ⅭⅩⅩ「WANDAワンダ」1970を見る聴く、
炭鉱町、窓の外、朝から、トラクターが、重機が蠢く、母は孫を抱えて、男たちは仕事に、一人、ソファに横に成ったままの主人公、母も呆れて、起きだす主人公、炭鉱の現場、岩場の世界、荒れた土地、一人、主人公が白い衣装で歩いていく、ロング、どこに、一人、炭鉱の排石山で石炭を拾う老人、この老人に、金をせびる主人公、全く冴えない、暮らし、夜の女、金の工面にこんな老人許に、他には誰もいないのか、老人は、何時ものこととばかり、有るだけの金を差し出して、あまりないと、今や、こんな老人しか、相手にしてくれないままに、裁判所、夫は新しい妻が、結婚を夢見て、やってきた、主人公との離婚が成立すれば全て解決、主人公の子どもの面倒を見るものも出来るのだから、金を借りに出向いたから、あのロングの廃墟の世界を娘一人、どこまでも、歩いていた、子供のことを気にかけない主人公に、裁判官も、あきれ顔、カフェ、ビール、そこにビジネスマン風の男が、ここは俺が払うとばかり、こうして二人はホテルに、いつもこんな生活を送って来たか、朝、男は着替えてさっさと出ていこうと、ホテルの払いを逃れようとしていたか、主人公が起きる前に、一晩遊んでとんずら、物音に気付いて起きだして、男を追う主人公、車に乗り込む、走り出す車、屋台の前、男は車を止めて、買い物に主人公が降り立つ隙に、車は走り去る、結局、言いように弄ばれて、深夜、どこの店も開いていない、一軒のバー、入り込んで、トイレだと、店に居た男は困惑、やっと外に出てきた主人公、カウンターの中では、男が倒れている、ビジネスマン風の男こそは強盗、殺し屋、中を覗かれないように、ビールを出して、カウンターのチップを食べ、飲む主人公、男はレジを強引に開けて札を手にする、やはり強盗、車に、ホテルに、ベッドに、声をかける主人公に、苛立ちの男、腹が減った買い物して来いと、殴られて、叩かれて、外に、窓から覗く男、道行く男と語らう主人公、何をしているのだ、主人公が戻って来た、ネギなしのハンバーグの筈が、怒りの男、ネギを取りだす主人公、男の云ったところの店は開いていなかったと、だから、聴いて買ってきたと、だから遅れたと、食べる主人公、男は小汚いパンに嫌気、それでも、結局、引き続き二人は車に、奪った金で、衣装を買い、小奇麗な主人公、美しいのだ、花嫁衣裳のごとく、男の父親の待つ、待ち合わせ場所、抱き合う男と父親、何をしているのだと、男の怪しさを知っている父親、金を差し出すが、全うな仕事を知ろと父親、別れ、男はまた来週と、何か手を考えているのか、こうして、強盗の算段、準備、聞き入る主人公、だが、全く理解しないままに、叱られて、それでも、実行に、海辺のお屋敷、銀行の頭取の屋敷、海で泳ぐ姉妹、お屋敷の姉妹、お屋敷の中に二人は這入込み、頭取を銃で脅し、だが頭取が反抗、主人公は強引にこの取っ組み合いに入り込んで、頭取を倒して、どうにか、男は助かった、頭取の妻は見つめるばかり、そこに姉妹が戻って、ソファに縛り付け、時限爆弾の用意、時間までに戻ると、頭取一人を車に、良くやったと、いい子だと、褒められた主人公、初めてのことではないか、笑みの主人公、こうして銀行に向かう、男と頭取、後から追う主人公の車、だが、同時に銀行に着くはずが、右折車線で右に曲がり、ユーターン、警察官が、信号無視で、取り調べ、車は止められて、免許も持っていない、男らの車は店に着いてしまう、時間通りに、銀行の中、銃を突き付けて、スタッフを脅し、金庫の前に、空けられていく金庫、だが、時間外で空けられると警報が、銀行内では鳴らないが、警察に警報が、直ぐに警察隊が車を走らせて、何も知らない男、金庫を開け、札束を鞄に、そこに警察隊が殺到身動きできないままに、撃たれて、やっと現れた主人公、唯一の、冴えない相棒が、撃たれて、死した、涙顔で、見つめるばかり、同伴とも言えずに、見つめるばかり、悲しみの顔、一人、今度は、警備員に連れられて、車は郊外の草原に、車を止め、抱き着く男、相棒の死した後に、抱かれて、溜らない、悲しみ、叫び、逃れて、林の中、お屋敷前、夜、何時もの立ちんぼう、バーの女が、誘う、カフェの中、ビールと、料理、タバコ、飲み、タバコを吹かす主人公の顔、姿、もやの中、荒れた画像の中の、主人公のストップモーション、悲しみの、叫び、他にどうすれば、これが、戦後の復興した、先進国の女たちの現実、何所が、民主主義だ、どこが、男女平等だ、何も、解決していない、男の傲慢世界のままに、ワンダの顔たちが、どこまでも、見つめている、叫んでいる、泣いている、泣きぬれている、そして、今や、遅れて近代化を遂げている国々もまた、同じ現実が、廃墟の中を一人歩く主人公の姿に象徴されて、そして、ラストの、痛ましさ、今日もまた、誰かに誘われ、抱かれるのだ、