気の向くままに

山、花、人生を讃える

ああ、懐かしい青春の一齣よ

2018年12月21日 | その他

世の中には、じっとしているのが苦手で、何かをしていないと落ち着かないという人がいる。
ところが、私は「忙しい」というのはどうも苦手だ。自分の気持ちの中にはいつも、のんびりどこかへ出かけたい、のんびり散歩したい、ゆっくり本でも読んでいたい、、ゆっくり温泉にでも浸かっていたい、という「ゆっくりしたい」という気持ちがある。

 

ところが現実は何かと用があって、いつも気ぜわしい気がしている。本当はこんな程度では忙しいうちに入らないのだろうが、ゆっくりしたいという気持ちとのギャップがあるから、気ぜわしく感じているのかもしれない。

 

仕事で船に乗っているときは、早く仕事をやめてのんびりしたいと思っていたが、今思えば、船に乗っているときは仕事の事だけを考えていればよかったのだから、仕事のとき以外は案外のんびりしていて良かったのかもしれない。

 

先日の夜、テレビのスイッチを入れたら、歌謡番組がやっていた。少し見ていたら、かつてのアイドル歌手、麻丘めぐみちゃんが「私の彼は左利き」という歌をうたうシーンがあり、とても懐かしくなり、懐かしさに引きずられ、ずるずるとその番組を最後まで見てしまった。
(コマーシャルのある民放を、生で最後まで見るのはまずないことだが)

 

外国の港を出港して日本に向けて走り始めると、誰もが、まるで恋人に逢える日を楽しみに待つように、日本の港に着くのが待ち遠しくなる。そして、日本的情緒、日本的なもの、日本の匂いのするものが無性に恋しくなってくるのだが、わたしがまだ若かったその頃、航海中は朝と夜の8時~12時の当直に入っていた。そして、夜の12時に当直を終えた後、夜食を食べながらよく見ていたのが、娯楽として会社が支給してくれるビデオに録画された歌謡番組たった。それによく出ていたのが、

 

   わたしの、わたしの彼は 左利き~    だったのである。

 

それともう一つ、印象に残っているのが桜田淳子の

 

   ようこそここへ くっく くっく 私の青い鳥~

 

という歌だった。他にどんな曲があったのかまったく覚えていないが、この2つだけは不思議とよく覚えている。夜食を食べながらそれを見ていた時のことや、どんな気持ちで見ていたか、思い出すとその気持ちまで蘇って来るように覚えている。

 

「ああ、日本では今こんな歌が流行っているんだな。華やかで楽しそうだな」という気持ちだ。
見ている自分も、青春を感じ、楽しく華やかな気分になりながら、日本に着くまで毎晩のように見ていて飽きることはなかったのである。

 

そして、その歌声を聞くと、その頃が懐かしくよみがえってくるのである。

 

 ああ、懐かしいわが青春の一齣よ!  である。

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