SASHIY エイガニッキ

メモ書きです、遊び心です、それでも、力です、どこにも、どちらにも、収まりつかない、思いです、可能性です、

SASHIY エイガニッキ

2016-07-25 21:35:39 | 日記

ⅩⅩⅩⅩⅡ「魔術師」を観る聴く  
 丘の上に止まっている馬車、ロングショット、光と影が素晴らしい、丘の黒、空の白、佇む人々の黒い姿、食事する一座のボス、穴を探り木の根だろうか、やたらと袋に詰め込むめがねの老婆、離れて立つ黒ずくめの男と女、青年の格好の女、詰まりは男二人の姿として、そして御者、馬車に乗り込み彼らの旅がまた始まる、黒ずくめ男の表情、無言、揺れ行く馬車、霧の中、光が零れて漏れ光る、林の中、美しさ、馬車の中のボス、老婆、そして、男と青年、いや女、御者が止めて慌て御者台から車の中に、得たいのしれない声が聞こえると、幽霊、魂、黒ずくめの男が林の中、泥濘の中に、一人の男が倒れている、瀕死、馬車に連れ来たって、彼は直に死ぬのだと、本を読む青年、何の本だろうか、詩、死、不安、科学者、呪い師、黒ずくめの男とは誰、何、こんな一座を取り持つボス、一座とは何、馬車に連れて来られた男は役者と語っていたが、結局そのままに死してしまう、こうして辿りついた役人の屋敷、州境なのだろうか、国境だろうか、窓から手を振る娘たち、役人たちの取り調べ、医師、役人、市長、彼らは、近代化の最中の人、どこか傲慢で、科学と理性の時代、全てが知性に依って解決されるとばかり、曖昧な、いかがわしい一座の催しにどこか冷たい態度、何とか取り入ろうとするボス、斯くて、男と男装の娘が問いかけられて、無言の男、語れないのたと青年、医師が男の首と頭を捻り様子を見るが、どこにも異常は見当たらないがと、役人たちは、芝居ならば良いが、魔術など、いかがわしい事は許さないのだと、そこに現れた屋敷の役人の妻、美しい妻、黒ずくめの主人公の男と目が合い、惹かれて、ボスの巧みな言葉でどうにか舞台が可能に、斯くて、一座はこの地に止まることに、しかし、食事は役人らとは別だと、厨房で使用人たちと共に、使用人の娘たち、ボスは娘とその母親か、女たちに媚薬を唆す、巧みに語りかけるのはいつものこと、惚れ薬なのだ、これで全てはあなたの思いのままだと、恋する男を手に入れられると、娘らでは無く、惹かれる夫人が先に買い取る、もっと売れそうだとボス、めがねの老婆に他に薬はと、猫いらずが出されて、これは危ないよとボス、が、平然としている老婆、斯くて、この薬は一人の使用人の青年に、これが、科学の時代の現実、愚かしい人々の色恋の世界、憧れ、夢世界、薬草なのか、毒薬か、目がね老婆の采配とは、屋敷の夫人は主人公を誘う、深夜に部屋を尋ねてと、夫人は娘を失って、以来癒やされること無く、相談に乗って欲しいのだと、聴き入るばかりの主人公、が、この様子を影から観て聴いている役人、深夜、雷、恐怖、こんな屋敷の中に、亡霊か、男が、厨房に現れて酒を盗み、屋敷の中に、戦きの御者と使用人の青年、男は屋敷の中で倒れ込む、馬車に連れ来られた役者だった、今だ死せずに、生きていた、芝居だったか、しかし、何が、死が芝居とは、今漸くに死、だが、真だろうか、初めから亡霊だったのかも知れないが、見詰める主人公、皆が不安の最中に、理性は、魂はどこに、娘たち、夫人、使用人、御者、かくて主人公は夫人の部屋に、誘い語る夫人、妻は夫には薬を飲ませて寝かせてあるからと、誘うのだが、役人は青年の実の姿を見いだして、感動、美しい娘なのだ、全てがお芝居、こうして翌日、一座の幕が上がる、役人たちとその夫人たち、誰もが危うさの中に、既に、屋敷の妻も役人も、夫婦仲は怪しい、娘は死して、妻は以来孤独に、ならば、その夫も不安の中に、だから、妻は男を誘い、夫は妻を探る、市長ばかりは、何も不安が無いか、気楽に笑い、小馬鹿にしている、が、その妻が招かれて、語り出す、芝居か、一座の主人公の男の誘いに捕らわれたか、何でも語ってしまう、市長の愚かしい現実、溜まらず、沈黙するしか無い市長、余りにだらしない生活、妻は語り終えて、何を今云ったかしらと、この一座を利用して詰ったのだとも、ついふらふらと語らされたのだとも、一人先に去って行く、心地よさそうに、項垂れる市長、しかも主人公の男には策略が、倒れて、死したと見せかけるのだ、棺の中、皆の驚き、屋根裏の棺、主人公らは死した役者の死体と入れ替える、医師の診断、確かに死している、そんな屋根裏に、主人公が、医師の後ろに、横に、幽霊か、影、鏡の中、医師を取り巻いて現れる、困惑の医師、まさか、彼の科学、理性を翻弄する姿、閉じられた世界の中、光、影、階段、屋根裏、不気味、翻弄されて、真実が明らかに、全てはお芝居と判明したか、追い立てられる一座の者たち、しかし、既に、役人も市長も医師も見事に弄ばれて、語り出す主人公、話せるのだ、どこまでが芝居、旅の準備、だが、ボスはこの使用人の夫人に恋してここに残ると、老婆も共に、馬車に乗り込む主人公の男と青年だった娘、御者、どこに、当てない、しかし、娘の一人が私も行くのたと、御者に惹かれたか、何を夢見たか、馬車に乗り込んで、そこに国王からの知らせが、皆の前で読み上げられる、国王からの手紙、一座を招くことに成ったのだと、招きの馬車と共に、主人公の男らを乗せた馬車が街を、路地を走り去る、主人公は近代の最中に、この狭間に、科学では理性では解決しない、かといって魔術でも無い、魂、肉体、生活、現実、そんな間を演じた、見せつけた、映画もまた、近代の遊びの一つ、可能性であろうか、近代という理解を撃つ何ものか、さて、国王は国家は、主人公らをどう捉える、さて、あの死体の場で、医師が見たのは、私たちにも見えた男ばかりでは無いのでは、その他にも、多様な幽霊を、間を、光を影を見たのでは無かったか、あの娘の部屋に、誰を見た、何を見た、あそこに見られた姿もまた幻想かもしれない、市長も妻に見透かされて、戯れはどこに、一座に、国家に、全ては三文芝居の中に、見せて、見せられて、揺らぎの中に、中から、何を見る、聞く、可能性の映画とは、始まりの映画とは、この映画の先にまでも、