7月は外出が少なくて、家にこもって読書三昧。
おそらく、過去最多かな?
イチオシは「紙つなげ!彼らが本の紙を造っている」佐々涼子さん著
本屋大賞受賞作、村上海賊の娘上下も読了しましたが、これは
ちょっと期待したほどでも…。
2014年7月の読書メーター読んだ本の数:54冊
読んだページ数:16706ページ
ナイス数:4776ナイス
十字架 (100周年書き下ろし)の
感想14歳の男子中学生の自殺。彼が遺した遺書に名前を記された少年、少女。重くて辛い十字架を背負った彼らのその後の人生。20年の時が経ち、彼らが親となり分かる心情もあり、切なかった。少年少女、そして親の気持ち、重松さんならではの小説ですね。お勧めです。
読了日:7月31日 著者:
重松清
獄の棘 (単行本)の
感想新米刑務官「武島良太」は、自分と1歳しか年齢の違わないキャリア上司の看守長から、刑務所内の不穏な動きを探るように依頼を受ける。賭けごと、イジメ、刑務官同士の軋轢。閉鎖社会である刑務所内部の、様々な出来事をよく描いていると思います。あまりこの職業に気乗りのしなかった良太が、先輩秋村たちとの関わりを経て、成長して行くのが良かったです。大門さんの作品の中でも好きなほうです。
読了日:7月30日 著者:
大門剛明
前へ!―東日本大震災と戦った無名戦士たちの記録の
感想あの時、現場で何が起こっていたのか?あらためて文章を読むと、無責任な東電と、その場しのぎの官邸という構図が見えてくる。命がけで戦った自衛隊、消防、警察、国土交通省東北整備局の皆さんと協力企業の皆さんに、心から感謝したい。震災を風化させないためにも、大勢の人たちに読んでもらいたいですね。
読了日:7月30日 著者:
麻生幾
明日のマーチの
感想山形県鶴岡市の工場団地で派遣労働者として働いていた4人が、派遣切りに遭い、徒歩で東京を目指すことになる。ブロガー伸也が「明日のマーチ」と名付け、4人の旅をアップしたことで大きな注目を浴び、思わぬ大きな力が彼らを飲み込んで行く。4大を卒業して就活に失敗した陽介、中国残留孤児の3世豊泉、過去に大きな過ちを犯した修吾。個性の違う4人の、歩き始めたきっかけは違ってもいつしか心を通わせてゆく過程が良かった。年越し派遣村をちょっと連想した。
読了日:7月29日 著者:
石田衣良
ガソリン生活の
感想うふふって、思わず笑ってしまえるような、車同士の会話。望月家の愛車、緑のデミオとその家族が巻き込まれた事件。車をもっと大事に扱ってあげたいと思いますね。我が家のフィットはお隣の車と何を語らっているのかしら。地元なので知っている地名なんかが出て来て、思わずニッコリ。図書館でも大人気で、リクエストしなかったけれど1年ちょっと待って手に出来ました。亨が賢くて、さらにエピローグのサプライズがGood!
読了日:7月29日 著者:
伊坂幸太郎
ひこばえに咲くの
感想青森のゴーギャンともよばれ、沢山の絵を産みだしながらも、売るための絵ではないと土蔵の中に収蔵されていたその絵と出会った一人の画廊経営者。彼をオヤブンと呼び、支え続けた一人の女性。とても読み応えがあり、面白かったのですが、画廊経営者香魚子の恋愛の話は少し邪魔なような気がしました。フクさんの若き日の百合子さんとの話がとても印象に残り、それだけでも別な物語として読んでも良いかと思われます。土蔵の美術館、いつか行ってみたいです。
読了日:7月27日 著者:
玉岡かおる
夜な夜な短歌集 2014年春号の
感想春号も読ませていただきました。なんて素敵な春でしょう。三十一文字の文学、これからも楽しみにしています。みなさん、表現力豊かだなぁ、感心しきり。
読了日:7月27日 著者:
masaレイmomonga華雪せんむJune
水の城―いまだ落城せず 新装版 (祥伝社文庫)の
感想「のぼうの城」で超有名になった、武州忍城の水攻め。こちらは同じ戦をテーマにした風野さんのもので、こちらも良かったです。この方の本は文章が読みやすく、歴史が苦手な人でも読みやすくて好きです。成田長親、石田三成を比較対照して読み進めることも出来て楽しい読書になりました。
読了日:7月27日 著者:
風野真知雄
夜な夜な短歌集 2014年夏号の
感想みなさんの素晴らしい表現力に感動しました!夏を堪能させていただきましたよ。ありがとうございました!
読了日:7月26日 著者:
雪JuneseriせんむnonたんSage七色一味新地学tetsuyamomonga華レイmasa
東京ロンダリングの
感想原田ひ香さん初読み。大都会東京の賃貸物件で、死者が出た部屋を事故物件という。そんなワケありの部屋に短期間住まい、事故などなかったことにする、部屋の「ロンダリング」をして生活せざるを得なくなったりさ子。谷中の乙女アパートに入居してからの展開が面白く、ラストも良かった。44階の超高級マンション、出入りまで監視されるような生活は、私なら絶対したくないなあ。いや、そもそもご縁がないでしょうけど。面白かったです。他の作品も読んでみたいですね。
読了日:7月26日 著者:
原田ひ香
珈琲屋の人々の
感想人を殺めて刑期を終えた行介が営むのは、父が遺した喫茶店「珈琲屋」。バブル崩壊後の商店街にたたずむ古びたこの店にやって来る人々は、何かしら心に闇を持つ。ただ、作中の女性たち、冬子と島木の妻久子以外共感出来る人、ほとんどいません。和菓子屋の娘省子はまあまあ。行介の入れてくれる熱いコーヒー、飲んでみたいです。
読了日:7月26日 著者:
池永陽
ばくりやの
感想「ばくる」とは交換すると言うこと。人には理解されがたい特殊な能力を持つ人のもとに、「ばくりや」から案内が届く。間の悪いと思った女性が、実は強運の持ち主だったという「ついてなくもない」が面白かったです。人にはない能力、憧れるけども、やっぱり平凡なのが良いですね!
読了日:7月25日 著者:
乾ルカ
鯖猫(さばねこ)長屋ふしぎ草紙の
感想オスのしま三毛「サバ」と、元盗人で今は猫絵師の拾楽。ワケありの男が曰くつきの長屋に住まい、周りで巻き起こる謎を解く。サバが賢くて可愛くて、猫好きにはこたえられません(笑)成田屋のダンナが良い味で、こちらも良かった。犬の「アジ」、泣かせますね。
読了日:7月25日 著者:
田牧大和
蜂蜜秘密の
感想素敵なファンタジーでした。文明からかけ離れた「ポロウ」の村の農学校に、一人の転入生がやって来て。彼、レオは特別の使命を帯びて…。あぁ、美しいポロウの村、そして蜂蜜を食べたくなりますね!
読了日:7月24日 著者:
小路幸也
キサトアの
感想風のエキスパートの父、色がわからない6年生の兄アーチ、1年生のキサとトアの双子の姉妹は日の出と日没を境に目覚めそして眠る。この家族を中心にどこか不思議な海辺の町の物語。コラムニストのY・S氏(笑)登場人物もほとんどが良い人でさらりと読めました。「僕は長い昼と長い夜を過ごす」をちょっと思い出してしまいました。
読了日:7月23日 著者:
小路幸也
月は怒らないの
感想ヒロイン恭子はとある市役所の窓口に勤める女性。同時に3人の男と付き合い、晴れた日曜日には公園のベンチの老人と会話する。恭子の内面がどうなっているのかと読み進めましたが、はっきり彼女の過去は明かされていません。でも、ハッピーエンドなので、読み心地はまずまず。
読了日:7月23日 著者:
垣根涼介
少年たちの贖罪: 罪を背負って生きるの
感想犯罪を犯した少年を精神科の医師としてサポートする女性の著作。とかく手厚く保護されていて、人権が守られていると批判を受ける立場の加害少年たち。彼らが何故犯罪を犯したのか、家庭環境や発達障害など同乗される部分も多いとは思いました。しかし、被害者たちの望みは「原状回復」。相手の命を奪った場合はそれは叶わないこと。被害者のみならず加害者の家庭も大きく傷ついてしまうと言う現実。読んでいて、辛くやり切れない気分になりました。贖罪、重い言葉です。
読了日:7月23日 著者:
青島多津子
紙つなげ! 彼らが本の紙を造っているの
感想本を愛するすべての人にお勧めします。未曾有の震災で壊滅的なダメージを受けた日本製紙石巻工場、日本の出版書籍の4割を生産するこの工場の再生は、出版会の未来と日本製紙の社運、そして石巻の地域経済のために、どうしても成し遂げなければならなかった。図書館で借りて読了しましたが、この本は手元に永久に残しておきたいので購入します。巻末の『本書売り上げの3%を、公益社団法人全国学校図書館協議会を通じて、石巻市の小学校の図書購入費として寄付いたします』、もちろん喜んで協力させていただきます!
読了日:7月22日 著者:
佐々涼子
末裔の
感想絲山さん、初読み。何とも不思議なお話でした。妻を亡くし、子供たちも独立し、歳老いて認知症になった母親を施設にあずけている地方公務員の省三。ある日仕事を終えて家に帰ると、あるべき場所に鍵穴が無くなっている…。誰もが誰かの末裔であることを思い起こさせてくれますね。物語の終わり方も中々好みでした。他の作品も読んでみたくなりました。
読了日:7月22日 著者:
絲山秋子
家族写真の
感想様々な家族を描いた7編。表題の「家族写真」が一番良かったですね。「しりとりの、り」、こちらも中々笑えました。ロングドライブでのしりとり、我が家もよくやったなあと懐かしく思い出したり。「肉村さん一家176㎏」もダイエットあるあるネタで思わずニヤリ。
読了日:7月22日 著者:
荻原浩
巨鯨の海の
感想江戸から明治にかけての和歌山県太地町の捕鯨の物語。命がけで鯨と戦う男たちの姿、人力で小さな船をこぎ、銛を投げ、網に追い込む。とどめを刺すのは大剣、潮目を読み、天候を見極め、鯨の全部の部位を無駄にしない日本古来の捕鯨の歴史を学ばせてもらいました。この時代、生まれおちた場所で生きるために、嫌でも捕鯨に関わらざるを得なかった太蔵を描いた「訣別の時」が一番印象に残りました。
読了日:7月21日 著者:
伊東潤
図書室のキリギリスの
感想私は読書が好きだったのに、中高生時代は学校の図書館をほとんど利用していませんでした。詩織さんのような司書さんのいる図書館なら、連日のように通いつめてしまうかもしれませんね。本に興味のなかった大隈くんが、星野道夫さんの本をきっかけにどんどん本好きになって行く姿が良かったですね。
読了日:7月20日 著者:
竹内真
ひかりの魔女の
感想真崎家に同居することになった「ひかり」おばあちゃん。真崎家の長男で浪人生光一の視点で語られる家族の再生物語。85歳のひかりさん、元書道の先生として教え子に慕われるその人となり、こんな素敵なおばあちゃんになってみたい、逢ってみたいと思いました。お勧めします。
読了日:7月20日 著者:
山本甲士
裁きの鐘は(下): クリフトン年代記 第3部 (新潮文庫)の
感想上巻での法廷劇、そして息詰まる選挙の戦いを終え、下巻の主役はセバスチャン。親友の父親のとんでもない陰謀に巻き込まれて、何とか切り抜けたと思いきや…。ハリーとエマは、何故にドン・ペドロの正体を息子に告げないの?いや、告げてしまったら次へのお話が続かないか。また4巻が刊行されるまで楽しみに待ちますかねぇ。
読了日:7月19日 著者:
ジェフリーアーチャー
裁きの鐘は(上): クリフトン年代記 第3部 (新潮文庫)の
感想前巻の気を持たせる終わりから、ちょっと間があいたのが残念。でも、読み始めたら一気に集中して入り込めました。バリントンの男って…(笑)エリザベスお母さんの正しき眼力、さすがですね。下巻に進みます!
読了日:7月19日 著者:
ジェフリーアーチャー
ことりの
感想小鳥を愛した一人のおじさん。言葉の不自由な兄(ぽーぽー語なる、弟である彼にしか通じない)と二人の生活を長く続け、兄亡きあとは図書館で鳥の本を読み、幼稚園の小鳥の世話をして。世間の人が彼のことを誤解したのは悲しかったですが、静かな時が流れゆく小川ワールド、じっくり堪能させてもらいました。
読了日:7月18日 著者:
小川洋子
アップルソング (一般書)の
感想終戦直前の岡山で、米軍の空襲による爆撃の瓦礫の中から救い出された一人の女児。やがて太平洋を渡った彼女は報道カメラマンとして生きることになる。彼女が報道カメラマンとして生きた軌跡は日本の戦後史そのもの。一枚の写真、有刺鉄線から彼女が捉えた人間の愚かさと欲望。美しさを求めてカメラを手にした彼女が何故に憑かれたように紛争の地へ赴いたのか。炎の中から生まれやがて炎の中でその生涯を閉じた鳥飼茉莉江、美和子と彼女のつながりに涙が出ました。これはお勧め、沢山の人に読んで欲しい本ですね。
読了日:7月18日 著者:
小手鞠るい
村上海賊の娘 下巻の
感想下巻はただ一人決意を秘めて敵陣に挑んだ景の姿が格好いい!眞鍋海賊との戦いぶりも凄まじく、スピード感のあるストーリー展開は読みごたえがありました。登場人物では、七五三兵衛が魅力的、そして弟景親がどんどん男らしくなって行くのが良かった。鬼手、恐るべし。本屋大賞受賞、おめでとうございます!