ⅩⅩⅩⅩⅩⅩⅩⅩⅡ「ウィリーが凱旋するとき」
平穏な、アメリカの田舎町、何事も無く、長閑な一日、そこに日本軍の急襲のニュースが、かくて、若者たちはこぞって志願に駆けつける、一番乗りは主人公の青年、父もまた退役軍人、英雄気取りの老人、一番乗りの若者が市長ら街のボスと父と共に写真に、新聞記事に、かくて兵役に、隣のガールフレンドとも別れ、母と父とも別れ、列車に乗り込んでいく、戦争に出ていくというのに、何処かハイキング気分で、だが、これがアメリカの現実だったかも知れないのだが、ベトナムの始まりもこんな様子ではなかったか、飛行機乗り、なんとも、酷い操縦、格納庫を突っ走り、木々の間を走って翼を折り、上官を踏みつけにして、飛行機は炎上、だが、射撃は素晴らしい、演習が終わり、かくて最前線に、が、なんと、やって来たのは己の故郷、此処にもまた軍の基地が出来ていた、街では、英雄を迎えるごとき歓迎、歌い、ガールフレンドと踊る、同僚たちの皮肉、そうはいっても、何時最前線に、誇りと共に不安な主人公、家族、恋人、街の人々、だが、一向に主人公は旅立たない、この基地での教官としての任務ばかり、他のものたちが次々に、出ていくのに、ガールフレンドの幼い弟までも、最前線に、次第に、街の人々も、冷たい視線で、弱虫呼ばわり、父も苛立ち、怒り、母はそれでも息子が何時までも一緒に居るのだから、嬉しくて、ガールフレンドも次第に、別れのロマンから遠く離れて、居るのが当たり前の前の状態に、上へ、上へと上官に頼み込むが、一向に動きは無い、位は上がるが、何の実績も無い、それでいて、教官と云えども、最前線ではないと云えども、飛行機は落ちる、炎上する、しかし、街の人々はそんな事は理解しない、帰還したガールフレンドの弟、今や彼が英雄、宴、主人公は何処か仲間外れ、父親もまた、己の過去を語り、お前の話は実践では無いと素っ気ない、悲しみの主人公、更に上官に頼み込んでも如何とも、そこに、狙撃手が一人欠員、直ぐに飛行機を飛ばさなくては、こうして主人公が遂に最前線に、皆も、初めは信じない、やっと気付いて、周章てて出向く主人公は玄関のドアに頭をぶつける、これまでも、宴では邪魔者扱いで、子犬にも追い掛けられて、二度までも、飛行機に、乗り込み、飛び立つ、天候不順で目的地に向かえない、しかも、燃料が無い、他に降りる場所も無い、人員を死なせられないと、飛行機を捨てろとの命令、仕方なしに受け入れる操縦士、各員に連絡、だが、つかれて眠ってしまった主人公は、曖昧に返事、皆はパラシュートで脱出、一人残って気付いたときには、誰も、急いでパラシュートで落下、だが、敵地の中、大木にぶら下がり、民兵に捕まり連れ行かれる、ボスは美しい娘、笑みの主人公、彼等の尋問、アメリカ兵かどうか調べられて、クイズのごとき、アメリカ兵と判って、彼等の命令に従うことに、民兵らは、ドイツのロケット弾の発射の撮影に成功、新兵器なのだろう、この秘密情報をアメリカに連合軍に届けなくては、こうしてこの美しい娘と結婚式を挙げ、ドイツ兵を誤魔化して、主人公はその撮影フィルムをロンドンに、港からボートに、娘との別れ、ドイツ軍の相次ぐ爆撃、結婚式以来、誤魔化しのために酒を飲まされて、ボートでも、ボートから、バイクの疾走、やっと辿りついたロンドンの基地、将軍にまでも報告、次々に、上へ報告、その度に飲まされて、眠らされずに、今度は飛行機でアメリカに、またしても報告、飲まされて、やっとの事で、眠りのために病院に送られて、しかし、疑われたか、精神科に、溜まらずに、逃げ出して故郷に戻るのだ、ガールフレンド、両親、脱走したと思われて、真実を語っても誰も理解しない、そこに軍の人々が、捕まるのかと皆は不安、だが、主人公は真の英雄と判明するのだが、果たして、英雄とは、凱旋した人々の語りとは、怪しいのだ、主人公は翻弄されたばかりで、何もしていない、結果として英雄に、だから、最前線を気取って語る事の怪しさ、そんな絵に描いた英雄など何処にも居ないのだ、志願一番の写真同様に、何処か錯覚して、皆が戦争に酔いしれて、最前線は、そんなロマンなど何も無い、滑稽な愚かしい地獄なのだ、戦術も、戦略も、物量で勝ったばかりなのだ、アメリカも、かくて、英雄は、飛行機で、招かれた、タラップに、ドアが急に閉まって、物音が、きっと、顔を打ち付けたに違いない、お仕置きの如くに、何処までも、英雄とは思えない、愚かしい青年、戦争や、英雄に熱狂する、人々に対する揶揄なのだ、そう、だから、ラストの飛行機は、何処に辿りつくのか、また大きな馬鹿らしい巡りに連れ行かれるのかも知れない、いったい、誰の為、なんのため、若者たちは、振り回される、不毛なる空回りでしか無いのだ、何処までも、
平穏な、アメリカの田舎町、何事も無く、長閑な一日、そこに日本軍の急襲のニュースが、かくて、若者たちはこぞって志願に駆けつける、一番乗りは主人公の青年、父もまた退役軍人、英雄気取りの老人、一番乗りの若者が市長ら街のボスと父と共に写真に、新聞記事に、かくて兵役に、隣のガールフレンドとも別れ、母と父とも別れ、列車に乗り込んでいく、戦争に出ていくというのに、何処かハイキング気分で、だが、これがアメリカの現実だったかも知れないのだが、ベトナムの始まりもこんな様子ではなかったか、飛行機乗り、なんとも、酷い操縦、格納庫を突っ走り、木々の間を走って翼を折り、上官を踏みつけにして、飛行機は炎上、だが、射撃は素晴らしい、演習が終わり、かくて最前線に、が、なんと、やって来たのは己の故郷、此処にもまた軍の基地が出来ていた、街では、英雄を迎えるごとき歓迎、歌い、ガールフレンドと踊る、同僚たちの皮肉、そうはいっても、何時最前線に、誇りと共に不安な主人公、家族、恋人、街の人々、だが、一向に主人公は旅立たない、この基地での教官としての任務ばかり、他のものたちが次々に、出ていくのに、ガールフレンドの幼い弟までも、最前線に、次第に、街の人々も、冷たい視線で、弱虫呼ばわり、父も苛立ち、怒り、母はそれでも息子が何時までも一緒に居るのだから、嬉しくて、ガールフレンドも次第に、別れのロマンから遠く離れて、居るのが当たり前の前の状態に、上へ、上へと上官に頼み込むが、一向に動きは無い、位は上がるが、何の実績も無い、それでいて、教官と云えども、最前線ではないと云えども、飛行機は落ちる、炎上する、しかし、街の人々はそんな事は理解しない、帰還したガールフレンドの弟、今や彼が英雄、宴、主人公は何処か仲間外れ、父親もまた、己の過去を語り、お前の話は実践では無いと素っ気ない、悲しみの主人公、更に上官に頼み込んでも如何とも、そこに、狙撃手が一人欠員、直ぐに飛行機を飛ばさなくては、こうして主人公が遂に最前線に、皆も、初めは信じない、やっと気付いて、周章てて出向く主人公は玄関のドアに頭をぶつける、これまでも、宴では邪魔者扱いで、子犬にも追い掛けられて、二度までも、飛行機に、乗り込み、飛び立つ、天候不順で目的地に向かえない、しかも、燃料が無い、他に降りる場所も無い、人員を死なせられないと、飛行機を捨てろとの命令、仕方なしに受け入れる操縦士、各員に連絡、だが、つかれて眠ってしまった主人公は、曖昧に返事、皆はパラシュートで脱出、一人残って気付いたときには、誰も、急いでパラシュートで落下、だが、敵地の中、大木にぶら下がり、民兵に捕まり連れ行かれる、ボスは美しい娘、笑みの主人公、彼等の尋問、アメリカ兵かどうか調べられて、クイズのごとき、アメリカ兵と判って、彼等の命令に従うことに、民兵らは、ドイツのロケット弾の発射の撮影に成功、新兵器なのだろう、この秘密情報をアメリカに連合軍に届けなくては、こうしてこの美しい娘と結婚式を挙げ、ドイツ兵を誤魔化して、主人公はその撮影フィルムをロンドンに、港からボートに、娘との別れ、ドイツ軍の相次ぐ爆撃、結婚式以来、誤魔化しのために酒を飲まされて、ボートでも、ボートから、バイクの疾走、やっと辿りついたロンドンの基地、将軍にまでも報告、次々に、上へ報告、その度に飲まされて、眠らされずに、今度は飛行機でアメリカに、またしても報告、飲まされて、やっとの事で、眠りのために病院に送られて、しかし、疑われたか、精神科に、溜まらずに、逃げ出して故郷に戻るのだ、ガールフレンド、両親、脱走したと思われて、真実を語っても誰も理解しない、そこに軍の人々が、捕まるのかと皆は不安、だが、主人公は真の英雄と判明するのだが、果たして、英雄とは、凱旋した人々の語りとは、怪しいのだ、主人公は翻弄されたばかりで、何もしていない、結果として英雄に、だから、最前線を気取って語る事の怪しさ、そんな絵に描いた英雄など何処にも居ないのだ、志願一番の写真同様に、何処か錯覚して、皆が戦争に酔いしれて、最前線は、そんなロマンなど何も無い、滑稽な愚かしい地獄なのだ、戦術も、戦略も、物量で勝ったばかりなのだ、アメリカも、かくて、英雄は、飛行機で、招かれた、タラップに、ドアが急に閉まって、物音が、きっと、顔を打ち付けたに違いない、お仕置きの如くに、何処までも、英雄とは思えない、愚かしい青年、戦争や、英雄に熱狂する、人々に対する揶揄なのだ、そう、だから、ラストの飛行機は、何処に辿りつくのか、また大きな馬鹿らしい巡りに連れ行かれるのかも知れない、いったい、誰の為、なんのため、若者たちは、振り回される、不毛なる空回りでしか無いのだ、何処までも、