12月、とても充実した読書ライフでした。
特に印象に残った作品は、直木賞の候補になっている恩田陸さんの
「蜜蜂と遠雷」同じく候補作の須賀しのぶさんの「また、桜の国で」
あとは、発刊を楽しみに待っていた宮部みゆきさんの三島屋シリーズ
第4作目の「三鬼」、柚月裕子さんの「慈雨」。
先回の芥川賞候補作だった山崎ナオコーラさんの「美しい距離」。
小川糸さんの「ツバキ文具店」
どれも素晴らしい作品なのでお勧めです♪
2016年12月の読書メーター読んだ本の数:50冊読んだページ数:15470ページナイス数:5970ナイス
虚像の道化師 ガリレオ 7の
感想眩惑す・心聴る・偽装う・演技るの4編。湯川さんの冴えた頭脳でこの作も読ませます。個人的には「眩惑す」と「心聴る」が好きでした。でも、やっぱり長編で読みたいなぁ。読了日:12月1日 著者:
東野圭吾海は見えるかの
感想東北の沿岸部の町へ赴任した小野寺徹平。震災から2年目の学校でのあれこれ。生徒や教員の深刻なPTSDや家族の新しい決断、町の復興と心の復興。ここに書かれていることがすべてではないと思いますが、普通に暮らせる日々が訪れたらいいな。。読了日:12月1日 著者:
真山仁コクーンの
感想1995・3・20、カルト教団・シンラ智慧の会が無差別テロを起こした。その宗教の始まりは1958年に一人の女が呪われた子を産んだことから。シンラに関わったために人生を歪められた人、ifで語られる別の世界。読み心地は良くありませんが、印象に強く残る1冊になりました。読了日:12月1日 著者:
葉真中顕給食のおにいさん 浪人 (幻冬舎文庫)の
感想自分のお店を持ちたい、そのためにホテルで修業したいという佐々目の思いと裏腹に、まだまだお嬢様学校中学部で給食づくりと食育に関わることに。お嬢様たちの面倒なこと!給食を一生懸命作ってくれたのに食べられなくなった時は腹立たしかったです。フードロスのことを教えても、この白蘭のお嬢さんたちには理解できないでしょうね…。佐々目の夢が叶うのはいつの日か。読了日:12月2日 著者:
遠藤彩見上流階級 富久丸百貨店外商部IIの
感想百貨店外商部、一般庶民にはご縁のない世界ですが、そういうものを垣間見ることが出来るのが小説の世界。鮫島静緒の奮闘記は一段とパワーアップして面白かった。続き、読みたいですね! 読了日:12月4日 著者:
高殿円女子的生活の
感想女子力の高いみきに驚きです。私が仮に40年若い女性だったとしても、みきには敵わない(笑) 後藤君がいい奴でみきは幸せなのかも?!読了日:12月4日 著者:
坂木司すみなれたからだでの
感想8つの短編。表題作が一番好きです。海辺の祖母の家で夏休みを過ごす高校生の幼なじみと年上の人妻への想いを描いた「銀紙色のアンタレス」も清々しくて好き。読了日:12月5日 著者:
窪美澄クランクインの
感想あ~面白かったです!ベストセラー小説を映画化することを命ぜられた広告代理店の根本。やっかいな作家先生の扱い、映画化にあたっての苦労談などなど。ラストの思わぬ展開もまたびっくり!楽しんで読了しました。読了日:12月5日 著者:
相場英雄メビウス1974の
感想主人公・下山英二と私は同年齢。あの時代を生きた人間ではあるけれど、当時18歳の大学1年生がここまで過激派に肩入れしていたのか、少し疑問が残る。しらけ世代も還暦を過ぎたけれど、この作品には共感も感動もなし。久美子の潔さが小気味良く思えるのは、私が女だからかな? 読了日:12月6日 著者:
堂場瞬一遠くの声に耳を澄ませて (新潮文庫)の
感想12の物語。ゆるくつながりあう部分もあり、どの作品も良かったです。中でも農家のおじいちゃん・おばあちゃんの「アンデスの声」、嫁ぐ又従姉妹に足袋を届ける「白い足袋」が好き。読了日:12月6日 著者:
宮下奈都慈雨の
感想かつて刑事だった神場は、定年後妻と共に四国へお遍路の旅に出る。罪悪感の残る16年前の幼女殺害事件と酷似した事件の発生に、後輩刑事緒方へのアドバイスという形で関わってゆく。刑事としての責任の取り方、妻・香代子への感謝、娘の出生のこと。刑事ものでもあり、家族愛の物語でもあり、とても読後感の良い1冊です。お勧め!読了日:12月7日 著者:
柚月裕子美しい距離の
感想読友さんのお勧め本。初読みの作家さんです。癌に冒された妻を見つめる夫のまなざし、深い愛情に落涙です。病んでいる人や家族にかける言葉、悪気が無くても知らずに傷つけてしまっているかもしれない。この夫のような人に看取られて最期を迎えた奥さんは、きっと幸せだったと思いました。素敵な本を勧めて頂いて感謝です。読了日:12月7日 著者:
山崎ナオコーラ望みの
感想思春期の息子を持つ、建築家の石川一登。9月の連休中に高校生の息子が帰宅しなかった。時を同じくして息子の友人が殺害され、息子とも連絡がとれなくなる。息子が事件に関わった可能性、加害者であるのか、それとも被害者なのか。息子を信じたい、家族の「望み」とは。とても引き込まれて読了しました。これは雫井さんの作品の中でも、かなり上位に位置する作品です。お勧め!読了日:12月8日 著者:
雫井脩介女王さまの夜食カフェ - マカン・マラン ふたたびの
感想シャールさんが戻って来た!居場所のない派遣OL・芽の出ない漫画家・子育てに悩むタワーマンション主婦・娘の進路変更に戸惑う中学教師。マカン・マランで体と心に優しい夜食を食べ、シャールに悩みを打ち明ければ、みんな良い方向に向かいそう。七種うどん、冬至に作ってみようかな~。読了日:12月8日 著者:
古内一絵([ん]1-9)明日町こんぺいとう商店街3 (ポプラ文庫)の
感想大好きなこんぺいとう商店街の第3弾。青谷さん・秋山さん・加藤さんは初読みです。マスコットのうさぎが大活躍の「カフェ スルス」、「エステ・イン・アズサ」「明日の湯」、猫目線の「ブティックかずさ」が良かったです。あと5店、いつ刊行されるかな?楽しみに待ちたいですね。不倫ものは苦手です。読了日:12月9日 著者:
大島真寿美,越谷オサムシャルロットの憂鬱の
感想元警察犬でジャーマンシェパードのシャルロットは、見た目は強面だけど、心根の優しい女の子。身の回りに起こる様々なことをシャルロットと飼い主夫妻が解決する。これはシリーズになりますよね?!シャルロットにまた会いたいので是非シリーズ化して欲しいなぁ。読了日:12月9日 著者:
近藤史恵清十郎の目の
感想昭和初期の貧しい東北の農村の現実を、圧倒的な筆致で描く、吉村さんらしい骨太な作品。みなしごの清十郎、身売りされた娘・桔梗。ガツンと心に残る1冊です。読了日:12月10日 著者:
吉村龍一ツバキ文具店の
感想読み終えて、いつまでも余韻に浸っていたいと思いました。厳しい祖母との暮らし、代書屋という商いや祖母への反発。思いがけず代書屋を継ぐことになり、戸惑いながら動き出した雨宮鳩子。鎌倉の四季や行事、ツバキ文具店を訪れる依頼人とのやりとり。周囲の人たちが温かい!今年読んだ本の中でも上位です。お勧めします。読了日:12月11日 著者:
小川糸サーモン・キャッチャー the Novelの
感想あー面白かった!深く考えず、さらりと読めて楽しい!伊坂幸太郎さんっぽい感じ。ヒツギム語が楽しすぎて、何度も吹き出しました。「マッサコ・モータイ」「シッゲル・ムーロイ」あと色々。読了日:12月11日 著者:
道尾秀介ウエンカムイの爪の
感想カメラマン・吉本は、夏の北海道でヒグマと遭遇するが、突然現れた不思議な女性に窮地を救われた。一年後、再会した彼女と、幻のヒグマ・ウエンカムイを追う。大自然の中で生きる野生の獣、熊谷さんのデビュー作。読了日:12月11日 著者:
熊谷達也死刑のための殺人: 土浦連続通り魔事件・死刑囚の記録の
感想死刑になりたいから人を殺した。この自己中心的な犯人に憤りを感じたと同時に、なぜこのような人物が出来上がったのか、彼の家庭環境に興味をもったので手にした1冊。父親も母親も、子育てを誤ったとしか思えません。被害に遭われ、何の落ち度もないのに命を奪われたり心と体を傷つけられた皆さんのことを思うと言葉も出ない。丹念に犯人のもとを訪れ、文章にまとめた記者の努力には敬意を表します。読了日:12月12日 著者:
読売新聞水戸支局取材班ギブ・ミー・ア・チャンスの
感想何だかなぁ、の1冊。合わないので斜め読みしてしまいました。「冬燕ひとり旅」「アテンションプリーズ・ミー」は、結構面白かった。読了日:12月12日 著者:
荻原浩トコとミコの
感想昭和2年、六苑伯爵家令嬢の燈子と使用人の娘美桜子は出会う。英国生まれの令嬢に日本語を教えることを目的に、遊び相手として。戦中・戦後、米軍による接収や華族制度の廃止、二人を取り巻く環境の変化。ミコの賢さと逞しさ、トコのしなやかさと芯の強さ。ラストも素晴らしく、素敵な1冊でした。読了日:12月13日 著者:
山口恵以子タイムマシンでは、行けない明日の
感想16歳の11月29日土曜日、その日に戻れたら、長谷川さんは死ななかったことになる。タイムマシンで過去を変えることが出来たら?畑野さんのSF小説、ちょっと切なくて胸がキュンとする恋愛もの。良かったです!読了日:12月13日 著者:
畑野智美蜜蜂と遠雷の
感想国際ピアノコンクールを舞台にした、若きピアニストたちの物語。圧倒的な音楽の描写、まさに脳内で音が響き渡るような感覚でした。読み終えるのが惜しくなるような、引き込まれる読書を堪能しました。これはお勧め、恩田さんの代表作と言っても間違いないと思います。読了日:12月14日 著者:
恩田陸痣 (文芸書)の
感想妊娠中の妻を殺害され、無気力になった刑事・真壁は、退職の日を指折り数えて待つ日々だった。そこで直面した連続殺人事件、被害者の胸には小さな赤い傷が。亡き妻の胸の痣と酷似した傷の謎、犯人は事故死したはずなのに、何故?野犬と呼ばれた刑事の本能で、真犯人を追う真壁。気弱な後輩・宮下とコンビを組み、事件の解決を図る。これは面白かったです!真壁・宮下で是非ともシリーズをお願いします。読了日:12月15日 著者:
伊岡瞬内通者の
感想千葉県警の結城は汚職事件の内偵捜査中に妻が急死、離れて暮らす大学生の娘とは意志の疎通がない。情報提供者に感じた違和感から、娘・若葉を巻き込んだ後半に向かっての流れは、一気に引き込まれました。犯人、大人になりきれなかったのか。読了日:12月16日 著者:
堂場瞬一錠前破り、銀太 (講談社文庫)の
感想蕎麦以外の品が人気の「恵比寿蕎麦」の店主・銀太と、遊び人の弟・秀次、幼なじみの同心・貫三郎が、力を合わせて悪と対峙する。女錠前師のお緋名さんと猫の大福登場♪楽しく読了しました。でも、悪の真打ちはやっつけて居ないので、これはシリーズになる?楽しみに待ちたいです。 読了日:12月16日 著者:
田牧大和リバース (幻冬舎文庫)の
感想恐怖のストーカー女・リカ誕生。雨宮家に住み込みの家政婦として働く幸子が、長野の神父に当てた手紙で綴った異様な日々。真相にたどり着いた時は・・・。読了日:12月16日 著者:
五十嵐貴久誤審の
感想父が冤罪で投獄され、最高裁で無罪が確定した。その間に妻と長女は自殺し、次女は失踪、事件当時小学生だった三女は看護師として緩和病棟で働く。そこに一人の男が入院してきて、物語が一気に動く・・・。後半は、この男のゲスさと、そこまで死にかけている人を痛めつける?とも思ったけれど、人生を狂わせられた人の気持ちは想像出来ます。真犯人にはビックリです。読了日:12月17日 著者:
麻野涼時の誘拐の
感想大阪府知事選挙の予定候補者の一人娘が誘拐された。犯人グループからの指令で、一人の若者が身代金の受け渡し役になるが…。途中で戦後の大阪での連続殺人事件や、冤罪事件などが絡み、やや読みにくくて時間がかかりました。トリックの扱いも分かりにくかった。過去パートが二段組み!更にスピードダウンでした(笑)読了日:12月18日 著者:
芦辺拓校閲ガール トルネードの
感想憧れのファッション誌に異動した悦子。半年間の激務で気付いたことは?ドラマを見た後なので、悦子=石原さとみちゃんになってしまいました。25歳の悦子、これからも恋と仕事にまい進してほしいな。面白かったです!読了日:12月18日 著者:
宮木あや子くらべる東西の
感想読友さんの感想から手に取った1冊です。確かに東と西は違うのですね~!いなり寿司・桜餅・玉子サンド・ちらし寿司・ひなあられ・ぜんざい、そして七味唐辛子も!面白く読みました。探せばもっともっと出てくるのかも?読了日:12月18日 著者:
おかべたかしストーカー加害者:私から、逃げてくださいの
感想なぜ、ストーカーになるのか?3人の例をあげながら、著者がインタビューをしてまとめ上げた一書。被害者は守られるべきことは当然ながら、警察任せで警告を発するという対策だけではダメなのだということがよくわかりました。執着型・求愛型・一方型、どれも怖いけれど、一例目の女性が特に恐ろしかったです。幼いころからの教育が大切とのこと、納得です。読了日:12月19日 著者:
田淵俊彦,NNNドキュメント取材班革命前夜の
感想バッハに憧れ、その音を求めて、東ドイツ・ドレスデンの音楽大学に留学した眞山柊史。1989年、その国には大きく変化する兆しが。対照的な二人の天才ヴァイオリニストや、ヴェトナムや北朝鮮からのピアノ留学生たち。美しく謎めいたオルガン奏者・クリスタ。歴史が動くその時を音楽を通して描いた傑作!読了日:12月20日 著者:
須賀しのぶセイレーンの懺悔の
感想一人の女子高生が誘拐され、悲惨な遺体として発見された。事件を追う帝都テレビの記者たち。スクープ合戦、被害者・加害者双方の関係者に容赦なくマイクを突き付け、人の不幸を面白がるのがマスコミ?犯人は予想通り、人を見る目を養っておけ、とあの女性に言いたいですね。犯人扱いされた女子高生は気の毒すぎる…。宮藤刑事、格好良かった!読了日:12月21日 著者:
中山七里