6月の読書メーター
読んだ本の数:38
読んだページ数:11990
ナイス数:4418
私が誰かわかりますかの感想
リアルな認知症老人の介護を描いた1冊。長男の嫁に押し付けるのは勘弁して欲しい…。「世間体」と「本音」、老いと死の現実、我が身に当てはめて読んでしまった。長生きって幸せなのだろうか。。谷川直子さん、初読み。
読了日:06月01日 著者:谷川直子
いつか あなたを わすれてもの感想
『家族じまい』のもうひとつの物語。孫の目線で祖母・さとちゃんのことを語る。歳をとり、だんだん忘れてゆくことは悲しいだけではない…。「もしも いつかあなたを わすれる日がきても わすれてしまう あれもこれも みんな なかったことでは ないのだから あんしんしてね」いつか忘れてしまう時間を大切に過ごすこと、お年寄りのことをお子さんたちに知ってもらうのに良い絵本。
読了日:06月01日 著者:桜木 紫乃,オザワ ミカ
母を捨てるということの感想
母と娘、何て面倒くさい関係か…。おおたわさんのお母様のことはあさイチで観て衝撃を受けこの本を手に。依存症とは本人より家族が苦しむと言う事実は良く理解出来た。昭和や平成の始めの時代には依存症の治療法が確立していなかったと言う事実にも驚き。
読了日:06月01日 著者:おおたわ史絵
医療ミステリーアンソロジー『ドクターM』 (朝日文庫)の感想
豪華なメンバー8人による医療ミステリー。近藤さん、キリコに会えて嬉しかった!篠田さん、新津さんどちらも面白い‼
読了日:06月02日 著者:海堂 尊,久坂部羊,近藤史恵,篠田節子,知念実希人,長岡弘樹,新津きよみ,山田風太郎
駒子さんは出世なんてしたくなかったの感想
女性が仕事を続けることが如何に難しいか。家族の協力や会社の理解がどこまで得られるか?駒子さんの場合はフリーカメラマンの夫が家事全般を引き受け、ほぼ専業主夫だったから仕事一筋で順調に仕事に邁進出来たが夫が仕事復帰、駒子さんの昇進、一人息子の高校中退が重なり…。サクサク読めて面白かった♪
読了日:06月03日 著者:碧野 圭
転職の魔王様の感想
大手広告代理店を上司のパワハラで辞めてしまった未谷千晴は叔母が経営する転職エージェント会社で新しい職場を探そうとする。CAは魔王樣と呼ばれる来栖嵐。様々な転職希望者と向き合う千晴とクールな来栖。パワハラのシーンは読んでいて胸が痛くなった…。お仕事小説、面白く読了。
読了日:06月03日 著者:額賀 澪
ヒポクラテスの悔恨の感想
物言わぬ死体の声を聞く、浦和医大の光崎教授シリーズ第4弾。高齢者の熱中症、急カーブの山道でのバイク事故、生後5日目の乳児の突然死など。短編集だったのでちょっと残念。
読了日:06月04日 著者:中山七里
声の在りかの感想
自分の思いを言葉にして相手に伝えること、簡単そうで実に難しい。夫と一人息子との三人家族の希和の行動や考えに若かった子育て中の自分を思い出し胸が痛くなった。希和がアフタースクール鐘と要さんに出会え、前向きになれて良かった!
読了日:06月04日 著者:寺地 はるな
めぐりんと私。の感想
移動図書館「めぐりん」シリーズ第2弾!ウメちゃんテルさんのコンビに再び会えて嬉しかった♪
読了日:06月05日 著者:大崎 梢
赤の呪縛の感想
銀座の高級クラブで放火事件が発生。オーナーの女性と容疑者の女が死亡。容疑者とクラブやオーナーとは全く接点がない。捜査にあたる滝上は事件の背後に関係を断った大物政治家の父の影を見つけるが…。父と子の相克がテーマ、だけどこの息子に共感し難い。権力者である父への反発は解るんだけど。
読了日:06月06日 著者:堂場 瞬一
泡の感想
学校に通うことが出来なくなった高校生の薫は、大叔父が営む海辺のジャズ喫茶・オーブフで夏休みを過ごす。シベリア抑留から復員し家族に疎んじられた兼定、従業員の岡田との暮らしは薫の心と体を癒して行く。シベリアからようやく戻れた人たちに切ない仕打ちがあったと言う事実が胸に迫る…。文章が美しく余韻の残る1冊。
読了日:06月06日 著者:松家 仁之
鬼哭の銃弾の感想
22年前に起きたスーパーでの従業員3人殺害事件。未解決の事件に使用された銃の線条痕と一致する銃の発砲事件が。捜査にあたる日向直幸に立ちはだかる元警察官の父・繁の影。ぶっ飛んだ父親には嫌悪感しか…。ストーリーは面白く一気読み。
読了日:06月07日 著者:深町 秋生
草原のサーカスの感想
生真面目な姉と個性的な妹、それぞれ研究者とアクセサリー作家として世間に認められ活躍していたが。。どこかで間違えてしまった二人、不安定な世情、感染症の拡大を絡め、一気読みでした。二人が再生の道を見つけるラストも好み。
読了日:06月08日 著者:彩瀬 まる
紙屋ふじさき記念館 カラーインクと万年筆 (角川文庫)の感想
シリーズ第3弾。お正月の飯田への帰省でおばあちゃんの水引作りに出会えた百花。「結」の心って素敵なことだと感動。てるおばあちゃんが可愛くて最高!カラーインクと万年筆も百花のアイディアが採用され、名前の由来も素敵なものだった。どんどん面白くなるこのシリーズ、次が楽しみです♪
読了日:06月08日 著者:ほしお さなえ
9月9日9時9分の感想
バンコクからの帰国子女・漣は、高校の渡り廊下で一人の先輩に出会い、恋に落ちた。その人は姉の元夫の弟。日本の生活への戸惑い、傷ついた姉への向き合いかた。重く辛い恋と別れ。漣の一途さと成長、ラストまで引き込まれて一気読み。いつまでも記憶に残る1冊。
読了日:06月09日 著者:一木 けい
雨の狩人の感想
今作はヤクザと法の上では一般人で危険な輩、日本とタイを舞台にしたスケールの大きなもの。佐江とコンビを組んだ本庁捜査一課の刑事・谷神、タイで不幸な目にあった娘・プラム。佐江さん、毎回大ピンチハラハラドキドキで一気読み。面白かった、最新作はいつ読めるかな?
読了日:06月11日 著者:大沢 在昌
ミッドナイトの感想
面白かった~!ロシアのスパイ父娘を青森の竜飛岬から東京へ移送する任務に携わる田臥とアサル。父娘を狙う謎の勢力。東北の地理が解る人にはたまらない面白さ!迫力あるカーチェイスや銃撃戦、笠原父娘も登場して嬉しかった。グミジャはこの先どうなるのかな?
読了日:06月12日 著者:柴田 哲孝
雷神の感想
読みごたえのある1冊、久々の道尾さんの長編はタイトルのない序章から一気に引き込まれた。31年前の不幸な出来事から繋がる殺人事件。ラストの一行、「この世には、どんな神様もいない」にガツンとやられた。
読了日:06月13日 著者:道尾 秀介
白医の感想
ホスピスの医師神崎は3人の患者を安楽死させたとして逮捕され、裁判に。神崎を告発した後輩医師の高井、看護師の八城。安らかな死は「安楽死」とは違う。もし、家族が苦しんでいたら?戦争体験の悲惨さ、死刑執行の任を担ってきた元刑務官、遺された家族の気持ち。重くずっしりとした読後感で印象に残る1冊。
読了日:06月14日 著者:下村 敦史
まだ人を殺していませんの感想
タイトルのインパクトもさることながら、心を鷲掴みされる読書時間でした。亡き姉の夫が起こした猟奇殺人事件で甥の良世と暮らすことになった翔子。良世は『悪魔の子』なのか?義兄はなぜ残忍な犯行に及んだのか?翔子と良世の未来に明るさが見えてラストは感動!今年のベスト10入りは確実です。お薦め!
読了日:06月14日 著者:小林 由香
ヴィクトリアン・ホテルの感想
100年の歴史に一旦終止符を打とうとするヴィクトリアン・ホテル。最後の夜を過ごそうと集まる女優、スリ、作家、老夫婦、宣伝マン、そしてホテルマンの岡野。途中で感じた違和感、じっくりと考えて、しかしまんまと策に嵌められた私。こういう下村さんも良かったです!
読了日:06月15日 著者:下村 敦史
緑陰深きところの感想
50年前に愛した女とその娘を兄に殺された三宅紘二郎。ある日1通の絵葉書が届いて、大分日田の兄の元へと…。ようやく手に入れた愛車・コンテッサ、なぜか道連れになった金髪の若者リュウ。不穏な始まりから想像を覆されるラスト。明らかになった過去の真実とリュウのこと。リュウが不治の病と言うのがちょっと陳腐に思えて残念。読み心地は良かったのですが。
読了日:06月16日 著者:遠田 潤子
田舎のポルシェの感想
台風接近中軽トラで岐阜と東京往復、20年物のボルボで還暦過ぎの男二人北海道ドライブ、コロナ渦緊急事態宣言の最中ロケバスで浜松の音楽ホールへ。三編それぞれ面白く、道中のトラブル連発も中々ひねりがあって良かった。ロケバスアリアが好き。
読了日:06月16日 著者:篠田 節子
テスカトリポカの感想
第165回直木賞候補作。メキシコの麻薬カルテルの生き残りの男と元心臓外科医の男がインドネシアで出会う。そしておぞましい臓器ビジネスが。グロいシーンの続出に読んでいてすごく疲れました。クライムノベルが好みの方には楽しめるかと。長くて漢字にスペイン語のルビがあり私には読みにくかったです。
読了日:06月18日 著者:佐藤 究
ケーキの切れない非行少年たち (新潮新書)の感想
話題の新書、ようやく読めました。認知機能に問題のある少年たちが犯罪を犯す、反省を求めても何を反省したら良いのかが分からない。教育が大切なのだと言うことに改めて気付かされました。
読了日:06月18日 著者:宮口 幸治
with you (くもんの児童文学)の感想
最近メディアで目にすることが多くなった「ヤングケアラー」を取り上げた1冊。両親の別居や優秀な兄と比較され家に居場所を無くしたと感じている受験生の悠人と、病気の母を支え幼い妹の面倒をみるヤングケアラーの朱音。爽やかな恋をからめ読み心地は良い‼支援が必要な家庭に必要な支援が届くこと、学校や教師の正しい理解の重要さ。子供にも大人にもお薦めの1冊。
読了日:06月19日 著者:濱野 京子
連鎖感染 chain infectionの感想
2019年9月、千葉県の神宮総合病院に謎の重症患者が。治療にあたる医師や看護師にも次々に感染。そして恐ろしい犯行声明でバイオテロの事実が判明する。人間が作り出した恐ろしい生物兵器に立ち向かう利根川由紀。コロナ渦の今、考えさせられる1冊。面白くて一気読み。
読了日:06月20日 著者:北里 紗月
エレジーは流れないの感想
ちょっと寂れた温泉の町に住む高校生の穂積怜。父は無く二人の母がいる、そして自由奔放な友人たちとの日々。悩み多き怜の日常と愉快な仲間たちとの青春、面白くてちょっとホロリとして、餅湯温泉、良いなぁ♪うん、この町にはエレジーは似合わない。
読了日:06月21日 著者:三浦 しをん
高瀬庄左衛門御留書の感想
第165回直木賞候補作。砂原浩太朗さん、初読み。五十を前にして妻を亡くし一人息子をも不慮の事故で亡くした高瀬庄左衛門は息子の嫁・志穂と絵を描き静かな日々を過ごしていたが、藩の政争に巻き込まれてゆく。庄左衛門の来し方と若き日の出来事が今に繋がる。読みやすくじんわりと余韻のある素敵な1冊。これからも追いかけたい作家さん。
読了日:06月22日 著者:砂原 浩太朗
道をたずねるの感想
平岡陽明さん、初読み。地図を見るのが大好きな私、ゼンリンの住宅地図ももちろん大好き。その創業者たちと息子たちがクスノキに刻んだ誓い。友情・青春・家族の物語であり、お仕事小説としても秀逸。お薦めです。
読了日:06月23日 著者:平岡 陽明
ムーンライト・インの感想
かつてペンションだったムーンライト・イン、オーナーの老人と訳ありの女性3人が住む家に職を失った青年・拓海が留まることに。かおるさんのこれからが気になり、拓海とマリー・ジョイの未来に思いを馳せ、こういうラストも中々良かった。
読了日:06月23日 著者:中島 京子
君と、君がいる彼方 (単行本)の感想
とある家族に起こった痛ましい交通事故。意識不明の男の子と若い女にうつつをぬかす父・夫の不貞に気付き他の男に目を向ける母・いじめに遇い学校に行けなくなった姉。崩壊寸前の家族の前に現れた料理の上手い認知症の老人。ラストの展開は想像の範囲内だったけど心暖まるエンディングに目頭が熱くなった。末浦さん、久しぶり。
読了日:06月24日 著者:末浦 広海
月まで三キロの感想
「八月の銀の雪」でグッと心をつかまれた伊予原さん。気になっていたこの本、想像以上に素敵な1冊。「月まで三キロ」と「エイリアン食堂」が特に印象に残る。「星六花」も雪国に住むものとしては好み。理系は苦手だけど伊予原さんの文章はとても読みやすくて良かった。
読了日:06月25日 著者:伊与原 新
ひきなみの感想
二人の少女が出会う瀬戸内の小さな島、大人になって邂逅する東京。女は男に従うものなのか?息苦しい島の暮らし、上司のハラスメント。重いテーマを圧倒的な筆力で描き切る千早さん、良い作品を読んだ。
読了日:06月26日 著者:千早 茜
星落ちて、なおの感想
第165回直木賞候補作。絵師・河鍋暁斎の娘とよ(暁翠)は5歳から父に絵の手ほどきを受ける。偉大な父の没後才能では太刀打ち出来ない兄への嫉妬、移り行く時代と絵画への評価の変遷、澤田さんの圧倒的な筆致で明治から大正の風物と画壇を取り巻く事情も窺えたが、この物語は河鍋と言う絵の一族を描いた家族の物語と言える。
読了日:06月28日 著者:澤田 瞳子
星影さやかにの感想
宮城県古川の旧家、非国民と言われ精神を病んだ父の真実。尊大で口喧しい祖母、一人家族のために働く母。次男・良彦の視点を軸に綴られる戦中から戦後の物語。古内さんの戦争と平和への思いをしっかり伝えてくれる良書。昭和39年の東京オリンピックを効果的に使っていますね。祖母多嘉子、天晴れな女性でした。
読了日:06月29日 著者:古内 一絵
ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルーの感想
イギリスで元底辺中学校に通い始めた優等生の少年。人種差別、経済格差、思春期の少年らしい悩みやアイデンティティーに悩んだり。どーんと受け止める肝っ玉母さんが素敵で、少年の成長をもっと読んでみたいと思った。知らないうちに相手を傷つけることは多民族社会に限らず起こり得る。私も無知であるが故に人を傷つけていたかもと反省。ブレイディみかこさん、初読み。
読了日:06月29日 著者:ブレイディ みかこ
おれたちの歌をうたえの感想
第165回直木賞候補作。元刑事の河辺のもとにかかってきた1本の電話。「五味佐登志」を知っているか?かつての仲間の死と残された暗号。チンピラの茂田と河辺は40年前の事件の真相を追うことになる。昭和・平成・令和、時代を越えて明かされた真実。学生運動や在日韓国人への差別、離ればなれになった5人組の人生。大作だけどちょっと長い。
読了日:06月30日 著者:呉 勝浩
読書メーター
読んだ本の数:38
読んだページ数:11990
ナイス数:4418
私が誰かわかりますかの感想
リアルな認知症老人の介護を描いた1冊。長男の嫁に押し付けるのは勘弁して欲しい…。「世間体」と「本音」、老いと死の現実、我が身に当てはめて読んでしまった。長生きって幸せなのだろうか。。谷川直子さん、初読み。
読了日:06月01日 著者:谷川直子
いつか あなたを わすれてもの感想
『家族じまい』のもうひとつの物語。孫の目線で祖母・さとちゃんのことを語る。歳をとり、だんだん忘れてゆくことは悲しいだけではない…。「もしも いつかあなたを わすれる日がきても わすれてしまう あれもこれも みんな なかったことでは ないのだから あんしんしてね」いつか忘れてしまう時間を大切に過ごすこと、お年寄りのことをお子さんたちに知ってもらうのに良い絵本。
読了日:06月01日 著者:桜木 紫乃,オザワ ミカ
母を捨てるということの感想
母と娘、何て面倒くさい関係か…。おおたわさんのお母様のことはあさイチで観て衝撃を受けこの本を手に。依存症とは本人より家族が苦しむと言う事実は良く理解出来た。昭和や平成の始めの時代には依存症の治療法が確立していなかったと言う事実にも驚き。
読了日:06月01日 著者:おおたわ史絵
医療ミステリーアンソロジー『ドクターM』 (朝日文庫)の感想
豪華なメンバー8人による医療ミステリー。近藤さん、キリコに会えて嬉しかった!篠田さん、新津さんどちらも面白い‼
読了日:06月02日 著者:海堂 尊,久坂部羊,近藤史恵,篠田節子,知念実希人,長岡弘樹,新津きよみ,山田風太郎
駒子さんは出世なんてしたくなかったの感想
女性が仕事を続けることが如何に難しいか。家族の協力や会社の理解がどこまで得られるか?駒子さんの場合はフリーカメラマンの夫が家事全般を引き受け、ほぼ専業主夫だったから仕事一筋で順調に仕事に邁進出来たが夫が仕事復帰、駒子さんの昇進、一人息子の高校中退が重なり…。サクサク読めて面白かった♪
読了日:06月03日 著者:碧野 圭
転職の魔王様の感想
大手広告代理店を上司のパワハラで辞めてしまった未谷千晴は叔母が経営する転職エージェント会社で新しい職場を探そうとする。CAは魔王樣と呼ばれる来栖嵐。様々な転職希望者と向き合う千晴とクールな来栖。パワハラのシーンは読んでいて胸が痛くなった…。お仕事小説、面白く読了。
読了日:06月03日 著者:額賀 澪
ヒポクラテスの悔恨の感想
物言わぬ死体の声を聞く、浦和医大の光崎教授シリーズ第4弾。高齢者の熱中症、急カーブの山道でのバイク事故、生後5日目の乳児の突然死など。短編集だったのでちょっと残念。
読了日:06月04日 著者:中山七里
声の在りかの感想
自分の思いを言葉にして相手に伝えること、簡単そうで実に難しい。夫と一人息子との三人家族の希和の行動や考えに若かった子育て中の自分を思い出し胸が痛くなった。希和がアフタースクール鐘と要さんに出会え、前向きになれて良かった!
読了日:06月04日 著者:寺地 はるな
めぐりんと私。の感想
移動図書館「めぐりん」シリーズ第2弾!ウメちゃんテルさんのコンビに再び会えて嬉しかった♪
読了日:06月05日 著者:大崎 梢
赤の呪縛の感想
銀座の高級クラブで放火事件が発生。オーナーの女性と容疑者の女が死亡。容疑者とクラブやオーナーとは全く接点がない。捜査にあたる滝上は事件の背後に関係を断った大物政治家の父の影を見つけるが…。父と子の相克がテーマ、だけどこの息子に共感し難い。権力者である父への反発は解るんだけど。
読了日:06月06日 著者:堂場 瞬一
泡の感想
学校に通うことが出来なくなった高校生の薫は、大叔父が営む海辺のジャズ喫茶・オーブフで夏休みを過ごす。シベリア抑留から復員し家族に疎んじられた兼定、従業員の岡田との暮らしは薫の心と体を癒して行く。シベリアからようやく戻れた人たちに切ない仕打ちがあったと言う事実が胸に迫る…。文章が美しく余韻の残る1冊。
読了日:06月06日 著者:松家 仁之
鬼哭の銃弾の感想
22年前に起きたスーパーでの従業員3人殺害事件。未解決の事件に使用された銃の線条痕と一致する銃の発砲事件が。捜査にあたる日向直幸に立ちはだかる元警察官の父・繁の影。ぶっ飛んだ父親には嫌悪感しか…。ストーリーは面白く一気読み。
読了日:06月07日 著者:深町 秋生
草原のサーカスの感想
生真面目な姉と個性的な妹、それぞれ研究者とアクセサリー作家として世間に認められ活躍していたが。。どこかで間違えてしまった二人、不安定な世情、感染症の拡大を絡め、一気読みでした。二人が再生の道を見つけるラストも好み。
読了日:06月08日 著者:彩瀬 まる
紙屋ふじさき記念館 カラーインクと万年筆 (角川文庫)の感想
シリーズ第3弾。お正月の飯田への帰省でおばあちゃんの水引作りに出会えた百花。「結」の心って素敵なことだと感動。てるおばあちゃんが可愛くて最高!カラーインクと万年筆も百花のアイディアが採用され、名前の由来も素敵なものだった。どんどん面白くなるこのシリーズ、次が楽しみです♪
読了日:06月08日 著者:ほしお さなえ
9月9日9時9分の感想
バンコクからの帰国子女・漣は、高校の渡り廊下で一人の先輩に出会い、恋に落ちた。その人は姉の元夫の弟。日本の生活への戸惑い、傷ついた姉への向き合いかた。重く辛い恋と別れ。漣の一途さと成長、ラストまで引き込まれて一気読み。いつまでも記憶に残る1冊。
読了日:06月09日 著者:一木 けい
雨の狩人の感想
今作はヤクザと法の上では一般人で危険な輩、日本とタイを舞台にしたスケールの大きなもの。佐江とコンビを組んだ本庁捜査一課の刑事・谷神、タイで不幸な目にあった娘・プラム。佐江さん、毎回大ピンチハラハラドキドキで一気読み。面白かった、最新作はいつ読めるかな?
読了日:06月11日 著者:大沢 在昌
ミッドナイトの感想
面白かった~!ロシアのスパイ父娘を青森の竜飛岬から東京へ移送する任務に携わる田臥とアサル。父娘を狙う謎の勢力。東北の地理が解る人にはたまらない面白さ!迫力あるカーチェイスや銃撃戦、笠原父娘も登場して嬉しかった。グミジャはこの先どうなるのかな?
読了日:06月12日 著者:柴田 哲孝
雷神の感想
読みごたえのある1冊、久々の道尾さんの長編はタイトルのない序章から一気に引き込まれた。31年前の不幸な出来事から繋がる殺人事件。ラストの一行、「この世には、どんな神様もいない」にガツンとやられた。
読了日:06月13日 著者:道尾 秀介
白医の感想
ホスピスの医師神崎は3人の患者を安楽死させたとして逮捕され、裁判に。神崎を告発した後輩医師の高井、看護師の八城。安らかな死は「安楽死」とは違う。もし、家族が苦しんでいたら?戦争体験の悲惨さ、死刑執行の任を担ってきた元刑務官、遺された家族の気持ち。重くずっしりとした読後感で印象に残る1冊。
読了日:06月14日 著者:下村 敦史
まだ人を殺していませんの感想
タイトルのインパクトもさることながら、心を鷲掴みされる読書時間でした。亡き姉の夫が起こした猟奇殺人事件で甥の良世と暮らすことになった翔子。良世は『悪魔の子』なのか?義兄はなぜ残忍な犯行に及んだのか?翔子と良世の未来に明るさが見えてラストは感動!今年のベスト10入りは確実です。お薦め!
読了日:06月14日 著者:小林 由香
ヴィクトリアン・ホテルの感想
100年の歴史に一旦終止符を打とうとするヴィクトリアン・ホテル。最後の夜を過ごそうと集まる女優、スリ、作家、老夫婦、宣伝マン、そしてホテルマンの岡野。途中で感じた違和感、じっくりと考えて、しかしまんまと策に嵌められた私。こういう下村さんも良かったです!
読了日:06月15日 著者:下村 敦史
緑陰深きところの感想
50年前に愛した女とその娘を兄に殺された三宅紘二郎。ある日1通の絵葉書が届いて、大分日田の兄の元へと…。ようやく手に入れた愛車・コンテッサ、なぜか道連れになった金髪の若者リュウ。不穏な始まりから想像を覆されるラスト。明らかになった過去の真実とリュウのこと。リュウが不治の病と言うのがちょっと陳腐に思えて残念。読み心地は良かったのですが。
読了日:06月16日 著者:遠田 潤子
田舎のポルシェの感想
台風接近中軽トラで岐阜と東京往復、20年物のボルボで還暦過ぎの男二人北海道ドライブ、コロナ渦緊急事態宣言の最中ロケバスで浜松の音楽ホールへ。三編それぞれ面白く、道中のトラブル連発も中々ひねりがあって良かった。ロケバスアリアが好き。
読了日:06月16日 著者:篠田 節子
テスカトリポカの感想
第165回直木賞候補作。メキシコの麻薬カルテルの生き残りの男と元心臓外科医の男がインドネシアで出会う。そしておぞましい臓器ビジネスが。グロいシーンの続出に読んでいてすごく疲れました。クライムノベルが好みの方には楽しめるかと。長くて漢字にスペイン語のルビがあり私には読みにくかったです。
読了日:06月18日 著者:佐藤 究
ケーキの切れない非行少年たち (新潮新書)の感想
話題の新書、ようやく読めました。認知機能に問題のある少年たちが犯罪を犯す、反省を求めても何を反省したら良いのかが分からない。教育が大切なのだと言うことに改めて気付かされました。
読了日:06月18日 著者:宮口 幸治
with you (くもんの児童文学)の感想
最近メディアで目にすることが多くなった「ヤングケアラー」を取り上げた1冊。両親の別居や優秀な兄と比較され家に居場所を無くしたと感じている受験生の悠人と、病気の母を支え幼い妹の面倒をみるヤングケアラーの朱音。爽やかな恋をからめ読み心地は良い‼支援が必要な家庭に必要な支援が届くこと、学校や教師の正しい理解の重要さ。子供にも大人にもお薦めの1冊。
読了日:06月19日 著者:濱野 京子
連鎖感染 chain infectionの感想
2019年9月、千葉県の神宮総合病院に謎の重症患者が。治療にあたる医師や看護師にも次々に感染。そして恐ろしい犯行声明でバイオテロの事実が判明する。人間が作り出した恐ろしい生物兵器に立ち向かう利根川由紀。コロナ渦の今、考えさせられる1冊。面白くて一気読み。
読了日:06月20日 著者:北里 紗月
エレジーは流れないの感想
ちょっと寂れた温泉の町に住む高校生の穂積怜。父は無く二人の母がいる、そして自由奔放な友人たちとの日々。悩み多き怜の日常と愉快な仲間たちとの青春、面白くてちょっとホロリとして、餅湯温泉、良いなぁ♪うん、この町にはエレジーは似合わない。
読了日:06月21日 著者:三浦 しをん
高瀬庄左衛門御留書の感想
第165回直木賞候補作。砂原浩太朗さん、初読み。五十を前にして妻を亡くし一人息子をも不慮の事故で亡くした高瀬庄左衛門は息子の嫁・志穂と絵を描き静かな日々を過ごしていたが、藩の政争に巻き込まれてゆく。庄左衛門の来し方と若き日の出来事が今に繋がる。読みやすくじんわりと余韻のある素敵な1冊。これからも追いかけたい作家さん。
読了日:06月22日 著者:砂原 浩太朗
道をたずねるの感想
平岡陽明さん、初読み。地図を見るのが大好きな私、ゼンリンの住宅地図ももちろん大好き。その創業者たちと息子たちがクスノキに刻んだ誓い。友情・青春・家族の物語であり、お仕事小説としても秀逸。お薦めです。
読了日:06月23日 著者:平岡 陽明
ムーンライト・インの感想
かつてペンションだったムーンライト・イン、オーナーの老人と訳ありの女性3人が住む家に職を失った青年・拓海が留まることに。かおるさんのこれからが気になり、拓海とマリー・ジョイの未来に思いを馳せ、こういうラストも中々良かった。
読了日:06月23日 著者:中島 京子
君と、君がいる彼方 (単行本)の感想
とある家族に起こった痛ましい交通事故。意識不明の男の子と若い女にうつつをぬかす父・夫の不貞に気付き他の男に目を向ける母・いじめに遇い学校に行けなくなった姉。崩壊寸前の家族の前に現れた料理の上手い認知症の老人。ラストの展開は想像の範囲内だったけど心暖まるエンディングに目頭が熱くなった。末浦さん、久しぶり。
読了日:06月24日 著者:末浦 広海
月まで三キロの感想
「八月の銀の雪」でグッと心をつかまれた伊予原さん。気になっていたこの本、想像以上に素敵な1冊。「月まで三キロ」と「エイリアン食堂」が特に印象に残る。「星六花」も雪国に住むものとしては好み。理系は苦手だけど伊予原さんの文章はとても読みやすくて良かった。
読了日:06月25日 著者:伊与原 新
ひきなみの感想
二人の少女が出会う瀬戸内の小さな島、大人になって邂逅する東京。女は男に従うものなのか?息苦しい島の暮らし、上司のハラスメント。重いテーマを圧倒的な筆力で描き切る千早さん、良い作品を読んだ。
読了日:06月26日 著者:千早 茜
星落ちて、なおの感想
第165回直木賞候補作。絵師・河鍋暁斎の娘とよ(暁翠)は5歳から父に絵の手ほどきを受ける。偉大な父の没後才能では太刀打ち出来ない兄への嫉妬、移り行く時代と絵画への評価の変遷、澤田さんの圧倒的な筆致で明治から大正の風物と画壇を取り巻く事情も窺えたが、この物語は河鍋と言う絵の一族を描いた家族の物語と言える。
読了日:06月28日 著者:澤田 瞳子
星影さやかにの感想
宮城県古川の旧家、非国民と言われ精神を病んだ父の真実。尊大で口喧しい祖母、一人家族のために働く母。次男・良彦の視点を軸に綴られる戦中から戦後の物語。古内さんの戦争と平和への思いをしっかり伝えてくれる良書。昭和39年の東京オリンピックを効果的に使っていますね。祖母多嘉子、天晴れな女性でした。
読了日:06月29日 著者:古内 一絵
ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルーの感想
イギリスで元底辺中学校に通い始めた優等生の少年。人種差別、経済格差、思春期の少年らしい悩みやアイデンティティーに悩んだり。どーんと受け止める肝っ玉母さんが素敵で、少年の成長をもっと読んでみたいと思った。知らないうちに相手を傷つけることは多民族社会に限らず起こり得る。私も無知であるが故に人を傷つけていたかもと反省。ブレイディみかこさん、初読み。
読了日:06月29日 著者:ブレイディ みかこ
おれたちの歌をうたえの感想
第165回直木賞候補作。元刑事の河辺のもとにかかってきた1本の電話。「五味佐登志」を知っているか?かつての仲間の死と残された暗号。チンピラの茂田と河辺は40年前の事件の真相を追うことになる。昭和・平成・令和、時代を越えて明かされた真実。学生運動や在日韓国人への差別、離ればなれになった5人組の人生。大作だけどちょっと長い。
読了日:06月30日 著者:呉 勝浩
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