ゆみねこ日記

日常日記です。

10月の読書記録

2023-11-01 13:51:21 | ブックレビュー
10月の読書メーター
読んだ本の数:26
読んだページ数:8556
ナイス数:2957

かたばみかたばみ感想
元やり投げの選手・悌子は競技を諦め小学校の教師に。戦争末期、国の教育政策で少国民とされた子供たちを思う悌子の真っ直ぐな心。下宿屋の家族との暮らし、成り行きで結婚した権蔵と幼なじみで初恋の人の遺児・清太と家族になり懸命に子育てをする。「血縁が家族を作るのではない」悌子と権蔵と清太、見守る周囲の人々。不器用だが愛すべき悌子の魅力、素敵な1冊。これも今年のベスト本候補、お薦め!
読了日:10月01日 著者:木内 昇
うどん陣営の受難 (100min.NOVELLA)うどん陣営の受難 (100min.NOVELLA)感想
タイトルから想像したのと全く違っていて、とある会社の代表選挙にまつわる色々のお話。なんだか不思議なのは会社の代表を4年に一度社員が投票で決めるというこの会社のシステム。派閥ごとの謀略やら第三勢力である「うどん」好きな人たちへの工作やら不穏なのに何だかグダグダな物語。薄いのであっと言う間に読了。
読了日:10月01日 著者:津村 記久子
楽園の犬楽園の犬感想
1940年、喘息持ちの高校教師麻田健吾は療養という餌と引き換えに海軍のスパイとしてサイパンに赴いた。そこはあらゆる種類のスパイが暗躍し、島民たちへの差別もある地。海軍士官・堂本の犬として、日米開戦には反対の立場ながら個人の考えを押し殺して生きるが、日米開戦直後に自決した堂本、戦争を生き抜き壮絶な最期を遂げた麻田。終章で語られた健吾の妻ミヤと息子の良一への手紙で涙腺決壊。これは多くの人に読んで欲しい1冊、お薦め本。
読了日:10月02日 著者:岩井 圭也
婚活食堂9 (PHP文芸文庫)婚活食堂9 (PHP文芸文庫)感想
シリーズ第9弾は「めぐみ食堂」女将の恵に惚れる男性が。この男性に読みながらモヤモヤ…。結局結婚話は流れてホッとした😅やはり人の恋愛結婚のあと押しをする恵さんでいて欲しいと思うのは読者の願望かな?煮えきらない男との10年の関係を断ち切り、新しい出会いで幸せをつかんだお客さんに拍手。
読了日:10月03日 著者:山口 恵以子
オレオレの巣窟 (幻冬舎文庫)オレオレの巣窟 (幻冬舎文庫)感想
天才的なオレオレ詐欺師・平田と奨学金返済に苦しむ真奈美の出会い。イケメン結婚詐欺師の竹崎、容姿に難がある貴美子、身分を隠して詐欺師グループに潜入する松崎。騙し騙され混沌とした金まみれの世界、ひとり高笑いする金主の瀬尾。最後はあっけなく悪が成敗されたけど、詐欺に遭わないよう自戒を込めて読了。もっとも騙されて取り上げられる財産も無い私ですけど😁
読了日:10月04日 著者:志駕 晃
からさんの家 伽羅の章からさんの家 伽羅の章感想
今作は伽羅さんの視点で。伽羅さんの病気の再発から重くて辛い展開になるかと思ったら、まひろと柊也の結婚に向かう話と、タロウのギャラリーのバージョンアップなど、前向きなお話しでホッとした。これで終わるのは少しさびしいかな。もし続編が出るなら読みたい。
読了日:10月04日 著者:小路幸也
コンビニ兄弟3:―テンダネス門司港こがね村店― (新潮文庫 ま 60-3)コンビニ兄弟3:―テンダネス門司港こがね村店― (新潮文庫 ま 60-3)感想
安定の面白さ!フェロモン店長ミツの魅力はアイドルまでも引き付ける。前巻で登場した謎の美女・神崎華とバイトの太郎くんのこれからは?早くも次が楽しみ!
読了日:10月05日 著者:町田 そのこ
ヒマかっ! Get a Life!ヒマかっ! Get a Life!感想
見える人・桧山光希は広島から家出をして上京。目的は母親と縁を切り独立すること。18歳の誕生日を目指しネットカフェで息をひそめるように過ごしていたある日、足場工事会社の社長との出会い。見えないが幽霊に触れることの出来る強面の頭島、コミュニケーション力抜群の奥という二人の先輩とのトリオで挑むもの、それは幽霊退治。心を閉ざして生きてきた光希は良き人たちとの出会いと寄り添ってくれていた親友。Get a Life!
読了日:10月07日 著者:日明 恩
邂逅の滝 (文芸書・小説)邂逅の滝 (文芸書・小説)感想
紀州の山奥の小さな町に「紅滝」という美しい滝がある。恋しい男に裏切られて命を落とした美しい姫の伝説。現代から大正、江戸、安土桃山、そして南北朝へと遡り男と女はめぐり逢う。うーん…、なんだか良く分からないというのが正直な感想。恋愛ものが好きな人にはとてもハマる物語かも?
読了日:10月10日 著者:遠田潤子
存在のすべてを存在のすべてを感想
塩田さんの名作「罪の声」を凌駕する傑作だと感じた。30年前に起きた2児同時誘拐事件。ひとりはすぐに発見されたが当時4歳の男児は忽然と姿を消し、3年後に祖父母の家にひとりで戻って来た。事件を解決するために地道に捜査に当たる刑事たち、記者として真実を明らかにするために取材を続けるもの。前半は誘拐事件のリアルな描写にドキドキ、一転して後半の3年間の切なさ。美術界の闇の部分も垣間見ることができ、読み応え満点の1冊。ぜひ多くの方に読んで欲しいお薦め本!
読了日:10月12日 著者:塩田 武士
花散るまえに花散るまえに感想
愛を知らずに育った細川忠興と天下の謀反人となった明智光秀の娘・玉。戦国の世に翻弄された二人の純愛は悲しい最後を迎える。美しい文章でとても読みやすかった。
読了日:10月13日 著者:佐藤 雫
神無島のウラ神無島のウラ感想
離婚しひとりになった槙屋深津(みつ)は12歳で離れた故郷の島へ臨時教諭になるために20年ぶりに帰ってきた。島外から島の学校にやって来た子どもの抱える事情、深津自身の心に秘めた傷。子どもを守る神・ウラのいる神無島での再生と希望の物語。
読了日:10月14日 著者:あさの あつこ
蒼い水の女蒼い水の女感想
片倉刑事シリーズ第5弾。石神井公園の池に浮かんだ不可解な水死体、肺から検出された水は発見場所の池とは違っていた。被害者の男のSNSから大井川鉄道へ向かう片倉。死んだ男の写真に写り込む女。男の失踪した妻と怪しい宗教団体。盛りだくさんな謎が織り込まれるが、読みやすくて一気に読了。別れた奥さんとは中々いい感じに。
読了日:10月15日 著者:柴田 哲孝
ゴリラ裁判の日ゴリラ裁判の日感想
ローズという賢いゴリラの魅力に引き付けられ、一気に物語の世界に没入。言葉を理解し、人間と会話することが出来る彼女。恋い焦がれたアメリカで起きた事件で夫ゴリラを射殺され、動物園を相手に裁判を起こす。人間とゴリラ、どちらが本当に賢いのか?考えさせられる。須藤古都離さん、初読み。
読了日:10月17日 著者:須藤 古都離
南アルプス山岳救助隊K-9 さよならの夏 (徳間文庫)南アルプス山岳救助隊K-9 さよならの夏 (徳間文庫)感想
北岳で夏実が不思議な光を見てその直後に出会った住所も名前もわからなくなった若い男性。免許証から水越和志と判明、別の山に登る予定だったがなぜか北岳にいた。彼が北岳にいた理由は?同じ頃甲府市内で相次ぐ連続殺人事件。和志が妹たちと共に再び北岳を訪れたその時、明らかになる事実。今作は夏実とメイたちの活躍シーンは少な目。スピリチュアルな要素多めの作品。静奈に絡んでくるニック、これからどういう役回りになるか?
読了日:10月18日 著者:樋口明雄
ミドルノートミドルノート感想
食品会社の同期入社の3人と同い歳の派遣社員1人。働くスタイルや活躍の場は違う4人のコロナ禍を挟んだ混沌とした時代での変化。働きながらの子育て、夫のモラハラ、派遣切り。最初から菜々の夫拓也にイライラ。ラストは彼女たちの決断にエールを送りたくなった。
読了日:10月18日 著者:朝比奈 あすか
交渉人・遠野麻衣子 ゼロ交渉人・遠野麻衣子 ゼロ感想
交渉人シリーズ第4弾だが、シリーズ0。遠野麻衣子が交渉人となるまで。選ばれたのは男女8人だが、研修初日で1人が帰される。交渉人としての資質はあるか?誰が残るのかという興味と共に研修の一環として参加する特殊詐欺事件の捜査。詐欺グループに内通しているのは誰か?展開がやや冗長で最初は読むスピードが上がらず。ラストでようやく面白くなってきた。シリーズは未読の作品もあるので読んでみたい。
読了日:10月19日 著者:五十嵐 貴久
可哀想な蠅可哀想な蠅感想
「可哀想な蠅」「まりこさん」「重ね着」「呪縛」4つの短編はどれもブラックで、心の裏側をこれでもかと突きつける。
読了日:10月20日 著者:武田 綾乃
霜月記霜月記感想
突然致仕し、失踪した父に代わり18歳で町奉行になった草壁総次郎。ある日遊里・柳町で起きた殺人事件を巡り隠居した祖父左太夫の助けを借り調べにあたる。父と子の物語、砂原さんの描く神山藩の世界を堪能した。総次郎の友、日野武四郎が良い!
読了日:10月22日 著者:砂原 浩太朗
灰色の家灰色の家感想
うーん…何となく乗れなかった。高級老人ホームで相次ぐ自殺。それを不審に思った看護師栗子が元刑事の入居者と調べを。栗子さんがイマイチ好きになれないのと、老人ホーム内のあれやこれやとか、読んでいて楽しくなかった。深木さんだから期待していたけど、これは残念な1冊。
読了日:10月23日 著者:深木 章子
葬式同窓会 (単行本)葬式同窓会 (単行本)感想
高校3年生の時の担任教師が亡くなり、その通夜に集まった元クラスメートたち。再会した皆の話題は担任・水野がある授業で執拗に1人の生徒を虐め、それをキッカケに不登校になってしまったこと。8年前の夏至の日、なぜ教師は異常な振る舞いに及んだのか?イジメや恋愛、未熟な彼らのこと。大人になった彼らは過去とどう折り合いをつけるのか?ラストは爽やかで読後感は悪くない。華は苦手なタイプだ。
読了日:10月24日 著者:乾 ルカ
悪逆悪逆感想
周到に計画された連続殺人事件。ターゲットは過払い金請求詐欺・マルチ商法の親玉・カルト宗教の宗務総長。大阪府警捜査一課の刑事舘野と所轄のベテラン刑事玉川のバディが犯人を追う。このバディの会話が楽しい!犯人は警察の捜査を熟知していて、中々警察は端緒を掴めない。とある発端から犯人にたどり着き追い詰め、最後までハラハラしながら読み進めた。関西の地理に疎いので地図を見ながらの読了。面白かった!
読了日:10月28日 著者:黒川 博行
いまこそガーシュウィンいまこそガーシュウィン感想
新しい大統領誕生で人種差別が激化した米国。その状況を音楽で何か出来ないかと模索しガーシュウィンの「ラプソディー・イン・ブルー」を弾く決意をしたピアニストのエドワード。それに異を唱えるマネージャーや音楽関係者。エドワードが共演者として岬洋介を選んだことで大晦日のコンサートをカーネギーホールで開催することに。そして大統領夫妻が演奏を聴きに訪れる…。暗殺者は大統領の命を狙う。コンサートの行方は?
読了日:10月29日 著者:中山 七里
ふしぎ駄菓子屋 銭天堂20ふしぎ駄菓子屋 銭天堂20感想
銭天堂憎しの六条教授が生み出したAI「つぐみ」。「つぐみ」のアプリで世の中の人の悩みを解消し、銭天堂の存在意義を無くそうとの画策の行方は?《もとどおりんごあめ》の結末が素敵!そして「つぐみ」の下した決断が痛快。六条教授はどこへ行く?またまた先が気になる終わり方。次巻も楽しめそう。
読了日:10月29日 著者:廣嶋玲子
うたかたモザイクうたかたモザイク感想
13の掌編・短編が織りなす世界は甘いもの苦いものとさまざま。一穂さんの引き出しの多さに感服!「神さまはそない優しない」が秀逸。「sofa &…」も良かった。
読了日:10月29日 著者:一穂 ミチ
雨だれの標本 紅雲町珈琲屋こよみ雨だれの標本 紅雲町珈琲屋こよみ感想
今作は小蔵屋が人気映画監督の新作の撮影候補地に?!監督との面談で撮影とは別にある映像作品を作った無名の男を探すことを頼まれたお草さん。相変わらずの推理力で探していた人物を見つけだす。そこに隠されていた家族の秘密。従業員久実ちゃんの行手も明るい。前作はあれれという内容だったが、いつもの作風に戻った感じで良かった。
読了日:10月30日 著者:吉永 南央

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