場で理不尽な扱いをされた女性の法廷。一つ一つ真摯に向き合う荒井さんの姿に感動しました。新しい家族・瞳美ちゃんも加わり、荒井家のこれからの物語も楽しみに。みなさんにお薦めです。
読了日:08月04日 著者:丸山 正樹
夏の騎士夏の騎士感想
小6の3人組が過ごした昭和最後の夏。憧れのクラスの女子生徒を守るため結成した「騎士団」。そこに絡んでくる嫌われものの女の子。彼らが手に入れたのは、勇気と友情。とても素敵な物語。夏に読むのにぴったりの作品、お薦め本です。
読了日:08月05日 著者:百田 尚樹
いつかの岸辺に跳ねていくいつかの岸辺に跳ねていく感想
平石徹子と森野護、幼馴染みの二人の物語。「フラット」の章で護の視点で徹子の周辺を語り、「レリーフ」で徹子の抱えていた秘密が明かされる。二つの物語が重なった時の感動!これは是非皆さんに読んで欲しい、お薦め本です。
読了日:08月05日 著者:加納 朋子
風をつかまえた少年風をつかまえた少年感想
アフリカの最貧国・マラウイを襲った食糧危機。ウィリアム少年は学費が払えず、中学校に行けなくなった。父の農作業を手伝いながら、図書室で出会った1冊の本。風力発電、それは暗闇と飢餓から人々を救う一筋の希望に。ウィリアムが周囲の村人たちに馬鹿にされながら、挫けずに風車を作る姿に感動。1冊の本との出会い、教育が何より大切なことなのだと感じました。
読了日:08月06日 著者:ウィリアム・カムクワンバ,ブライアン・ミーラー
帝国ホテル建築物語帝国ホテル建築物語感想
社会人2年目に明治村に行って、帝国ホテルライト館の玄関の外側を見た記憶があります。その頃にこういう歴史を知っていたらどんなに感動出来たでしょうか?明治から大正という時代に建築家ライトの飽くなきこだわりと、その要求に必死に応えた職人たちの技術。経営陣とのやり取りなど面白く読了しました。
読了日:08月07日 著者:植松三十里
さよならの儀式さよならの儀式感想
宮部みゆきが描く、ちょっと先の世界。「母の法律・戦闘員・わたしとワタシ・さよならの儀式・星に願いを」までは順調に読破。後半三編は読むのが辛くなってやっと読了。残念ながら今作は相性が悪かったようです。
読了日:08月08日 著者:宮部みゆき
灼熱灼熱感想
謎の転落死をした前夫、そして夫殺しの容疑者は不起訴処分に。咲花子は復讐のため、整形し身分を偽り憎い男の妻に。面白くて一気読み。
読了日:08月08日 著者:秋吉 理香子
ひと喰い介護ひと喰い介護感想
怖い怖い介護業者。お金持ちで独居の老人、特に男性は取り込まれたら大変…。騙される側の男性に共感できなくて読みにくかった。。
読了日:08月10日 著者:安田 依央
出身成分出身成分感想
日本で生まれたことに感謝しました。この本はあの閉ざされた国が舞台。出身成分によって生きる場所が制限される。脱北者の証言に基づく小説と言うことなのでノンフィクションのようでもありました。
読了日:08月11日 著者:松岡 圭祐
【第161回 芥川賞受賞作】むらさきのスカートの女【第161回 芥川賞受賞作】むらさきのスカートの女感想
読みやすい文章で、あっという間に読破しましたが、うーん、これは感想を書きにくい。むらさきのスカートの女をひたすら観察し続ける黄色いカーディガンの女。第161回芥川賞受賞作。
読了日:08月12日 著者:今村夏子
手紙 ふたりの奇跡手紙 ふたりの奇跡感想
長崎の小6の少年・コウに、見知らぬ秋田の少女・ホノから届いた手紙。ホノにはどうしても知りたいことがあった。ホノの亡き母が高校時代に長崎への修学旅行で経験した素敵な思い出とは?わずかな手がかりを頼りに真実に近づく二人。手紙を通して語られる素敵な物語。
読了日:08月14日 著者:福田 隆浩
屍人荘の殺人屍人荘の殺人感想
人里から離れたペンション・紫湛荘で起こった密室殺人事件。ペンションの周囲にはゾンビの群れ。謎を解くのは探偵少女。人気の作品で長い時間待っての読書。デビュー作でこのクオリティーは素晴らしいですね。今村昌弘さん初読み。
読了日:08月16日 著者:今村 昌弘
夏の陰夏の陰感想
岩井圭也さん、初読み。殺人事件を起こした男の息子と、犠牲になった男の息子。15年の時を経て全日本剣道選手権大会の京都府の予選会決勝で二人は対峙する。父の死を抱えて生きる岳と和馬、エピローグでぐっと込み上げました。どちらも幸せに生きて欲しいと思いつつ読了。お薦め本です。
読了日:08月17日 著者:岩井 圭也
たらふくつるてんたらふくつるてん感想
奥山景布子さん、初読み。江戸に落語が広がる過程を面白く読ませてもらいました。落ちぶれた武家の子供・武平が、人殺しの罪を着せられ仇討ちから追われ、江戸へ。出会いに恵まれ人気の咄家に。
読了日:08月18日 著者:奥山 景布子
営繕かるかや怪異譚 その弐営繕かるかや怪異譚 その弐感想
古い家に現れる様々な怪異。営繕でそれを解決する尾端さん。「芙蓉忌」はざわざわ感収まらず、「まつとし聞かば」は猫好きならば共感出来ますね。「関守」「魂やどりて」「水の声」「まさくに」、夏にはこういう怪異譚が似合いますね。
読了日:08月19日 著者:小野 不由美
スワロウテイルの消失点 法医昆虫学捜査官スワロウテイルの消失点 法医昆虫学捜査官感想
シリーズ第7弾。のっけから遺体の解剖シーンとあわやパンデミックか?とのドキドキ感。小黒蚊、恐ろしくて読んでいるだけで痒みが…。今作は、虫と燕が謎を解く鍵に。岩楯さんと赤堀先生、名コンビ。深水くんも良い後輩になりそうですね。
読了日:08月20日 著者:川瀬 七緒
戦国の教科書戦国の教科書感想
戦国時代を描いた6人の作家によるアンソロジー。矢野隆さん・武川佑さん初読み。どの作品も面白く、末國善己さんの解説・ブックガイドもとても良かった。日本史の授業でこんなエピソードが語られたら、どんなに楽しいでしょうか。
読了日:08月20日 著者:天野 純希,今村 翔吾,木下 昌輝,澤田 瞳子,武川 佑,矢野 隆,末國 善己
決断の刻決断の刻感想
ラグビーで固く結ばれた所轄署の刑事課長とネタ元であったコンサルティング会社の社長。コンサルティング会社の社員が遺体で発見され、ほぼ同時期に女性社員が行方不明に。同社の不正事件を内定していた刑事も姿を消す。それぞれの正義とは?サクッと読めて面白かったです。

読了日:08月21日 著者:堂場 瞬一
絶声絶声感想
うーん、これは感想を書きにくい。。巨額の遺産を狙う3人は兄妹と異母弟。膵臓癌を患いながら失踪した父親の失踪宣告を目前にブログが更新される。父は生きているのか?登場人物全員に共感できなくて残念な読み心地でした。次作に期待。
読了日:08月22日 著者:下村 敦史
八月のひかり八月のひかり感想
夏休み、小5の美貴は働く母親の代わりに家事をこなし、毎日を家で過ごしていた。小2の弟は家の貧しさをまだ理解しきれていない。懸命にやりくりをする美貴が健気で涙が出てくる。本当に必要な人に支援の手が差しのべられることを心から願いたい。
読了日:08月22日 著者:中島 信子
龍宮の鍵龍宮の鍵感想
かつて父が働き、放火をして自殺した老舗のホテルで、身分を隠して働くことになった・小麦。父が遺した鍵と隠された部屋、ホテル経営をめぐる陰謀。先が気になって一気に読了。あまり深読みせず楽しく読むのには良い本。楽しめました。
読了日:08月23日 著者:田中 経一
あの日の親子丼 食堂のおばちゃん(6) (ハルキ文庫)あの日の親子丼 食堂のおばちゃん(6) (ハルキ文庫)感想
シリーズ第6弾。平成から令和に時代は移るその頃、はじめ食堂はいつも工夫を凝らした親しみやすい料理で常連さんを唸らせる。そこに万里くんへのスカウト騒動やネットで悪評が広がったり。近所のパン屋の姉弟やバーのマスター、新しい常連や新メニューの数々、こんなお店が近所に欲しいと毎作読了する度に思う食い意地の張った私。
読了日:08月24日 著者:山口 恵以子
緋い川緋い川感想
明治33年、宮城県の山間部にある鉱山病院に赴任した新任医師の衛藤真道。異形の動物やバラバラにされた人間の死体が川に流されるという不穏な事件、優秀だが無愛想な先輩医師の殿村。鉱山労働者の過酷な労働環境、医師としての使命とは?真犯人の動機も哀しいけれど衛藤の成長譚として救いのあるラストに。
読了日:08月25日 著者:大村 友貴美
金庫番の娘金庫番の娘感想
読み応えある1冊でした。一流商社を辞め、政治家の秘書になった藤木花織。与党内の派閥争い・総裁選・裏で政治を操るドン。更に司法取引や検察のこと。花織の成長譚としても面白く読めました。
読了日:08月27日 著者:伊兼 源太郎
旧友再会旧友再会感想
四つの短編「あの日の秋・旧友再会・ホームにて・ある帰郷」と中編の「どしゃぶり」の五編。学校時代はさほど仲が良かったわけでもなかった友人との再会や、年齢を経たから分かるようになる諸々のこと。少しのほろ苦さが残る絶妙な作品でした。
読了日:08月27日 著者:重松 清
夏に泳ぐ緑のクジラ (創作児童読物)夏に泳ぐ緑のクジラ (創作児童読物)感想
爽やかな表紙に魅せられて新刊棚から手に。家族の問題で母の実家の島にやって来たお京。そこで出会った不思議な「つちんこ」。内容はかなり重たくて家族のことで悩む中学生たちの姿に胸が痛みました。ラストに希望が見えて良かったけれど、これを現役の中学生たちはどう感じるのでしょうか?
読了日:08月28日 著者:村上 しいこ
1ミリの後悔もない、はずがない1ミリの後悔もない、はずがない感想
一木けいさんのデビュー作。複雑な家庭で育った由井を軸とした連作短編集。「西国疾走少女」のピュアな恋愛、「千波万波」へつながる桐原の気持ち。幸太郎と安伊子さんがいい人で救われた。由井と同じように桐原が幸せになっていてくれると良いな。高山先輩のパートはあまり読みたくなかったかも。
読了日:08月28日 著者:一木 けい
限界病院限界病院感想
東京から北海道の過疎の町の公立病院に赴任した城戸健太朗。地方の財政難や病院運営の困難さ、色々考えさせられる作品でした。しかし、長くて少々飽きたかな。恋愛パートも何だかなぁって。
読了日:08月30日 著者:久間 十義
ザ・ヘイト・ユー・ギヴ あなたがくれた憎しみ (海外文学コレクション)ザ・ヘイト・ユー・ギヴ あなたがくれた憎しみ (海外文学コレクション)感想
治安の悪い街で暮らす16歳の高校生・スター。ある日スターの目の前で幼馴染みの友人・カリルが白人警察官に射殺されてしまう。真実を伝えるためスターは立ち上がり声を上げた。アメリカの根深い人種問題・崩壊した家族と貧困からくるドラッグ売買。考えさせられる1冊。
読了日:08月31日 著者:アンジー・トーマス

読書メーター
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする