兄の第一子は両親にとっても初孫だった。
バブルが弾けて大手の不動産屋から転職、損保の代理店業を目指して研修中の兄。
代理店資格を取得する為の試験中に子供が生まれた。
人生を賭けた大事な試験に影響しないように黙っていた兄嫁・・・
陣痛が始まり、破水しながらもタクシーを拾うために痛みをこらえて歩いた。
携帯電話が普及する以前の14年前のお話です。
父、私、妹の3人がいつでも迎えに行けるように準備をしていた。
近所にも親戚がいっぱい住んでいるからなんとでもなったのに。
頼りのみんなは祖母の葬儀の最中で、火葬場に全員集合してたもの。
納骨を済ませ、初七日も済ませる横着な一族は本家に戻った。
1本の電話が鳴り、無事に男の子が生まれたとの連絡が入った。
たった今まで神妙な顔をしていた一同の表情が明るくなった!
短気だけど思い立ったらすぐに行動に移す江戸川っ子の集まりです。
元気のいい伯父さんが
「よし、みんなで赤ちゃんを見に行くぞ!」
「そうだ、さっきのマイクロバスを呼んでみんなで行こうや!」
「正にばあちゃんの生まれ変わりで目出度い目出度い」
私もその気になっており
「山形のみなさん(父方の親族)にも見てもらえれば良いみやげにもなるしね!」
みんな浮かれておりました。
一人だけ冷静だった伯母さんが怒りだして話を遮る。
「ちょっとちょっと、こんな恰好で行けるわけ無いでしょ!それにパパが未だ自分の子供に対面する前に失礼でしょ!ったく・・・」
一同はシュンとして、また元の葬儀にふさわしい神妙な面持ちに戻った。
バブルが弾けて大手の不動産屋から転職、損保の代理店業を目指して研修中の兄。
代理店資格を取得する為の試験中に子供が生まれた。
人生を賭けた大事な試験に影響しないように黙っていた兄嫁・・・
陣痛が始まり、破水しながらもタクシーを拾うために痛みをこらえて歩いた。
携帯電話が普及する以前の14年前のお話です。
父、私、妹の3人がいつでも迎えに行けるように準備をしていた。
近所にも親戚がいっぱい住んでいるからなんとでもなったのに。
頼りのみんなは祖母の葬儀の最中で、火葬場に全員集合してたもの。
納骨を済ませ、初七日も済ませる横着な一族は本家に戻った。
1本の電話が鳴り、無事に男の子が生まれたとの連絡が入った。
たった今まで神妙な顔をしていた一同の表情が明るくなった!
短気だけど思い立ったらすぐに行動に移す江戸川っ子の集まりです。
元気のいい伯父さんが
「よし、みんなで赤ちゃんを見に行くぞ!」
「そうだ、さっきのマイクロバスを呼んでみんなで行こうや!」
「正にばあちゃんの生まれ変わりで目出度い目出度い」
私もその気になっており
「山形のみなさん(父方の親族)にも見てもらえれば良いみやげにもなるしね!」
みんな浮かれておりました。
一人だけ冷静だった伯母さんが怒りだして話を遮る。
「ちょっとちょっと、こんな恰好で行けるわけ無いでしょ!それにパパが未だ自分の子供に対面する前に失礼でしょ!ったく・・・」
一同はシュンとして、また元の葬儀にふさわしい神妙な面持ちに戻った。