こぶた部屋の住人

訪問看護師で、妻で、母で、嫁です。
在宅緩和ケアのお話や、日々のあれこれを書き留めます。
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「死にたい」という望み

2009-09-09 22:57:38 | 訪問看護、緩和ケア
「死にたい」
時折、その言葉を聞きます。
でも、「死にたい」という言葉もなく、突然死を選ぼうとすることもあるのです。

「死にたい。」
でも、本当は「生きたい」の裏返しであることも多いのです。

本当に「死にたい」と思う人は、何も語らずそっと行動に移してしまう・・・

運よくその時は助かっても、心はここにはありません。
無表情に、見開かれた目に何が映っているのか・・・

私達はなすすべがなく、かける言葉もなく、その手を握りしめるしかないのでしょうか・・

今ここで、命が助かっても、近い将来本当の別れが来る。
苦しい、辛い治療に疲れ果て、心もくだけ散ってしまった人に、いったい何が言えるのでしょうか?
頑張れなんて、言えない。
もう充分頑張ってきたじゃないですか。

けれど、
最後まで生きようと、生を全うしようとされる方もいる。

だからと言って、頑張れる人が強くて、頑張れない人がだめなわけじゃない。

わかりません。私たちの手は、いったい何をすればいいのか。

でも、私は思います。
命は、自分で終わらせるものではないと・・・

自然のなかで、
人も動物も、生きとし生けるものすべて、自然の流れの中でその時が来るのを、待たなければいけないのだと思います。

時に、残酷なまでに苛め、傷めつけ、病魔に蝕まれることもあります。

それでも、自分で断ってはいけない。

苦しみを取るために、薬の力を借りることで、その時間が短くなったとしたら、それは天命。

割り切れないことばかりです。
どうにもならない事ばかりです。

何もできないのが、何より悔しい。